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図解入門最新マーケティング・リサーチがよーくわかる本(10)
- 1. おわりに
私のマーケティング・リサーチャーとしてのキャリアは、調査会社から始まりま
した。その後、広告代理店と、2 つのメーカーを経て、約 5 年前におよそ 13 年振
りに再び古巣の調査会社へ戻ってきました。
この間の調査業界の大きな変化は、なんと言ってもインターネット調査の拡大で
しょう。最初はデータの質の点などで疑問視されていましたが、気付いてみるとイ
ンターネット調査会社の売上が既存の調査会社を大きく上回っていました。それだ
け、早さと安さを求めるニーズが強かったのでしょう。
インターネットはリサーチのすそ野を広げる一方、その隆盛は、玉石混淆の調査
データの氾濫をもたらしています。
さらに懸念していることは、リサーチの「ビジネスにおける評価」、言い換えれば
「リサーチのビジネスへの貢献度」がそれほど向上していないのではないか、という
ことをメーカー・サイドにいても、調査会社にいても感じることです。リサーチに
ビジネスをリードする役割が期待されるようになって 10 年ぐらい経ちますが、い
まだに「御用聞き」的役割に甘んじているケースも多いのではないでしょうか?
それゆえに、本書が、個々のリサーチャーのスキル・アップに少しでも役立ち、
それが、ひいてはリサーチ全体の地位向上につながることを期待しています。
本書は入門書ですので、ページ数の関係もあり、説明も浅く広くの網羅的になら
ざるをえませんでした。入門のレベルを超える内容は、残念ながら用語のみ脚注に
示した箇所も多くあります。それらは、ぜひ他の良書などを利用して学習してくだ
さい。また、「まえがき」で書いたように、著者運営のリサーチャー応援サポー
ト・サイト「みんなの MR.COM」もぜひ活用してください。
最後になりましたが、ご多忙の中、原稿をチェックしていただいた武蔵大学講師
の小野滋先生に感謝の言葉を申し上げます。また、前職のシノベイト㈱の藤木里佳
代表取締役社長や山口真理子・内薗知枝子両ディレクターをはじめとする元同僚の
皆様には在職中いろいろとお世話になりましたことに深く感謝申し上げます。
2009 年 11 月
岸川 茂
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マケリサーチ奥付_v3 09.11.13 16:38 ページ207