【アシアル塾】PHPオブジェクト指向再入門・第三回Exceptionクラスによる例外処理

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PHPオブジェクト指向再入門
Exceptionによる例外処理
1回3,000円のWeb技術教育・アシアル塾
http://www.asial.co.jp/school/juku.php

本講座の目的
本講座の目的
• 書籍だけでは理解することが難しいオブジェクト指向の技術や考え方を、ひとつずつ理解していきます。
受講対象者
• プログラミングの基本的な手法である構造化プログラミング(順次・反復・分岐)や変数・関数の仕組みを理
解している方
第三回目の目標
1. Exceptionを利用した例外処理の仕組みを理解する
2. 継承を利用してオリジナルのExceptionを定義する

Exceptionと例外処理

Exceptionとは
Exeptionとは
• 「例外」をオブジェクトとして管理するためのクラスです
Exceptionはれっきとしたクラスなのでインスタンス化したり継承することができます。
• Exceptionオブジェクトを扱うための構文(try-catch)と組み合わせて利用できます
例外とは何か？
• 例外的な状況
データベースサーバーが応答しなくなった
注文処理の実行中に在庫がなくなってしまった
外部APIが応答しなくなった
ディスク容量があふれてプログラムが正常に処理できなくなった
Exceptionによる例外処理
• 例外的な状況に陥ったタイミングで「例外を投げる（スロー）」ことを行います
例：throw new exception('例外エラーが発生しました');
– 「throw」という構文に Exceptionオブジェクトを渡します。
– Exceptionオブジェクトはコンストラクタでエラーメッセージを定義できます。

エラー処理方法
エラー処理方法
• 関数の返り値によるエラー処理
エラー発生時にreturnでfalseや0、エラーコードなどを返します
• 例外によるエラー処理
例外発生時に、throwで例外(Exceptionオブジェクト)を投げます
例外処理のメリット
• 関数の返り値の型を汚さずに済みます
例としてPHPの関数file_get_contents()関数は取得に成功した場合はデータをstring型で返すのですががエラー
時はboolean型のfalseを返すようになっており、返り値の型が統一できていません。
• 関数を利用する側がif文によるエラーチェックから解放されます
• 例外発生時の処理をcatchブロックでまとめて記述できます
• 正常系の処理と例外発生時の処理が分離できるため可読性が高まります

【実習】Exceptionを投げる
Exceptionをインスタンス化してthrowで投げてみましょう
try-catch構文を利用してExceptionをcatchしてみましょう
<?php
throw new Exception("はじめてのException");
Exception.php
<?php
try {
echo "try開始";
throw new Exception("はじめてのException");
echo "try終了";
} catch (Exception $e) {
echo $e->getMessage();
}

throwとtry-catch
try-catch構文を使わなかった場合
• throwしたExceptionがキャッチされなかった場合、最終的にPHPがFatalエラーとして処理します
try-catch構文を使った場合
• throwのタイミングでtryブロックの後続の処理が中断されます
中断後はcatchブロックの中の処理が実行されます
• catch (Exception $e) について
Exceptionの記述はタイプヒンティングのようなもので、catch可能なオブジェクトのクラスを指定しています
– この場合はExceptionクラスかその子クラスのオブジェクトをキャッチします
キャッチしたオブジェクトは$eとして参照できるようになります
– $exceptionと記述した場合は$exceptionとして参照できるようになります

Exceptionの継承
Exceptionの継承
• Exceptionはクラスなので継承してオリジナルの例外を作成することができます
例：データベース接続に関する例外や注文に関する例外など
• PHPではSPLとしてExceptionを継承した例外が用意されています
http://php.net/manual/ja/spl.exceptions.php
RuntimeException (実行時例外)
– OutOfBoundsException：有効ではないキーを参照した場合にスローされる例外
– OverflowException：コンテナに要素を追加してれた場合にスローされる例外
» ※コンテナは配列やオブジェクトなどの総称
– UnderflowException：空のコンテナの要素を削除しようとした場合にスローされる例外
– RangeException：範囲エラーが発生した場合にスローされる例外
– UnexpectedValueException：期待していない値の際にスローされる例外
LogicException(コードの検査や本来起こりえない状況の対応に使う例外)
– 省略
• PDOが利用するPDOExceptionはRuntimeException を継承しています
http://php.net/manual/ja/class.pdoexception.php
• フレームワークでも例外を用意している場合があります
http://book.cakephp.org/2.0/ja/development/exceptions.html

複数のcatch
複数のcatch
• catchは複数用意することができます
• 例えば、まず「RangeException」をcatchしてそれ以外を「RuntimeException」それでもcatchできないも
のは「Exception」としてcatchすることができます。
try {
$item->setStock(-1);
} catch (RangeException $e) {
echo "RangeExceptionが発生しました";
} catch (RuntimeException $e) {
echo "RuntimeExceptionが発生しました";
echo "Exceptionが発生しました";
}

Exceptionクラスの諸機能
Exceptionクラスの諸機能
• getMessage()メソッド
例外メッセージを取得します
• getCode()メソッド
例外コードを取得します
• getTrace()メソッド
スタックトレースを取得します
– 例外の発生した個所や呼び出し元情報を確認できます
Exceptionオブジェクトの名前を確認する方法
• get_class()関数
オブジェクトのクラス名を取得します
– Exceptionに限らず利用可能です

【実習】ItemクラスのメソッドからExceptionを投げる
ItemクラスのメソッドからExceptionを投げる
<?php
class Item
{
private $stock = 0;
public function setStock($amount)
{
if (is_int($amount)) {
if ($amount >= 0) {
$this->stock = $amount;
return "在庫を" . $this->stock . "に更新しました";
} else {
throw new RangeException('負数による在庫数指定');
}
} else {
throw new UnexpectedValueException("数値(int)以外の在庫数指定");
}
}
}
ExceptionItem.php

【実習】Exceptionを複数のcatchで捉える
Exceptionを複数のcatchで捉える
• catch後の処理が同じ場合、個別にcatchする必要はありません
try {
$item = new Item();
$result = $item->setStock(99);
echo $result;
} catch (RangeException $e) {
echo get_class($e) . "が発生しました";
} catch (UnexpectedValueException $e) {
} catch (RuntimeException $e) {
}
ExceptionItem.php

PHPのエラーとException

PHPのエラーを例外として扱う
PHPのエラーをExceptionとして扱う
• PHPにはNoticeやWarningといったエラーが用意されています
• NoticeやWarningを例外として扱う方法を確認していきましょう
set_error_handler()関数
• PHPのエラーが発生した時の処理を設定するための関数です
• エラー発生時の処理としてExceptionを投げる処理を登録します
ExceptionはErrorExceptionというPHPで定義済みの例外を利用します
function exception_error_handler($errno, $errstr, $errfile, $errline ) {
throw new ErrorException($errstr, 0, $errno, $errfile, $errline);
}
set_error_handler("exception_error_handler");
/* 例外を発生させます */
try {
echo $array['foo'];
} catch (ErrorException $e) {
}
参考：http://php.net/manual/ja/class.errorexception.php

finallyブロック
finallyブロック
• PHP5.5以降からはtry-catch構文でfinallyブロックを記述することができます。
• finallyブロックに記述した処理は例外の発生にかかわらず実行されます
また途中でreturnを実行した場合でも実行されます
<?php
try {
throw new Exception("foo");
return;
} finally {
echo "hoge";
}
echo "fuga";

【応用課題】Exceptionの継承とネストしたtry-catch

【実習】オリジナルのExceptionを定義する
Cartクラスの定義
<?php
class Cart
{
public function order()
{
try {
echo "注文処理を行います";
echo "DBトランザクションを開始します";
$this->inventoryReservation(true);
$this->payment();
echo "DBトランザクションをコミットします";
} catch (StockException $e) {
echo "在庫の引き当てに失敗しました";
echo "DBトランザクションをロールバックします";
throw $e;
} catch (PaymentException $e) {
echo "支払に失敗しました";
echo "DBトランザクションをロールバックします";
throw $e;
}
}
private function payment($bool = false)
{
if ($bool) {
throw new PaymentException;
}
}
private function inventoryReservation($bool = false)
{
if ($bool) {
throw new StockException;
}
}
}
ExceptionCart.php

【実習】オリジナルのExceptionを定義する
例外の定義とCartオブジェクトの利用
class OrderException extends Exception {}
class StockException extends OrderException {}
class PaymentException extends OrderException {}
$cart = new Cart;
echo "START";
try {
$cart->order();
} catch (OrderException $e) {
echo "注文に失敗しました";
var_dump($e->getTrace());
echo "想定外の例外が発生しました";
}
echo "END";
ExceptionCart.php

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