システム開発で用いる開発用環境や試験用環境は数があるほど、開発者にとって利用しやすいかもしれませんが、メンテ作業やコストがかかる事になります。 自社内でもこのような問題については課題であります。 これまでの自社内の実績や、現在検討している内容を踏まえて、今回基盤目線でどういった構成で作っていくのが良いかを述べていきたいと思います。 その最終回で、システム試験と環境維持について述べます。

1. システム開発における基盤環境の
継続的インテグレーション／継続的デリバリー（CI/CD）
- 第4回 -
株式会社シイエヌエス
基盤システム事業部
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2. はじめに
今回は、以下の図の破線で囲った工程について記す。
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基本
設計
要件定義
詳細
設計
アプリ開発 コーディング
/ビルド
単体
試験
結合
試験
システム
試験
維持
サービス
イン
基本
設計
要件定義
詳細
設計
コーディング
/ビルド
単体
試験
結合
試験
システム
試験
維持
サービス
イン
追加アプリ
開発

3. 試験工程で必要となる環境
試験工程(結合試験～システム試験)において必要となる環境に
ついて、以下に記す。
① 結合試験 ※前回説明範囲
② システム試験
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リリース管理サーバ
結合試験 システム試験

4. システム試験環境
システム試験工程の作業環境
• 要件定義の内容を考慮して試験を行うため、システム構成自体が商用
サービスの状態を意識する。
• 機能性の確認は存在するが、運用性、可用性、信頼性のような試験項目は
商用でサービス提供を行う環境と同様に実施する必要がある。
• システム試験の実施環境は、商用が物理サーバであれば物理サーバを、
仮想化サーバであれば仮想化サーバを使用する必要がある。
• コンテナの仕組みは、可用性、信頼性を再現することは難しい。
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5. システム試験実施方法
システム試験を実施するサーバに対して、商用環境へリリース
予定の資材を配布する。
資材については、結合試験で配布する資材も考慮したセットと
しておき、リリースの環境差異を減らす。
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サーバ1 サーバ2 サーバ3
リリース管理
サーバ
リリース管理
ツール
リリース資材 リリース資材 リリース資材

6. システム試験実施方法
システム試験をシナリオに沿って実施する。
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サーバ1 サーバ2 サーバ3
リリース資材 リリース資材 リリース資材
試験シナリオに沿って
実施する。

7. サービスイン後の環境維持について
商用環境でサービス提供が開始してしまうと、環境の優先順位は
「商用環境」となる。
⇒商用環境と試験環境で環境差異が発見された場合、商用環境を
変更すると、どのような影響が発生するかを確認して、安全であることが
見切れてから実施しなければならなくなる。
そのような手間をかけるよりは、差異があっても通常のサービス上に
問題が起きていないのであれば、商用環境を正としてしまって、
試験環境を商用環境に合わせた修正を行うことが都度発生する。
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8. サービスイン後の環境維持について
商用環境の維持をしながら、機能追加が発生する状態では、
どのように資材を管理する必要があるか。
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No. 対象 説明
1 Git 商用資材および開発資材のバージョンを管理する。
まだ商用にリリースされていない資材を新規バージョンとして適宜
追加していくと、どれが商用と同じになるかがわからなくなる。
商用環境の資材はメインストームとして管理しておき、機能追加や
バグ対応の資材はブランチを作って、そちらで管理する。
2 コンテナ用アプリケーション・ランタイム コンテナ用に用意するランタイムは商用環境でサービス提供して
いるものを基本セットとして用意する。
このアプリケーション・ランタイムに対して追加開発やバグ対応で
バージョンアップを行う場合は、コンテナ化後にリリース資材として
配布する。

9. Git
Gitの資材管理の本流は商用環境の資材状態になるように管理を行う。
資材の変更が入る場合には、ブランチを切って管理を行う。
リリース時に本流にコミットする。
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管理資材の本流（=商用環境の資材)
例)機能追加A
例)バグ対応B
ブランチを生成
ブランチを生成 リリース時にコミット
リリース時にコミット新規資材の登録や、開発や試験により更新発生した資材を登録
新規資材の登録や、開発や試験に
より更新発生した資材を登録

10. コンテナ
コンテナに組み込むアプリケーションやランタイムについては、商用
環境に即したものを配置する。
ランタイムのアップデートは、コンテナ化後に行う。
⇒アップデートのランタイムを商用にリリースした後は、ランタイムに組み込む。
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サーバ1 サーバ2 サーバ3
namespace namespace namespace
サーバ1用
アプリケーション/
ランタイム
サーバ2用
アプリケーション/
ランタイム
サーバ3用
アプリケーション/
ランタイム
商用環境の基盤更新に合わせて、試験環境も更新する
アップ
デート
データ

11. 最後に
これまで本連載についてお読みいただきありがとうございました。
本テーマについては、今回で最後となります。
別のテーマで投稿を行いたいと思います。
その時はよろしくお願いいたします。
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