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中小企業調査会説明資料
- 2. ○経済三団体共催 2017年新年祝賀パーティー（平成29年1月5日）における安倍総 理大臣 挨拶（抜粋） 今年もぜひ、少なくとも昨年並みの水準の賃上げ、我が国として４年連続のベアの実施をお 願いしたい。物価の上昇に後れを取らないような賃上げがあってこそ、しっかりとデフレから脱却 して、持続的に経済を力強く成長させていくという道に進んでいくことができると思っています。 あわせて、みなさまの直接の取引先を越えて、下請等の取引条件が改善していくよう、指 導力を発揮していただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。みなさまの御協力を 得て、デフレからの脱却をしっかりと果たしていく決意であります。 1．取引条件改善に関する安倍内閣総理大臣ご発言 ○安倍内閣総理大臣所信表明演説 抜粋（第193回国会、平成29年1月20日） 先月、50年ぶりに、下請代金の支払いについて通達を見直しました。これまで下請事業 者の資金繰りを苦しめてきた手形払いの慣行を断ち切り、現金払いを原則とします。近年の 下請けいじめの実態を踏まえ、下請法の運用基準を13年ぶりに抜本改定しました。今後、 厳格に運用し、下請取引の条件改善を進めます。 • 政府を挙げて、取引条件の改善に向けて取り組む方針としています。 1
- 3. 2 2．下請等中小企業の皆さまからの声 ① 原材料価格やエネルギー価格、人件費や労務費の高騰分の転嫁が認められない（発注 事業者側の高騰分までしわ寄せされることがある）。 ② 長らくコストダウン要請が続いており、達成できない場合には、それに見合う「一時金」を支払 わされる。 ③ 量産の役目を終えた金型を破棄したいが認められず、他方で、その保管費用などこれに付 随するコストは払ってくれない。 ④ 納品から150日後の手形決済など、実質的な支払の遅延がある（締め日から30日後に、 満期が120日後の手形を渡された）。 ⑤ 「他に○％安く見積もりを持ってきている社があり、値引きに協力してくれないと取引を継続 できない」と言われ、泣く泣く協力させられる（本当に○％安い見積もりを持ってきた者がい たかどうかも疑わしい）。 • 関係団体からのヒアリング、地方での意見交換、国会議員による事例収集（167件） により、生の声を把握しました。 出典：中小企業・小規模事業者政策調査会「新たな下請中小企業・小規模事業者対策についての提言」（平成28年4月）より
- 6. • 昨年12月14日、公正取引委員会は「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基 準」（事務総長通達）を改正し、違反行為事例を大幅に追加しました。 運用基準改正のポイント 出典：公正取引委員会公表資料（「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」の改正について）より抜粋 ○違反行為事例の追加 （現行66事例から141事例に大幅増加） ➢ 公正取引委員会による勧告・指導の中 で、繰り返し見受けられた行為、事業者 が問題ないと認識しやすい行為等を追加 ➢ 中小企業庁等と共同で実施した大企業 ヒアリングで得られた情報等を元に追加 【減額】 コンビニエンスストア本部である親事業者は、消費者に販売 する食料品の製造を下請事業者に委託しているところ、店舗 において値引きセールを実施することを理由に、下請代金から 一定額を差し引いて支払った。 【買いたたき】 親事業者は、取引先と協議して定めた「○年後までに製品 コスト○％減」という自己の目標を達成するために、部品の製 造を委託している下請事業者に対して、半年毎に加工費の ○％の原価低減を要求し、下請事業者と十分な協議をする ことなく、一方的に通常の対価を大幅に下回る下請代金の額 を定めた。 【不当な経済上の利益の提供要請】 親事業者は、量産終了から一定期間が経過した下請事業 者が所有する金型、木型等の型について、機械部品の製造 を委託している下請事業者から破棄の申請を受けたところ、 「自社だけで判断することは困難」などの理由で長期にわたり 明確な返答を行わず、保管・メンテナンスに要する費用を考慮 せず、無償で金型、木型等の型を保管させた。 主な違反行為の追加事例 5．下請代金法の運用強化（運用基準の改正） 5
- 9. • 世耕経産大臣から業界団体に対して、サプライチェーン全体での「取引適正化」と「付加価値 向上」に向けた自主行動計画の策定と着実な実行を要請しました。 • 自動車業界をはじめとして、8業種21団体が計画を策定し、公表しています。 8．自主行動計画に関する動き 業種 団体名 自動車 日本自動車工業会 日本自動車部品工業会 素形材 素形材センター等 計9団体 建設機械 日本建設機械工業会 繊維 （2団体連名で策定） 日本繊維産業連盟 繊維産業流通構造改革推進協議会 電機・情報通信機器 電子情報技術産業協会（JEITA) ビジネス機械・情報システム産業協会（JBMIA） 情報通信ネットワーク産業協会（CIAJ） 日本電機工業会（JEMA） 情報ｻｰﾋﾞｽ・ｿﾌﾄｳｪｱ 情報サービス産業協会 トラック運送業 全日本トラック協会 建設業 日本建設業連合会 8
- 10. 項 目 主 な 実 施 事 項 前文 ・「適正取引推進宣言」 調達５原則を遵守する。（①開かれた公正・公平な取引、②調達先と一体と なった競争力強化、③取引先との共存共栄、④原価低減等における課題・目標 の共有と成果シェア、⑤相互信頼に基づく双方向コミュニケーションの確保） Ⅰ.1.合理的な価格 決定 ・下請事業者に具体的な原価低減要請を行う際は根拠を明確にし、十分協議 を行う。合理性を確保するため、文書や記録を残さずに行う要請、口頭で数値 目標のみを提示しての要請、原価低減の根拠を丸投げするような要請、原価 低減要請に応じることが発注継続の前提となるような要請などは行わないこと を徹底する。 ・取引先の努力によるコスト削減効果を一方的に取引対価へ反映することは行わ ないことを徹底する。 ・労務費上昇に伴う取引価格見直し要請があった場合には、協議を行う。特に 人手不足や最低賃金の引上げがあれば、その影響を加味し、十分協議した上 で取引対価を決定する。 2.型管理の適正化 ・保管費用の負担、保管義務期間、返却や廃棄の基準等の一般的なルールや マニュアルを整備する。 ・親事業者の事情により保管を求める場合には、必要な費用を負担する。下請 法運用基準に記載されている「型・治具の無償保管要請」は行わないことを徹 底する。 【参考】日本自動車工業会 自主行動計画の概要① 出典：一般社団法人日本自動車工業会発表資料「適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画」（平成29年3月16日付）を基に中小企業庁にて作成。 9
- 12. 9．今後のフォローアップ • 今後、政府において、各種調査等を通じて、基準や通達の改正、自主行動計画に基づ く取組の浸透状況を確認していきます。 • 中小企業庁は、下請Ｇメンを新たに配置し、これまで以上に全国の下請企業に対するき め細かなヒアリング（年間2,000件以上）を行い、改善状況や課題の把握をすることとし ています。伺ったお話の秘密は守りつつ、親事業者等に適正な取引を促します。また、 伺ったご意見を集約し、政府の基準づくりにも反映していきます。 中小企業庁 取引課 取引調査班 03-3501-1669 中部 052-589-0170 近畿 06-6966-6037 中国 082-224-5661 「下請Ｇメン」 による ヒアリングのご要望は （各経済産業局 中小企業課取引調査担当） 北海道 011-709-1783 東北 022-221-4917 関東 048-600-0324 四国 087-811-8529 九州 092-482-5450 沖縄 098-866-1755 11