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東京電力株式会社福島第一原子力発電所における汚染水貯留タンクからの漏えいについて
- 2. 2
(2) 漏えい水等の分析結果
沈砂池水 堰内の漏えい水 側溝水
全β 4.1×101 Bq/cm3 8.0×104 Bq/cm3 1.3×10-1 Bq/cm3
Cs-134 検出限界値未満 4.6×101 Bq/cm3 検出限界値未満
Cs-137 検出限界値未満 1.0×102 Bq/cm3 検出限界値未満
I-131 検出限界値未満 検出限界値未満 検出限界値未満
Co-60 検出限界値未満 1.2×100 Bq/cm3 検出限界値未満
Mn-54 - 1.9×100 Bq/cm3 -
Sb-125 - 7.1×101 Bq/cm3 -
(3)タンク水位の状況
漏えい箇所を調査したところ、H4 タンクエリア内のタンク
No.5(H4-1-5)底部から水が広がっている状況を確認。同タンクの水
位について、本来タンク天井から 50~60cm 程度下位に水面があるもの
が 340cm 下位にあり低下が見られることから、タンク外に漏えいした
汚染水の量は約 300 立方メートルと推定。
また、H4 タンクエリアの他の一部のタンクについては、水位が低下
していないことを確認。(別紙9参照)
4.東京電力の対応
対応策として以下を実施。
(1)堰外への漏えい拡大防止及び堰内の漏えい範囲抑制対策
・ 監視頻度を1日2回から約3時間毎に強化。
・ 当該エリア堰のドレン弁については、全て閉止。
・ 堰内のエリア拡大抑制のために、漏えい水が顕著な箇所に吸水マット
を設置。
・ 堰内の漏えい水を、仮設排水ポンプにて仮設タンクに排水中。仮設タ
ンク内の水は H4 タンクエリア内の貯蔵容量に余裕のあるタンク群へ
の送水に切り替えて移送中。
・ 漏えいの認められたタンク No.5(H4-1-5)の汚染水は、H4 タンクエリ
ア内の貯蔵容量に余裕のあるタンク群へ移送中。
・ 最終的に高圧洗浄により、床面を除染する予定。
- 11. 雰囲気線量率測定点
表面線量率測定点
水採取箇所
測定点
線量率
γ+β線 γ線
① >100 1.5
② 5.5 0.1
③ 0.08 0.05
④ 0.04 0.04
⑤ 0.06 0.06
⑥ 0.06 0.06
⑦ 0.045 0.045
⑧ 0.06 0.06
⑨ 0.015 0.15
⑩ 90.0 0.36
⑪ 96.0 0.45
⑫ 90.0 0.35
⑬ 0.35 0.07
⑭ 0.12 0.11
⑮ 0.024 0.015
①
②③
④
⑤ ⑥ ⑦ ⑧
⑨
■線量率測定結果
H4エリアタンクからの漏えいに伴うサーベイ結果
■試料水の分析結果
単位 : [mSv/h]
⑩⑪⑫ ⑬⑭ ⑮
測定日:平成25年8月19日
測定点
γ核種(Bq/cm3) 全β
(Bq/cm3)
塩素
(ppm)Cs-134 Cs-137 Co-60 Mn-54 Sb-125
漏えい水 4.6E+1 1.0E+2 1.2E+0 1.9E+0 7.1E+1 8.0E+4 5,200
沈砂池 <2.0E-2 <2.6E-2 <1.3E-2 - - 4.1E+1 -
側溝 <1.9E-2 <2.7E-2 <1.4E-2 - - 1.3E-1 -
試料採取日:平成25年8月19日
東京電力提供資料
別紙7
- 15. 平成25年8月19日
原 子 力 規 制 委 員 会
東京電力株式会社福島第一原子力発電所における汚染水貯留タン
クからの管理区域内漏えいについて報告を受けました
原子力規制委員会は、本日(19日)、東京電力株式会社から、福島第一原子力発電
所における汚染水貯留タンクからの管理区域内漏えいについて、核原料物質、核燃料
物質及び原子炉の規制に関する法律に基づく報告を受けました。
1.東京電力株式会社からの報告内容
福島第一原子力発電所において、8月19日、汚染水貯留タンク(H4 エリアタンク)
周辺に設置されている堰※
の排水弁から水が堰外に出ていることが確認された。堰外に
出ている水からの放射線量が高く、汚染した水の発生源は特定できていないもののタン
ク内の貯留水が漏えいしたことが否定できず、その水が堰外に漏えいしたと判断した。
このため、原子炉施設の故障その他の不測の事態が生じたことにより核燃料物質等が管
理区域内で漏えいしたと判断し、原子力規制委員会に報告した。
※ タンクから水が漏えいしても敷地内に漏れ出ることを防ぐためのコンクリート槽。
2.施設の安全性への影響
本事象は、管理区域内において放射性物質を含む水が漏えいしたものです。現在、汚
染した水の発生源、漏えいによる汚染の程度等については調査中です。また、モニタリ
ングポストに有意な変動はありません。
3.原子力規制委員会の対応
原子力規制委員会では、本日(19日)、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に
関する法律第62条の3に基づき報告を受けました。
本件について、現地原子力保安検査官が、現場の状況などの確認を行っています。ま
た、原子力規制委員会から、東京電力に対し、以下の指示を行っています。
・漏えい箇所の早期特定
・H4タンクエリア周辺のモニタリング監視強化
・漏えいに対する応急対策実施後を目安として汚染土の回収
今後、事業者が行う原因究明及び再発防止策について、厳格に確認していきます。
別紙 10
- 16. (INES※
による暫定評価)
基 準 1 基 準 2 基 準 3 評価レベル
- - 1 1
評価概要:漏えい原因や漏えい量がまだ確定できていないが、汚染水が敷地内に漏えいしたこと
から、INESレベル1の「逸脱」と評価。
※ INES評価
INES(International Nuclear and Radiological Event Scale:国際原子力・放射線事象
評価尺度)とは、原子力発電所等のトラブルについて、それが安全上どの程度のものかを表す
国際共通指標。評価は3つの基準(基準1:人と環境、基準2:施設における放射線バリアと
管理、基準3:深層防護)により行われ、最も高いレベルがそのトラブルの評価レベルとなる。
評価レベルは、レベル0(安全上重要ではない事象)からレベル7(深刻な事故)まである。
<参考>
添付:漏えいが確認されたタンクエリアと堰の排水弁
<担当> 原子力規制庁 担当 原子力防災課事故対処室
室長 志間 正和
電話:03-3581-3352(代表)
03-5114-2121(直通)
担当:竹内、藤井