文章を構成する過程を測定するジグソー・テキストの開発

文章を構成する過程を測定するジ
グソー・テキストの開発
◎山口琢(フリー), 高橋慈子(ハーティネス),  
小林龍生(スコレックス), 大場みち子(公立はこだて未来大学)
v2 2016-12-19
v1 2016-12-03
2015-12-05 IPSJ CE研究会
Taku Yamaguchi
1

これは、発表のときのスライド(v1)に、 
デモや口頭説明を補ったものです。
2016-12-19
Taku Yamaguchi
2

アジェンダ
•  研究の全体構成
•  ジグソー・テキスト
– デモ
Taku Yamaguchi
3

分析・応用(の対象)の粒度
大
中
小
経営・概略的 ← → 現場・具体的/手順
例
科目の成績
講義への参画度
(engagement)
教え方
考え方・解き方
測
定
粒
度

大
科目の成績
進学・進級
ある科目の成績
で、別の科目の
成績を推定
小
ページめくり
編集対象の枠
成績を予測
ドロップアウト予
測
予習・復習・講義
への参画度
考え方の指導
批判的な読み方
論理的な書き方
本研究の目標・ターゲット
背景: Learning Analyticsの細粒度化
2軸で整理: 測定の粒度 x 応用の粒度
Taku Yamaguchi
4

作文アプリ
xxx
xxxx xxx
xxx xx xx
xxxx
編集操作の記録
学習者
文章
▲▲ ▲

学習者の
論理的思考
学習者の
編集操作
指導者
作文中に 
考え方を指導
推定
分析
#1
#2
#3#4
目的: 考え方の学習・指導
大規模、リアルタイム、自習
細粒度で測定して、細粒度で応用
Taku Yamaguchi
5

研究を進める上での課題
やってみないと分からない:
•  どのような測定する仕組みが可能で、
•  どのようなデータを得られて、
← 見たことのないデータ
•  どのように分析すれば、
•  何が分かるのか、何ができるのか
Taku Yamaguchi
6

アプローチ
Taku Yamaguchi
7

教材アプリ
記録
[データ]
分析
[理論]
指導・学習
[応用]
▲▲ ▲

アプローチ: インクリメンタル
フィードバックしながら、多様化、精度向上
Taku Yamaguchi
8

トピック・ライティングの例
Taku Yamaguchi
9

教材アプリ
記録
[データ]
分析
[理論]
指導・学習
[応用]
1.  ロジック・ツリーによるトピックライティングの講義
2.  ロジック・ツリーをワークシートとして利用するTopic
Writer(アプリケーション)
Taku Yamaguchi
10

編集操作パターン
教材アプリ
記録
[データ]
分析
[理論]
指導・学習
[応用]
Taku Yamaguchi
11

編集操作パターンの違い
•  時系列散布図をみると、パター
ンの変化に特徴がある
講師の講評
時間
編
集
対
象
枠

Taku Yamaguchi
12

講師の講評
編集操作パターンの特徴
•  同じ人が、同じ課題で作文してるのに、講評の前後でパターンが違う
–  講評前: 端から順番(左) vs. 講評後: 行ったり来たり(右)
•  この違いには意味があると考えられる
•  この違いを端的に表す指標が欲しい
Taku Yamaguchi
13

編集操作パターンを示すデータ
•  欲しい性質の例
–  「端から順番(図左)」だと「0」に近く、
–  「行ったり来たり(図右)」が多いと値が大きくなる
Taku Yamaguchi
14

共起(collocation)
文字列の共起
•  共起する場所・区間
–  文字列
–  文字列上で近い単位同士は、
関係が強いだろう
•  N-gram
–  連続するN個の単位
–  連続するN文字
編集操作の時間的な共起
•  共起する場所・区間
–  時間、編集操作列
–  時間軸上や編集操作列上で
近い操作の対象である文章
の単位同士は関係が強いだ
ろう
•  N-gram
–  連続するN回の操作
Taku Yamaguchi
15

編集操作の時間的共起
Taku Yamaguchi
16
ワークシート
編集操作の共起行列
教材アプリ
記録
[データ]
分析
[理論]
指導・学習
[応用]

n回目とn+1回目の編集操作
6回目の編集対象: cc_8
7 (= 6 + 1)回目の編集対象: cc_12
+1
Taku Yamaguchi
17

共起行列をスカラー化
EOI Editing Operations Indicator
↓
書かれた文章の論理的構成の評点の改善度
↑↓関係がありそう 
EOI
Taku Yamaguchi
18
教材アプリ
記録
[データ]
分析
[理論]
指導・学習
[応用]

フィードバック
「誤字脱字などの修正を排除して、 
論理的構成に絞った思考過程を 
測定・分析して役立てたい」
↓
ジグソーテキスト

Taku Yamaguchi
19
教材アプリ
記録
[データ]
分析
[理論]
指導・学習
[応用]

ジグソーテキスト
Taku Yamaguchi
20

https://cc-study.appspot.com/
Taku Yamaguchi
21

Taku Yamaguchi
22
教材アプリ
記録
[データ]
分析
[理論]
指導・学習
[応用]

学習分析は細粒度化が進んでいる。
s1
読解では、電子書籍のページめくりを記録して学習者の参画度合いを知…
s2
記録・分析した作文行動には誤字脱字や表現の修正も含まれている。
s4
別の作文アプリケーションによって文章の論理構成のみを問うような課題を…
s5
そこで、文の並べ替え作文を課題とし編集操作を記録するジグソー・…
s6
われわれは、これまでに、作文について、作文行動を記録・分析した…
s3
Taku Yamaguchi
23

学習分析は細粒度化が進んでいる。
s1
読解では、電子書籍のページめくりを記録して学習者の参画度合いを知…
s2
記録・分析した作文行動には誤字脱字や表現の修正も含まれている。
s4
別の作文アプリケーションによって文章の論理構成のみを問うような課題を…
s5
そこで、文の並べ替え作文を課題とし編集操作を記録するジグソー・…
s6
われわれは、これまでに、作文について、作文行動を記録・分析した…
s3
Taku Yamaguchi
24
ドラッグ開始: 前(上) s1、対象 s3、後(下) s4
ドロップ: 前(上) s6、対象 s3、後(下) s5

デモ#1 並べ替え操作
Taku Yamaguchi
25

Taku Yamaguchi
26

ドラッグ開始
Taku Yamaguchi
27

ドロップ
Taku Yamaguchi
28

1つの並べ替え操作が完了
Taku Yamaguchi
29

デモ#2 データ
Taku Yamaguchi
30

直前までの操作を分析・可視化する画面
Taku Yamaguchi
31

操作ログ
1.  時刻「2016-12-19T11:08:22.350Z」に、「1の文」が前、「8の文」が後ろにあった「4
の文」を、ドラッグ開始した。
2.  時刻「2016-12-19T11:08:39.321Z」に、「6の文」の後、「5の文」の前に、「４の文」を
ドロップした。
Taku Yamaguchi
32

デモ#3 分析1
Taku Yamaguchi
33

時系列の散布図
•  「4の文」を、ドラッグ開始して、ドロップした。
•  数が少ないと、これだけから何かを読み取るのは難しそう…
Taku Yamaguchi
34

共起行列
•  デモ#1のドロップ操作対応する、文の共起行列。行と列は、元の文の順序に並ん
でいる。セルの数値は、各行の文(対象)を、列の文の前または後(上または下)の
どちらかに、ドロップして挿入した回数。
•  これらは、行の文と列の文とが隣り合うべき(共起する、collocate)とプレーヤーが
判断した回数と、解釈できるかもしれない。
Taku Yamaguchi
35

分析: 予想される課題
•  ドロップ先(移動先)の前後(上下)の文、両方と
関係が深いとは言えない、どちらかだけの可
能性が高い。
↓
•  Topic Writerでの共起行列やEOIとは別の分
析手法が必要か？
Taku Yamaguchi
36

方針: 関係の薄さに基づく分析
•  ドラッグ開始(移動元)の前後(上下)の文とは、
両方共と関係が薄いと言える。
↓
排起行列: 文同士が隣り合って「起きる」ことを
互いに「排除」した回数。
Taku Yamaguchi
37

デモ#4 分析2
Taku Yamaguchi
38

排起行列
•  デモ#1のドラッグ開始操作に対応する、文の排起行列。行と列は元の文の順序で並んでいる。セ
ルの数値は、各行の文(対象)を、列の文と前または後(上または下)のどちらかで隣り合っていた
状態から、ドラッグして取り出した回数。
•  これは、「行の文と列の文が並ぶのは誤り(排起(はいき)する、exlocate、造語)だ」とプレーヤーが
判断した回数と、解釈できるかもしれない。
Taku Yamaguchi
39

まとめ
Taku Yamaguchi
40

アプリケーション
記録
[データ]
分析
[理論]
指導・学習
[応用]
トピック・ライター
ジグソー・テキスト
編集操作の共起分析(関係の深さに基づく分析)
Editing Operations Indicator (EOI)
? 関係の浅さ・薄さに基づく分析
フィードバック: 文章の論理的構成に 
特化した指導・学習を
• 操作種別
• 対象
• マトリックス・ 
コンテキスト
Taku Yamaguchi
41

今後
•  ジグソー・テキストで、編集操作を測定して、
実データを集める
Taku Yamaguchi
42

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