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岡山県への移住からペン工房開業まで
1.移住先探しと物件探しについて
地方への移住を考えるようになったのは定年まであと、5 年ぐらいの時期頃からです。
妻も私も田舎暮らしに憧れ、移住先を探すようになり、インターネットを暇さえあれば
閲覧していました。 当時、娘が長野県の大学に在学中だったことと、私自身が長野県が
大好きだったので 田舎暮らしは長野県!みたいなノリで、週末になると妻と一緒に長野
県まで物件探しに出掛けていました。実際に現地の不動産会社に問い合わせて物件を確認
すると、傷みの激しい物件が多く修理費用などが相当掛かることが、素人の私たちでも想
像できるレベルの家が多く、正直大変でした。この当時の私たちは、中古の田舎物件を購
入することしか頭になく、柔軟性に欠けていました。 今思えば、移住候補先の町などが
取り組んでいる 空き家バンクの紹介等を利用すれば早く、楽に物件探しが出来たと思い
ます。私たちは移住先で永住を前提として考えていたので物件は購入でしたが、賃貸で移
住先を探すのも個々人の都合によってはありだと思います。 そんな状態が何年か続き、
移住候補地も長野県から広島県辺りまで広めて、自分たちが本当に住みたいと思う物件を
根気よく探しました。そんなこんなで見つけた物件が、岡山県久米郡美咲町の里山にあっ
た平屋建ての一軒家で、妻の希望している菜園スペースもあり、豊かな木々に囲まれた物
件で、私たちの希望をかなり満たしていたので購入することを決めました。
こうして探し始めて 3 年目の 2 月に私たちの移住先は決まりました。
2.移住後の生活を考える…
移住先は決まったが、定年後移住地で何をするのか私は決まっていませんでした。定年ま
で残り 1 年半。この年齢まで某大手電機メーカーで働いてきましたが、特別なスキルがあ
るわけでもなく 今更、地方の企業にお願いをして使って頂く気など更々なく、農業も全
く考えていませんでした。この時の私の頭の中は、定年後は年金で好きなロードバイクで
も乗ってのんびりと…そんな考えでした。焦りの中で、長年勤めた会社の貯まりに貯まっ
た有給休暇を使って、1 年間かけて移住先の物件を自分の手で古民家風にリフォームする事
にしました。幸いにも義父は建築関係に詳しい方で、リフォームの指導と併せて手伝って
頂けるとのことで、完成を定年までと決めてスタートしました。
このリフォームを始めたことが、後々の新しい生活を考えるきっかけになりました。例え
ば、月1回のリフォームのため、訪ねる私に ご近所の皆さんが声を掛けて下さり 時に
は差入れをしてくれたりと、自然とコミュニケーションが出来て行きました。田舎の付き
合いは難しいと言われていますが、けっしてそんなことはないと思います。互いに挨拶し
あうことで移住者でも受け入れてくれます。このリフォームの間に私が学んだことは他に
もあります。建築に関する知識、作業ノウハウの習得、機械工具の操作方法、溶接作業等
そして最も大きな収穫は、この移住先で自分の好きなことで何か始めて見よう と思える
ようになり方向性を見いだすことが出来たことです。 私は昔から万年筆等のペンが好き
で、収集するのが趣味の一つです。又、銘木の収集も趣味としてありました。ならば自分
の好きな木で世界に一つだけのペンを作れないだろうか? と思うようになり挑戦するこ
とにしました。
3.必要なスキルを身につけることの重要性
やりたいことの方向性が見えた私は、妻に相談(快諾)しリフォームと会社の仕事の合間
にペンターニングの技術を習得することにしました。授業料を払い木工旋盤、木工ろくろ
の使い方、製作に必要な工具の使い方等を貪欲に学びました。それ以外に木の知識の習得
にも努めたりと、出来る限り不安なく打ち込めるように取り組みました。ここまで出来た
のは妻の理解と協力があったことは言うまでもありません。
4.生活スタイルの変化と対応
定年まであと 2 ヶ月というところでリフォームも終わり我が家は完成。そして 8 月に無事
に定年退職を迎え移住先へ。 妻が事前に生活に関することをマメに調べており、役場、
最寄りのスーパーマーケット、病院等 規模の大小はあれど困るほどではありませんでし
た。田舎暮らしをするにあたって私たちが決めたことは、実に簡単で、生活スタイルはシ
ンプルに、そして頑張り過ぎないこと…この二つだけです。例えば、家の中は極力 物は
置かない(引越しの時に殆ど処分)買物は週 1 回のみ(無駄に出歩かない)等で、家の家
具は全て自作で行い、モジュールを統一することで、急な来客対応でも困らないように製
作したりと、楽しみながら行いました。又、老後の生活も考えて床回りはバリアフリーに
したりと、出来ることは全て自分の手でやりました。妻の方は家庭菜園で野菜の栽培や椎
茸原木栽培に挑戦したり、自家製の味噌作り等 楽しみながら頑張るを実践しているよう
でした。逆に大変な事と言えば一日二回の犬の散歩でした。里山に家があるので坂道の上
り下りが最初の頃は大変でしたが、散歩途中に村の人たちに挨拶をすることで、私たちの
ことを知ってもらういい機会になったと 今では思っています。
こんな生活を続けていたので、テレビを観ることも少なくなりました。今は、スマホやパ
ソコンがあれば、田舎暮らしでも困ることはありません。都心で暮らしていた時は妻との
会話は余りありませんでしたが、こんな生活スタイルですから、自然と会話が増えて行き
ました。自然環境で見てみると、私たちの住む地域の冬の冷え込みはかなり厳しく大変で
す。夏は逆に県南辺りに比べて3~4度は低く快適で、エアコンの出番は余りありません。
覚悟しておかなければならないこととして、場所柄 猪などの獣や、虫類も沢山出没する
ので、対応策をしっかりとする必要があります。 こんな感じで日々生活をしていますが、
慣れとは恐ろしいもので、今では全く平気になりました。近くのコンビニまで車で 15 分 郵
便局まで 15 分けっして近いとは思いませんが、不便だとも思いません。
私たちは田舎暮らしをするにあたって、田舎の暮らし方を求めて移住して来たので、都会
の生活スタイルは望んではいませんが、最低限必要なものとして、車の免許と車は必要だ
と思います。公共交通機関が十分に機能していない田舎ではマイカーは必需品です。
実際の生活費で見てみると、田舎暮らしを始めてからの方が、光熱費・食費ともに少なく
済んでいます。元々妻は節約家で、家計をやり繰りしてくれていましたので 私は安心し
てペン作りに集中出来て助かりました。 サラリーマン時代に移住を考えるようになって
から妻は、こまめに貯蓄をして移住後の生活に備えました。本当にありがたかったです。
こんな感じで田舎暮らしを始めた私たちは、生活するための仕事をいよいよ始めることに
しました。2017年の早春ごろだったと思います。
5.夢はみるものではなく現実にすること
ペンターニングの技術を習得した私は、手始めに工房を作ることに着手しました。
工房は自宅の倉庫を改装することにしました。改装工事では義弟が協力してくれたことも
あり、二日程で完成しました。ここから機械の購入、設置までひと月ぐらいだったと思い
ます。機械設備は中古品やセール品を購入する事で、出費を押さえました。その他ペン製
作に必要な金具、備品等の購入も済ませ 足らない物は自作で対応しました。
販売までのスケジュールを同年の秋と決めてスタートを切りました。しかしながら思うよ
うに最初はペンが出来ず苦労しましたが、数を作ることでノウハウを掴み自信が持てるよ
うになりました。出来上がったペンの仕上がりについて妻にも意見を求め、よりクオリテ
ィの高いペン作りを目指しました。そんな日々の中で私の製作したペンの最初のお客さん
が突然現れました。 そのお客さんとは郵便配達員の方で、工房で何を作っているのか気
になっていたらしく、ペンを見せると これ売って頂けますでしょうか? こんな感じで
私の最初のお客様になりました。この時は本当に嬉しかったです。こだわって製作して良
かったと心の底から思いました。 自分の進む方向が見えた私は妻にも協力してもらい、
本格的に販売することを決めました。そして初めての販売は地域のイベントに出展するこ
とに決めて、慌ただしくその日を迎えました。世に初めてオリジナルハンドメイドペンを
出すわけですから、その評価を含めてかなり緊張しましたが、心配をよそに私のペンを購
入してくれるお客様が何人も来てくれました。飛び上がって喜びたい気持ちにブレーキを
掛けて、お客様一人ひとりに“ありがとうございます‼の言葉を伝えました。お客様からは、
こんな素敵なペンをありがとう!今日は素敵な出会いをありがとう!と言ってもらい こ
の瞬間から、里山の木工房真空は始まりました...2017年の秋の事でした。
6.良き出会いを求めて
もっともっと多くの人に真空のペンを知って貰いたい...そう考えた私たちは出来る限り
多くのイベントやフリーマーケットに出展し販売することを考え、県内のあちこちに足を
運びました。そんな時に、県内で最大のフリーマーケットを運営されている MOMO 編集
室の太田様と出会い、メディアの方々を紹介して頂き 色々と取り上げて頂きました。本
当に感謝しかありません。他のクリエーターさんとも随分と繋がりが出来て、本当に良か
ったと思っています。改めて思いますが、良き出会いに恵まれることは素晴らしいことだ
と思います。一方、私たちの住む里山の村でも私たちが工房を開業したことが、人伝いに
広まり 今では村の宝のように言ってもらっています。真にここに移住してきて良かった
と思っています。現在 真空はインターネットでも販売を始めましたが、お客様と向き合
っての販売は真空の原点です。これからも変えるつもりはありません。
良き出会いを求めて、これからも世界に一つだけのペンを作って行きます。 さて、
移住までの間色々とありましたが、私たち夫婦の絆はより強くなり、今まで以上に互いの
ことを尊重するようになりました。お金では変えられないものを手にしたと思います。
最後に、安住の地は与えてもらえるものではありません。自らの手で開拓し、掴んで下さ
い。 随分と偉そうなことを長々と書きましたが、これから地方への移住を検討されてい
る方の参考になれば幸いです。
里山の木工房真空 西村 博文

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不要不急の路面電車延伸他「子供の未来を閉ざす予算」の差止に関する陳情書(岡山市議会 令和4年 陳情第3号)
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内閣府 地方創生推進室 / 内閣官房 デジタル田園都市国家構想実現会議事務局「地方創生テレワーク」 “ 推進運動 Action 宣言 ” を行いました!
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路面電車乗り入れ事業費を精査する「百条委員会」設置に関する陳情書(岡山市議会 令和4年 陳情第2号)
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岡山市を責任の主体とする「岡山市MaaS局(仮称)」新設に関する陳情書(岡山市議会 令和4年 陳情第1号)
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『 岡山県への移住からペン工房開業まで 』by 里山の木工房様.

  • 1. 岡山県への移住からペン工房開業まで 1.移住先探しと物件探しについて 地方への移住を考えるようになったのは定年まであと、5 年ぐらいの時期頃からです。 妻も私も田舎暮らしに憧れ、移住先を探すようになり、インターネットを暇さえあれば 閲覧していました。 当時、娘が長野県の大学に在学中だったことと、私自身が長野県が 大好きだったので 田舎暮らしは長野県!みたいなノリで、週末になると妻と一緒に長野 県まで物件探しに出掛けていました。実際に現地の不動産会社に問い合わせて物件を確認 すると、傷みの激しい物件が多く修理費用などが相当掛かることが、素人の私たちでも想 像できるレベルの家が多く、正直大変でした。この当時の私たちは、中古の田舎物件を購 入することしか頭になく、柔軟性に欠けていました。 今思えば、移住候補先の町などが 取り組んでいる 空き家バンクの紹介等を利用すれば早く、楽に物件探しが出来たと思い ます。私たちは移住先で永住を前提として考えていたので物件は購入でしたが、賃貸で移 住先を探すのも個々人の都合によってはありだと思います。 そんな状態が何年か続き、 移住候補地も長野県から広島県辺りまで広めて、自分たちが本当に住みたいと思う物件を 根気よく探しました。そんなこんなで見つけた物件が、岡山県久米郡美咲町の里山にあっ た平屋建ての一軒家で、妻の希望している菜園スペースもあり、豊かな木々に囲まれた物 件で、私たちの希望をかなり満たしていたので購入することを決めました。 こうして探し始めて 3 年目の 2 月に私たちの移住先は決まりました。 2.移住後の生活を考える… 移住先は決まったが、定年後移住地で何をするのか私は決まっていませんでした。定年ま で残り 1 年半。この年齢まで某大手電機メーカーで働いてきましたが、特別なスキルがあ るわけでもなく 今更、地方の企業にお願いをして使って頂く気など更々なく、農業も全 く考えていませんでした。この時の私の頭の中は、定年後は年金で好きなロードバイクで も乗ってのんびりと…そんな考えでした。焦りの中で、長年勤めた会社の貯まりに貯まっ た有給休暇を使って、1 年間かけて移住先の物件を自分の手で古民家風にリフォームする事 にしました。幸いにも義父は建築関係に詳しい方で、リフォームの指導と併せて手伝って 頂けるとのことで、完成を定年までと決めてスタートしました。 このリフォームを始めたことが、後々の新しい生活を考えるきっかけになりました。例え ば、月1回のリフォームのため、訪ねる私に ご近所の皆さんが声を掛けて下さり 時に は差入れをしてくれたりと、自然とコミュニケーションが出来て行きました。田舎の付き 合いは難しいと言われていますが、けっしてそんなことはないと思います。互いに挨拶し あうことで移住者でも受け入れてくれます。このリフォームの間に私が学んだことは他に もあります。建築に関する知識、作業ノウハウの習得、機械工具の操作方法、溶接作業等 そして最も大きな収穫は、この移住先で自分の好きなことで何か始めて見よう と思える ようになり方向性を見いだすことが出来たことです。 私は昔から万年筆等のペンが好き で、収集するのが趣味の一つです。又、銘木の収集も趣味としてありました。ならば自分 の好きな木で世界に一つだけのペンを作れないだろうか? と思うようになり挑戦するこ とにしました。
  • 2. 3.必要なスキルを身につけることの重要性 やりたいことの方向性が見えた私は、妻に相談(快諾)しリフォームと会社の仕事の合間 にペンターニングの技術を習得することにしました。授業料を払い木工旋盤、木工ろくろ の使い方、製作に必要な工具の使い方等を貪欲に学びました。それ以外に木の知識の習得 にも努めたりと、出来る限り不安なく打ち込めるように取り組みました。ここまで出来た のは妻の理解と協力があったことは言うまでもありません。 4.生活スタイルの変化と対応 定年まであと 2 ヶ月というところでリフォームも終わり我が家は完成。そして 8 月に無事 に定年退職を迎え移住先へ。 妻が事前に生活に関することをマメに調べており、役場、 最寄りのスーパーマーケット、病院等 規模の大小はあれど困るほどではありませんでし た。田舎暮らしをするにあたって私たちが決めたことは、実に簡単で、生活スタイルはシ ンプルに、そして頑張り過ぎないこと…この二つだけです。例えば、家の中は極力 物は 置かない(引越しの時に殆ど処分)買物は週 1 回のみ(無駄に出歩かない)等で、家の家 具は全て自作で行い、モジュールを統一することで、急な来客対応でも困らないように製 作したりと、楽しみながら行いました。又、老後の生活も考えて床回りはバリアフリーに したりと、出来ることは全て自分の手でやりました。妻の方は家庭菜園で野菜の栽培や椎 茸原木栽培に挑戦したり、自家製の味噌作り等 楽しみながら頑張るを実践しているよう でした。逆に大変な事と言えば一日二回の犬の散歩でした。里山に家があるので坂道の上 り下りが最初の頃は大変でしたが、散歩途中に村の人たちに挨拶をすることで、私たちの ことを知ってもらういい機会になったと 今では思っています。 こんな生活を続けていたので、テレビを観ることも少なくなりました。今は、スマホやパ ソコンがあれば、田舎暮らしでも困ることはありません。都心で暮らしていた時は妻との 会話は余りありませんでしたが、こんな生活スタイルですから、自然と会話が増えて行き ました。自然環境で見てみると、私たちの住む地域の冬の冷え込みはかなり厳しく大変で す。夏は逆に県南辺りに比べて3~4度は低く快適で、エアコンの出番は余りありません。 覚悟しておかなければならないこととして、場所柄 猪などの獣や、虫類も沢山出没する ので、対応策をしっかりとする必要があります。 こんな感じで日々生活をしていますが、 慣れとは恐ろしいもので、今では全く平気になりました。近くのコンビニまで車で 15 分 郵 便局まで 15 分けっして近いとは思いませんが、不便だとも思いません。 私たちは田舎暮らしをするにあたって、田舎の暮らし方を求めて移住して来たので、都会 の生活スタイルは望んではいませんが、最低限必要なものとして、車の免許と車は必要だ と思います。公共交通機関が十分に機能していない田舎ではマイカーは必需品です。 実際の生活費で見てみると、田舎暮らしを始めてからの方が、光熱費・食費ともに少なく 済んでいます。元々妻は節約家で、家計をやり繰りしてくれていましたので 私は安心し てペン作りに集中出来て助かりました。 サラリーマン時代に移住を考えるようになって から妻は、こまめに貯蓄をして移住後の生活に備えました。本当にありがたかったです。 こんな感じで田舎暮らしを始めた私たちは、生活するための仕事をいよいよ始めることに しました。2017年の早春ごろだったと思います。
  • 3. 5.夢はみるものではなく現実にすること ペンターニングの技術を習得した私は、手始めに工房を作ることに着手しました。 工房は自宅の倉庫を改装することにしました。改装工事では義弟が協力してくれたことも あり、二日程で完成しました。ここから機械の購入、設置までひと月ぐらいだったと思い ます。機械設備は中古品やセール品を購入する事で、出費を押さえました。その他ペン製 作に必要な金具、備品等の購入も済ませ 足らない物は自作で対応しました。 販売までのスケジュールを同年の秋と決めてスタートを切りました。しかしながら思うよ うに最初はペンが出来ず苦労しましたが、数を作ることでノウハウを掴み自信が持てるよ うになりました。出来上がったペンの仕上がりについて妻にも意見を求め、よりクオリテ ィの高いペン作りを目指しました。そんな日々の中で私の製作したペンの最初のお客さん が突然現れました。 そのお客さんとは郵便配達員の方で、工房で何を作っているのか気 になっていたらしく、ペンを見せると これ売って頂けますでしょうか? こんな感じで 私の最初のお客様になりました。この時は本当に嬉しかったです。こだわって製作して良 かったと心の底から思いました。 自分の進む方向が見えた私は妻にも協力してもらい、 本格的に販売することを決めました。そして初めての販売は地域のイベントに出展するこ とに決めて、慌ただしくその日を迎えました。世に初めてオリジナルハンドメイドペンを 出すわけですから、その評価を含めてかなり緊張しましたが、心配をよそに私のペンを購 入してくれるお客様が何人も来てくれました。飛び上がって喜びたい気持ちにブレーキを 掛けて、お客様一人ひとりに“ありがとうございます‼の言葉を伝えました。お客様からは、 こんな素敵なペンをありがとう!今日は素敵な出会いをありがとう!と言ってもらい こ の瞬間から、里山の木工房真空は始まりました...2017年の秋の事でした。 6.良き出会いを求めて もっともっと多くの人に真空のペンを知って貰いたい...そう考えた私たちは出来る限り 多くのイベントやフリーマーケットに出展し販売することを考え、県内のあちこちに足を 運びました。そんな時に、県内で最大のフリーマーケットを運営されている MOMO 編集 室の太田様と出会い、メディアの方々を紹介して頂き 色々と取り上げて頂きました。本 当に感謝しかありません。他のクリエーターさんとも随分と繋がりが出来て、本当に良か ったと思っています。改めて思いますが、良き出会いに恵まれることは素晴らしいことだ と思います。一方、私たちの住む里山の村でも私たちが工房を開業したことが、人伝いに 広まり 今では村の宝のように言ってもらっています。真にここに移住してきて良かった と思っています。現在 真空はインターネットでも販売を始めましたが、お客様と向き合 っての販売は真空の原点です。これからも変えるつもりはありません。 良き出会いを求めて、これからも世界に一つだけのペンを作って行きます。 さて、 移住までの間色々とありましたが、私たち夫婦の絆はより強くなり、今まで以上に互いの ことを尊重するようになりました。お金では変えられないものを手にしたと思います。 最後に、安住の地は与えてもらえるものではありません。自らの手で開拓し、掴んで下さ い。 随分と偉そうなことを長々と書きましたが、これから地方への移住を検討されてい る方の参考になれば幸いです。 里山の木工房真空 西村 博文