Enjoy Science
ゲノム解析で
うかび
あがる日本の
謎
2024/3/17
留意事項
◼ この分野はまだ不確定要素と流動性が高いので、あくまで発信
日時での情報であることに留意ください。
◼ 所属組織ではなく、あくまで個人としての発信です。本情報に
伴う結果に関して責任は負いかねます。
2
本シリーズ共通の趣旨:3つの謎をカジュアルに楽しむ
生命とは?
宇宙とは?
知能とは?
宇宙物理学
宇宙生物学
分子生物学
合成生物学
神経科学
コンピュータ科学
物理学
生物学
化学
生理学
数学
解きたい謎 関連する学問テーマ 学問テーマの大分類
3
全体の流れ
1. 古代ゲノム解析の基礎
2. ゲノム解析で浮かびあがる日本人
1. 日本列島への移住ルート
2. 縄文人とは?
3. 日本人のルーツ
3. まとめ
4
従来の考古学は骨の形態からの類推(統計も駆使)
5
縄文人 宮野貝塚 弥生人 金隈遺跡
最新科学で人類考古学(日本列島)をUpdate
6
https://i-bioarchaeology.org/research/
統合生物考古学(integrative bioarchaeology)の概念図
領域代表 山田 康弘
東京都立大学
人文科学研究科
教授
縄文人の歯からDNAを解析
7
https://www.brh.co.jp/publication/journal/087/research/1
古代ゲノム貢献で初のノーベル賞受賞者
8
2022年のノーベル医学生理学賞受賞の連絡を受けた直後のスバンテ・ペーボ氏
(撮影リンダ・ブィジラント氏/ノーベル財団提供)
https://scienceportal.jst.go.jp/explore/review/20221013_e01/
古代人のDNA解析
9
https://scienceportal.jst.go.jp/explore/review/20221013_e01/
古代ゲノム解析の基礎
Copyright@ Koji fukuoka 10
〇出所:日本国際賞
https://www.japanprize.jp/data/prize/2020/j_2_achievements.pdf
ミトコンドリアDNA
が断片的に存在(核
DNAより採取容易)
対象DNA断片を増幅し、
つなぎ合わせることで配
列を推測
1997年に、ネアンデルタール人のミトコンド
リアDNAとホモ・サピエンスを比較すると共
通点は見つからなかった
→直系祖先ではない
2010年に
次世代
シーケン
サーで、
古代人の
全核DNA
の解析に
成功
ネアンデルタール人とデニソワ人とホ
モ・サピエンスは「交雑(交配)」
していた
2008年に
ネアンデ
ルタール
人に近い
「デニソ
ワ人」が
DNA解析
で発見
ホモ・サピエンスと旧人との交雑
Copyright@ Koji fukuoka 11
〇私たちとネアンデルタール人が交配した事実、なぜわかったのか
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/71473
〇DNAで語る日本人起源論
ホモ・サピエンスのアフリカ起源とした拡散
Copyright@ Koji fukuoka 12
https://www.brh.co.jp/publication/journal/087/research/1
ミトコンドリア
DNA解析で、アフ
リカ起源説が有力
日本でも縄文人の核ゲノム抽出に成功
13
https://www.tokyo-np.co.jp/article/136006
船橋市の古作(こさく)貝塚から出土した人骨
歯よりも耳奥に良質
なDNAがあることが
判明
各大陸別に見たDNAの関係性(核ゲノムベース)
14
https://www.brh.co.jp/publication/journal/087/research/1
東アジアに絞った各地域別の比較
15
本土日本人:アイヌと琉球
を除いている
日本列島の歴史
16
〇出所:図解 人類の進化
1.6万年前
3000年前
1700年前
貝塚時代後期 縄文時代
弥生時代
縄文時代
旧石器時代
旧石器時代
旧石器時代
古墳時代
アイヌ文化
日本列島 南部 日本列島 中央部 日本列島 北部
日本列島への移住ルート
17
この時期に初上陸
http://m-ac.jp/science/homo/japanese/reach/index_j.phtml
縄文時代
ホモ・サピエンスがアフリカを出始めた時期
3.8万年前の地形
参考:縄文期に大噴火も
18
https://www.gurutto-oosumi.com/school/oosumishidankai/news/news-2178.html
従来の説:二重構造説
19
Wiki:「二重構造モデル」
隣接(東アジア)のゲノム解析で分かってきたこと
20
本土日本人:アイヌと琉球
を除いている
https://www.brh.co.jp/publication/journal/087/research/1
縄文人の起源は?
21
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/feature/2023/12/04/36270.html
(北東でなく)東南アジアの古代人とDNAが似ていることが判明
タイやラオス周辺に2万数
千年前から4000年前にか
けて存在していた狩猟採
集民
日本列島内でも縄文度合いは多様
22
https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/info/8252/
現代の本土日本における、縄文人由来変異保有率の地理的分布および、縄文人由来変異保有率
と縄文時代晩期から弥生時代にかけての人口増加率との関係
日本列島内でも縄文度合いは多様:体質の影響も?
23
CRP:炎症に反応し
血清中で増加するタ
ンパク質。要は免疫
力が強い。
参考:都道府県肥満ランキング
24
WHOによるBMI定義
https://serai.jp/health/346320
2018年に行われた、全国47都道府県の男女
(20代~60代、各都道府県100人、男女比5:5)
のBMI平均値により順位づけ
独自の発展を遂げた縄文時代:土偶
25
土偶
狩猟社会では類例はあまりない(農耕社会で
は女性像は多い)
出土地域・時期によって多様。
大半の土偶が、当時意図的に壊した可能性が
高い。
比較的知られている説
・女性をかたどったもので、出産・豊穣など
を願う役割。
その他の説
・人形(厄を移す役割)
・宇宙人(神としてあがめていた)
・植物のフィギュア(精霊的な役割)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65038
https://intojapanwaraku.com/rock/culture-rock/32979/#toc-6
Wiki:「土偶」
独自の発展を遂げた縄文時代:縄文土器
26
深鉢形土器(火焔型土器) 縄文中期
新潟県十日町市笹山遺跡出土 十日町
市博物館蔵 国宝
Wiki:「縄文土器」
縄文土器
世界でも最古級(1.6万年前)の土器が青森県
大台山本遺跡で発見
※世界最古は中国で2022年に発表された2万
年前の土器片
中期になると左図のように独特な修飾を施し
たものも。
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2803Y_Y2A620C1CR8000
https://jomon-japan.jp/kids/learn/map/odai-yamamoto/
大台山本(おおだ
い やまもと)遺跡
の 無文土器片
(むもんどきへん)
縄文・弥生時代人の復元
27
船泊遺跡(北海道礼文島)で出土した
縄文人女性の復元(約3800年前)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65930200W0A101C2MY1000/
https://www.yomiuri.co.jp/pluralphoto/20211031-OYT1I50015/
青谷 上寺地 ( かみじち ) 遺跡(鳥取
県鳥取市)で出土した弥生人の復元
青谷弥生人そっくりさんグランプリ
28
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20220528001615.html
現代日本人(本州)は縄文寄りか弥生寄りか?
29
2021年に金沢大学などが共同で発表
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abh2419
古墳時代に東アジアの広範囲から渡来?
30
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abh2419
戦乱を逃れて広範囲に日本列島へ
渡来した可能性
→三重構造モデル
改めて整理
31
昔のDNA分析(ミトコンドリア系)では、北東アジア系寄りと思われていた
祖先は東南系で独自に進化。
弥生期に北東、古墳期に東全般
から渡来し、現代人は後者の
DNAに近い
まとめ
• ゲノム解析含む最新科学が考古学を大幅にUpdate
• 日本列島に4万年前に渡ってきた縄文人は近隣の大陸人と異な
る独自DNAを持っていた(ただし列島内で多様)
• 現代日本人のDNAは、縄文・弥生よりも、古墳時代に東アジア
から渡来したDNAが濃いことが分かり、注目が集まっている。
32

ゲノム(DNA)解析で浮かびあがる古代からの日本列島の謎(2024年3月17日)