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患者様保管甚
甲状腺癌

説

明

・

同

意

1

2004 幎 7 月版

曞

私は、患者
殿に察する䞋蚘の病状、
手術の必芁性、
危険性及び合䜵症・埌遺症などに぀いお埡本人・埡家族・理解補助者に説明いた
したした。
手術の名称

甲状腺党摘術、䞡偎頚郚リンパ節郭枅術
〔説明の内容〕
病名ず病気の珟状
病名

甲状腺癌

病状

甲状腺内に悪性腫瘍が生じおいる。

この手術を行わなかった堎合にはどのような予埌ずなるか
甲状腺癌を攟眮した堎合、原発巣甲状腺の癌そのものが増倧しお、隣接する
気管、食道に浞最しお、喀血、呌吞困難、嚥䞋困難に至るこずがありたす。たた、
肺、骚、脳などに転移を来し、最終的には生呜の危険を生じたす。
この手術の内容
手術は党身麻酔で行いたす。
麻酔の詳现は麻
酔医よりお話ししたす。頞郚に鎖骚より 1cm
ほど䞊に 7 ないし 15cm 皋床の皮膚を切開し
図 1甲状腺党郚を切陀したす。たた甲状腺
呚蟺のリンパ節を切陀したす頞郚リンパ節
郭枅ずいいたす
。病気の進行皋床によっおは
広い範囲のリンパ節を郭枅する堎合もありた
す。皮膚を切開した傷は糞が衚面に出ないよ
うな瞫い方をしお閉じたす。䜿う糞は原則ず
しお溶ける糞を䜿甚したす。広い範囲のリン
パ節郭枅を斜行した堎合は、䞭に貯たるリン
パ液などを䜓倖に排出するためドレヌンずい
う軟らかい管を入れたす。手術時間は通垞 4
時間前埌ですが、
広い範囲のリンパ節郭枅を斜行する堎合は 6 時間皋床必芁です。
予想出血量は 400ml 皋床です。入院期間は術埌 1 週間皋床です。茞血は予定しお
いたせんが、
突発的な倧出血が起こった堎合には茞血をせざるを埗ない堎合も生じ
患者様保管甚
甲状腺癌

2

2004 幎 7 月版

たす。
危険性
思いがけない理由で手術䞭に倧量出血するこずがあり茞血が必芁になる堎合が
ありたす。
手術を終える際には止血は確実にしたすが、
そのずきは出血しおいなか
ったものの傷を閉じお病宀に垰ったあずから出血する堎合もありたす
埌出血ず呌
びたす
。埌出血の皋床がひどければ再床党身麻酔をかけ傷をもう䞀床開き止血術
をおこなわなければいけないこずがありたす。
手術した郚䜍に感染がおこり排膿な
どの凊眮を芁するこずがありたす。
これらはすべおをあわせおも数%以䞋のきわめ
お可胜性の䜎いものです。
この手術は充分準備しお取りかかればきわめお安党に行え、
呜に関わるような危
険性は無いず蚀っおいいず思われたす。
䞇が䞀、
重倧な問題が生じた堎合は適切な
察応を取りたす。
他の方法ずの比范利点、欠点

甲状腺癌に察しお有効な抗癌剀は珟圚のずころありたせん。
攟射線治療には倖か
ら攟射線を圓おる倖照射ず、
攟射性ペヌドを服甚する内照射がありたす。
倖照射は
手術に比范しお効果は劣るので、
通垞は手術で切陀しきれなかった堎合などに限定
されたす。
内照射は甲状腺党摘埌に癌の遺残のおそれがある堎合や、
遠隔転移があ
る堎合に限られたす。
手術法にはここで瀺しおある甲状腺党摘の他に、
癌を含む甲
状腺の片偎ず反察偎の甲状腺の半分皋床を切陀する亜党摘がありたす。
亜党摘法の
利点ずしおは、
埌で述べる合䜵症の頻床が䞋がる可胜性があるこず、
甲状腺を残す
ので甲状腺ホルモンを術埌補充しなくおもよい堎合があるこずです。
しかし欠点ず
しおは、
局所再発の頻床が高くなるこず、
内照射治療が必芁ずなったずきは残した
甲状腺を再床切陀しなければいけないこずなどがあげられたす。
甲状腺党摘をした
堎合、
終生にわたり甲状腺ホルモンの補充が必芁ずなりたす。
甲状腺ホルモンは安
䟡な内服薬で必芁量は比范的䞀定しおおり、
いったん服甚量が決たればそれほど頻
繁な怜査は必芁ありたせん。
その他
広い範囲のリンパ節郭枅をするのは次の条件のうちいずれかを満たす堎合です。
甲状腺癌が 4cm 以䞊ある堎合、術前から転移リンパ節を觊知たたは怜査で指摘さ
れおいる堎合、甲状腺癌が呚蟺の臓噚に浞最しおいる堎合です。
手術埌しばらくは氎を飲むずきにむせやすいこずがありたす。
氎を飲むずきには
のどがずけが䞊ぞ動いお気管の入り口がうたく閉じるような仕組みになっおいた
すが、
手術の圱響でのどがずけが動きにくくなりたす。
座っおあごを少しひくよう
な前かがみの姿勢が氎をむせずに飲むコツです。
あわおないでゆっくりず飲み蟌む
こずも倧切です。
患者様保管甚
甲状腺癌

3

2004 幎 7 月版

合䜵症に関しお
反回神経麻痺
甲状腺は気管に貌り付くように接しおいたす
図 2
。気管の䞡偎壁には反回神経ずいう神経
が本ず぀䞊䞋に走っおいたす。これは声垯ず
いう気管の入口に巊右枚ず぀ある膜を動かし
おいる神経です。反回神経の麻痺が発生するず
声垯が気管の入り口を塞ぐかたちで動かなくな
り、声がかすれる「嗄声させい
」や食べ物が
気管に入る「誀嚥ごえん
」を起こしたす。神
経麻痺の原因ずしおは、甲状腺を切陀する際に
神経を圧迫や牜匕するこずによる障害神経は
切れおいないが䞀時的に麻痺するず、切断に
よるものがありたす。たた癌が神経たで浞最し
おいお䞀緒に切陀が必芁な堎合もありたす。䞡
偎の反回神経を損傷した堎合は声が出なくなり、
か぀気管の入り口が完党に閉じおしたうので息
の出入りができず窒息ずいった重倧な合䜵症をきたしたす。
この堎合気管切開術ず
いっお喉に穎をあけおチュヌブを挿入し空気の通り道を぀くらなければなりたせ
ん。
われわれこの領域を扱う倖科医はこの神経がどのあたりを走行しおいるかきち
んず把握しおおりたすが腫倧した甲状腺がこの神経ず癒着しおいおそこをはがす
際にダメヌゞを䞎える可胜性はたったくれロではありたせん。
手術操䜜による䞀時
的な神経麻痺は数週間から数ヶ月をかけゆっくり回埩するこずが倚いです。
しかし
手術䞭に切断たたは切陀した堎合は神経そのものの再生は䞍可胜です。
氞久麻痺の
堎合でも片方だけの反回神経麻痺の堎合は、
反察偎が次第に代償的に働くようにな
りあたり埌遺症は残りたせん。
氞久性の反回神経麻痺の発生頻床は、
甲状腺の手術
に習熟した倖科医の堎合では数以䞋でしかおこらないず報告されおいたす。
圓科
では最近 5 幎間に行った甲状腺癌の手術で、術前から反回神経麻痺のない患者さ
んの手術で手術により氞久性反回神経麻痺をきたした患者さんはありたせん。
副甲状腺機胜䜎䞋症
甲状腺の䞊䞋巊右には合蚈 4 個の副甲状腺䞊皮小䜓
図 2があり、䜓内の
カルシりムを調節しおいたす。
副甲状腺機胜は枩存するよう工倫したすが、
手術の
あずで䞀時的に機胜䜎䞋ずなり、
手足・唇のたわりなどがしびれる症状が出おくる
こずがありたす。
この堎合カルシりム補充のため数日から数週間カルシりムの点滎
やカルシりム剀ずビタミン D 剀の服甚を行いたす。たれに氞久的な副甲状腺機胜
䜎䞋症になるこずがありたすが、その堎合はカルシりム剀かビタミン D 剀、たた
はそれら䞡方の内服が必芁です。圓科での最近 5 幎間に行った甲状腺癌の手術で
氞久性副甲状腺機胜䜎䞋症の頻床は 1.6%でした。
乳糜挏にゅうびろう
リンパ節郭枅を広い範囲でおこなった堎合に起こり埗るものです。乳糜にゅ
うびは小腞で吞収された脂肪がずけ蟌んだリンパ液のこずです。芋た目がミル
患者様保管甚
甲状腺癌

4

2004 幎 7 月版

クのようなのでこのような名前が付いおいたす。この乳糜はリンパ管を通っお腹
郚から、胞の䞭を䞊がり鎖骚の䞊あたりで、頭からず腕から戻る静脈が合流する
ずころで静脈に流入したす。リンパ節切陀がこの蟺りに及ぶ堎合、このリンパ管
を損傷するこずがありたす。リンパ管は食事をしおいないずきは现くなっおいる
ので手術䞭には損傷したこずがわからないこずがありたす。術埌食事を始めおド
レヌンずいう管の䞭に乳糜が挏れおきた堎合はリンパ管に傷があるず考えられた
す。少量しか挏れおこない堎合は乳補品を食べないこずで、挏れが少し倚くおも
しばらく絶食でがたんしおいただくこずにより、挏れは自然に止たっおしたいた
すが、
倚量に出おくる堎合は、
再床挏れおいる堎所を瞫い閉じる必芁がありたす。
このような状況になるのは数幎に回あるかどうかです。
亀感神経幹損傷
亀感神経幹は総頚動脈ずいう脳に血液を送っおいる血管の背面にある神経です。
この神経を損傷するず、そちら偎のたぶたが䞋がり気味になりたす。
ホルネル城
候ずいいたす。
これも発生頻床ずしおはたれです。
暪隔神経損傷
リンパ節郭枅を広い範囲でおこなった堎合に起こりうるものです。
暪隔神経は
暪隔膜を動かす神経で、この神経を損傷するず、そちら偎の暪隔膜がたるんでし
たいたす。しかし自芚症状が出るこずはたれで、胞郚レントゲンを撮圱しお初め
お気が付かれるくらいで、
肺掻量が少し䜎䞋したすがほずんどの堎合日垞生掻に
支障をきたしたせん。この発生頻床も非垞に皀です。
術埌に関しお
甲状腺ホルモン補剀の内服に぀いお
術埌週目より甲状腺ホルモン
チラヌゞン
の服甚を開始しおいただきたす。
必芁量は䜓栌、
幎霢などで倉化したす。
血液怜査の結果により内服量を増枛したす。
痛みに関しお
この手術では術埌数回皋床鎮痛剀を䜿甚するこずが倚いです。
長期にわたっお痛
みに悩たされるこずは無いず思われたす。
退院埌の経過芳察に぀いお
退院埌は日垞生掻になるべく早く埩垰しおいただきたす。
食事制限は特にありた
せん。
倖来での経過芳察は退院埌週目ぐらいに回目の倖来、
その埌ヶ月埌ぐ
らいに来院しおいただく事になりたす。
その埌はヶ月毎皋床の来院間隔ずなりた
す。
倖来では再発城候をチェックするずずもに、
服甚しおいる甲状腺ホルモン補剀
の量のチェックをおこないたす。
玹介しおいただいた医療機関に戻っおもらうこず
も可胜です。
説明にあたった医垫

名叀屋倧孊医孊郚附属病院 乳腺・内分泌倖科

医垫

印
幎

月

日
患者様保管甚
甲状腺癌

2004 幎 7 月版

名叀屋倧孊医孊郚附属病院 病院長殿

私は、
医垫から、甲状腺党摘術、䞡偎頚郚リンパ節郭枅術
に぀いお、蚘茉されたいずれの事項に぀いおも説明を受けるずずもに、質問する機䌚
をえたした。この説明により、自分の病状、手術が必芁な理由、予定されおいる方法
ずこれに䌎う危険、おこりうる合䜵症および埌遺症などを、十分に考慮、盞談の䞊、
以䞋の方法を遞択するこずにしたした。
 よく理解できたしたので、手術を受けるこずに同意したす。たた、術䞭に必芁が
生じた堎合、それに察する凊眮に぀いおも䜵せお同意したす。
 今回は手術を芋合わせたす。
 セカンドオピニオンなど他の斜蚭の玹介を垌望したす。
幎
患者氏名

月

日
印

芪族又は理解補助者配偶者、子、芪、兄匟、姉効、その他の芪族、保護矩務者、法
定代理人が蚘入捺印する
氏名

印

続柄



氏名

印

続柄



名叀屋倧孊医孊郚附属病院 乳腺・内分泌倖科
説明にあたった医垫

蚺療科長

印

今井 垞倫

印

5

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資料 前回の産業廃棄物技術怜蚎䌚における指摘事項ず察応状況
 
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  • 1. 患者様保管甚 甲状腺癌 説 明 ・ 同 意 1 2004 幎 7 月版 曞 私は、患者 殿に察する䞋蚘の病状、 手術の必芁性、 危険性及び合䜵症・埌遺症などに぀いお埡本人・埡家族・理解補助者に説明いた したした。 手術の名称 甲状腺党摘術、䞡偎頚郚リンパ節郭枅術 〔説明の内容〕 病名ず病気の珟状 病名 甲状腺癌 病状 甲状腺内に悪性腫瘍が生じおいる。 この手術を行わなかった堎合にはどのような予埌ずなるか 甲状腺癌を攟眮した堎合、原発巣甲状腺の癌そのものが増倧しお、隣接する 気管、食道に浞最しお、喀血、呌吞困難、嚥䞋困難に至るこずがありたす。たた、 肺、骚、脳などに転移を来し、最終的には生呜の危険を生じたす。 この手術の内容 手術は党身麻酔で行いたす。 麻酔の詳现は麻 酔医よりお話ししたす。頞郚に鎖骚より 1cm ほど䞊に 7 ないし 15cm 皋床の皮膚を切開し 図 1甲状腺党郚を切陀したす。たた甲状腺 呚蟺のリンパ節を切陀したす頞郚リンパ節 郭枅ずいいたす 。病気の進行皋床によっおは 広い範囲のリンパ節を郭枅する堎合もありた す。皮膚を切開した傷は糞が衚面に出ないよ うな瞫い方をしお閉じたす。䜿う糞は原則ず しお溶ける糞を䜿甚したす。広い範囲のリン パ節郭枅を斜行した堎合は、䞭に貯たるリン パ液などを䜓倖に排出するためドレヌンずい う軟らかい管を入れたす。手術時間は通垞 4 時間前埌ですが、 広い範囲のリンパ節郭枅を斜行する堎合は 6 時間皋床必芁です。 予想出血量は 400ml 皋床です。入院期間は術埌 1 週間皋床です。茞血は予定しお いたせんが、 突発的な倧出血が起こった堎合には茞血をせざるを埗ない堎合も生じ
  • 2. 患者様保管甚 甲状腺癌 2 2004 幎 7 月版 たす。 危険性 思いがけない理由で手術䞭に倧量出血するこずがあり茞血が必芁になる堎合が ありたす。 手術を終える際には止血は確実にしたすが、 そのずきは出血しおいなか ったものの傷を閉じお病宀に垰ったあずから出血する堎合もありたす 埌出血ず呌 びたす 。埌出血の皋床がひどければ再床党身麻酔をかけ傷をもう䞀床開き止血術 をおこなわなければいけないこずがありたす。 手術した郚䜍に感染がおこり排膿な どの凊眮を芁するこずがありたす。 これらはすべおをあわせおも数%以䞋のきわめ お可胜性の䜎いものです。 この手術は充分準備しお取りかかればきわめお安党に行え、 呜に関わるような危 険性は無いず蚀っおいいず思われたす。 䞇が䞀、 重倧な問題が生じた堎合は適切な 察応を取りたす。 他の方法ずの比范利点、欠点  甲状腺癌に察しお有効な抗癌剀は珟圚のずころありたせん。 攟射線治療には倖か ら攟射線を圓おる倖照射ず、 攟射性ペヌドを服甚する内照射がありたす。 倖照射は 手術に比范しお効果は劣るので、 通垞は手術で切陀しきれなかった堎合などに限定 されたす。 内照射は甲状腺党摘埌に癌の遺残のおそれがある堎合や、 遠隔転移があ る堎合に限られたす。 手術法にはここで瀺しおある甲状腺党摘の他に、 癌を含む甲 状腺の片偎ず反察偎の甲状腺の半分皋床を切陀する亜党摘がありたす。 亜党摘法の 利点ずしおは、 埌で述べる合䜵症の頻床が䞋がる可胜性があるこず、 甲状腺を残す ので甲状腺ホルモンを術埌補充しなくおもよい堎合があるこずです。 しかし欠点ず しおは、 局所再発の頻床が高くなるこず、 内照射治療が必芁ずなったずきは残した 甲状腺を再床切陀しなければいけないこずなどがあげられたす。 甲状腺党摘をした 堎合、 終生にわたり甲状腺ホルモンの補充が必芁ずなりたす。 甲状腺ホルモンは安 䟡な内服薬で必芁量は比范的䞀定しおおり、 いったん服甚量が決たればそれほど頻 繁な怜査は必芁ありたせん。 その他 広い範囲のリンパ節郭枅をするのは次の条件のうちいずれかを満たす堎合です。 甲状腺癌が 4cm 以䞊ある堎合、術前から転移リンパ節を觊知たたは怜査で指摘さ れおいる堎合、甲状腺癌が呚蟺の臓噚に浞最しおいる堎合です。 手術埌しばらくは氎を飲むずきにむせやすいこずがありたす。 氎を飲むずきには のどがずけが䞊ぞ動いお気管の入り口がうたく閉じるような仕組みになっおいた すが、 手術の圱響でのどがずけが動きにくくなりたす。 座っおあごを少しひくよう な前かがみの姿勢が氎をむせずに飲むコツです。 あわおないでゆっくりず飲み蟌む こずも倧切です。
  • 3. 患者様保管甚 甲状腺癌 3 2004 幎 7 月版 合䜵症に関しお 反回神経麻痺 甲状腺は気管に貌り付くように接しおいたす 図 2 。気管の䞡偎壁には反回神経ずいう神経 が本ず぀䞊䞋に走っおいたす。これは声垯ず いう気管の入口に巊右枚ず぀ある膜を動かし おいる神経です。反回神経の麻痺が発生するず 声垯が気管の入り口を塞ぐかたちで動かなくな り、声がかすれる「嗄声させい 」や食べ物が 気管に入る「誀嚥ごえん 」を起こしたす。神 経麻痺の原因ずしおは、甲状腺を切陀する際に 神経を圧迫や牜匕するこずによる障害神経は 切れおいないが䞀時的に麻痺するず、切断に よるものがありたす。たた癌が神経たで浞最し おいお䞀緒に切陀が必芁な堎合もありたす。䞡 偎の反回神経を損傷した堎合は声が出なくなり、 か぀気管の入り口が完党に閉じおしたうので息 の出入りができず窒息ずいった重倧な合䜵症をきたしたす。 この堎合気管切開術ず いっお喉に穎をあけおチュヌブを挿入し空気の通り道を぀くらなければなりたせ ん。 われわれこの領域を扱う倖科医はこの神経がどのあたりを走行しおいるかきち んず把握しおおりたすが腫倧した甲状腺がこの神経ず癒着しおいおそこをはがす 際にダメヌゞを䞎える可胜性はたったくれロではありたせん。 手術操䜜による䞀時 的な神経麻痺は数週間から数ヶ月をかけゆっくり回埩するこずが倚いです。 しかし 手術䞭に切断たたは切陀した堎合は神経そのものの再生は䞍可胜です。 氞久麻痺の 堎合でも片方だけの反回神経麻痺の堎合は、 反察偎が次第に代償的に働くようにな りあたり埌遺症は残りたせん。 氞久性の反回神経麻痺の発生頻床は、 甲状腺の手術 に習熟した倖科医の堎合では数以䞋でしかおこらないず報告されおいたす。 圓科 では最近 5 幎間に行った甲状腺癌の手術で、術前から反回神経麻痺のない患者さ んの手術で手術により氞久性反回神経麻痺をきたした患者さんはありたせん。 副甲状腺機胜䜎䞋症 甲状腺の䞊䞋巊右には合蚈 4 個の副甲状腺䞊皮小䜓 図 2があり、䜓内の カルシりムを調節しおいたす。 副甲状腺機胜は枩存するよう工倫したすが、 手術の あずで䞀時的に機胜䜎䞋ずなり、 手足・唇のたわりなどがしびれる症状が出おくる こずがありたす。 この堎合カルシりム補充のため数日から数週間カルシりムの点滎 やカルシりム剀ずビタミン D 剀の服甚を行いたす。たれに氞久的な副甲状腺機胜 䜎䞋症になるこずがありたすが、その堎合はカルシりム剀かビタミン D 剀、たた はそれら䞡方の内服が必芁です。圓科での最近 5 幎間に行った甲状腺癌の手術で 氞久性副甲状腺機胜䜎䞋症の頻床は 1.6%でした。 乳糜挏にゅうびろう リンパ節郭枅を広い範囲でおこなった堎合に起こり埗るものです。乳糜にゅ うびは小腞で吞収された脂肪がずけ蟌んだリンパ液のこずです。芋た目がミル
  • 4. 患者様保管甚 甲状腺癌 4 2004 幎 7 月版 クのようなのでこのような名前が付いおいたす。この乳糜はリンパ管を通っお腹 郚から、胞の䞭を䞊がり鎖骚の䞊あたりで、頭からず腕から戻る静脈が合流する ずころで静脈に流入したす。リンパ節切陀がこの蟺りに及ぶ堎合、このリンパ管 を損傷するこずがありたす。リンパ管は食事をしおいないずきは现くなっおいる ので手術䞭には損傷したこずがわからないこずがありたす。術埌食事を始めおド レヌンずいう管の䞭に乳糜が挏れおきた堎合はリンパ管に傷があるず考えられた す。少量しか挏れおこない堎合は乳補品を食べないこずで、挏れが少し倚くおも しばらく絶食でがたんしおいただくこずにより、挏れは自然に止たっおしたいた すが、 倚量に出おくる堎合は、 再床挏れおいる堎所を瞫い閉じる必芁がありたす。 このような状況になるのは数幎に回あるかどうかです。 亀感神経幹損傷 亀感神経幹は総頚動脈ずいう脳に血液を送っおいる血管の背面にある神経です。 この神経を損傷するず、そちら偎のたぶたが䞋がり気味になりたす。 ホルネル城 候ずいいたす。 これも発生頻床ずしおはたれです。 暪隔神経損傷 リンパ節郭枅を広い範囲でおこなった堎合に起こりうるものです。 暪隔神経は 暪隔膜を動かす神経で、この神経を損傷するず、そちら偎の暪隔膜がたるんでし たいたす。しかし自芚症状が出るこずはたれで、胞郚レントゲンを撮圱しお初め お気が付かれるくらいで、 肺掻量が少し䜎䞋したすがほずんどの堎合日垞生掻に 支障をきたしたせん。この発生頻床も非垞に皀です。 術埌に関しお 甲状腺ホルモン補剀の内服に぀いお 術埌週目より甲状腺ホルモン チラヌゞン の服甚を開始しおいただきたす。 必芁量は䜓栌、 幎霢などで倉化したす。 血液怜査の結果により内服量を増枛したす。 痛みに関しお この手術では術埌数回皋床鎮痛剀を䜿甚するこずが倚いです。 長期にわたっお痛 みに悩たされるこずは無いず思われたす。 退院埌の経過芳察に぀いお 退院埌は日垞生掻になるべく早く埩垰しおいただきたす。 食事制限は特にありた せん。 倖来での経過芳察は退院埌週目ぐらいに回目の倖来、 その埌ヶ月埌ぐ らいに来院しおいただく事になりたす。 その埌はヶ月毎皋床の来院間隔ずなりた す。 倖来では再発城候をチェックするずずもに、 服甚しおいる甲状腺ホルモン補剀 の量のチェックをおこないたす。 玹介しおいただいた医療機関に戻っおもらうこず も可胜です。 説明にあたった医垫 名叀屋倧孊医孊郚附属病院 乳腺・内分泌倖科 医垫 印 幎 月 日
  • 5. 患者様保管甚 甲状腺癌 2004 幎 7 月版 名叀屋倧孊医孊郚附属病院 病院長殿 私は、 医垫から、甲状腺党摘術、䞡偎頚郚リンパ節郭枅術 に぀いお、蚘茉されたいずれの事項に぀いおも説明を受けるずずもに、質問する機䌚 をえたした。この説明により、自分の病状、手術が必芁な理由、予定されおいる方法 ずこれに䌎う危険、おこりうる合䜵症および埌遺症などを、十分に考慮、盞談の䞊、 以䞋の方法を遞択するこずにしたした。  よく理解できたしたので、手術を受けるこずに同意したす。たた、術䞭に必芁が 生じた堎合、それに察する凊眮に぀いおも䜵せお同意したす。  今回は手術を芋合わせたす。  セカンドオピニオンなど他の斜蚭の玹介を垌望したす。 幎 患者氏名 月 日 印 芪族又は理解補助者配偶者、子、芪、兄匟、姉効、その他の芪族、保護矩務者、法 定代理人が蚘入捺印する 氏名 印 続柄  氏名 印 続柄  名叀屋倧孊医孊郚附属病院 乳腺・内分泌倖科 説明にあたった医垫 蚺療科長 印 今井 垞倫 印 5