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ソーシャルエンジニアリング
高専カンファレンスin富山
渥美 清隆(BH)
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アジェンダ
● 始める前に
● 我々は本当に存在しているのか?
● ソーシャルエンジニアリングとは?
● ケーススタディ
● 情報化社会の未来,あるいは過去
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アジェンダ
● 始める前に
● 我々は本当に存在しているのか?
● ソーシャルエンジニアリングとは?
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始める前にしなければ
ならないことがあります.
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(省略)
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すみません,
本題入ります.
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アジェンダ
● 始める前に
● 我々は本当に存在しているのか?
● ソーシャルエンジニアリングとは?
● ケーススタディ
● 情報化社会の未来,あるいは過去
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テーマとの関係
Beyond the Border
Between 文系 and 理系
参考 weblio: http://ejje.weblio.jp/content/social+engineering
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テーマとの関係
勝手訳:
文系と理系の垣根を超えて
参考 weblio: http://ejje.weblio.jp/content/social+engineering
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テーマとの関係
勝手訳:
文系と理系の垣根を超えて
融合
Social Engineering
社会工学
参考 weblio: http://ejje.weblio.jp/content/social+engineering
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 11
つまり,
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 12
使えるものは何でも使って
攻撃しようぜ(゚∀゚)キタコレ!!
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 13
昔からあるんだけどね...
● スパイ・諜報活動とか,
● トロイの木馬とか,
● ハニートラップとか,
● 美人局とか,
● and so on...
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ex) トロイの木馬
出典 Wikipedia: http://ja.wikipedia.org/wiki/トロイアの木馬
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さて,突然ですが,
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自分の存在を
証明できますか?
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自分の存在を証明する
● 身分証明書を使う
– 偽造じゃない?
● 友人に示してもらう
– 友人が存在する証明は?
● 住民票や戸籍謄本を示す
– 役場って本当に存在するの?
絶対に存在すると信じられる絶対に存在すると信じられる
「信頼の起点」がない.「信頼の起点」がない.
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デカルトは考える
● 視覚,聴覚,嗅覚,味覚,触覚は全て悪魔の仕業
● 1+1=2だって悪魔の仕業
● いろいろな思いつきも悪魔の仕業
● 映画「MATRIX」のような世界
● 信じられるものは何もない!
● でも,それを考えている自分自身は否定出来ない
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だから,
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 20
我思う,ゆえに我あり
Cogito ergo sum
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Are you sure?
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自分は納得しても,
人を説得できない!
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 23
諦めよう...
(´;ω;`)ブワッ
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 24
色即是空空即是色,
この世は全て夢幻よ.
夢から覚めれば全て解決.
カーツ!(by 錯乱坊)
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 25
改めて,人の存在証明
● 残念ながら我々は夢から覚めません.
存在を求めるのは幻を求めるようなもの.
● それでも,話をすれば応えてくれる(と思える).
● 変顔すれば誰かが笑ってくれる(と思える).
● 叩けば痛い(と思える).
● 記録や記憶も一応ある(と思える).
つまり,
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 26
コミュニケーションが相対的に
自分の存在証明をしてくれる.
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ゆるい関係...
素晴らしい
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 28
そこに別の意図を持った
コミュニケータが現れたら...
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 29
アジェンダ
● 始める前に
● 我々は本当に存在しているのか?
● ソーシャルエンジニアリングとは?
● ケーススタディ
● 情報化社会の未来,あるいは過去
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ソーシャルエンジニアリングとは,
コミュニケーションで人を動かし,
自分の意図した成果を得ること
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 31
ソーシャルエンジニアリング
のための「その1」
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 32
自らの身を隠せ!
(なりすまし)
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 33
電子メールの場合
ここを変えるだけ
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 34
郵便物では...
内容証明・配達証明郵便で,
勝手な差出人を書く
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 35
郵便物では...
郵便局員に聞かれても,
代理ですと言えば通る!
(確認済)
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注意
返信を期待するなら...
詐称しつつ受け取れる所が必要
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 37
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2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 38
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2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 39
情報の取得
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2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 42
筋書き
● 慈善福引受付担当者になりすまし
● ターゲットの社長に資料を郵送,以下のものが当
たると謳う.
– 人気のレストランの食事券(社長がよく利用する)
– 野球の試合の入場券(社長の応援チーム)
● 適当なタイミングで電話.詳細の連絡と登録のた
め電子メールアドレスを要求.社長応える.
● トロイの木馬付きPDFファイルをメール送付.
出典 ITPro: 本当は怖い「ソーシャル・エンジニアリング」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20121106/4353
82/?ST=security&P=1
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 43
つまり,
ソーシャルエンジニアリングとは,
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 44
人をハックすること!
Σ(゚д゚lll)
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 45
アジェンダ
● 始める前に
● 我々は本当に存在しているのか?
● ソーシャルエンジニアリングとは?
● ケーススタディ
● 情報化社会の未来,あるいは過去
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 46
もう少し簡易な
ケーススタディ2つ
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 47
ケーススタディその1(条件)
● ターゲット:α高専のパワハラ教授と被害学生
● 目的:パワハラ教授の「私の講義を1回でも休んだ
ら不可にしてやる」の口を塞ぎ,被害学生が安心
して外部の勉強会に参加出来るようにする.
● 期限:2週間
さて,皆さんならどうします?
病欠参加? 安心は出来無さそうですね.
校長意見箱? Time over
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 48
ケーススタディその1(筋書き)
● 攻撃者は機構本部の発言力のある情報系委員に
なりすまし,その立場を活用
● 機構本部に以下のように連絡
「おめでとうございます.この勉強会に参加できる
のは特別に優秀な学生だけなので,是非広報しま
しょう」
→ α高専総務課と協議に入る
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 49
ケーススタディその1(筋書き)
● α高専情報処理センター長に以下のように連絡
「おめでとうございます.この勉強会に参加できる
のは特別に優秀な学生だけなので,安心して参加
出来るようにご配慮下さい」
→ 校内で協議
● 挟むような情報伝達で学校全体を歓迎ムードにし
て当該学生を送り出さざるを得なくする.
\(^o^)/
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 50
ケーススタディその2(条件)
● ターゲット:Facebook上の特定ユーザ
● 目的:精神的に追い詰めるいじめをする.
● 期限:無期限
ただし,開始日を出来るだけ揃える
さて,皆さんならどうします?
ターゲットにされることも考えて.
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 51
ケーススタディその2(筋書き)
● 特になりすまさず,攻撃者とターゲットの共通の友
人を活用
● 共通の友人に,ターゲットの悪評を吹き込む.
● 共通の友人は,攻撃者に同情し,あるいは義憤に
かられる.
● さりげなく,Facebookの設定変更を促す.
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ターゲットのメッセージを削除
選択
ターゲット
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自分のメッセージを
ターゲットに送らない
クリック
クリック
リストにターゲットを
入れる
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ケーススタディその2(筋書き)
● 共通ユーザがことごとくターゲットのメッセージに
無反応になる.「いいね」もくれない.
● 共通ユーザからのメッセージがターゲットに届か
なくなる.「いいね」も出来ない.
● ターゲットはネット上でシカトされる状態となる.
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
● 共通ユーザは罪悪感を持たない.
● 誰が裏で糸を引いているかも分からない.
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 55
ターゲットにされてしまったら
● 急に反応が変わった友達を洗い出す.
● その人が本当に友達かどうか吟味する.
● 友達ではなければ,友達リストから外す.
● 友達だと思えば,メッセージ機能や別手段で状況
を確認する.
● 何かしないと,精神的に不安定になって危ない.
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 56
アジェンダ
● 始める前に
● 我々は本当に存在しているのか?
● ソーシャルエンジニアリングとは?
● ケーススタディ
● 情報化社会の未来,あるいは過去
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 57
何が問題なのか
● 人は脆弱なコミュニケーションによって支えられて
いる.
● 脆弱だと感じていない人が多い.
● 難しい判断を避けたがる.肩書きなどテンプレート
マッチングに走る.
● ちょっとくらい声色が違っても,最初のセリフに誘
導されてしまう.(正常性バイアス)
● and so on...
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 58
それは解決されるのか?
● 人はそんなに急に変われない.
● 誰でも攻撃者になれる材料は揃った.
● 今後,ますます被害者が増える.
● 秩序も法律も追いつかない.
● 暫くは混沌とした時代が続くのではないか?
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 59
私達に出来ることは無いのか?
● 普段から,人に興味を持って接する.
● 人やコンピュータに対して,「普段と何か違う」とい
うことを感じる感性を持つ.
● 一人で抱え込まない.必ず誰かに相談する.
● 他者に自分の意思をはっきり伝える.
2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 60
おわり

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  • 2. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 2 アジェンダ ● 始める前に ● 我々は本当に存在しているのか? ● ソーシャルエンジニアリングとは? ● ケーススタディ ● 情報化社会の未来,あるいは過去
  • 3. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 3 アジェンダ ● 始める前に ● 我々は本当に存在しているのか? ● ソーシャルエンジニアリングとは? ● ケーススタディ ● 情報化社会の未来,あるいは過去
  • 4. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 4 始める前にしなければ ならないことがあります.
  • 5. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 5 (省略)
  • 6. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 6 すみません, 本題入ります.
  • 7. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 7 アジェンダ ● 始める前に ● 我々は本当に存在しているのか? ● ソーシャルエンジニアリングとは? ● ケーススタディ ● 情報化社会の未来,あるいは過去
  • 8. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 8 テーマとの関係 Beyond the Border Between 文系 and 理系 参考 weblio: http://ejje.weblio.jp/content/social+engineering
  • 9. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 9 テーマとの関係 勝手訳: 文系と理系の垣根を超えて 参考 weblio: http://ejje.weblio.jp/content/social+engineering
  • 10. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 10 テーマとの関係 勝手訳: 文系と理系の垣根を超えて 融合 Social Engineering 社会工学 参考 weblio: http://ejje.weblio.jp/content/social+engineering
  • 11. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 11 つまり,
  • 12. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 12 使えるものは何でも使って 攻撃しようぜ(゚∀゚)キタコレ!!
  • 13. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 13 昔からあるんだけどね... ● スパイ・諜報活動とか, ● トロイの木馬とか, ● ハニートラップとか, ● 美人局とか, ● and so on...
  • 14. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 14 ex) トロイの木馬 出典 Wikipedia: http://ja.wikipedia.org/wiki/トロイアの木馬
  • 15. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 15 さて,突然ですが,
  • 16. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 16 自分の存在を 証明できますか?
  • 17. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 17 自分の存在を証明する ● 身分証明書を使う – 偽造じゃない? ● 友人に示してもらう – 友人が存在する証明は? ● 住民票や戸籍謄本を示す – 役場って本当に存在するの? 絶対に存在すると信じられる絶対に存在すると信じられる 「信頼の起点」がない.「信頼の起点」がない.
  • 18. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 18 デカルトは考える ● 視覚,聴覚,嗅覚,味覚,触覚は全て悪魔の仕業 ● 1+1=2だって悪魔の仕業 ● いろいろな思いつきも悪魔の仕業 ● 映画「MATRIX」のような世界 ● 信じられるものは何もない! ● でも,それを考えている自分自身は否定出来ない
  • 19. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 19 だから,
  • 20. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 20 我思う,ゆえに我あり Cogito ergo sum
  • 21. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 21 Are you sure?
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  • 24. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 24 色即是空空即是色, この世は全て夢幻よ. 夢から覚めれば全て解決. カーツ!(by 錯乱坊)
  • 25. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 25 改めて,人の存在証明 ● 残念ながら我々は夢から覚めません. 存在を求めるのは幻を求めるようなもの. ● それでも,話をすれば応えてくれる(と思える). ● 変顔すれば誰かが笑ってくれる(と思える). ● 叩けば痛い(と思える). ● 記録や記憶も一応ある(と思える). つまり,
  • 26. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 26 コミュニケーションが相対的に 自分の存在証明をしてくれる.
  • 27. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 27 ゆるい関係... 素晴らしい
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  • 29. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 29 アジェンダ ● 始める前に ● 我々は本当に存在しているのか? ● ソーシャルエンジニアリングとは? ● ケーススタディ ● 情報化社会の未来,あるいは過去
  • 30. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 30 ソーシャルエンジニアリングとは, コミュニケーションで人を動かし, 自分の意図した成果を得ること
  • 31. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 31 ソーシャルエンジニアリング のための「その1」
  • 32. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 32 自らの身を隠せ! (なりすまし)
  • 33. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 33 電子メールの場合 ここを変えるだけ
  • 34. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 34 郵便物では... 内容証明・配達証明郵便で, 勝手な差出人を書く
  • 35. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 35 郵便物では... 郵便局員に聞かれても, 代理ですと言えば通る! (確認済)
  • 36. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 36 注意 返信を期待するなら... 詐称しつつ受け取れる所が必要
  • 37. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 37 ソーシャルエンジニアリング のための「その2」
  • 38. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 38 ターゲットの徹底調査!
  • 39. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 39 情報の取得 ● 好きな料理 ● レビュー ● 家族 ● スポーツチーム ● 興味・関心 ● 癖 ● 周囲の人の関係 オフラインからも盗る!オフラインからも盗る!
  • 40. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 40 ソーシャルエンジニアリング のための「その3」
  • 41. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 41 嵌めるための筋書き
  • 42. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 42 筋書き ● 慈善福引受付担当者になりすまし ● ターゲットの社長に資料を郵送,以下のものが当 たると謳う. – 人気のレストランの食事券(社長がよく利用する) – 野球の試合の入場券(社長の応援チーム) ● 適当なタイミングで電話.詳細の連絡と登録のた め電子メールアドレスを要求.社長応える. ● トロイの木馬付きPDFファイルをメール送付. 出典 ITPro: 本当は怖い「ソーシャル・エンジニアリング」 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20121106/4353 82/?ST=security&P=1
  • 43. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 43 つまり, ソーシャルエンジニアリングとは,
  • 44. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 44 人をハックすること! Σ(゚д゚lll)
  • 45. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 45 アジェンダ ● 始める前に ● 我々は本当に存在しているのか? ● ソーシャルエンジニアリングとは? ● ケーススタディ ● 情報化社会の未来,あるいは過去
  • 46. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 46 もう少し簡易な ケーススタディ2つ
  • 47. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 47 ケーススタディその1(条件) ● ターゲット:α高専のパワハラ教授と被害学生 ● 目的:パワハラ教授の「私の講義を1回でも休んだ ら不可にしてやる」の口を塞ぎ,被害学生が安心 して外部の勉強会に参加出来るようにする. ● 期限:2週間 さて,皆さんならどうします? 病欠参加? 安心は出来無さそうですね. 校長意見箱? Time over
  • 48. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 48 ケーススタディその1(筋書き) ● 攻撃者は機構本部の発言力のある情報系委員に なりすまし,その立場を活用 ● 機構本部に以下のように連絡 「おめでとうございます.この勉強会に参加できる のは特別に優秀な学生だけなので,是非広報しま しょう」 → α高専総務課と協議に入る
  • 49. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 49 ケーススタディその1(筋書き) ● α高専情報処理センター長に以下のように連絡 「おめでとうございます.この勉強会に参加できる のは特別に優秀な学生だけなので,安心して参加 出来るようにご配慮下さい」 → 校内で協議 ● 挟むような情報伝達で学校全体を歓迎ムードにし て当該学生を送り出さざるを得なくする. \(^o^)/
  • 50. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 50 ケーススタディその2(条件) ● ターゲット:Facebook上の特定ユーザ ● 目的:精神的に追い詰めるいじめをする. ● 期限:無期限 ただし,開始日を出来るだけ揃える さて,皆さんならどうします? ターゲットにされることも考えて.
  • 51. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 51 ケーススタディその2(筋書き) ● 特になりすまさず,攻撃者とターゲットの共通の友 人を活用 ● 共通の友人に,ターゲットの悪評を吹き込む. ● 共通の友人は,攻撃者に同情し,あるいは義憤に かられる. ● さりげなく,Facebookの設定変更を促す.
  • 52. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 52 ターゲットのメッセージを削除 選択 ターゲット
  • 53. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 53 自分のメッセージを ターゲットに送らない クリック クリック リストにターゲットを 入れる
  • 54. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 54 ケーススタディその2(筋書き) ● 共通ユーザがことごとくターゲットのメッセージに 無反応になる.「いいね」もくれない. ● 共通ユーザからのメッセージがターゲットに届か なくなる.「いいね」も出来ない. ● ターゲットはネット上でシカトされる状態となる. ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル ● 共通ユーザは罪悪感を持たない. ● 誰が裏で糸を引いているかも分からない.
  • 55. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 55 ターゲットにされてしまったら ● 急に反応が変わった友達を洗い出す. ● その人が本当に友達かどうか吟味する. ● 友達ではなければ,友達リストから外す. ● 友達だと思えば,メッセージ機能や別手段で状況 を確認する. ● 何かしないと,精神的に不安定になって危ない.
  • 56. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 56 アジェンダ ● 始める前に ● 我々は本当に存在しているのか? ● ソーシャルエンジニアリングとは? ● ケーススタディ ● 情報化社会の未来,あるいは過去
  • 57. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 57 何が問題なのか ● 人は脆弱なコミュニケーションによって支えられて いる. ● 脆弱だと感じていない人が多い. ● 難しい判断を避けたがる.肩書きなどテンプレート マッチングに走る. ● ちょっとくらい声色が違っても,最初のセリフに誘 導されてしまう.(正常性バイアス) ● and so on...
  • 58. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 58 それは解決されるのか? ● 人はそんなに急に変われない. ● 誰でも攻撃者になれる材料は揃った. ● 今後,ますます被害者が増える. ● 秩序も法律も追いつかない. ● 暫くは混沌とした時代が続くのではないか?
  • 59. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 59 私達に出来ることは無いのか? ● 普段から,人に興味を持って接する. ● 人やコンピュータに対して,「普段と何か違う」とい うことを感じる感性を持つ. ● 一人で抱え込まない.必ず誰かに相談する. ● 他者に自分の意思をはっきり伝える.
  • 60. 2012/11/17 (c) 2012 kiyotaka@ka-lab.jp 60 おわり