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キムワイプ卓球の
ルール
KTTA日本支部
2016年9月
背景
• 2012年にKTTAが「キムワイプ卓球公式ルール
日本語版 Ver.0.01alpha」を公開
これ以降、何ら改訂されることなく4年が経過
背景
• この間、キムワイプ卓球が各地で開催される
(公開のイベントとして)
• 2012年 ルールα版発表
• 2012年 東大
• 2013年 名大・東大
• 2014年 名大・茨城高専・東大
• 2015年 東工大・東大
• 2016年 名大
• KTTAは何もしていない
現行ルール制定の問題点
• KTTAはキムワイプ卓球をしたことがないので、
どのようなルールが良いのか分かっていない
• 不十分なルールとなっている
• キムワイプ卓球人口が増えたので、その知見を
キム卓コミュニティで共有するべきである
• KTTAが一方的に制定するべきではなく、良いもの
を取り入れよう
現行ルールの問題点
• 環境の縛りがきつい
• いろいろな台でキム卓している現実がある
• ラケット(キム箱)に値札がつけられない
• 名前も書けないが、これは意外と困る
• 試合の仕方がよく分からない
• 先攻・後攻という概念が導入され意味不明
• その他
• 有効数字
新ルール制定の枠組み
• キム卓コミュニティの知見を共有するために雑
誌Scientific Sportsを創刊
• ここでルールについては議論
• 暫定的に最も良い(評価指標は?)ものを試合毎に
採用
• 叩き台として第1巻第1号に新ルールを掲載
新ルールの概要
• キム卓は環境依存型ゲーム
• 台やボールは柔軟に対応すべき
• ラケットはキムワイプ以外は認めない
• キムフィールドの導入
• コートをn分割して、n人でキム卓できるように
• 細かい規則が定まっていない
• 点数と順位の付け方
• 既存の手法は合理的とは言えない
• かといって他に良い方法も思いつかない
→キム卓コミュニティに任せる
キムワイプ卓球のルール
• 環境
• 台は水平で、矩形なら何でも良い
• 座ってやりたい人もいるので高さも指定しない
• センターラインによって2つのコートに分かれる
• これに従うと、n人でキム卓ができない
• ネットは不要だが、センターラインは明示的である
べき
• 跳ねないとつまらないので反発係数0.71以上
• ラケットには値札と名札をつけてもよい
キムワイプ卓球のルール
• 実験
• 「ゲーム」ではなくて「実験」と呼んだらどう
• 実験は、キムフィールドを維持すること
• 実験に失敗したら失敗しなかった人が点数をもらえ
る
キムワイプ卓球のルール
• キムフィールド
• キムフィールドでは、ボールは決まった動きをする
• ボールは、各コート内で順番に跳ねないといけない
• i番目のコートに責任を持つ実験者は、i+1番目の
コートでボールが跳ねるようにすれば役目は終わり
勝敗の決め方
• 11点先取に理由はない
• が、21点よりは勝敗がつきにくい(Noubary, 2007)
• 2点差は有意か?
• サーブ2点交代という理由もある?
• 有意にどちらが勝ちか言えないと意味がない
順位の付け方
• 強い人が弱い人に勝つのと、弱い人が強い人に
勝つのは同じ「勝ち」ではない
• 時間の経過と共に強さが変わる
• 時間と共に「勝ち」が減衰するネットワークモデル
が提案されている(Motegi & Masuda, 2012)
で、どうするのか
→分からないので今回は何も提案しない
出典
• Iwatsuki, K. (2016). Laws of Kimwipe Table
Tennis. Scientific Sports, 1(1), 1–4.
• Motegi, S., & Masuda, N. (2012). A network-
based dynamical ranking system for
competitive sports. Scientific Reports, 2.
• Noubary, R. D. (2007). Probabilistic Analysis
of a Table Tennis Game. Journal of
Quantitative Analysis in Sports, 3(1).

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