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   CiMの現状
実施計画
ATEC	 
civil	 interaction	 manager	 
初貝優樹	 	 	 	 	 Y.Hatsugai
2019/03/31∼
CiMとは?
設計補助・測量現場から感ずる視点
結論*情報共有の話
ビジョン・イメージ・概念
実行方法
の共有は大切と思う
なぜ発表?
ç
発表/計画の流れ
現状
問題
解決策として
CIM説明
CIMシステム計画
結果予想/
対応検討
現状の
認識
問題の理解
把握整理
アイデアの提示
CIMとは?
• 建設情報の一元化
• 建設サイクルの健全化
• 設計 施行プロセス全体

での時間•コスト短縮
Civil Information Manage
情報の一元化?
BIM/CIM
情報の一元化
ゴチャ
別々な人による
• •
バラバラな図面
組上げ
ていく
情報の一元化
別々な人による
• •
バラバラな図面
設計者が読み解いてきた
誰が見ても(機械でも!)各部の
組合わさり方がわかる
情報の一元化
建設サイクルの健全化
計画 ー 設計(概略∼詳細) ー 施工 ー 運用(管理)
コストをならす・へらす・切り分ける
い ま
健 全 化
?
image
プロセス全体での
時間•コスト短縮
計画ー設計(概略∼詳細)ー施工ー運用(管理)
情報の
 受け渡し
・
プロセス全体での
時間•コスト短縮
計画ー設計(概略∼詳細)ー施工ー運用(管理)
統合された情報
• • • • • • •
の相互編集
繰返しの確認
下流工程での    
知見の反映
統合された情報
• • • • • • •
統合された情報
• • • • • • •
基準 契約 設計 完成
国家 発注者 設計者 市民
統合された情報
• • • • • • •
市民
設計者
国家
発注者
施工者
管理者
以前は紙として保存
されていた
実際は、情報を引出し交換、
結果を変化させるために  
担当者たちのアタマのなかに
あったりする
情報交換/変更の早さに
テクノロジーが   
付いていかなかった
でも往々にして頭の中か
らは注意が抜け落ちる 
そこから橋が落ちたり 
トンネルが陥落する原因
• •
ができる
右の図の上すぐに違いが
分かりましたか
下の図ではどうでしょう
機械でも確実に分かります
視覚化には力があるのです
白
白
白青
赤黄
黄赤
赤
白
白
白青
黄
黄赤
赤青
雲の中の情報
• CIM化は設計情報の統合を前提         
どこで行うか?クラウド上と私は考える
• インターネット上に統合された設計情報の集約
これが統合された情報の実体
• フォルダ管理、図面照査の徹底化ともいえる

• 設計情報の組み合わせ、情報受渡しの円滑化に
よる効率化と堅牢化、集団での確認の確実性
CIMの重要性
私なりの理解の仕方
• 今まで、頭の中で1つであるとして考えていた 
ものを 目の前で❶コに組合わせる

• 誰かの❶コの考えを  3D空間の中で❶ヶ所に 
結合する

• ネットワーク内で❶ヶ所毎のデータを①つに 
集約する!
問題
question and problem
設計者の感じる手間
• どうして今までの方法
ではいけないの?
• 3Dのモデルに意味 
なんてあるの?
• それで私たちは   
どうしたらよい?  
作業を楽にしたい!
どうして今までの方法では 
いけないの?
• 作りすぎた       
社会資本の整理
• 地方自治の方法との整合
• つまり、        
建設設計はより     
大きな問題とぶつかりが          
生じることが予想される    
このマネジメントも仕事
3 D の モ デル に 意 味 な んて  
あるの?
• 可視化 というのは      
方法のひとつ
• 情報の統合と円滑な  
サイクルに真の意義が 
ある
• 関係者を巻き込んだ循環    
それこそが目的
作業を楽にしたい!
• 短期的には、3DCADの 
理解への投資が必要
• 発注者説明の手間が省ける
• 市民へ説明責任を果たせる
• 自分以外へ説明が楽になる
より実際的な問題
いま社内での問題
• 測量/空間情報と構造物設計 部署間の意思疎通

分野の作業範囲の分断             
→漸次定義、補い合いが必要

• 目的意識の共有

CIMの必要性!!!!

→経営計画と                  
_現場状況の 実態•認識の共有の繰返し
CiM担当内の課題
• モデル作成時の障害            
設計用語、一般的手法、作業の見通しが不足    
設計技術者なしでは作業が確実には進まない

• ソフト環境整備不良

支社間でのソフト所有活用状況の共有      
作業依頼に必要不可欠!客先提出にも
そんなこと、できるの?
–with Construction Information Manage
Just
Do
It
そんなこと、できるの?
現状社内でできること
• 設計技術者確認の上での3Dモデル作成      
協議用資料として               
詳細設計モデルを業務内で試行中

• 半自動土量数量算出などの3D解析

• 現況の3D計測での把握
これらの組み合わせ・外部と連携で解決していく!
協議用資料として
3D解析
地上レーザー計測やUAV撮影で取得したデータの解析
数値地形図作成
断面図、平面縦横断図作成
土量算出、配筋干渉確認
(予想)3D解析
• モデルをさらに精緻化
することで     
力学的な解析を行う 
ことが可能になる
設計者としてのモデル利用
• 力学的な解析3Dモデルとして

• 部材干渉の確認

• 設計意図の説明資料として

• 土量・構造物の数量算出

• 部材の機械加工用データとして
3D計測
迅速で広範囲な状況把握
3D計測のメリット
小規模な
災害箇所
ならば 
短時間で
計画せず
計測可能
社内でいまできること
計画ー設計(概略∼詳細)ー施工ー運用(管理)
協議用3Dモデル作成
設計用3Dモデル試作
現況3D計測
橋梁一般図作成
3D等高線図作成
土量算出
さらなる使い方をどこへ広げていくか?
=誰と連携して計画実行するのか?
社内でこれから考えること
計画ー設計(概略∼詳細)ー施工ー運用(管理)
コンセプトの提案
既存物件との
整合検証
施工図作成
施行シミュレーション
現場での施行方法の説明
さらなる使い方はそれこそ多岐に渡る
企業ビジョンの重要性に回帰!!
マスタープラン-詳細設計
管理データベース
資産価値評価
そもそもCiM
ーどこからきたの
他業界での情報化動向
自動車産業
航空機
建築
プラント
医療
・
・
・
建設
他業界での情報化動向
自動車産業    
設計はすべて3D設計
部材加工できる形式
人間のために
寸法情報を併記
他業界での情報化動向
しかし設計部材は
数万を超える点数
資本のある組織は3Dデータを
そのまま機械加工に使用可能
自動車産業    
微細で少量生産の部材を請負う
中小企業には未浸透部分あり
建設業界の特徴
• バイパス的 建設後付加・削除がある

• 共同的  様々な人が色々な場所で1個を作る

• 接合的  現状と計画をうまくつなぐ
これらに適合した形で情報化を推進
バイパス的
付け足され/削り取られていく
共同的
異なるコンストラクターが分担してつくる
水道に関する工事
接合的
常に計画の 外"がある
頭において欲しいこと
• 設計者にとって日々接している 事柄     
初めて、一度しか見ない人たちがいる    
その人たちにも 情報 は 必要
移動だけでこの情報量‼
• •
設計情報を見るとしたら…
口で説明できますか?
可視化にも方法は必要
CiM
建設をUniversalに
すべての人が現場で

ともにはたらく
言葉の通じない人
身体に障害のある人
話が通じない人も
25年間で15倍の人が
日本で働くようになった
すべての人が現場で

ともにはたらく
何処からきたのか自分でも
      説明できない人
すぐに怒る人
理解が難しい人
そこに求められるもの
共有された情報
すべての人が
• • • • • •
もう働かなくていいように?
誰かのために?
皆が各々したいことをできるようにするために?
Work
for
FREEDOM?
For someOne?
私たちはつくる
私たちはつくる
つくる手伝いをしている
業界を
あるいは自分のなかへ飛び込む
• • • • • •
飛び
    出す
Why we pay for the creation
なぜ対価を払ってまで創作する人がいるのでしょう
©HAL TOKYO
私たちは未来に参加したい
We wish to join our future.
–Alan Kay
未来を予測する最良の方法は
それを創り出すことだ。
The father of personal PC
未来を創り出すために  
取りくむべきこと
それはなんだろうか
未来
誰と何を作るのか
建設作業 の 分断
未来をつくる
こうした見方が
共有されていない
求める未来?
建設作業の分断
• 現状では設計者と施工者管理者は別々な存在  
かつては談合を防ぐ意図があった
• いま、建設産業の効率化にあたって    
役割の分断(分担でない)が障壁となっている
みんなで
組立てて
いくには
みんなで 
情報を共有   
議論する 
ことが  
必要!!
設計・施工の統合
• デザインビルド方式等ともよばれる

• 設計意図の伝達ミスを減らすことを期待できる

• 部材の変更等による品質の低下を防ぐ

• and so on
デザインビルドを超えて
• 設計・施工に加え・計画を統合         
市民が参加する

• デザインでなくビルドでなく インタラクション  
作ることを求める市民と設計者の相互作用
身近な私たちにできること
⚫計画と設計の統合

⚪設計者として、市民としての統合
–市民による市民のための
より広い視点
市民
• 私たちは設計者、市民に対する責任
Responsibility がある

• 同時に、私たちは市民
Civil society のひとりである
市民に対する情報公開
• 人々に対する物理的     
だけでない情報的な公正さ
• 設計に関する情報へ   
アクセスするには、   
とても高い障壁がある
• 市民は自分の隣に      
何ができるのか     
観察することはできても、
自分の街の将来像を   
知ることはできない
• 人々に対する物理的だけでない
情報的な公正さ
計画・設計・施工・管理
これらのプロセスに  
意欲的な市民は参加する
権利がある
コンサルタントは        
それらの活動を是認し
現実性を実際に検討し
根拠ある見直しを提言し
市民として結束の結果を享受
役割を持った街の一員になる        
• 設計に関する情報へアクセスするには
とても高い障壁がある
行政手続
地理的知識
設計知識
施工知識
情報検索技能
あなたの
(将来関係するかもしれない)
子供たちに
これらを
せつめいできますか?
I
n
t
e
r
n
e
t
テクノロジーはある! エンジニアの準備は!
行政手続
地理的知識
設計知識
施工知識
情報検索
ただ1つのまちに
関わり続けること
故郷のように未来をつくる
街の疑問
• どんな災害に、どんな対策が施されているか

• 自分たちに活用できるどんな資源が       
周囲に存在するか

• よりよい住み良さを              
わたしたちがともに作るには        
どう行動し計画すべきか

                    ・・・
情報化によって潜在的
な関係性を可視化する
街の疑問への指針
• データベースにアクセス、市民が情報を投稿
共有、問題化することができる

• 投稿された情報を自治体が確認でき、問題を
把握しコストに応じた対策を考えられる

• 技術者が投稿された情報を吟味し、適切な 
方法を考案でき修正できる
作ろうとするもの
→市民が情報を投稿できる見やすく扱いやすい 

 インターフェースが必要となると考える

→地域一帯を検討し総合的なコスト等の情報を

 加味して対策できるデータベースの配備

→コンセプトから詳細設計まで徐々に詳細化し   
 市民、自治体にフィードバックする機構
作ろうとするもの
新しい仕事を作りませんか
• 建設情報に関わる    
データベースの開発を提案
• 関わり合いのなかで   
意思決定された     
街の情報資産をストック
• 内部・外部連携で開発
参加者
募集中!
はじめましょう!
ほかの組織での
BIM/CIM取り組み
   国土交通省
• CIMガイドライン
を策定(2017)

• モデルの詳細度等
を標準化し規定

• 試行業務を各地で
実施
(参考)CIM導入ガイドライン
【本ガイドラインの位置づけ】

これまでの CIM 試行事業で得られた知見やソフトウェアの機能水準等を踏まえ、現時点で CIM

の活用が可能な項目を中心に、CIM モデルの詳細度、受発注者の役割、基本的な作業手順や留意

点とともに、CIM モデルの作成指針(目安)、活用方法(事例)を参考として記載したものであ

る。

CIM モデルの作成指針や活用方策は、記載されたもの全てに準拠することを求めるものではな

い。本ガイドラインを参考に、適用する事業の特性や状況に応じて発注者・受注者で判断の上、

CIM モデルの作成や活用を行うものである。

公共事業において CIM を実践し得られた課題への対応とともに、ソフトウェアの機能向上、関

連する基準類の整備に応じて、本ガイドラインを継続的に改善、拡充していくものである。
2015年より毎年   
試行業務の事例集を 
編纂(施工)
CIMソフトベンダー
…状況は刻々と変化している ソフト/機能の増加・淘汰
業界としての取り組み
• 建 設 に 関 わ る 情 報 の 標 準 化 団 体 と し て     
Building SMART という国際団体がある

• 日本ではBuilding SMART JAPANとして活動  
計画∼管理の流通データ形式の統一を目指す
Building SMART
標準化
• あらゆるメディアには規格がある
• いろいろな機器でデータを使える様にするため
のデータの構造化のこと
質問はこちらまで
hatsugai@kk-atec.jp
yukihatsugai@gmail.com
」
「

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