TSG用

1. gasin contest

2. 問題
• 頂点数1000の有向完全グラフが与えられます（辺の情報は見る
ことができます）。頂点0から始めて全ての頂点を一度だけ通
り頂点０に戻ってくる経路のうち、できるだけ短いものを求め
よ。
• つまり、巡回セールスマン問題
• 以下のリンクにジャッジ用のコードとサンプルのコードがある
ので、始めたい人は始めてください
• https://github.com/gasin/procon1

3. 巡回セールスマン問題とは
• NP困難と呼ばれるクラスに含まれる問題。
• 僕もよく理解していないが、とにかく効率的なアルゴリズムが
存在しない問題。
• 頂点数が1000などというサイズの問題が解けるわけがない
• 競プロなどにおいて巡回セールスマン問題が出るときの頂点数
はせいぜい12ぐらい。

4. 巡回セールスマン問題（n<=12のとき）
• bitDPというテクニックを使うことで解くことができる。（詳
しくは蟻本を参照）
• 計算量はO(n*2^n)
• アイディアとしては、今いる頂点と、それまでに訪れた頂点の
情報が分かっていれば十分なので、経路を全て記憶している必
要がないということを利用してうまくDPをする。

5. では、どうするか
• このような問題はマラソンと呼ばれる長期間のコンテストで出
題されるような問題であり、最適解を求めることは諦めて、極
力よい解を求めるように頑張る。
• いきなり言われても難しいと思うので、いくつか有名な手法を
紹介します。（僕もマラソンは専門外なので詳しくないです
が）

6. 貪欲（ヒューリスティック）
• よさそうな戦略を決めて、それを実装するだけ。シンプルだけ
ど戦略が強ければもちろん強いのでやってみる価値はあるしこ
れで勝てちゃうこともあるかもしれない。（ほとんどないけ
ど）
• 例えば、今回の巡回セールスマン問題においては今いる頂点か
ら生えている辺のうち最小コストの辺を選択するなどがこれに
あたる。（もちろん、条件を満たすように辺は選ぶ）

7. 山登り法
• その場その場でより良いスコアへの改善を探索し、良いスコアを見
つけたらそれを採用するという操作を繰り返す。
• しかし、局所解に陥りやすいので工夫が必要になる。（しかし、そ
こそこのコンテストだとこれだけでなんとかなったりする）
• 今回の場合に適用すると、適当に経路を定め、その頂点を適当に
swapするなどして、もとの経路よりもコストが小さくなればそれを
採用するということを繰り返すなどの方法が考えられる。
• 上位互換として、焼きなまし法という方法があり、これは局所解に
陥りにくくしたもの。（温度という概念を導入し、現在の解よりも
悪くてもそれをある確率で採用するという操作を行う）

8. ビームサーチ
• マラソン系のコンテストにおいて、最も使われている手法（多
分）。派生系もたくさんある（chokudai searchなど）。
• 探索をするときに、全探索をするとメモリや時間が足りなくな
るので、そこを工夫しようというもので、よさそうな解をいく
つかだけ採用して他の場合を切り捨てるという考え方。
• いくつ採用するのか（ビームの幅）、よさそうとはなんなのか
（評価関数）など、考えることは多いので扱いが難しいといえ
ば難しい。
• 今回の問題で言えば、i頂点からなる経路のうち、短い経路を10
個だけ採用するなど。

9. 頑張りましょう
• これらのテクニックはもちろん、複合することもできたりする
ので色々と工夫してみましょう。
• どの方法をとるにしても、試行回数は多ければ多い方が良いに
決まっているので、高速化や自動化は実装したほうが結果的に
はよいです。
• また、数字が大きいので基本的にlong long型を使ったほうがい
です。
• 経路の候補は1000!（2568桁らしい）もあり、最適解なんか求
まるわけもないので良い解が出ても、もっと良い解があるはず
だと思って改善を続けましょう。

10. 最後に
• 一応、僕が出した最短経路のスコアは4763774です。
• 超えたぜという人は宣言してください。