H3ロケットに搭載される第1段メインエンジンであるLE-9の簡単な説明

1. 2017.12.14 ( 木 ) 19:30-
@keisuke_n
第 1 回宇宙開発勉強会 in 岡山

2. H3 ロケット

3. ラインナップ
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H3-{L}{S}{F}
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L: LE-9 数
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S: SRB 数
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F: フェアリング , S/L
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最小ペイロード (30S)
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太陽同期軌道 4 トン
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最大ペイロード (24L)
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静止移行軌道 6.5 トン

4. H3 ロケット
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エイチ・スリー・ロケット
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JAXA と MHI が開発中の次期基幹ロケット
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2 段式
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推進剤 : LOX/LH2 + 固体燃料
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一段目に LE-9 を搭載
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より安全な打ち上げが可能

5. 一段メインエンジンとブースター
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メインエンジン
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LE-9 ( 新規開発 )
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推進剤 : LOX/LH2
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サイクル : エクスパンダーブリードサイクル
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推力 : 300tf (2 基 ), Isp: 425 秒 ( 真空中 )
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ブースター
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SRB-3 ( 改良 )
● 推進剤 : 固体推進薬 (HTPB, AP, Al, Fe2
O3
)
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推力 : 440tf ( 二本 ), Isp: 283.6 秒

6. 二段メインエンジン
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LE-5B-3 ( 改良型 )
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推進剤 : LOX/LH2
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サイクル : エクスパンダーブリードサイクル
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推力 : 14tf (2 基 ), Isp: 448 秒 ( 真空中 )

7. LE-9: 主な特徴
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大推力 : 150tf 級
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エキスパンダーブリードサイクル
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シンプル
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ターボポンプを回すためのプリバーナーがない
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故障しても安全に停止できる / する ( ロバスト性が高い )
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30% 程度パーツが少なくなった ( 低価格化 )
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その他
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バルブを電動化した ( 以前は空圧で作動点が固定 )

8. エキスパンダーサイクル
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燃焼熱で気化したガスでターボポ
ンプを回す
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ターボポンプで推進剤を燃焼室に
送る
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ターボポンプを回したガスは燃焼
室に送り込む ( クローズドサイク
ル )
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30tf の推力が限界と言われてい
た

9. エキスパンダーブリードサイクル ( オープン )
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LE-9 の形式
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オープン
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エキスパンダーサイクルとほぼ同じ
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ターボポンプを回したガスは捨てる
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場合によっては比推力が高い

10. LE-9 の挑戦
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30tf を超える推力 (150tf 級 )
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エキスパンダーサイクルでは
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超えるエンジンは作れないと言われていた
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燃焼熱をなるべく吸収するため
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燃焼室を長めにした
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表面積を増やすためにフィンのような凸凹を付けた
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加工の工夫で燃焼室の壁の厚みを薄くした
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銅合金など以前より素材を工夫した

11. LE-9 で失う ( かもしれないもの )
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2 段燃焼サイクルエンジン (LE-7A)
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利点
– プリバーナーで燃焼した ( 不均衡な ) ガスを主燃焼室でも燃やす
– 主燃焼室の圧力を増すことができる ( 高推力 )
– 効率が良い ( 高比推力 )
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欠点
– 起動・始動が難しい
– 故障があると爆発的な壊れ方をする傾向がある
– 作動範囲 ( 温度・圧力 ) が狭い

12. 現在
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LE-9 の第一段階の試験を終了した
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概ね計画通り
– ターボポンプの回転数などが計画通りにならなかった事があった
– ( エンジン燃焼試験ではよくあること )
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設計段階ではわからなかった強度不足があった ( 一部 )
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第二段階の試験
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さらに実機に近い構成で行われる予定
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第一段階での問題点をフィードバックして改善

13. LE-9 映像
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JAXA New LE-9 Rocket Engine / LE-9 エンジン
紹介 CG
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https://youtu.be/phUbQkdznw0
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次世代大型ロケット「 H3 」新型エンジン「 LE-9 」燃焼
試験（実機型 #1-1 ）
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https://youtu.be/3n6xq-9DSrk