創作競作資料

1. Ｈｉのアルパカ創作レポート
大河 寛（Ｈｉ）
今回、勉強会に向けてアルパカを創作するにあたってまず考えたのが「アルパ
カに似た紛らわしい動物・リャマとの差別化」である。私が創作をする際に最も
注意することが、誰が見てもすぐに何だか分かるような作品の簡潔さである。そ
こで、リャマとアルパカの違いをネットで調べてみた。すると困ったことに、素
人がパッと見で区別するのは難しいという。しかし、リャマは毛を利用するほか
に荷を運ぶために使うが、アルパカは専ら毛を利用するために飼うという。よっ
て、「圧倒的アルパカらしさ」を引き出すためには、どれだけ毛を紙で表現でき
るかという点にあると考え、これをテーマにして創作に着手した。
まず、その動物の特徴を表すものとして最も重要視される頭部を作成する。ア
ルパカを画像検索し、形を表現しようと試みるが、思っていた以上に特徴が薄い。
例えば、アルパカを想像してといわれ、想像することは容易だが、何も見ずに描
いてと言われるとうまくアルパカにならないようなもどかしさのようなものが
あった。そこで、今回のテーマであるアルパカの「毛並み」を大げさに折ってみ
たものが図１である。耳に何も意識をせずに折ったため大きいが、毛のみに目を
向ければまあまあだろう。よって、頬と頭の毛はこの形を用いていく。↓図１
この毛を表現するためにバイアス蛇腹を用いたため、耳のカド作成
や首を伸ばすことがかなり容易に済んだ。そして、次に意識したの
が、正面から見た時の首の付け根である。ここがＹ字になることで
毛量の表現がかなりそれっぽくなる。これによって、正面から見ても
欠陥のないモデルにもなるため一石二鳥である。これを留意した上で
の試作が図２である。しかし、これを仕上げた際に首が後ろに反ると
いう問題が発生した（図３）。首が若干前脚よりも前に出ているアル
パカにはあり得ない致命的な欠陥である。これにより、鶴の基本形を
そのまま前脚に利用することをやめ、次の全体試作に移ることにした。
→図２（左）と図３（右）

2. また、動物創作をするにあたって私がかなり気にしていることがあり、それ
は「立体化」である。動物に限ったことではないが、平面的に創作したものを
立体化しようと不自然な痩せ方をすることが多い。特にアルパカはモフッとし
た体が特徴であるため、後から立体化しようとすると不自然に痩せてしまい、
アルパカらしさが激減してしまう。よって、初めから立体になるように体を設
計した。
ここで話を全体試作２に戻す。改善したい点は、首が後ろに反りかえった点
と、口の折り出しであった。首の反り返りに関しては、鶴の基本形を少しずら
すことで首の角度を変え、手前に出るようにした。こうすることで、前から見
た時の首の付け根のＹ字を実現しながらも首を前に出すことができ、理想形を
実現できる。これらを踏まえてできたものが完成形である。
→鶴の基本形をずらすことによる首の
反り防止
↓アルパカ完成図とその展開図

3. こうしてアルパカを創作したわけだが、後脚はかなりやっつけで作ってしま
った（まあそれでもそこそこの結果が得られてしまったので何とも言えないが
…）。全体的にはかなり理想形に近づけることができたかなという印象であ
る。口周りはもう少し改善の余地ありで放置しておこうと思う。展開図も書こ
うと思ったのですが、ＰＣで oripa やオリヒメが起動できないなどの事故もあ
り、書くことができませんでした。ゴメンナサイ。

4. 目標設定シートについて
目標設定シートについてだが、書いたものを見直してみるとアイデアの右往左
往が予想以上に目立った。私自身、モチーフの１パーツごとに少なくとも１つ
はコンセプトが欲しいと思っており、このシートを確認することによってその
コンセプトがしっかり定められているかどうか、またそれを実現できているか
どうかを容易に確認することができ、便利であった。しかし、コンピュータが
苦手な私には Excel は少し手こずったなあ…という点はあった（笑）