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国立国会図書館出向報告
―カレントアウェアネス-Eの編集経験を中心に
京都情報図書館学学習会 #207 Jul 18 2013
林 豊 (@hayashiyutaka)
もくじ
1. はじめに
2. カレントアウェアネス とは
3. メールマガジン「カレントアウェアネス-E」の舞台裏
4. 2年間の経験を超えて
4
はじめに
5
1
自己紹介
経歴
• 2007.04∼ 京都大学附属図書館情報管理課図書情報掛
• 2009.10∼ 京都大学附属図書館情報サービス課相互利用掛
• 2011.04∼ 国立国会図書館関西館図書館協力課調査情報係(出向)
• 2013.04∼ 京都大学人間・環境学研究科総合人間学部図書館学術情報掛
好きなもの
• 仕事,洋服,コーヒー,整体,自転車,ヒトカラ
6
http://researchmap.jp/hayashiyutaka/
7
2年前の学習会でお話ししたこと
http://kyotolibrarian.web.fc2.com/kiroku/kiroku187.html
ブログ「カレントアウェアネス-R」の裏側について
• 始まりと位置づけ
• ワークフロー(特に情報収集の方法)
• 悲喜こもごも
情報収集の方法については:
• http://cheb.hatenablog.com/entry/2012/06/22/000120
• http://current.ndl.go.jp/ca1788
8
今日お話したいこと
カレントアウェアネス-Eの編集の裏側について
2年間どんな想いで,どんな仕事をしてきたか
この経験を今後どう生かしていくのか/いけるのか
9
カレントアウェアネス とは
10
2
カレントアウェアネスサービス
図書館その他の情報機関が利用者に対して
最新情報を定期的に提供するサービス
11
『図書館情報学用語辞典』第3版(丸善)
“
国立国会図書館沿革
12
1872年 書籍館設立(→帝国図書館)
1890年 貴族院・衆議院図書館設立
1948年 開館
1968年 現在の本館が完成
1986年 新館が本館の隣に建設
2000年 国際子ども図書館が部分開館(02年全面開館)
2002年 関西館開館
私たちの使命・目標2012-2016
目標1:国会の活動の補佐
目標2:収集・保存
目標3:情報アクセス
目標4:協力・連携
目標5:東日本大震災アーカイブ
目標6:運営管理
13
戦略的目標
4-1:国内関係機関との連携協力の推進
①電子情報及び情報通信技術を活用して、
全国の各種図書館と協力事業を推進すると
ともに、図書館に関する情報発信を充実さ
せ、図書館員のためのレファレンス等の研
修及び情報提供を強化します。
②……
4-2:国際的な連携協力の推進
4-3:本や図書館の魅力を伝える活動
組織図(部局レベル)
総務部
調査及び立法考査局
収集書誌部
利用者サービス部
電子情報部
14
関西館
国際子ども図書館
(支部図書館27館)
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/outline_organizationaltree.html
関西館
総務課(そうむ)
文献提供課(ぶんけん)
収集整理課(しゅうせい)
電子図書館課(でんと)
アジア情報課(あじあ)
15
図書館協力課(ときょう)
• 南課長
• 兼松課長補佐
• 研修交流係(3人)
• 障害者図書館協力係(3+1人)
• ネットワーク協力係(5+1人)
• 調査情報係(3人)
調査情報係の仕事
図書館情報学に関する調査研究・情報収集,その成果の提供
カレントアウェアネス・ポータル:2006.03∼
1. カレントアウェアネス-R (ブログ・毎日):2006.03∼
2. カレントアウェアネス-E (メールマガジン・隔週):2002.10∼
3. カレントアウェアネス (季刊誌,当初は月刊誌):1979.8∼
4. 調査研究シリーズ (毎年)
16
21
22
23
24
25
26
• CA ポータルは国内図書館において情報のインフラになっている。
• 文献、URL 等の参考元をきちんと表記している点はさすが図書館関連のサイトだなと思う。
• 日本にこのようなサイトがあることをもっと知ってほしいです。いつかわたしも文章を書いた
り、記事の一部になるようになりたいと願いながら司書講習を受けています。
• あれだけの大量の情報を読みこなした上で、国会図書館からのニュース、という責任を持った
かたちで編集・発信しているのは相当に大変な事だと想像する。
• 情報としてとても勉強になりますし、ご担当者の方の意識の高さを感じて自分も頑張ろうと刺
激を受けています。
• 情報の質や内容、そして言葉使い(表現)から、スタッフの皆さんの並々ならぬ努力と苦心を
ネット越しに感じております。
カレントアウェアネス・ポータル利用者アンケート結果レポート 2012
http://current.ndl.go.jp/node/22406
アンケートに寄せられた声(ごく一部)
前史̶図書館研究所
カレントアウェアネスの編集・発行
• 1979年∼:総務部企画教養課(内の図書館情報室)
• 1984年∼:参考書誌部一般参考課(内の図書館学資料室)
• 1986年∼:図書館協力部図書館研究所
• 2002年∼:関西館図書館協力課
29
Ref: 図書館研究所あるいは「図書館の頭脳を持ちたいという夢」について - ささくれ
http://cheb.hatenablog.com/entry/2012/06/10/041405
チーム
課長(=編集長)
調査情報係
• 依田さん:係長.調査研究主担当.図書館情報学,米国(留学経験有),法
律・行政,農
• 菊池さん:CA主担当.スペイン,欧州,デジタル人文学,本,デジタル化,
研究者
• 林(4代目):CA-E & ポータル主担当.大学図書館,図書館システム,電子リ
ソース,オープンアクセス,国内ネタ
非常勤調査員:米谷優子先生(園田学園女子大学)
30
協力者
館内外執筆者
カレントアウェアネス-E館外執筆者(2012年度)
• 加藤信哉さん(名古屋大学附属図書館事務部長)
• 江上敏哲さん(国際日本文化研究センター)
• 佐藤翔さん(筑波大学)
カレントアウェアネス編集企画員
• 研究者,実務者
+読者,フォロワーの皆さん!
31
CAポータルモデル
32
カレントアウェアネス-R
カレントアウェアネス-E
カレントアウェアネス
調査研究
http://current.ndl.go.jp/ca1788
毎日
数百文字
隔週
2,000字
季刊
3,000∼10,000字
毎年
メールマガジン
「カレントアウェアネス-E」の舞台裏
33
3
カレントアウェアネス-E
2002年10月(=関西館開館)創刊
• 通算240号,記事数1452本 (2013年7月11日現在)
年22回発行(隔週木曜日)
各号5∼7本の記事
執筆は調査情報係メイン+外部執筆者
購読者数:6,355
執筆者の意見ではなくファクトを伝えるメディア
34
はてブ数ベスト10
1. E967 - 福井県立図書館「覚え違いタイトル集」ができるまで(47 user)
2. E1127 - 「ぬいぐるみの図書館おとまり会」現場の様子と舞台裏(日本)(34 user)
3. E1252 - マンガ『夜明けの図書館』の作者・埜納タオさんインタビュー(30 user)
4. E1343 - 記念展示会「関西の図書館100年,関西館の10年」を企画して(28 user)
5. E1410 - つながるLibGuides:パスファインダーを超えて(25 user)
6. E1201 - ウェブ本棚サービス「ブクログ」の図書館における活用(26 user)
7. E1020 - 分野やキャリアによる学術コミュニケーション手法の違い(24 user)
8. E1388 - 変化の時代における大学図書館管理職の役割とは(23 user)
9. E929 - これからの電子図書館,著作権,著作の在り方とは?<報告>(23 user)
10. E1315 - 佛教大学図書館デジタルコレクションの設計とデザイン(22 user)
35
2012年アクセスランキング
1. E967 - 福井県立図書館「覚え違いタイトル集」ができるまで【2,919】
2. E1303 - 2012年著作権法改正:図書館・公文書館の関係規定について【2,654】
3. E1252 - マンガ『夜明けの図書館』の作者・埜納タオさんインタビュー【2,614】
4. E1289 - 大滝則忠国立国会図書館新館長インタビュー【2,167】
5. E1292 - NIIと大学図書館が協力して構築する新たな学術情報基盤の構想【2,160】
6. E1042 - 米国議会図書館,Twitterの全公開ツイートを保存へ【2,142】
7. E1332 - 情報発信活動インタビュー(5)リブヨ・ブログ【1,949】
8. E1343 - 記念展示会「関西の図書館100年,関西館の10年」を企画して【1,868】
9. E1201 - ウェブ本棚サービス「ブクログ」の図書館における活用【1,812】
10. E574 - 図書館ネコ「デューイ」,その生涯を終える(米国)【1,738】
36
37
38
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40
41
42
10年間における変化
長文化
• 平均500文字(創刊号)→平均1,200文字(第161号) →平均2,000字(第240号)
トピックの軟化・広範化
• やわらかく,一息つけるような読み物も
• 図書館以外の領域も(ウェブサービスなど)
係外執筆者の増加
• 22%(2008年度)→35%(2009年度) →39%(2012年度)
完全署名記事に(2012年度∼)
43
Ref: E1000 - CA-Eのこれまでとこれから― 999記事の軌跡とアンケートから
http://current.ndl.go.jp/e1000
44
タイムテーブル(me)
06:30 起床
07:30 出発(通勤中はメールやRSSのチェック)
08:50 職場着
09:00 始業
09:00-12:00 業務メールチェック,カレント-R x 3本∼
12:00-13:00 昼休み
13:00-17:45 カレント-R or その他の仕事(カレント-E,原稿読みなど)
17:45-22:00 残業
23:30 帰宅
45
月 火 水 木 金
外部原稿〆
内部原稿〆
月 火 水 木 金
(⑤発行) ①企画会議
46
月 火 水 木 金
④発行準備 ⑤発行 (①企画会議)
②執筆 ③校正
①企画
日々企画を練る
• カレント-R執筆の段階で「これはEにするから簡単に」とすることも
• 外部原稿は早めに依頼しておく
企画会議(隔週)
• テーブルで4人,うんうんと30分から1時間くらいかけて計5∼7本選ぶ
• 主にここ1か月程度のカレントアウェアネス-Rから:報告書,重要文書,
注目の動き, 新しいサービスや法律, インタビュー,文献紹介, イベン
ト報告,etc.
• 記事として立つか,という現実的な視点
• ふわゆるな読みやすいものも入れてバランスよく
47
48
ネタを選ぶ眼
大事だなと思ったことを記事にしています。仕事をしている中
で,原稿を読んだり,学会誌を見たりということは日常的に行っ
ているので,判断基準はそういったことから得られているものと
しか言いようがないのですが,それはつまりマニュアル化できな
い部分なんだろうと思います。
49
E1320 - 情報発信活動インタビュー(3)笠間書院 kasamashoin ONLINE
http://current.ndl.go.jp/e1320
“
②執筆
形式
• タイトル28文字以下 ,本文2,000字以下
• 基本の型:リード文+トリガー+本題5∼6段落(or 箇条書き)+締め
• 文体:「∼である」「∼とされている」
• 最後に記述の根拠となるURLを列挙(ハイパーリンクなし)
気をつけること
• 読みやすさと正確さのバランス(「5分でさらっと読めるものを」)
• メッセージの明確化(「1つの記事で伝えられることなんて1つだけ」)
1本の記事につき10∼20時間?(土日も……)
50
②執筆依頼(外部原稿の場合)
(a)館内執筆者の場合
1. 本人に内諾
2. 所属課長にメールで依頼
※協力者リスト(語学,専門)有
51
(b)館外執筆者の場合
1. 本人に内諾
2. 依頼状+著作権譲渡書類を作成
3. 起案・館内決裁
4. 関西館長印付きの書類を郵送
5. 承諾書に捺印・返送してもらう
53
③校正̶ドS査読またはサド査読
徹底的な原文との対照
• この一文は何を根拠にして書かれているのか
• 原文の読解は正しいのか,原稿ではねじ曲げずに表現できているか
• ファクトと意見の区別
• 外部原稿の場合は,著者よりも原文を読み込むつもりで
• 片岡さん@九大「カレントが一番丁寧に見てくれる」
原文の魅力×伝えたいメッセージ×執筆者のキャラ
• 原文の魅力(一番オイシイところ)がしっかり盛り込まれているか
• 記事のメッセージが伝わる内容・構成になっているか
• 執筆者のキャラと記事の持ち味を壊さないように,磨き上げる
校正スケジュール(内部原稿)
55
〆切∼金曜昼 係チェック→リライト
∼金曜定時 非常勤調査員チェック
∼金曜退庁 リライトして編集長(課長)に渡す
∼水曜朝 課長チェック
∼水曜15時 リライト(一応完成!)
校正スケジュール(外部原稿)
56
〆切∼火曜退庁 係チェック→著者にメール
∼金曜15時 著者リライト
∼金曜退庁 整えて課長に渡す→著者には再リライトを依頼
∼火曜朝 課長チェック→ 著者に再々リライトを依頼
∼水曜13時 最終チェックして一応完成
④発行準備
配信前日(水曜)15時∼
各原稿ファイルからメルマガ文面作成 ※秀丸マクロで整形
メール配信システム(トライコーン社アウトバーン)
• テスト送信
• 各自通読して(30分∼1時間),3人で最終チェック(1時間)
• ここでまたリライト!→再テスト送信(これを数度繰り返すことも)
• 明日12時の配信でタイマーセット
CAポータルに仮掲載(非公開) ※WordマクロでHTML化
57
⑤発行
12時の配信確認直後,CAポータルでも記事を公開&Twitterで広報
• 以前はここで1-2時間程度のタイムラグがあった
• お昼ご飯をmogmogしながらツイートやはてブコメを楽しむ
発行後の後片付け
• 原稿の紙束をファイリング
• 内部の記事リストを更新
• 参考URLのリンク先ページを保存
著者に御礼メール
→木曜の夕方はいちばんのんびりできる時間……
58
2年間の経験を超えて
59
4
やってきたこと
カレントアウェアネス-R
• 2,399本
カレントアウェアネス-E
• 44号/255本編集(うち66本執筆)
• メルマガ版・ポータル版のタイミング
を同時化(ワークフロー改善)
• 署名記事化
• 外部執筆者の増加(人脈の活用)
• (院生執筆者の募集開始)
60
カレントアウェアネス
• CA1775 - 大学図書館のサービスとしての文
献管理ツール
• CA1788 - カレントアウェアネス・ポータル
のいまを 刻む :情報収集活動と未来へのア
イデア
カレントアウェアネス・ポータル
• システムリプレイス
• ソーシャルメディアボタンの設置
• モバイル版ウェブサイト
61
62
63
E1166 - 東日本大震災の被災図書館等への支援状況(2011/4/27現在)
E1169 - 2010∼2011年の図書館システムの市場動向は?(米国)
E1175 - ITHAKA,大学図書館の戦略についての調査報告書を公開(米国)
E1179 - カリフォルニア大学が予算削減に対して取る共同化戦略
E1184 - 電子リソース時代に国際ILL/DDを維持するためには
E1189 - 大学図書館コンソーシアム連合JUSTICEの誕生:現状とその将来
E1192 - Schema.org:ウェブ情報の意味の記述方法を共通化する試み
E1194 - 2011年夏,各地の図書館の節電対策
E1199 - 国立国会図書館,報告会「東日本大震災の復興支援」を開催
E1201 - ウェブ本棚サービス「ブクログ」の図書館における活用
E1203 - 電子ジャーナルアーカイビングのコストと事例研究(英国)
E1207 - 2011年版図書館職員の職業満足度調査(米国)
E1209 - 北米260大学のOPACの「次世代度」をチェック<文献紹介>
E1219 - オープンソースの図書館システムは「魔弾」か,それとも?
E1222 - 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2011/10/12現在)
E1223 - グローバル化が進むWorldCatの品質維持に対するOCLCの取組み
E1231 - 機関内のMLAコレクションに対する統合検索を導入するために
E1236 - 学協会ジャーナルの発行元移行の際に生じる問題とその対策
E1238 - 第13回図書館総合展が開催される
E1241 - ハイブリッドOAを巡る高等教育機関・出版社・助成機関の問題
E1244 - オープンアクセス活動における世界中のサクセスストーリー
64
E1247 - ACRLが「高等教育機関における図書館の基準」改訂版を公表
E1248 - 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2011/12/21現在)
E1250 - OCLCが新しいブランド WorldShare を発表
E1255 - デジタル情報サービスへの移行に必要な大学図書館の再定義
E1262 - ILLにおいて効率的な資料配送を実現するための推奨指針
E1263 - 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2012/2/22現在)
E1266 - ディスカバリサービスの様々な関係者の権利と義務を整理する
E1271 - 電子情報資源管理に関する標準の現状とERMIデータ辞書の今後
E1272 - 第3回公共図書館におけるデジタルアーカイブ推進会議<報告>
E1274 - 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2012/3/28現在)
E1275 - シンポジウム「東日本大震災の記録の収集と保存」<報告>
E1279 - 東日本大震災の記録と記憶を未来へ伝えるデジタルアーカイブ
E1282 - 2012年の図書館システム市場動向は?(米国)
E1286 - 知識インフラとしてのデジタルアーカイブの推進に向けた提言
E1287 - ユネスコがOAポリシー策定を支援するガイドラインを発表
E1292 - NIIと大学図書館が協力して構築する新たな学術情報基盤の構想
E1294 - MLA機関でのソーシャルメタデータ活用における推奨事項
E1297 - 分野別リポジトリの持続可能性について実例をもとに考える
E1302 - 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2012/6/27現在)
E1307 - 次世代型図書館業務システム主要5製品の特徴とその現状
E1310 - 大学図書館に広がる電子書籍のPatron-Driven Acquisitions
E1319 - 続・北米260大学のOPACの「次世代度」をチェック<文献紹介>
E1323 - 北米の大学図書館等における教育・学習用ツール提供の現状
E1324 - 大学図書館の生み出した価値をデータに基づいて示す試み
E1328 - 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2012/8/22現在)
E1330 - データキュレーションの実践や教育・研修の現状(米国)
E1336 - 米国5大学によるデジタル教科書評価プロジェクトの結果は?
E1337 - 第21回京都図書館大会<報告>
E1341 - オープンアクセスの未来に大学図書館の役割として残るものは
E1346 - 大不況という 嵐 を乗り切る公共図書館(米国)
E1350 - 英国RLUKが設計したEJビッグディールへの代替案<文献紹介>
E1351 - 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2012/10/24現在)
E1361 - そのジャーナルはどのくらい オープン か?
E1362 - 関西館10周年記念国際シンポジウム<報告>
E1363 - 米国図書館界で注目,電子書籍の「ダグラス郡モデル」とは?
E1364 - ALA,米国図書館に関するファクトデータ集2012年版を公表
E1371 - 図書館で電子書籍を借りる人はよく買う人でもある
E1375 - 震災の映像記録の活用に向けて―権利の壁と世論形成<報告>
E1377 - 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2012/12/27現在)
E1381 - 効率的なAPCの管理のために 仲介者 の果たしうる役割は?
E1387 - 図書館・情報発見・目録について考えるための13の視点
E1393 - ディスカバリサービスへのデータ提供で関係者が抱える課題
65
E1394 - 米国情報標準化機構ISQ誌の「未来の図書館システム」特集
E1400 - デジタルコンテンツの価値を持続させるために―親機関の役割
E1403 - 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2013/3/6現在)
反響①SPARC Japanセミナー2012
66
http://cheb.hatenablog.com/entry/2012/12/04/215047
反響②発行2時間で転載依頼
日本書籍出版協会『 出版流通白書』から
• E1364 - ALA,米国図書館に関するファクトデータ集2012年版を公表
• E1371 - 図書館で電子書籍を借りる人はよく買う人でもある
67
思い出の記事①埜納タオさんインタビュー
68
69
70
71
思い出の記事②情報発信活動インタビュー
図書館業界における情報発信・流通の促進を目指して,ベストプラ
クティスとなる事例を紹介する連載企画
インタビュー対象
• 情報管理Web STI Updates (http://current.ndl.go.jp/e1308)
• 実業史研究情報センター (http://current.ndl.go.jp/e1314)
• 笠間書院 (http://current.ndl.go.jp/e1320)
• nalib.net (http://current.ndl.go.jp/e1327)
• リブヨ・ブログ (http://current.ndl.go.jp/e1332)
72
73
74
75
76
77
78
CA1788に込めた想い①
しかし、何が「重要」なのかという判断はとても難しい。(中略)情報
を見つけたときの「すごい!」という感動を多くの読者に伝えたい。こ
の新しい動きをみんなで共有することで図書館界に何か良い変化が起
こって欲しい。そんなふうに思えるかどうか、それがこれまでにCA-Rに
関わった担当者に共通する最も重要な判断基準となっている。
79
CA1788 - カレントアウェアネス・ポータルのいまを 刻む :
情報収集活動と未来へのアイデア / 依田紀久, 林 豊, 菊池信彦
http://current.ndl.go.jp/ca1788
“
CA1788に込めた想い②
また、歴史を重ねるにつれ、図書館界の 新聞 というだけではな
く、 アーカイブ としての役割も強く意識するようになってきている。い
まこの情報を 点 として刻んでおかなければ、時間が経ってからCAポー
タルを検索したときに一本の 線 が見えづらくなってしまうのではない
か。こうした意味合いで係内ではよく 刻む という表現を使っている。
80
“
CA1788 - カレントアウェアネス・ポータルのいまを 刻む :
情報収集活動と未来へのアイデア / 依田紀久, 林 豊, 菊池信彦
http://current.ndl.go.jp/ca1788
CA1788に込めた想い③
NDLとしてCAポータルにかけられる人的リソースには限界があり、現状
でも図書館界のあらゆる情報を遺漏なくキャッチできているわけではな
い。現在の仕組みではCAポータルに大きなコンテンツ群を取り込んでい
くことは難しい。その具体的なものが、利用者アンケートでも寄せられ
た「国内の図書館関係イベントの情報」や「図書館の日常業務に役に立
つ情報」である。
81
“
CA1788 - カレントアウェアネス・ポータルのいまを 刻む :
情報収集活動と未来へのアイデア / 依田紀久, 林 豊, 菊池信彦
http://current.ndl.go.jp/ca1788
情報発信とは
本書で言えば、日本資料・日本情報を必要としているユーザはどこに
いるのか、どのような問題を抱え、何を求めているのか。多くのユー
ザの手の届く範囲、 いつもの場所 、メインストリームはどこにある
のか。そして資料・情報が発信され相手に届けられた結果、次にその
ユーザは何をするのか。何が起こり、何が生まれ、相手に、我々に、
社会や世界全体にどのような変化・影響がもたらされることになるの
か。あるいは、どう変化・影響させたいと、わたしたちは願うのか。
82
“
江上敏哲『本棚の中のニッポン』(p.261)
情報発信とは
そもそも「情報発信」って何だ、という疑問が常に頭を離れませんで
した。情報発信とは、「情報を発信すること」そのものだろうか。い
や、そうじゃない。自分がいて、相手がいて、それぞれに事情や背
景、周辺の存在や環境があって、その全体世界の中で、資料・情報が
ある場所からある場所へ伝わり、それによって何かが変わる、うまれ
る。変えたい、うまれてほしいと願う。そのトータルが情報発信だろ
うと。
83
“
江上敏哲『本棚の中のニッポン』(p.283)
84
情報発信
(情報環境のデザイン)
¦¦
ライブラリアンの仕事
だから離れても, 外から応援する
カレントの問題は,カレントだけの問題じゃない
• 日本全体で支えていくべき 装置 なのではないか
• 業界情報をどう効率よく流通させるか,そこに自分ができることはない
のか
情報収集と情報発信を続ける
• +あのころまわりに願ったことを,自分でやっていく
CA編集企画員に着任(2013.6)
85
出向で得たもの
86
影響力のあるサービスに関われたこと
ナショナル/グローバルなスケールで日々仕事をしたこと
大学図書館以外の館種についても広く関心を持たざるを得なかったこと
海外情報をウォッチするときの勘所が分かったこと
東日本大震災のこと
きちんとしたものを書くことの大切さ
手加減なしで高いものを要求できるチームで働く楽しさ
ハイレベルなひとたちの仕事を近くで見られたこと
国立国会図書館の内在的論理を垣間見たこと
自分はこれからどうしていきたいのか
正直出向元へのフィードバックは特に考えていなかった(汗
• それよりも日本全体のことを考えて仕事をしていた
いつも願ってること
• 自分の強み(≒システム)を活かしたい
• 大きな 仕事,影響力のある仕事をしたい
• いま,この チーム でしかできないことを
• ファン を作れるサービスを
焦り
• この経験が薄れないうちに活かしたい……
87
依田さんにもらった言葉
88
協力事業で現場は変わらない。現場は現場の人の力
でしか変えられない。現場を変えられないのなら、
今まで身に付けたことはなんだったのか。と。
エールをこめてつぶやいておく。
“
https://twitter.com/solrmame/status/318707709488791552

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