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卒論発表（橋本雄太）
- 1. 慶應義塾大学 経済学部 4年1組 21218930 橋本 雄太 1
- 2. 発表の流れ 2 1. 国内の森林についての現状 2. 取り組み事例 ～東京都八王子市について～ 3. 問題意識 4. 政策提言 5. モデル分析
- 13. 八王子市の概要 面積 186.38 km2 人口 (H27.9月) 562,781 人 市政世論調査 これからも八王子市に住み続けたい…91.2% ‐緑が多く、自然に恵まれている…60.0% 13 出典：八王子市環境白書2015 2-1 八王子市について
- 14. 環境への取り組みの歴史 1999年 八王子市みどりの基本計画 策定 2001年 環境基本条例 制定 2004年 第1次環境基本計画 策定 2013年 第2次環境基本計画 策定 2013年 八王子市みどりの基本計画 改定 14 2-1 八王子市について 『みどり』 『循環』 『八王子の自然を愛する心』
- 15. みどりの現状 緑被率61％ 内訳（林地 47%、草地・農地 14%） 15 2-1 八王子市について 出典：八王子市みどりの基本計画
- 23. 上手くいってない原因 ◆森林所有者 -制度を活用すること自体が面倒くさい -森林所有に対する税負担があまりない ◆木材価格 -減少傾向 -上がる見込みがない 23 2-3 森林の適正管理の現状
- 25. 3. 問題意識 25
- 26. 問題意識 26 八王子市をはじめとする各地域の 森林が適正管理されていない！ 森林を所有し、放置していても、 損をすることもないし、お金にもならない 適切な解決策を構築できていない 行政 所有者
- 27. 4. 政策提言 27
- 29. 政府・森林組合等 森林所有者 消費者 企業 森林サイクル制度の概要 29 補助金＆管理（制度利用） 木材 足湯 木材製品 代金 税金（制度未利用） 代金 バイオマ ス利用 政策提言
- 34. 政府・森林組合等 森林所有者 消費者 企業 森林サイクル制度の概要 34 補助金＆管理（制度利用） 木材 足湯 木材製品 代金 税金（制度未利用） 代金 バイオマ ス利用 政策提言
- 35. 5. モデル分析 35
- 36. 概要 ◆目指すべき姿 国内の森林を適正管理 ◆対象 政策の費用と便益を考慮し、社会的純便益が最大化される伐採 期間 ◆考察 ・社会的純便益𝑆𝑊と制度利用の森林面積の割合βの関係 ・製品価格が上昇した場合の社会的純便益𝑆𝑊と伐採周期𝑇の関 係 ◆応用する理論モデル Faustmann Model 36 5-1 分析準備 Max π(将来すべての回転から得る収入の純現在価値) を達成する周期を算出することができる。
- 38. Faustmann Modelの式 𝜋 𝑇 = max 0≤x≤1 𝑖=1 ∞ 𝑓 𝑇𝑖 𝑒−𝑟𝑇 𝑖 − 𝐶 𝑒𝑥𝑝 −𝑟 𝑗=1 𝑖−1 𝑇𝑗 定常性の仮定の下で問題は単純化されて 𝜋 𝑇 = max 𝑇 𝑓 𝑇 𝑒−𝑟𝑇 − 𝐶 1 − 𝑒−𝑟𝑇 𝜋：利潤 𝑓 𝑇 ：経常収入 𝑒−𝑟𝑇：割引率を考慮した際の係数 𝐶：育林にかかる費用 38 5-1 分析準備
- 39. 家計の効用 𝑈 = 𝑎 𝑙𝑛 1 + 𝑥 𝑟 + 𝑏 𝑙𝑛 1 + 𝑥 𝑠 𝑈：家計の効用 𝑈𝑟：適正管理されている森林から得られた材木によって製造され た製品を消費することで得られる効用 𝑈𝑠：足湯を利用することで得られる効用 𝑥 𝑟：適正管理されている森林から得られた材木によって製造され た製品の消費量 𝑥 𝑠：足湯の利用回数 𝑎, 𝑏：パラメーター 39 5-2 モデルの設定分析準備
- 40. 企業の利潤① 𝑤𝑟 = 𝛽𝑊 𝑤𝑟：適正管理されている森林面積 𝛽：パラメーター 𝑊：日本国内の森林面積 40 5-2 モデルの設定分析準備
- 41. 企業の利潤② 𝜋 𝐹 𝑝 𝑟, 𝑇 = 𝛽𝑐𝑇𝑊 𝑝 𝑟 − ℎ + 𝛽𝑐𝑇𝑊 2 𝑔 − 𝑑 𝜋 𝐹：企業が木材製品を売ることで得られる利潤 𝑝 𝑟：適正管理されている森林から得られる材木によって製造され た製品の価格 𝑞 𝑟：適正管理されている森林から得られる材木によって製造され た製品の量 𝑇：伐採周期 𝑊：日本国内の森林面積 𝛽, 𝑐, 𝑑, 𝑔, ℎ：パラメーター 41 5-2 モデルの設定分析準備
- 42. 政府の利潤 𝜋 𝐺(𝑝𝑠) = 𝑊 𝑗 − 𝛽𝑗 − 𝑘𝛽 + 𝑙𝑝𝑠 𝑞 𝑠 − 𝑚𝑞 𝑠 2 𝜋 𝐺：政府の利潤 𝑝𝑠：足湯の利用料金 𝑞 𝑠：足湯の設置個数 𝑊：日本国内の森林面積 𝛽, 𝑗, 𝑘, 𝑙, 𝑚：パラメーター 42 5-2 モデルの設定分析準備
- 43. 家計の需要関数 𝑥 𝑟 𝑝 𝑟, 𝑝𝑠 = 𝑎𝐼 − 𝑏𝑝 𝑟 + 𝑎𝑝𝑠 𝑝 𝑟 𝑎 + 𝑏 = 𝐷𝑟 𝑝 𝑟, 𝑝𝑠 𝑥 𝑠 𝑝 𝑟, 𝑝𝑠 = 𝑏𝐼 + 𝑏𝑝 𝑟 − 𝑎𝑝𝑠 𝑝𝑠 𝑎 + 𝑏 = 𝐷𝑠 𝑝 𝑟, 𝑝𝑠 𝐷𝑟 𝑝 𝑟, 𝑝𝑠 ：適正管理されている森林から得られる材木によって製 造された製品の需要関数 𝐷𝑠 𝑝 𝑟, 𝑝𝑠 ：足湯利用の需要関数 𝑝 𝑟：適正管理されている森林から得られる材木によって製造され た製品の価格 𝑝𝑠：足湯の利用料金 𝑎, 𝑏, 𝐼：パラメーター 43 5-3 需要関数・供給関数の導出と市場均衡
- 44. 木材製品の供給関数 𝑞 𝑟 𝑝 𝑟 = 𝑝 𝑟 − ℎ 2 𝑑 − 𝑔 = 𝑆𝑟 𝑝 𝑟 𝑆𝑟 𝑝 𝑟 ：適正管理されている森林から得られる材木によって製造 された製品の供給関数 𝑝 𝑟：適正管理されている森林から得られる材木によって製造され た製品の価格 𝑞 𝑟：適正管理されている森林から得られる材木によって製造され た製品の量 𝑑, 𝑔, ℎ：パラメーター 44 5-3 需要関数・供給関数の導出と市場均衡
- 45. 足湯の供給関数 利潤𝜋 𝑠について一階の条件より 𝑞 𝑠 𝑝𝑠 = 𝑙𝑝𝑠 2𝑚 = 𝑆𝑠 𝑝𝑠 𝑆𝑠 𝑝𝑠 ：足湯の供給関数 𝑝𝑠：足湯の利用料金 𝑞 𝑠：足湯の設置個数 𝑙, 𝑚：パラメーター 45 5-3 需要関数・供給関数の導出と市場均衡
- 46. 市場均衡 ◆木材市場 𝑎 + 𝑏 𝑝 𝑟 2 + 2𝑏 𝑑 − 𝑔 − ℎ 𝑎 + 𝑏 𝑝 𝑟 − 2𝑎 𝑑 − 𝑔 𝐼 + 𝑝𝑠 = 0 ◆足湯市場 𝑙 𝑎 + 𝑏 𝑝𝑠 2 + 2𝑎𝑚𝑝𝑠 − 2𝑏𝑚 𝐼 + 𝑝 𝑟 = 0 𝑝 𝑟：適正管理されている森林から得られる材木によって製造され た製品の価格 𝑞 𝑟：適正管理されている森林から得られる材木によって製造され た製品の量 𝑝𝑠：足湯の利用料金 𝑞 𝑠：足湯の設置個数 𝛽, 𝑎, 𝑏, 𝑑, 𝑔, ℎ, 𝐼, 𝑗, 𝑘, 𝑙, 𝑚：パラメーター 46 5-3 需要関数・供給関数の導出と市場均衡
- 47. 最適伐採周期の導出① 𝑆𝑊 𝑇, 𝑝 𝑟, 𝑝𝑠 = max 𝑇 𝑒−𝑟𝑇 1 − 𝑒−𝑟𝑇 𝑎 𝑙𝑛 1 + 𝑎𝐼 − 𝑏𝑝 𝑟 + 𝑎𝑝𝑠 𝑝 𝑟 𝑎 + 𝑏 + 𝑏 𝑙𝑛 1 + 𝑏𝐼 + 𝑏𝑝 𝑟 − 𝑎𝑝𝑠 𝑝𝑠 𝑎 + 𝑏 47 5-4 ファウストマンモデルを応用した社会的純便益の分 析
- 49. 社会的純便益𝑆𝑊と 制度利用の森林面積の割合βの関 係算出した最適伐採周期𝑇∗∗の下では管理される森林面積の割合𝛽が 𝟎. 𝟓𝟐𝟒𝟗𝟒𝟕 < 𝜷 ≤ 𝟏 の時に，この政策は有効であるといえる。 49 5-4 ファウストマンモデルを応用した社会的純便益 の分析
- 50. 製品価格と最適伐採周期の関係 この場合の最適伐採周期𝑇∗∗∗は 𝟑𝟔. 𝟕年となっており， 価格が上昇によって，最適伐採周期は短くなることがわかる。 50 5-4 ファウストマンモデルを応用した社会的純便益 の分析
- 52. 取材協力 • 八王子市 環境部 環境政策課 主査 星学 様 • 八王子市 環境部 環境保全課 自然環境担当 主査 塚本洋司 様 • 八王子市 環境部 環境保全課 自然環境担当 主任 福士大介 様 • 八王子市 環境部 農林課 林務担当 石井一成 様 • 八王子市 まちなみ整備部 公園課 主査 田邉恭 様 52
- 53. 参考文献 ・青島一樹，土屋一彬，大久保悟，武内和彦「八王子市における条例による市街地内樹林地の保全及び管理に関する研究」『ランドスケープ研究』Vol.73 No.5 P.615-618 ,2010 ・「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について」日本学術会議,2001 ・田中淳夫『伐って燃やせば「木は守れる」』株式会社洋泉社，1999 ・中瀬勲，林まゆみ『みどりのコミュニティデザイン』株式会社学芸出版社，2002 ・東京都産業労働局『東京の森林・林業 平成20年版』 ・東京都産業労働局『東京の森林・林業 平成21年版』 ・東京都産業労働局『東京の森林・林業 平成22年版』 ・東京都産業労働局『東京の森林・林業 平成23年版』 ・東京都産業労働局『東京の森林・林業 平成24年版』 ・東京都産業労働局『東京の森林・林業 平成25年版』 ・東京都産業労働局『東京の森林・林業 平成26年版』 ・八王子市『八王子市環境白書2014』 ・八王子市『八王子市環境白書2015』 ・八王子市『第2次環境基本計画』 ・八王子市『みどりの基本計画』 ・林野庁『平成25年度版 森林・林業白書』 ・林野庁『平成26年度版 森林・林業白書』 ・Jon M. Conrad.『Resource economics 2nd ed.』New York : Cambridge University Press, 2010. ・早稲田大学社会科学部 赤尾健一.”森林資源経済学”. http://www.f.waseda.jp/akao/forest/（閲覧日：2015年11月10日） ・公益財団法人東京都農林水産振興財団花粉対策室長 小野.”花粉対策室の事業概要” http://www.tokyo-aff.or.jp/files/2013/pdf/h25_jigyo_setsumeikai_04.pdf（閲覧日：2016年1月24日） ・公益財団法人東京都農林水産振興財団 http://www.tokyo-aff.or.jp/（閲覧日：2016年1月24日） ・瀬沼木材株式会社 http://www.senuma-mokuzai.jp/（閲覧日：2015年11月10日） ・東京森林組合 http://www.tokyo-sinrin.com/index.html（閲覧日：2015年11月10日） ・東京森林組合連合会 http://www.toshinren.org/index.html（閲覧日：2015年11月10日） ・東京都環境局 http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/（閲覧日：2016年1月24日） ・もくぺれ http://www.mokupere.com/（閲覧日：2015年11月10日） ・有限会社沖倉製材所 http://www.okikura.co.jp/（閲覧日：2015年11月10日） ・HOME'S http://www.homes.co.jp/（閲覧日：2015年11月10日） 53