1. 企画書には経験がにじむ
他人の作った企画書を見る機会が増えた。
過去ビジネスプランのコンテストの審査員をしていたときには気がつかなかったこ
とが
最近わかるようになった。
それは
「企画書をみると、その人の経験というのがわかる」ことだ。
経験があるひとの企画書は、
誰が買うか、どこに置くか、どうやったら実現できるか
そういうのが見えやすい。
この形にすればコストが抑えられるとか
小売店でこういうフェースが取れるとか
この業界で話題になるとか
よく考えてあるなーと唸ってしまう時がある
それは、蓄積された失敗の経験と成功パターンの差なんだろうなと
思う。
そして、それが見えてきたというのは、私もまた多くの失敗を重ね、少しの成功体
験が
でてきたからだと思う。
別に経験があればいいというものではないし、経験がないからできることも
多いし、若い感覚というのはなんといっても刺激があり新しさがある。

2. それでも、見ていて思うのは
経験のない人の企画書にはパターンがある
パターン１ すでにあるもの
ありそうでないものは大歓迎なのだけど、すでにあるものをだされると、知識
不足
勉強不足が露呈する。下手をするとマネをしたのではないかと
クライアントの信頼を損ねてしまう。
パターン２ コストがかかりすぎる
中小零細企業にとって、新商品にさけるリソースは多くない。売り上げも見込
めないものに
投資はできない。できるだけ既存のものをうまくつかって、切り口を変えるよう
なものは大歓迎
ただ、新規の型をおこしたり、材料を調達したり。そういうリスクのあるものは、
特に経験のない人に頼もうとは思わない。
パターン３ 買い手が見えない
自分が作りたいものを提案する。自分が欲しいものを提案する
それはそれで悪いことではないのだけど誰が買うのか、どこで売るのか、そう
いうとところま
見えてこない提案は、自分のリスクでやってくれと思われてしまう。
パターン４ 流通のところまで考えていない
商品は作った後、それをお客様に届けるためには、売ってくれるところが必要。
作り手からダイレクトに買い手というパターンは増えているけど、やはり売っ
てくれる
バイヤーの人たちが見て売れると思えるもの、お店でどうやって見せるか、ど
うやって

3. 紹介するか そういうところまで見えているかどうか。
ふだんから、そういうお店を研究したり、期間限定で売る、フリーマットで売
る、
ネットショップで売るなどの経験を積んでいない「どうやって売るの？」とい
う
疑問に答えられない
パターン５ 本気度がない
プロのデザイナーとして求められているのは単なるアイデアではなく、商品と
して売れるものを
頼まれている。ある意味クライアントはその商品で危機回生をかけているのか
もしれない。
学校の宿題を期限内でやったようなものでなく、これをやれば大きく世の中が
変わるくらいの
何かしらのパワーを感じさせるのは、過去に多くの失敗や一つ以上の成功体験
がある人でなけ
ればでてこない。
東京デザイン