PRTRデータの
活用のあり方
株式会社 環境計画研究所
調査研究部
神山 敏(こうやま さとし)
s.koyama@ries.co.jp
1
「化学物質」の分野に対する認識
1. 化学物質の構造や物性等に関する学問
的な知識は非常に有用
2. 化学物質の使われ方など、現実の社会
における実用的な知識も非常に重要
3. 複雑で大量のデータの処理が求められ
る場面が多い
4. せっかく専門知識があっても、データ
処理が苦手だと、それを活かしきれな
い場合が尐なくない
2
本日の主なテーマ
1. PRTRデータとは?
2. PRTRデータはどうやって作られたもの
か?
3. どんな道具が利用できるのか?
4. PRTRデータはどのように活用されてい
るのか?
5. PRTR制度の見直しによって、今後何が
変わるのか?
3
1.PRTRデータとは?
• PRTRデータの種類
• PRTRデータの形式等
• PRTRの開示データの構成
• 開示データの内容
• PRTRデータの入手方法
1.PRTRデータとは?
4
PRTRデータの種類
5
区分 データ種類 形態
公表等に係る法的根拠
(化管法の条文)
届出
(排出量・
移動量)
集計データ
(例:都道府県別、業種別)
公表
(通知)
第8条第4項
(届出事項の集計等)
事業所別の生データ
開示
(通知)
第11条
(排出量等の開示義務)
※都道府県への通知は第8条第2項
届出外
(排出量)
省令に基づく集計表
(例:非対象業種、家庭)
公表
第9条第2項
(届け出られた排出量以外の排
出量の算出等)
※データ集計の方法は省令で規定
省令に基づかない集計表
(例:農薬、塗料)
公表 なし
1.PRTRデータとは?
PRTRデータの形式等
6
区分 データ種類
公表・開示
データの
ファイル形式
データの
入手方法
届出
(排出量・
移動量)
集計データ
(例:都道府県別、業種別)
PDF
CSV(*)
Web
報告書(紙)
事業所別の生データ CSV CD-ROM(開示)
(H21.2よりWebを併用)
届出外
(排出量)
省令に基づく集計表
(例:非対象業種、家庭)
PDF
CSV(*)
Web
報告書(紙)
省令に基づかない集計表
(例:農薬、塗料、自動車)
Excel(**)
PDF
Web
報告書(紙)
※ 経済産業省のみ(環境省の公表データには含まれない)
※※ 環境省のみ(経済産業省の公表データには含まれない)
1.PRTRデータとは?
PRTRの開示データ(CSVファイル)の構成
7
ファイル名 内容
本紙
届出した事業所別のデータ
(例:業種、従業員数)
※レコード数=届出事業所数
別紙
届出された物質別のデータ
(例:物質名、大気排出量)
※レコード数=事業所ごとの届出物質数の合計
他業種
複数の業種に該当する事業所の
「従たる業種」
※レコード数=複数の業種に該当する「従たる業種」の
数の合計
※実際のファイル名は”本紙_***.txt”など ← ***は対象年度(例H20)
1.PRTRデータとは?
開示データの内容(本紙;その1)
8
No. 項目 説明
1 整理番号
届出事業所を識別するコード番号
※年度ごとに番号が異なる
2 対象年度 何年度分のPRTRデータであるかを西暦で示す。
3 届出先 例:農林水産大臣
4 提出先 例:北海道知事
5 届出者・名称 例:○○○○株式会社
6 届出者・代表者 例:代表取締役 ○○○○
7 届出者・郵便番号 7桁の番号(例:102****)
8 届出者・都道府県 本社がある都道府県名(例:東京都)
9 届出者・市区町村 本社がある市区町村名(例:千代田区)
10 届出者・番地 本社がある番地(例:○○町○丁目○番地の○)
11 事業者の名称 上記5と同じ
12 事業者の名称(前回) 前年度の届出(約1年前)と同じなら空欄
1.PRTRデータとは?
開示データの内容(本紙;その2)
9
No. 項目 説明
13 事業所の名称 例:○○工場
14 事業所の名称(前回) 前年度の届出(約1年前)と同じなら空欄
15 事業所・郵便番号 7桁の番号(例:041****)
16 事業所・都道府県 届出事業所がある都道府県名(例:北海道)
17 事業所・市区町村 届出事業所がある市区町村名(例:函館市)
18 事業所・番地 届出事業所がある番地(例:○○町○番○号)
19 事業所の常用雇用者数 事業所の常用雇用者の人数(例:35)
20 業種名
届出段階の業種名(例:食料品製造業)
※同じ集計区分でも届出先によって異なる場合がある。
21 業種コード
届出段階の4桁のコード番号(例:1200)
※同じ集計区分でも届出先によって異なる場合がある。
22 届出物質数 別紙の枚数(例:5)
1.PRTRデータとは?
開示データの内容(別紙;その1)
10
No. 項目 説明
1 整理番号 届出事業所を識別するコード番号
2 別紙番号 各事業所が物質ごとに付けた番号(事業所ごとに1から始まる)
3 物質名 対象化学物質の名称
4 物質番号 政令における対象化学物質の号番号(例:トルエンは227)
5 単位 “1”なら「kg/年」、”2”なら「mg-TEQ/年」
6 大気 対象化学物質の大気への排出量(kg/年又はmg-TEQ/年)
7 公共用水域 同じく公共用水域への排出量
8 水域名 排出先となる河川や湖沼、海域等の名称
9 土壌 同じく土壌への排出量
1.PRTRデータとは?
開示データの内容(別紙;その2)
11
No. 項目 説明
10 埋立 同じく事業所敷地内での埋立量(PRTRでは「排出」と定義)
11 安定型 敷地内埋立をした最終処分場の種類(安定型なら”1”)
12 管理型 敷地内埋立をした最終処分場の種類(管理型なら”1”)
13 遮断型 敷地内埋立をした最終処分場の種類(遮断型なら”1”)
14 下水道 同じく下水道への移動量
15 廃棄物 同じく廃棄物としての移動量
1.PRTRデータとは?
※平成22年度分からは別紙の項目が増えることに留意(→別掲)
PRTRデータの入手方法①
12
1.PRTRデータとは?
(
環
境
省
の
PRTR
関
連
の
ト
ッ
プ
ペ
ー
ジ
)
個別事業所のデータがダウンロード
可能になった(H21.2~)
PRTRデータの入手方法②
13
(個別事業所の
データのダウン
ロード)
1.PRTRデータとは?
最初に「PRTRけんさく
ん」のダウンロードが
示されている。
※「PRTRけんさくん」
を使わないならダウン
ロード不要
PRTRデータの入手方法③
手順2.各年度のPRTRデータのダウンロード
以下の各年度のリンクのうち、ご利用を希望さ
れる年度を右クリックし、「対象をファイルに
保存」を選択し保存してください。
平成13年度データ (平成23年2月確認)
[3.03MB]
平成14年度データ (平成23年2月確認)
[3.05MB]
平成15年度データ (平成23年2月確認)
[3.63MB]
平成16年度データ (平成23年2月修正)
[3.53MB]
平成17年度データ (平成23年2月修正)
[3.59MB]
平成18年度データ (平成23年2月修正)
[3.63MB]
平成19年度データ (平成23年2月修正)
[3.62MB]
平成20年度データ (平成23年2月修正)
[3.51MB]
平成21年度データ [3.38MB]
14
(
個
別
事
業
所
の
デ
ー
タ
の
ダ
ウ
ン
ロ
ー
ド
)
年度ごとに以下の三つのテキストファ
イルが圧縮されている(zip形式)。
①本紙***.txt
②別紙***.txt
③他業種***.txt
→ *** は対象年度(例:H20)
1.PRTRデータとは?
2.PRTRデータはどうやって作られたものか
• データ種類別の作成方法
• 届出データの作成方法
• 届出外排出量の作成方法
2.PRTRデータはどうやって作られたものか
15
データ種類別の作成方法
16
区分 データ種類 作られ方
届出
(排出量・
移動量)
① 集計データ
(例:都道府県別、業種別)
下記②を集計
② 事業所別の生データ
都道府県にて異常値チェック
(必要に応じて事業者に確認)
NITEにて届出書の内容を電子
化
届出外
(排出量)
③ 省令に基づく集計表
(例:非対象業種、家庭)
下記④を「非対象業種」等の
区分で再集計
④ 省令に基づかない集計表
(例:農薬、塗料、自動車)
「農薬」等の排出源ごとに推
計した結果を電子ファイルと
して整理
2.PRTRデータはどうやって作られたものか
届出排出・移動量データの作成方法
17
<異常値のチェック方法(例)>
物質番号と物質名の一致などの整合性のチェック(届出
事業者に修正を求める)
同じ事業所の前年度のデータと比較し、著しく排出・移
動量が増加した事業所に対し、その増加理由を確認
同じ物質について同業他社のデータと比較して桁違いに
排出・移動量が大きい事業所に対し、算出方法を確認
※上記の判断基準等の詳細は未確認
2.PRTRデータはどうやって作られたものか
届出外排出量データの作成方法
18
<代表的な推計方法>
製品使用に伴う届出外排出量(t/年)
= 製品としての分野別の全国出荷量(t/年)
× 分野別・対象化学物質の平均含有率(%)
× 分野別・媒体別の平均排出率(%)
<例>
塗料の使用に伴う届出外排出量(t/年)
= 「建築用塗料」の全国出荷量(t/年)
× 「建築用塗料」のトルエンの平均含有率(%)
× 「建築」における大気への平均排出率(%)
※ここに示す例示は細部を省略しており、厳密な計算式ではない。
400,000t/年×2%×100%=8,000t/年
2.PRTRデータはどうやって作られたものか
排出源ごとに推計された届出外排出量の例
省令に基づかない集計表(平成21年度;全国;塗料)
19
対象化学物質 年間排出量(kg/年)
物質
番号
物質名
建築工事業
(住宅)
建築工事業
(非住宅)
土木工事業 舗装工事業 家庭 合計
30
ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂
4,720 1,489 86,760 92,969
40エチルベンゼン 1,940,563 612,389 2,404,795 207,212 5,164,959
43エチレングリコール 384,284 121,270 76,500 582,053
44
エチレングリコールモ
ノエチルエーテル
15,237 4,808 20,045
63キシレン 6,100,192 1,925,056 7,048,169 670,481 15,743,898
696価クロム化合物 1,897 599 276 6,648 9,420
177スチレン 722 722
224
1,3,5-トリメチルベン
ゼン
131,794 41,591 65,692 24,601 263,677
227トルエン 3,610,275 1,139,306 1,882,621 803,572 170,658 7,606,433
230鉛及びその化合物 7,151 2,257 9,004 30,179 48,591
270フタル酸ジ-n-ブチル 816 257 0.4 32,547 127 33,747
272
フタル酸ビス(2-エチル
ヘキシル)
795 251 50 1,095
合 計 12,197,724 3,849,273 11,498,089 872,946 1,149,578 29,567,611
2.PRTRデータはどうやって作られたものか
推計された届出外排出量を再集計したものの例
省令に基づく集計表(平成21年度;北海道;抜粋)
20
物質
番号
物質名
届出外排出量(kg/年;ダイオキシン類はmg-TEQ/年)
対象業種 非対象業種 家庭 移動体 合計
11アセトアルデヒド 0.9 3,535 17,085 171,285 191,906
12アセトニトリル 569 332 901
162-アミノエタノール 46,608 1,917 30,594 79,119
24
直鎖アルキルベンゼンスルホン
酸及びその塩(アルキル基の炭
素数が10から14までのもの
及びその混合物に限る。)
180,252 45,469 300,812 526,534
25アンチモン及びその化合物 305 305
26石綿 0.03 0.03
40エチルベンゼン 61,860 150,908 10,311 237,388 460,466
42エチレンオキシド 554 5,918 6,472
43エチレングリコール 66,777 48,532 3,919 119,228
47エチレンジアミン四酢酸 1,333 285 1,618
63キシレン 187,146 2,290,982 37,256 882,783 3,398,168
68クロム及び3価クロム化合物 494 494
696価クロム化合物 138 485 624
2.PRTRデータはどうやって作られたものか
「排出源」と「省令に基づく集計表の区分」の関係
21
排出源
省令に基づく集計表の区分
対象業種 非対象業種 家庭 移動体
1すそ切り以下事業者 ●
2農薬 ○ ○ ○
3殺虫剤
家庭用殺虫剤 ○
防疫用殺虫剤 ○
不快害虫用殺虫剤 ○
シロアリ防除剤 ○ ○
4接着剤 ○ ○
5塗料 ○ ○
6漁網防汚剤 ○
7医薬品 ○
8洗浄剤・化粧品等 ○ ○
9防虫剤・消臭剤 ○
10汎用エンジン ○
11たばこの煙 ○
12自動車 ○
・・・ ○
17航空機 ○
18水道 ○ ○ ○
19オゾン層破壊物質 ● ● ● ●
20ダイオキシン類 ○ ○ ○ ○
21低含有率物質 ●
22下水処理施設 ○
※記号の意味は以下のとおり。
●:経済産業省にて推計
○:環境省にて推計
空白:推計していない
2.PRTRデータはどうやって作られたものか
※政令改正で医療業が対象業種
になった関係で、平成22年度分
から「医薬品」という排出源は
廃止の予定(→「すそ切り以下
事業者」と統合)
3.どんな道具が利用できるのか?
3.どんな道具が利用できるのか?
22
 データ活用に利用可能な道具の種類
 道具の使い方(PRTRけんさくん)
 道具の使い方(Microsoft Excel)
 道具の使い方(Microsoft Access)
データ活用に利用可能な道具の種類
23
① Microsoft Excel(汎用的な表計算ソフト)
② Microsoft Access(汎用的なデータベースソフト)
③ PRTRけんさくん(PRTRデータ分析システム)
http://www.env.go.jp/chemi/prtr/kaiji/index.html
④ MANDARA(地理情報分析支援システム)
http://ktgis.net/mandara/
⑤ AIST-ADMER(曝露・リスク評価大気拡散モデル)
http://www.aist-riss.jp/software/admer/ja/index_ja.html
⑥ METI-LIS(低煙源工場拡散モデル)
http://www.jemai.or.jp/CACHE/tech_details_detailobj1816.cfm
※上記③~⑥は無料で入手(ダウンロード)可能
3.どんな道具が利用できるのか?
道具の使い方(PRTRけんさくん)
(経済産業省の開発した集計・解析システム)
24
読み込むファイルの
ある場所を指定
3.どんな道具が利用できるのか?
「PRTRけんさくん」へのデータ取り込み
25
3.どんな道具が利用できるのか?
「PRTRけんさくん」による検索
26
抽出等の条件を指定
(例:業種や物質を指定)
3.どんな道具が利用できるのか?
物質名で抽出しても物
質ごとの排出量は表示
されない
→メニューの「表示」で
「物質ごと一覧」を選択
すると排出量も表示
27
3.どんな道具が利用できるのか?
集計の方法は
自動的に決め
られている。
「PRTRけんさくん」による集計
絞込み条件が設定され
た状態で集計すると、
その範囲内だけの集計
結果になってしまう。
「PRTRけんさくん」による経年比較の例
28
複数年度の届出
データが左右に並
んで表示される
3.どんな道具が利用できるのか?
届出自体がない場
合も、排出がゼロ
と表示される。
「PRTRけんさくん」の活用上の留意点
• 「PRTRけんさくん」を使うたびにCSVファイル
からデータを読み込む必要がある。
• データ抽出等の条件設定は単純な条件しか指
定できない。
• 社名等の変更があると異なった事業所とみな
され、経年変化が把握できないことがある。
• 経年比較をすると、届出していない物質の排
出・移動量がゼロと表示される(届出なしと
区別できない)。
• 届出書に書かれた業種(例:医薬品製造業)
が使われており、一般的な業種(例:化学工
業)で集計できない。
29
3.どんな道具が利用できるのか?
道具の使い方(Microsoft Excel)
(汎用的な表計算ソフト)
30
 多くの人が使い方に慣れている。
 「PRTRけんさくん」と比べて、やや複雑
な条件での集計や抽出が可能。
 データベースソフト(Microsoft Access
等)に比べると、大量のデータを処理す
るのは得意ではない。
3.どんな道具が利用できるのか?
道具の使い方(Microsoft Excel)
(CSVファイルの読み込み)
31
 「カンマやタブなどの・・・区切られたデータ」を選択
 区切り文字として「カンマ」を選択
 列のデータ形式として「G/標準」を選択
ウィザードに従って
データ読み込みの方
法を指定
3.どんな道具が利用できるのか?
道具の使い方(Microsoft Excel)
(集計等に役立つ関数)
32
3.どんな道具が利用できるのか?
関数 使い方
=SUM(・・・)
・・・の範囲の数値を合計
(例)業種別排出量の表で、全業種を合計を算
出
=MAX(・・・)
・・・の範囲にある最大の数値
(例)事業所別の排出量データで最大値を把握
=SUMIF
(①、
②、・・・)
①の値が②に一致する場合に限り
・・・の範囲の数値を合計
(例)業種コードが一致する排出量だけを集計
=VLOOKUP
(①、・・・、n、
FALSE)
①の値を・・・の左端の列から探し、最
初に一致した行にあるn列目の値
(例)物質名のリストから物質番号が一致する
ものを探して、該当する物質名を表示
Microsoft Excelの活用上の留意点
• 複数の条件(例:業種と物質名)を同時に指
定して集計するには、やや複雑な関数(例:
SUMIFS)などを使う必要がある。
• 古いバージョンのExcelでは65,536行を超える
データを扱うことができない。
• 大量のデータから集計や抽出をすると、計算
に著しく長い時間を要する場合が多い。
33
3.どんな道具が利用できるのか?
道具の使い方(Microsoft Access)
(汎用的なデータベースソフト)
34
 PRTRの届出データの本格的な活用をす
るための必須の(?)ツール。
 「PRTRけんさくん」の弱点をすべて克
服。
 表計算ソフト(Microsoft Excel等)
に比べると慣れるまでに尐し時間を要
する。
3.どんな道具が利用できるのか?
Microsoft Accessの活用
(集計などが可能になるまでの手順)
35
1. CSVファイル(コンマ区切りのテキストファイル)の
インポート(Accessファイルへの読み込み)
2. フィールド(データの項目)の定義
3. クエリの作成(複数のテーブルの関連づけ)
※上記2~3は最初だけ必要で、翌年度からはPRTRデータの差し替
え(CSVファイルのインポート)のみでOK
※全国の1年度分のファイル(圧縮ファイル)の容量は3~4MBで、
電子メールの添付ファイルとしても送付可能。
3.どんな道具が利用できるのか?
Microsoft Accessの活用
(CSVファイルのインポート)
36
ウィザードに従って
データ読み込みの方
法を指定
3.どんな道具が利用できるのか?
Microsoft Accessの活用
(インポートしたデータのフィールド定義)
37
フィールド(データ項目)
ごとに「数値型」などと読
み込みの方法を指定
3.どんな道具が利用できるのか?
「PRTRけんさくん」と違
い、自分でデータ項目の
名称(フィールド名)を
設定する必要がある。
※最初に使うときのみ 「PRTRけんさくん」を使い「データの
冒頭に項目名を挿入」という条件で
データ出力すれば、フィールド名の設
定が尐し簡略化できる。
Microsoft Accessの活用
(フィールド定義の例;別紙の場合)
38
No. 項目 データ型 フィールドサイズ 書式
1 整理番号 テキスト型 18 -
2 別紙番号 数値型 長整数型 -
3 物質名 テキスト型 200 -
4 物質番号 数値型 長整数型 -
5 大気 数値型 倍精度浮動小数点型 標準
6 公共用水域 数値型 倍精度浮動小数点型 標準
7 水域名 テキスト型 16 -
8 土壌 数値型 倍精度浮動小数点型 標準
9 埋立 数値型 倍精度浮動小数点型 標準
10 安定型 数値型 バイト型 -
11 管理型 数値型 バイト型 -
12 遮断型 数値型 バイト型 -
13 下水道 数値型 倍精度浮動小数点型 標準
14 廃棄物 数値型 倍精度浮動小数点型 標準
テキスト型の
場合は最大の
文字数
3.どんな道具が利用できるのか?
排出量等を単精度で
設定すると、集計し
て誤差が生じやすい。
(倍精度にしたい)
Microsoft Accessの活用
(業種コードの変換用のテーブル)
39
業種コード(届出用) 業種名(届出用) 業種コード(集計用) 業種名(集計用)
0500 金属鉱業 0500 金属鉱業
0700 原油・天然ガス鉱業 0700 原油・天然ガス鉱業
1200 食料品製造業 1200 食料品製造業
1300 飲料・たばこ・飼料製造業 1300 飲料・たばこ・飼料製造業
1320 酒類製造業 1300 飲料・たばこ・飼料製造業
1350 たばこ製造業 1300 飲料・たばこ・飼料製造業
1400 繊維工業 1400 繊維工業
1500 衣服・その他の繊維製品製造業 1500 衣服・その他の繊維製品製造業
1600 木材・木製品製造業 1600 木材・木製品製造業
1700 家具・装備品製造業 1700 家具・装備品製造業
1800 パルプ・紙・紙加工品製造業 1800 パルプ・紙・紙加工品製造業
1900 出版・印刷・同関連産業 1900 出版・印刷・同関連産業
2000 化学工業 2000 化学工業
2025 塩製造業 2000 化学工業
2060 医薬品製造業 2000 化学工業
2092 農薬製造業 2000 化学工業
・・・ ・・・ ・・・ ・・・
3.どんな道具が利用できるのか?
Microsoft Accessの活用
(集計用のクエリー作成)
40
主な機能
抽出(例:埼玉県)
条件付き集計
(例:トルエン等の物質ごとに集計)
演算(例:3物質の排出量を足し算)
並べ替え(例:3物質の合計の降順)
複数テーブルの関連づけ
(例)
①H20本紙
②H20別紙
③業種コードの変換
①集計したい項目を上のテーブルから下にドラッグ
②項目ごとの集計方法や抽出条件等を指定
3.どんな道具が利用できるのか?
Microsoft Accessの活用
(埼玉県における業種別の大気排出量の集計例)
41
業種
コード
業種名
トルエン
(kg/年)
キシレン
(kg/年)
塩化メチレン
(kg/年)
3物質計
(kg/年)
1900出版・印刷・同関連産業 2,690,776 48,248 17,470 2,756,494
3100輸送用機械器具製造業 909,710 694,555 81,340 1,685,605
2200プラスチック製品製造業 1,042,349 108,230 277,900 1,428,479
2000化学工業 1,012,024 60,831 68,456 1,141,312
2300ゴム製品製造業 1,077,400 39,790 17,600 1,134,790
2800金属製品製造業 341,817 209,523 134,500 685,840
1800パルプ・紙・紙加工品製造業 312,257 1,910 314,167
1400繊維工業 270,000 2,300 272,300
2700非鉄金属製造業 46,060 71,338 67,600 184,998
2600鉄鋼業 79,750 100,700 180,450
2900一般機械器具製造業 94,968 49,059 24,600 168,627
3000電気機械器具製造業 24,120 25,026 104,600 153,746
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
3.どんな道具が利用できるのか?
Microsoft Accessの活用
(PRTRの開示データで可能な集計・抽出等の例)
• VOCに該当する物質の大気排出量を業種別・市区町村別
に集計し、業種と市区町村によるクロス集計表を作成
• ○○川(又はその支流)に6価クロム化合物を1kg以上排
出している事業所のうち、下水道業に該当しない事業所
のデータを抽出
• 金属又はその化合物のうち、1物質以上の大気排出量が
ゼロより大きな事業所について、ゼロより大きな物質の
大気排出量を抽出
• 前年度の届出排出量に比べ、ある物質の媒体別排出量が
10倍以上に増加し、かつ増加後の媒体別排出量が100kg
以上の事業所のデータを抽出
42
かなり複雑な条件設定でも
Accessなら対応可能
3.どんな道具が利用できるのか?
4.PRTRデータはどのように
活用されているのか?
4.PRTRデータはどのように活用されているのか?
43
 排出量に毒性で重み付けしたデータの例
 市町村別の届出排出量の集計例
 河川別の届出排出量の集計例
 物質別の「排出インベントリ」の作成例
 大幅削減事業所の抽出
 化学物質の主要な排出源の特定
 水質の常時監視の測定地点の選定
排出量に毒性で重み付けしたデータの例
(大気への届出排出量に人への毒性で重み付け)
44
平成18年度
農薬以外
静岡県
<出典>
エコケミストリー研究会
http://www.ecochemi.jp/
4.PRTRデータはどのように活用されているのか?
ここに示すデータは
尐し古く、平成20年
度のデータが最新
(H23.9.5現在)
毒性による重み付けの例①
45
<出典>
エコケミストリー研究会(http://www.ecochemi.jp/)
4.PRTRデータはどのように活用されているのか?
物質
番号
物質名
人の健康保護のための
大気管理参考濃度
大気への排出
の人に対する
毒性重み付け
係数mg/m3 情報源
1 亜鉛の水溶性化合物 0.0016 ACGIH 630
2 アクリルアミド 0.0000077 IRIS UR
130,00
0
3 アクリル酸 0.054 WHOガイド 19
4 アクリル酸エチル 0.067 ACGIG 15
5
アクリル酸2-(ジメチ
ルアミノ)エチル - -
6 アクリル酸メチル 0.023
ACGIH/産衛
学会
43
7 アクリロニトリル 0.0020 大気指針値 500
8 アクロレイン 0.000020 IRIS RfC 50,000※他にも以下の参考濃度が設定されている。
・人の健康の保護のための水域管理参考濃度
・水生生物保護のための水域管理参考濃度
毒性による重み付けの例②
46
<出典>
化学物質の安全性影響度の評価に関する指針(神奈川県)
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/taikisuisitu/kagaku/prtr/jourei/40_2/kokuji13.pdf
4.PRTRデータはどのように活用されているのか?
物質
番号
物質名
総合判定
(人)
発がん
クラス
慢性毒性 急性毒性
1 亜鉛の水溶性化合物
C(吸入・経
口)
C(吸入・経
口)
-
1 塩化亜鉛 A(吸入) A(吸入) B(吸入)
1 硫酸亜鉛 C(経口) C(経口) C(経口)
2 アクリルアミド
A(吸入・経
口)
B
A(吸入・経
口)
B(経口)
3 アクリル酸
B(吸入・経
口)
B(吸入)
B(吸入・経
口)
4 アクリル酸エチル B(吸入) B B(吸入) B(吸入)
5
アクリル酸2-(ジメ
チルアミノ)エチル A(吸入) - A(吸入)
6 アクリル酸メチル B(吸入) B(吸入)
C(吸入・経
口)
7 アクリロニトリル A(吸入) B
B(吸入・経
口)
A(吸入)
8 アクロレイン
A(吸入・経
A(吸入)
A(吸入・経
毒性による重み付けの比較(例①・例②)
47
物質
番号
物質名
大気への排出の
人に対する毒性
重み付け係数
(エコケミ研究会)
人に対する毒性ランク
(総合判定)
(神奈川県)
1 亜鉛の水溶性化合物 630
A(吸入;塩化亜鉛)
C(経口;硫酸亜鉛)
2 アクリルアミド 130,000 A(吸入・経口)
3 アクリル酸 19 B(吸入・経口)
4 アクリル酸エチル 15 B(吸入)
5
アクリル酸2-(ジメ
チルアミノ)エチル
- A(吸入)
6 アクリル酸メチル 43 B(吸入)
7 アクリロニトリル 500 A(吸入)
8 アクロレイン 50,000 A(吸入・経口)
4.PRTRデータはどのように活用されているのか?
物質
番号
対象化学物質名 沼津市 掛川市 ・・・ 全県合計
227 トルエン 88 1,595 ・・・ 9,922
63 キシレン 47 179 ・・・ 1,923
145 ジクロロメタン(別名塩化メチレン) 11 36 ・・・ 1,363
40 エチルベンゼン 9 41 ・・・ 1,003
172 N,N-ジメチルホルムアミド 2 1 ・・・ 817
177 スチレン 13 20 ・・・ 306
224 1,3,5-トリメチルベンゼン 0.01 0.01 ・・・ 165
211 トリクロロエチレン 0.01 0.01 ・・・ 144
304 ほう素及びその化合物 1 2 ・・・ 132
12 56 ・・・ 800
183 1,929 ・・・ 16,575
その他の対象化学物質
合計
市町村別の届出排出量の集計例
(静岡県の例)(全媒体)(平成19年度;t/年)
48
4.PRTRデータはどのように活用されているのか?
河川別の届出排出量の集計例
(静岡県の主要河川の例)(平成19年度;kg/年)
河川別排出量には主な支流への排出も含む。
49
4.PRTRデータはどのように活用されているのか?
物質
番号
物質名 狩野川
富士川
安倍川 大井川
天竜川
合計
静岡県 山梨県 静岡県 長野県
283
ふっ化水素及びその水
溶性塩
8,404 1,300 5,168 31,066 3 489 3,725 50,154
304 ほう素及びその化合物 4,105 2,380 11 391 11,042 17 2,362 20,309
1 亜鉛の水溶性化合物 5,413 3,334 1,165 1,016 62 98 253 11,340
43 エチレングリコール 598 160 168 2,600 3,526
232 ニッケル化合物 1,775 626 54 976 3,431
93 クロロベンゼン 2,800 2,800
311
マンガン及びその化合
物
269 80 1,205 11 12 11 266 1,854
227 トルエン 10 1,600 15 1,625
その他 517 2,377 1,325 71 602 141 1,047 6,079
合 計 21,092 13,871 9,675 32,554 11,888 809 11,228 101,117
物質別の排出インベントリの作成例
(塩化メチレン;愛知県・山口県)
50
金属製品
13.5%
化学
3.0%
プラスチック
20.2%輸送用機械
11.6%
木材
5.9%
電気機械
2.9%
他製造業
7.0%
他の届出
11.6%
すそ切り
10.7%
愛知県排出量
1,128t/年
(平成18年度)
化学
77.9%
プラスチック
1.2%
輸送用機械
0.9%
他製造業
12.1%
他の届出
0.9%
すそ切り
7.1%
山口県排出量
124t/年
(平成18年度)
4.PRTRデータはどのように活用されているのか?
大幅削減事業所の抽出
(PRTRの届出データや取組内容を事業所ごとに表示)
51
Accessを使って2
年度分の届出排出
量等を比較
※排出量の削減率が高
い事業所等を抽出した
結果を表示
4.PRTRデータはどのように活用されているのか?
①届出データとアンケート結果
を関連づけ(クエリーの作成)
②Accessの「フォーム」の機能
を使って上記①を表示
化学物質の主要な排出源の特定
(①主な排出業種の把握)
52
4.PRTRデータはどのように活用されているのか?
業種 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20
金属製品製造業 6 8 92 177 68 94 98 71
電気機械器具製造業 2 2 121 69 110 1 2 2
化学工業 630 589 605 362 230 222 235 141
非鉄金属製造業 440 40 0 0 0 0 0 5
精密機械器具製造業 92 36 4 8 5 1 1 0.3
プラスチック製品製造
業
3 5 8 0.1 0.1 0 3 3
繊維工業 9 0 0 0 0
・・・
届出されたトリクロロエチレンの公共用水域への排
出量
(単位:kg/年)
注:届出が1件もなかった場合は排出量の欄を空欄とした。
化学物質の主要な排出源の特定
(②主な排出事業所の把握)
53
4.PRTRデータはどのように活用されているのか?
事業所 排出先 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19
ダイトーケミックス(株)静
岡工場
海域等 14 52 60 57 53 45 27
ユニマテック(株) 河川 4.9
クラレ西条(株) 海域等 3.9 2.4 2.8 3.4 3.3
越前ポリマー(株)越前工場 河川 3.3 3.1
中央ケミカル(株)東長原工
場
河川 2.0 0.6 0.7 0.8 4.7 1.7 1.9
(株)三宝化学研究所静岡工
場
河川 1.3 2.0 1.9 1.8 1.4 1.4 1.3
東ソー(株)南陽事業所 海域等 0.3 0.2 1.6 1.4 1.6 1.6 1.2
・・・
届出された1,4-ジオキサンの公共用水域への排出量
(単位:トン/年)
注:届出をしなかった年度は排出量の欄を空欄とした。
水質の常時監視の測定地点
の選定
54
4.PRTRデータはどのように活用されているのか?
河川名 事業所名 所在地
ニッケル
化合物の
排出量
(kg/
年)
大場側
(上流側の支
流)
東邦テナックス(株)三島事業所
駿東郡長泉町
上土狩234番地
1,100
黄瀬側
(下流側の支
流)
メディアロジテック(株)マスタリング
センター
御殿場市神場48 0.2
臼井国際産業(株)柿田工場 駿東郡清水町柿田626 15
(株)巧工業 駿東郡長泉町本宿264-7 17
関東自動車工業(株)東富士工場 裾野市御宿1200 0.7
狩野川
(本流)
臼井国際産業(株)協和工場 駿東郡清水町長沢930 2.5
臼井国際産業(株)長沢工場 駿東郡清水町長沢1099 63
臼井国際産業(株)長沢西工場 駿東郡清水町長沢1073 60注:これは実際の活用事例ではなく、活用の可能性を示してい
る。
水質の要監視項目の
「ニッケル」に対応
する物質の排出量
5.PRTR制度の見直しによって、
今後何が変わるのか?
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
55
 化管法見直しの概要
 PRTR対象化学物質の見直し
 PRTRの届出対象業種の追加
 「廃棄物種類」等の届出事項の追加
 排出量等の経年変化を把握する場合の
留意点
 事業所別の届出データの積極活用
化管法見直しの概要①
-中環審の中間答申(H19.8.24)より -
56
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
1. 物質の選定基準の見直し
 世界調和システム(GHS)との整合
 特定第一種指定化学物質に対するエンドポイントの追加
2. 対象業種の見直し
 建設業や農業は追加しない方向
 届出対象に医療業を追加する方向で検討
3. PRTRの届出事業者の要件
 従業員規模の要件(21人以上)は変更なし
 取扱量の要件(例:年間1トン以上)は変更なし
化管法見直しの概要②
-中環審の中間答申(H19.8.24)より -
57
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
1. 届出事項の追加
 届出事項に取扱量は追加しない
 環境リスクの把握を目的に「廃棄物の処理方法」等を届出事項
に追加 → 主として届出外排出量の推計で活用
※その後の検討により、廃棄物は処理方法と廃棄物種類を併記する方針に微修正
(→省令改正で対応)
2. 届出外排出量の推計手法の継続的改善
 推計精度の向上(経年変化の確実な把握)
 推計対象範囲の拡充(排出源の追加)
 下水処理施設 → 平成19年度分より推計・公表
 廃棄物処理施設 → 平成19年度より推計方法を検討中
化管法見直しの概要③
-中環審の中間答申(H19.8.24)より -
58
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
1. PRTRデータの提供方法の見直しによる
関係者のPRTRデータ利用の促進
 事業所別の届出データは 開示請求方式から公表方式へ
 分かりやすいデータ提供(例:地図上へのプロット)
2. 国の制度と地方公共団体の独自制度の連携による
地域レベルでのPRTRデータ利用の促進
 条例等で得られるデータとの連携(情報共有)
 PRTRデータの一層の活用(環境リスク評価、モニタリング計
画立案、事業者に対する指導・助言、etc.)
3. MSDS制度の見直し
 MSDS記載事項のGHS対応化
59
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
見直しをする法令の範囲
今回の化管法見直しは、②政令と③省令の見直しで対応
→ 法律自体の見直しは行わない。
① 化学物質排出把握管理促進法(法律)
② 化学物質排出把握管理促進法施行令(政令)
③ 化学物質排出把握管理促進法施行規則(省令)
④ 排出量等の届出事項の集計方法を定める省令
⑤ 化学物質の性状及び取扱に関する情報提供方法
を定める省令
⑥ 化学物質管理指針
※化管法関連の主な法令のみ示す。
60
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
化管法(法律)の構成・・・今回は変更なし
第一章 総則 ・・・化学物質管理指針など
第二章 PRTR制度
①事業者による排出量等の把握 → 届出 → 集計 → 通知及び公
表
②国による届出外排出量の推計 → 公表
③上記①の届出データの開示
第三章 MSDS制度 ・・・譲渡先への提供義務
第四章 雑則
第五章 罰則
※中間答申では「開示請求方式から公表方式へ」とされたが、
法律の運用で対応
61
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
化管法見直しと中間答申との関係
<法律の規定>
集計データ(例:都道府県別) → 公表(法第8条第4項)
個別の事業所別のデータ → 開示(法第11条)
<中間答申を受けた対応>
法律の規定 → 改正しない(=開示方式を継続)
運用 → 平成21年2月より実質的な公表に変更
(※開示用のデータがHPよりダウンロード可能となった)
62
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
化管法施行令(政令)の主な構成
→ 今回は①対象化学物質と②対象業種を見直し
① 対象化学物質(PRTR+MSDS)
② 対象業種(PRTRのみ)
③ 年間取扱量の要件+特別要件施設(PRTRのみ)
④ 従業員規模の要件(PRTRのみ)
⑤ 製品の要件(PRTR+MSDS)
63
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
化管法の政令改正(H20.11.21公布)の内容
1. 第一種指定化学物質等の見直し
 エチレングリコール等をPRTR対象から削除
 n-ヘキサン等をPRTR対象へ追加
 1,3-ブタジエン等が特定第一種指定化学物質に昇格
新旧対照表
→ http://www.env.go.jp/chemi/prtr/archive/target_chemi/c-table081224.xls
※ 物質ごとの排出・移動量の増減を把握するときは物質番号の変更に要注意
2. PRTRの対象業種に医療業を追加
 主として病院(病床数20以上)と滅菌代行業が届出
 以下のような薬剤の取扱があるものと想定
 滅菌薬剤(エチレンオキシド)
 病理検査薬・試薬(キシレン、クロロホルム)
 検体保存薬(ホルムアルデヒド)
64
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
1. MSDS制度
平成21年10月1日~(排出・移動量の把握より6ヶ月先
行して改正後の物質のMSDSの交付を義務付け)
2. PRTR制度
政令の経過措置として、以下の期日より改正後の政令
を適用
 排出・移動量の把握 → 平成22年4月1日~
 排出・移動量の届出 → 平成23年4月1日~
※届出事項の追加を規定する省令は、平成22年4月に即時施行
化管法施行令の一部を改正する政令の施行
65
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
物質見直しの基本的な考え方
1. 既存の物質指定の考え方をほぼ踏襲
有害性と曝露性の両面から選定
有害性は同じ9項目(発がん性等)で評価
曝露性は製造・輸入量や検出実績を基本として評価
2. 世界調和システム(GHS)との整合を考慮
 特定第一種指定化学物質の選定基準に反映
3. 有害性データとしてGHS関連で収集した情報源
を追加
4. PRTRによる届出や推計の実績も考慮
※以上の微修正を加えた上で最新データに更新して選定
66
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
特定第一種指定化学物質の選定方法の変更
有害性の区分 選定のための条件
GHS基準の
区分
発がん性 人に対して発がん性あり 1A
生殖細胞変異
原性
ヒト生殖細胞に遺伝的突然変異
を誘発する
1A
生殖毒性
人の生殖能力を害する又は人に
対する発生毒性を引き起こす
1A
※いわゆるCMR物質(C:発がん性、M:変異原性、R:生殖毒性、があ
るとされる物質)のうち、特に有害性の高いものに相当
変更前:「人に対する発がん性のあるもの」のみ
変更後:以下の三つの区分(発がん性、生殖細胞変異原性、生殖毒性)
の何れか一つ以上に該当するもの
67
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
政令改正による物質指定の概要
区分 改正前 改正後
第一種
指定化学物質
354物質
462物質
 n-ヘキサン等を追加
 2,4-キシレノール等を第二種から
昇格
 エチレングリコール等を削除
うち、
特定第一種
指定化学物質
12物質
15物質
2-ブロモプロパン等を昇格
メトキサレンを第一種自体から削除
第二種
指定化学物質
81物質
100物質
ブロモホルム等を第一種から降格
(第二種に追加)
フタル酸ジイソブチル等を削除
68
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
新たな第一種指定化学物質の例
物質名 変更区分 主な用途等
アジ化ナトリ
ウム
追加
医薬品、防腐剤、農薬等の原料
溶存酸素(DO)等の検出試薬
※中毒事件続発により毒物指定(1999年)
インジウム及
びその化合物
昇格
(←第2種)
インジウム(半田、合金等)
酸化インジウム(透明導電膜原料)
水酸化インジウム(電池電極材料等)
カルシウムシ
アナミド
追加
肥料(単肥、配合肥料等)
有機合成原料(メラミン等)
n-ヘキサン 追加
溶剤(塗料、接着剤、印刷インキ等)
抽出溶剤(食用油脂等)
69
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
PRTR対象物質の新旧対照表(その1)
新物質
(H22年度分~)
旧物質
(H13~H21年度分)
備 考
物質
番号
特定
第1
種
物 質 名 称
物質
番号
特定
第1
種
物 質 名 称
1 亜鉛の水溶性化合物 1 亜鉛の水溶性化合物
2 アクリルアミド 2 アクリルアミド
3 アクリル酸エチル 4 アクリル酸エチル
4 アクリル酸及びその水溶性塩 3 アクリル酸 名称変更
5
アクリル酸2-(ジメチルアミ
ノ)エチル
5
アクリル酸2-(ジメチルアミノ)
エチル
6
アクリル酸2-ヒドロキシエチ
ル
新規追加
7 アクリル酸ノルマル-ブチル 新規追加
8 アクリル酸メチル 6 アクリル酸メチル
9 アクリロニトリル 7 アクリロニトリル
10 アクロレイン 8 アクロレイン
9
アジピン酸ビス(2-エチルヘキシ
ル) 削除
10 アジポニトリル 削除
11 アジ化ナトリウム 新規追加
12 アセトアルデヒド 11 アセトアルデヒド
13 アセトニトリル 12 アセトニトリル
14 アセトンシアノヒドリン 新規追加
70
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
PRTR対象物質の新旧対照表(その2)
新物質
(H22年度分~)
旧物質
(H13~H21年度分)
備 考
物質
番号
特定
第1種
物 質 名 称
物質
番号
特定
第1種
物 質 名 称
304 鉛
230 鉛及びその化合物
305 ○ 鉛化合物
306 二アクリル酸ヘキサメチレン 新規追加
307 二塩化酸化ジルコニウム 新規追加
308 ニッケル 231 ニッケル
309 ○ ニッケル化合物 232 ○ ニッケル化合物
310 ニトリロ三酢酸 233 ニトリロ三酢酸
311 オルト-ニトロアニソール 新規追加
234 パラ-ニトロアニリン 削除
・・
・
・・・ ・・・ ・・・
320 ノニルフェノール 242 ノニルフェノール
243 バリウム及びその水溶性化合物 削除
321 バナジウム化合物 99 五酸化バナジウム
・・
・
・・・ ・・・ ・・・
71
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
新たな特定第一種指定化学物質
物質名 変更区分 主な用途等
鉛化合物
昇格
(←第1種)
ホウ酸鉛(ワニス、ペイントの乾燥剤)
酸化鉛(Ⅳ)(ゴムの硬化剤、試薬)
シアナミド鉛(防錆顔料)
1,3-ブタジ
エン
〃
合成樹脂原料(合成ゴム、ABS樹脂)
※ディーゼル車等の排気ガスに含有
2-ブロモプ
ロパン
〃 化学品の中間体(医薬、農薬、感光剤)
ホルムアル
デヒド
〃
合成樹脂原料(メラミン系等)
他の合成原料(ペンタエリスリトール等)
殺菌・消毒剤(一部は医薬品)
※ディーゼル車等の排気ガスに含有
72
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
主な追加候補業種
72
業種
想定される
主な使用薬剤
見直しにおける評価
建設業
塗料
接着剤
セメント混和剤
シロアリ防除剤
 「元請け~下請け~」という業務
管理の形態が複雑
 排出する場所が変化しやすく、
排出量の把握が困難
建物サービス業
洗浄剤
防疫用殺虫剤
排出場所の変化が激しく、排出量の
把握が困難
農業 農薬
 一般に物質ごとの使用は尐量
 個人経営が大半で届出が困難
医療業
殺菌・消毒剤
病理検査薬
検体保存剤
 大規模な事業者も存在
 届出に係る技術的な制約はない
<参考>化管法第5条の規定
・・事業者は、その事業活動に伴う排出量(・・当該事業所において環境に
排出される・・)・・及び移動量・・を把握しなければならない。
73
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
医療業の業種別の事業所数等
業種
事業所数
(a)
従業者数
(b)
1事業所あたり
の平均従業者数
=(b)/(a)
病院 8,404 1,364,423 162.4
一般診療所 73,607 747,463 10.2
歯科診療所 61,905 364,527 5.9
助産・看護業 1,685 13,594 8.1
療術業 65,627 167,635 2.6
医療に附帯する
サービス業
(滅菌代行業等)
7,167 65,672 9.2
合 計 218,395 2,723,314 12.5
資料:平成16年事業所・企業統計調査(総務省)
※PRTRの届出事業所は病院と滅菌代行業を中心に50~100程度?
74
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
医療業で届出が予想される対象化学物質
物質名
特定第一種
指定化学物質
主な用途
エチレンオキシド ○ 医療機器の滅菌
(※滅菌代行業はほぼこの物質に限定)
キシレン 病理検査
クロロホルム 同上
トルエン 検体保存、病理検査
ホルムアルデヒド ○ 検体保存、病理検査、殺菌消毒
<主な尐量使用の物質>
・ヒドロキノン(写真現像)
・グルタルアルデヒド(殺菌消毒)
・銀及びその水溶性化合物(写真現像)
・フェノール(殺菌消毒、病理検査)
・クレゾール(殺菌消毒)
75
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
医療業で最も重要な対象化学物質の概要
→ エチレンオキシド(特定第一種指定化学物質)
需要分野
エチレンオキシドの
大気排出量(トン/年)
H19 H20 H21
病院(自主滅菌) 112 73 69
滅菌代行業(院内滅菌) 24 16 20
滅菌代行業(院外滅菌) 18 11 12
合 計 155 100 101
※PRTRの届出外排出量(平成19~21年度分)より作成
炭酸ガスで希釈された高圧ガスとして注射針等の滅菌に使用
病院が自ら滅菌せず、専門業者に委託する場合がある
全国の医療業で1年に約200トンのエチレンオキシドを使用
76
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
化管法施行規則(省令)の主な構成
→ 今回は④届出事項と⑤対応化学物質分類名を見直し
① 排出量・移動量の算出方法(例:物質収支、実測)
② 排出量等の把握が必要な物質の範囲(年間取扱量1トン
以上の物質+特別要件施設ごとに指定した物質)
③ 排出量等を把握すべき媒体(例:大気、公共用水域)
④ 届出事項(例:従業員数、業種、物質名、排出量・移動量)
⑤ 対応化学物質分類名(例:塩化メチレンなら「第二分類:鎖
状炭化水素化合物及びハロゲン化鎖状炭化水素化合物」)
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5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
省令改正による届出事項の追加(その1)
77
①移動先の下水道終末処理施設の名称(自由記述)
 都道府県ごとの施設名称を一覧で示す(↓)
市町村等団体名 下水道終末処理施設
多摩川流域 南多摩水再生センター
北多摩一号水再生センター
・・・
荒川右岸・東京流
域
清瀬水再生センター
東京都区部 三河島水再生センター
砂町水再生センター
・・・
78
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
省令改正による届出事項の追加(その2)
78
②廃棄物の移動先での処理方法(選択式;複数選択可)
 01 脱水・乾燥
 02 焼却・溶融
 03 油水分離
 04 中和
 05 破砕・圧縮
 06 最終処分
 07 その他
79
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
③移動する廃棄物の種類(選択式;複数選択可)
01 燃え殻 10 動植物性残さ
02 汚泥 11 動物系固形不要物
03 廃油 12 ゴムくず
04 廃酸 13 金属くず
05 廃アルカリ 14 ガラスくず・コンクリート
くず・陶磁器くず
06 廃プラスチック類 15 鉱さい
07 紙くず 16 がれき類
08 木くず 17 ばいじん
09 繊維くず 18 その他
省令改正による届出事項の追加(その3)
80
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
80
※平均含有率等を設定して届出外排出量を推計(予定)
<汚泥中の含有率> <廃油中の含有率>
追加される届出事項のデータの活用方法(その1)
追加される廃棄物種類等の届出データは、
主として届出外排出量の推計に活用
対象化学物質 平均含有率
(g/t-waste)
鉛及びその化合物 33
ニッケル化合物 54
クロム及び3価ク
ロム化合物
67
キシレン 14
トルエン 91
・・・ ・・・
対象化学物質 平均含有率
(g/t-waste)
トルエン 33,005
キシレン 7,536
塩化メチレン 6,783
トリクロロエチレン 1,846
2-アミノエタノール 1,240
クロロホルム 1,675
・・・ ・・・
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
追加される届出事項のデータの活用方法(その2)
(廃棄物種類ごとの廃棄物移動量の集計)
81
※平成12年度PRTRパイロット事業(経済産業省・環境省)の報告データに基づき作成
物質
番号
物質名
年間移動量(トン/年)
燃え殻 汚泥 廃油 廃酸 ・・・
1 亜鉛の水溶性化合物 93 99 0 17
16 2-アミノエタノール 7 3,309
25
アンチモン及びその化合
物
0 80 1
40 エチルベンゼン 2 471
43 エチレングリコール 0 9 570 1
60
カドミウム及びその化合
物
2 12
63 キシレン 42 225 2,457 1
68
クロム及び3価クロム化合
物
6 1,231 0 7
69 6価クロム化合物 0 60 2 285
・・
・
・・・
5.PRTR制度の見直しによって、今後何が変わるのか?
事業所別の届出データの積極活用
(平成13年度の排出量上位10事業所の排出量の推移)
82
事業所
大気への合計排出量(トン/年)
H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19
フタムラ化学(株)大垣工場 2,998 2,521 2,511 2,378 1,849 1,746 1,765
(株)サンエー化研袋井工場 1,903 2,704 3,102 2,802 1,901 1,801 1,401
シノムラ化学工業(株)静岡
工場
1,900 1,700 1,700 1,600 1,300 960 640
凸版印刷(株)群馬工場 1,872 1,476 884 243 66 83 88
日東電工(株)豊橋事業所 1,782 1,175 534 570 468 451 471
ニチハ(株)名古屋工場 1,695 1,393 1,590 1,590 1,364 834 783
住化加工紙(株)いわき工場 1,600 810 520 320 180 280 750
三菱自動車工業(株)水島製作
所
1,549 1,489 1,669 800 416 326 190
ニチハ(株)いわき工場 1,523 1,329 1,341 1,493 1,432 1,127 817
日立化成工業(株)五所宮事業
所
1,408 1,706 1,515 481 523 304 118
まとめ
83
① PRTRデータの多面的な活用が望まれる。
② PRTRデータの本格的な活用には、便利な
道具を使いこなすことが不可欠
③ 法目的の一つである「化学物質の自主的
な管理の改善の促進」を把握するため、
排出量の経年変化の把握が重要
④ 政令改正前後の物質の対応関係等を把握
しないと、排出量の増減の把握は困難
おわり
84
※本テキストで紹介したExcelやAccessファイルなどは、
ご希望があれば電子メール等でお送りします。
※その他のご意見やご質問も歓迎致します。
→神山(s.koyama@ries.co.jp)まで

Prtrデータの活用のあり方 h23 ver.2