2012年冬学期・エージェントシステム特論
Kairoscope: Managing Time Perception and
Scheduling Through Social Event Coordination
五十嵐研究室
修士一年 古見元気
論文紹介の前に




      ©Yuki KOYAMA
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小山発表



       ©Yuki KOYAMA
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    古見発表



      ©Yuki KOYAMA
論文情報



著者
• ReeD Martin, Henry Holtman (MIT Media Lab)

カンファレンス
• CHI 2011 (the SIGCHI Conference on Human
  Factors in Computing Systems)
時間は相対的なものなのだから、
       時間感覚を
他人とのイベントによって規定しよう、
      という試み。
アジェンダ
1.   モチベーション
2.   関連研究
3.   デザイン
4.   実装
5.   評価
6.   結論
7.   感想
モチベーション
時間管理って重要?
多くの時間が
• プランニング
• スケジューリング
• 次の予定について考える
ことばかりに使われる
多くの時間が


  無駄
• プランニング
• スケジューリング
• 次の予定について考える
ことばかりに使われる
予定それ自体に
ついてだけ考える
  あとは
エージェント
なんとかしろ
例えば、
「夕飯をいつ食べる?」
午後8時半
午後8時半
お腹が減って、
時間のあるとき
イベントの連続とし
  ての時間
Egocentric point of view
 例えば9時23分と言われると、
 会議までの時間を計算してしまう

 ロケーションの議論ではありえない
    「ここから10m」
3つのゴール
時間のプレッシャー
  からの開放
時間利用の最適化
ソーシャルインタラクション
    の最適化
関連研究
エージェントが個人のスケジュールを行う




エージェントが複数人の予定を調整する
EventMinder [Smith 2007]
• カレンダーをエージェントが管理することを評価
Learning Interface Agent [Maes 1993]
• エージェントが人のアシスタントとしてどう振舞うか、
  人の好みをどう学ぶか
Multi−Agent meeting scheduling [Garrido 1995]
• マルチエージェントでミーティングの日程調整を解決
Compensatory negotiation for agent-based
project schedule coordination [Kim 2000]
• マルチエージェントでそれぞれの時間制約がより複雑に
  なったときのミーティングの時間調整
デザイン
5つの方針
スケジューリング
  の簡単さ
協調スケジューリング
急な変更への順応
コンテクスト
インテリジェンス
時間感覚の制御
実装
コミュニケーション
DBにお伺い
サーバーへのクエリと、サーバーからのアンサー例




マサチューセッツ州ケンブリッジでの夕飯の一般的
な時間帯を知りたい

getNormalTime(“dinner”, “Cambridge MA”, 3);
                    ↓
Between 5:35 PM and 9:42
参照
マルチエージェントの振る舞い
• XML ベースのデータ構造

• まず最初のXMLを送る

• それに対して、他のエージェントはボスであるユーザー
  の時間制約に応じて返事をする(承諾 or 代案提案)

• イベントに変更があればそれを即座に他のエージェント
  に伝える

• リスケジュールがうまくいかないときはユーザーに指示
  を乞う
ユーザーインターフェス
3つのインターフェス
1. 置き時計
2. モバイルアプリケーション
3. デスクトップアプリケーション
置き時計
置き時計
モバイルアプリケーション



          • 一番使われる想定

          • 表示は置き時計の模倣

          • 触覚フィードバックなどもソ
            フトウェア的に再現
新規イベント作成の流れ
デスクトップアプリケーション
デスクトップアプリケーション



Chronic natural date processing library for Ruby
Chronic.parse('tomorrow')
  #=> Mon Aug 28 12:00:00 PDT 2006
Chronic.parse('monday', :context => :past)
  #=> Mon Aug 21 12:00:00 PDT 2006
Chronic.parse('this tuesday 5:00')
  #=> Tue Aug 29 17:00:00 PDT 2006
評価
タスクの概要




1. 二日間で特定のタスクを完了してもらう

2. 二週間、Kairoscopeをがっつり使ってもらう
二日間で特定のタスクを完了してもらう(概要)
1. 二つのタスクをやってもらう
 1. 友達と昼ごはんの予定をスケジュールする
 2. 友達3人と映画を見に行く予定をスケジュールする


2. 被験者は8人(19歳〜35歳、男女半々)

3. 被験者を半分に分けて既存手法とKairoscopeを使って
   もらう、次の日は交代

4. タスク前後でサーベイに答えてもらう
二日間で特定のタスクを完了してもらう(結果)
Without Kairoscope
• 8分の7はスケジューリングできた
    –   メール、電話、両方、GoogleCalenderが利用された
•   しかし、7人中4人は他の予定をリスケジュールでは
    なく、キャンセル

With Kairoscope
• 全員タスクを完璧にこなせた
• 評価は全般的に良い
• 慣れにくいという点がネック
二週間、Kairoscopeを使ってもらう(概要)

1. 被験者は13人(20歳〜57歳、男:女 = 8:5)
 1. 普段からなんらかのスケジュールソフトを利用
 2. 4週間分のスケジュールデータを事前にKairoscopeに入力


2. 使ってもらったデータを集め、感想を聞く
二週間、Kairoscopeを使ってもらう(結果)


1. 5人は映画のスケジューリングに成功、2人は他のイ
   ベントをキャンセル、1人は映画をキャンセル

2. Kairoscopeで正確なマッチングをすることはまだ難し
   い
結論
• 時間という概念をまったく新しく定義した

• それを実現するための枠組みを構築し、評価した
 – マルチエージェントシステムを応用


• ポテンシャルは正直良くわからない
感想
未来感
選んだ論文のせいなのか、
マルチエージェントシステムには未来を感じた




万能感
今回はスケジューリングに応用されていたが、
ほかにも色々な応用がありそうな印象を受けた

エージェントシステム特論発表スライド