アプリの配布スキームについて

1. Xcode7時代のアプリ配布
2015/11/24
@TachibanaKaoru

2. 自己紹介
• @TachibanaKaoru
• 渋谷のVOYAGE GROUPで iOS
アプリを作っています。
• 最近は「朝時間」というメディ
アアプリを担当しています。
• 最近は渋谷のRock & Wall でボ
ルダリングで朝活しています。

3. アプリ配布の意味
• なんのために、誰に配布するのか
• 開発メンバーに設計テスト用モジュールとして
• デザイナー向けにデザイン確認モジュールとして
• プロジェクトメンバーにUIテストモジュールとして
• ユーザー向けにβテストとして

4. 配布に求められるもの
• その時のリリース目的のソースコードでのモジュール
（場合によっては必ずしも最新とは限らない）
• 端末登録などの事前の準備は可能な限り排除したい
• ビルド・配布は可能な限り自動化したい

5. Xcode BOT

6. Xcode BOTとは
• Xcode5から導入されているApple公式CIツール。
• 主要機能
• 自動ビルド
• Analyze（静的解析）の実施
• UITest/UnitTestの実行
• ipaファイルの作成と配布

7. Xcode BOT構成例
• Mac OS X Serverが必要で
す。
• 構成例（上）
• 2台のMacで構成
• 構成例（下）
• 1台のMacで構成

8. Xcode BOT
• Screen from Xcode

9. 配布画面
• Mac Safari から見た配布画面

10. 配布画面
• Mobile Safariから見た配布画面

11. Pros and Cons
• Pros
• ブランチを指定してBOTを作成できるため、開発用ブランチ、デ
ザイン変更用ブランチ、リリース用ブランチ……など１つのプロ
ジェクトに対して複数の配布ラインを作成することができる。
• それぞれのBOT（ブランチ）の、過去の任意のタイミングのビル
ド取得も可能。
• CommitごとやHourly/Daily/Weeklyなどの自動ビルド生成が可能。
• テストも同時に運用(UITest/UnitText)することができる。

12. Pros and Cons
• Cons
• テスト端末の開発用デバイス登録が必要。
• CocoaPodsとの相性が悪い。

13. External Test

14. External Testとは
• 2014年秋、Appleが買収したアプリ配布スキーム
• 以前はサードパーティ性のアプリ配布サービスとし
て運用されていた。
• Appleに買収されたことにより、iTunes Connectの中
から使えるようになり、利便性が増した。

15. External Testの配布
• iTunes Connectから配布します。

16. External Testによる配信
• 配布モジュールのアップロードは iTunes Connectへ行
う。
• 認証をしたあとに、iOS のTest Flightアプリでダウン
ロード可能。

17. Pros and Cons
• Pros
• App Storeからリリースするモジュールと同じモジュールを使用。
• テスト用にデバイス登録をする必要がない。
• 社外のユーザーへのリリースが可能。
• Cons
• External Test専用の審査がある。
• １アプリにつき、一度に一つのモジュールしか配布できない。
• テストユーザーの Apple IDを教えてもらう必要がある。
• iOS8以上のユーザーにしか配布できない。

18. External Testの審査
• アプリのバージョンを変更するたびに審査が必要となる。
• ただし、ビルド番号を変更した時には審査は不必要
• External Testの審査は、バージョン変更時に早めに行って
おくとよい。
• 審査時間はだいたい数時間∼５日。
• 審査は通常の審査よりはゆるいがrejectもある。

19. External Testの回数
• 以前は１日２回しかリリースできなかったが、最近の
変更で１日４回までに改善された
• ただし、アメリカ西海岸時間での１日なので注意が
必要。

20. Internal Test
• 機能的にはExternal Testと同等。
• ただし審査がないため即時配布が可能。

21. Enterprise Distribution

22. エンタープライズ配信とは
• App Storeを利用しない、社内向けのアプリ配信方法
• Appleと通常のDeveloper契約とは別に、エンタープラ
イズ契約を結ぶ必要がある。
• ビルドツール、配信ツールではないため、ビルドと
配信には別途準備が必要。
• この方法が悪用された不正アプリの配布などがあっ
たため、最近は運用が厳密になりはじめている。

23. Pros and Cons
• Pros
• Apple IDの登録やテスト用のデバイス登録が必要な
い。
• Cons
• Appleとの契約上、配布対象は自社の社員のみに限定
される。
• ビルド・配信方法は他の方法で構築する必要がある。

24. エンタープライズ配信のサーバー
• 配信サーバーは有効な証明書を持つhttpsサーバーである
必要がある。
• Apple の Mac OS X serverに搭載されている apacheサー
バーでも可能だが、SSL証明書のインポートに注意が必
要。（特定のベンダーのSSL証明書にしか対応していな
い）
• 配信時の設定ファイルはXcodeから書き出すことが可能。
(Xcode7)

25. まとめ
• 製品版の配布
• 設計テストや実装確認のための配布にはXcode BOT
での配布
• リリースモジュールのシステムテストや関係者間のプ
ロトタイプ配布は External Test
• 社内ツールの配布はEnterprise配布を利用