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データを工夫して記録するデータ構造
- 2. Agenda • 復習 • 木 • 二分木 • プライオリティキュー • 二分ヒープ • 問題 • プライオリティキューを用いる問題 2
- 3. Agenda • 復習 • 二分探索木 • 平衡二分探索木 • Union-Find 木 • 問題 • Union-Find 木を用いる問題 3
- 4. 木 4
- 10. • 同じ親を持つノードを「兄弟」と呼ぶ 用語の定義 (5/8) 親 子 子兄弟 10
- 14. 二分木 14
- 15. • 全てのノードにおいて、子が 2 個以下である木のこと • 数字は子の数 0 二分木とは 2 1 2 00 15
- 16. • 子が 2 個以上ある木 0 二分木ではない例 3 0 3 0 0 0 × × 16
- 17. プライオリティキュー 17
- 18. プライオリティキューとは • 仕様 • 数を追加する • 最小の数値を取り出す (値を取得し、削除する) 18
- 19. 概要図 (1/2) • 値の追加 5 1 4 5 1 4 3 3 を追加する 19
- 20. 概要図 (1/2) • 最小値の取り出し 5 1 4 5 4 最小値を取り出す 20
- 21. 二分ヒープ 21
- 22. 二分ヒープとは • プライオリティキューを効率的に実現する実装の 1 つ • 二分ヒープは、二分木を用いて処理を行う 2 4 7 8 5 1 22
- 23. 二分ヒープのルール (1/2) • 子の数字は親の数字より大きい 1 2 4 7 8 5 << < < < 23
- 24. 二分ヒープのルール (2/2) • 木は上から下へ、左から右へ順にノードが詰まっている 1 2 4 7 8 5 a b c e f g 24
- 25. • 新たな数字を最後尾に追加する 新しい値の追加 (1/4) 1 2 4 7 8 5 25
- 26. 新しい値の追加 (2/4) • 追加した数字を逆転がなくなるまで上げていく 1 2 4 7 8 5 3 26
- 27. 新しい値の追加 (3/4) • 追加した数字を逆転がなくなるまで上げていく 1 2 3 7 8 5 4 27
- 28. 新しい値の追加 (4/4) • 二分ヒープのルールに従った二分木になった 1 2 3 7 8 5 4 28
- 29. • 根の数字を取り出す 最小値の取り出し (1/7) 1 2 3 7 8 5 29
- 30. • 最後尾の数字を根にコピーする 最小値の取り出し (2/7) 2 3 7 8 5 30
- 31. • 最後尾の数字を削除する 5 最小値の取り出し (3/7) 5 2 3 7 8 × 31
- 32. • 根にコピーした数字を逆転が無くなるまで下げる 最小値の取り出し (4/7) 5 2 3 7 8 32
- 33. • 逆転する対象が 2 つある場合は小さい方に下げる 最小値の取り出し (5/7) 5 2 3 7 8 33
- 34. • 逆転する対象が 2 つある場合は小さい方に下げる 最小値の取り出し (6/7) 2 5 3 7 8 34
- 35. • 二分ヒープのルールに従った二分木になった 最小値の取り出し (7/7) 2 5 3 7 8 35
- 36. • 値の追加・最小値の取り出しは、木の深さに比例した時間がかかる • 要素数を n とすると、Order (log n) • この場合は Order (log 5) 二分ヒープの計算量 2 5 3 7 8 36
- 37. プライオリティキューの実装 37
- 38. • 多くの言語にて、効率的に実装されたライブラリが標準で含まれる • C 言語の場合は priority_queue • Java 言語の場合は java.util.PriorityQueue, java.util.PriorityBlokingQueue プライオリティキューの実装 38
- 39. 問題 39
- 40. • トラックで距離 X を移動する • タンク容量に制限はない • ガソリン P が積まれている • 距離 1 に対してガソリン 1 を消費する • 移動途中にガソリンスタンドが N 個ある • 各ガソリンスタンドは、給油可能量に制限がある • 最小で何回の給油が必要か求めよ Expedition 問題 40
- 41. • 考え方 • 一番近いガソリンスタンドに移動し、ガソリンが無くなったら通 過した中で最も給油量が多い場所で給油したことにする • ソースコード • https://github.com/na-ga/pcontest/tree/master/src/main/java/pcontest/ datastructure1/question1 Expedition 回答 41
- 42. • とても長い板から、N 個の板を切り出す • 長さ 1 の板を切断するにはコスト 1 が発生する • 長さ 21 の板から、長さ 5, 8, 8 の 3 つの板を切り出す • 最小のコストを求めよ FenceRepair 問題 42
- 43. • 考え方 • 最も小さい板 2 つを結合する • ソースコード • https://github.com/na-ga/pcontest/tree/master/src/main/java/pcontest/ datastructure1/question2 FenceRepair 回答 43
- 44. 二分探索木 44
- 45. • 次のような操作が効率的に行えるデータ構造 • 数値を追加する • ある数値が含まれているかを調べる • ある数値を削除する 二分探索木とは 45
- 46. • こんな感じ 二分探索木の例 7 2 15 10 1751 198 16114 46
- 47. • 全てのノードにおいて • 左の子以下の数は、自分の数より全て小さい • 右の子以下の数は、自分の数より全て大きい 二分探索木のルール 7 2 15 10 1751 198 16114 47
- 48. • 追加する値を、根から順番に比較する • 小さい場合は左の子を比較する • 大きい場合は右の子を比較する • 比較対象が存在しなかった場合追加する 値の追加方法 7 2 15 10 1751 198 16114 48
- 49. • 追加する値を、根から順番に比較する 値の追加例 (1/5) 7 2 15 10 1751 198 16114 6 49
- 50. • 7 より小さいので左の子を比較する 値の追加例 (2/5) 7 2 15 10 1751 198 16114 6比較 50
- 51. • 2 より大きいので右の子を比較する 値の追加例 (3/5) 7 2 15 10 1751 198 16114 6比較 比較 51
- 52. • 5 より大きいので右の子を比較する 値の追加例 (4/5) 7 2 15 10 1751 198 16114 6比較 比較 比較 52
- 53. • 二分探索木のルールを守った二分木になった 値の追加例 (5/5) 7 2 15 10 1751 198 16114 6 53
- 54. • 削除ノードから順番に比較する • 削除ノードが左の子を持っていない場合、右の子を移動 • 削除ノードの左の子が右の子を持っていない場合、左の子を移動 • どちらでもない場合、左の子以下で最も大きいノードを移動 値の削除方法 7 2 15 10 1751 198 16114 54
- 55. • 削除ノードから順番に比較する 値の削除例 (1/5) 7 2 15 10 1751 198 16114 × 55
- 56. • 削除ノードから見て、左の子が存在するか確認する 値の削除例 (2/5) 7 2 15 10 1751 198 16114 ×1. 確認 56
- 57. • 削除ノードから見て、左の子の右の子が存在するか確認する 値の削除例 (3/5) 7 2 15 10 1751 198 16114 ×1. 確認 2. 確 認 57
- 58. • 削除ノードから見て、左の子以下で一番大きいノードを移動する 値の削除例 (4/5) 7 2 15 10 1751 198 164 1. 確認 2. 確 認 3. 移動 11 × 58
- 59. • 二分探索木のルールを守った二分木になった 値の削除例 (5/5) 7 2 11 10 1751 198 164 59
- 60. • 木の深さに比例した時間がかかる • 要素数を n とすると、平均 Order (log n) • この場合は、平均 Order (log 12) 二分探索木の計算量 7 2 11 10 1751 198 164 60
- 61. • 多くの言語にて、効率的に実装されたライブラリが標準で含まれる • C 言語の場合は STL に set と map が含まれている • Java 言語の場合は java.util.TreeSet と java.util.TreeMap が該当する 二分探索木の実装 61
- 62. 平衡二分探索木 62
- 63. • 単純な二分探索木は偏りが生じる • 偏りが生じると二分探索木の計算量にメリットが無くなる • 平衡二分探索木は回転処理などを使用して常に平衡を保つ • 多くのプログラミング言語に含まれる二分探索木の実装は、 平衡二分探索木となっているため、意識する必要はない 平衡二分探索木 63
- 64. Union-Find 木 64
- 65. • グループ分けを管理するデータ構造 • 2 つのグループを結合する • 2 つの要素が同じグループに属しているか判定する Union-Find 木とは 65
- 66. • 2 つのグループを結合する Union-Find 木の概要図 (1/2) 1 2 3 4 5 6 7 1 2 3 4 5 6 7 1 2 5 3 4 6 7 66
- 67. • 2 つの要素が同じグループに属しているかを判定する • 2 と 5 → true • 2 と 4 → false 1 2 5 3 4 6 7 Union-Find 木の概要図 (2/2) 67
- 68. • 同じグループなら同じ数字を配列に入れる 1 2 5 3 4 6 7 簡単に思いつく実装例 (1/2) int data[7]; data[0] = 1; data[1] = 1; data[2] = 2; data[3] = 3; data[4] = 1; data[5] = 3; data[6] = 3; 68
- 69. • グループの結合にかかる計算量は Order (n) となり効率悪い 1 2 5 4 6 7 3 簡単に思いつく実装例 (1/2) int data[7]; data[0] = 1; data[1] = 1; data[2] = 2; data[3] = 1; ★ data[4] = 1; data[5] = 1; ★ data[6] = 1; ★ 69
- 70. • グループを木で表現する 1 2 5 3 4 6 7 Union-Find 木の仕組み (1/3) 1 2 5 3 4 6 7 70
- 71. • 結合は、片方の根からもう片方の根に辺を張る Union-Find 木の仕組み (2/3) 1 2 5 4 6 7 1 2 5 4 6 7 71
- 72. • 判定は、2 つの要素を上に って根が同じかどうか見る • 2 と 5 → 根は 1 と 1 → true • 2 と 7 → 根は 1 と 3 → false Union-Find 木の仕組み (3/3) 1 2 5 3 4 6 7 72
- 73. • 判定処理において、調べた辺を根に直接つなぎ直す • 4 の根を調べると、2, 3, 4 の根が 1 と分かるので根に直接つなぐ Union-Find 木の経路圧縮 1 2 3 1 32 44 73
- 74. • 結合処理において、木の高さ (=ランク) の低い方を高い方につなげる Union-Find 木のランク 1 2 5 4 6 7 1 2 5 4 6 7 Rank2 Rank3 74
- 75. • 非常に高速に動作する • 経路圧縮とランクを使用すると、平均 Order (α(n)) となる • α(n) はアッカーマン関数 A(n, n) の逆関数 • 経路圧縮またはランクを使用すると、平均 Order (log n) となる Union-Find 木の計算量 75
- 76. • ソースコード • https://github.com/na-ga/pcontest/blob/master/src/main/java/pcontest/ datastructure1/UnionFind.java Union-Find 木の実装 76
- 77. 問題 77
- 78. • N 匹の動物は、それぞれ下記の A, B, C いずれかに属する • A は B を食べ、B は C を食べ、C は A を食べる • 下記の 2 種類の情報が、順番に k 個与えられる • タイプ 1 : x と y は同じ種類です • タイプ 2 : x は y を食べます • 与えられる情報には間違った内容もあり、 順番に情報を適用し、矛盾してしまう情報の個数を求めよ 植物連鎖問題 78
- 79. • 考え方 • N * 3 で Union-Find 木を初期化し、 与えられた情報が矛盾していないか調べる • ソースコード • https://github.com/na-ga/pcontest/tree/master/src/main/java/pcontest/ datastructure1/question3 植物連鎖回答 79
- 80. end 80