Cloud Seminer Final 092110

はっきり見えた雲の中！米国クラウド最前線
～クラウドの潮流から逃げられない今、事業者は何をすべきか？～

Mizuki (ENO) Enomoto
Director, Marketing & Business Development Nissho Electronics (USA)

プロフィール
 名前：榎本瑞樹（えのもとみずき）
 生まれ：1974年6月20日（36才）
 出身：千葉県木更津市
 住所：カリフォルニア州サンノゼ
 趣味：アウトドア系スポーツ（ゴルフ、テニス、野球）
 念願かなって・・・
 1997年日商エレクトロニクス入社、営業、マーケティングに従事
 2008年 Nissho Electronics (USA) ボストン・オフィス
 2009年 Nissho Electronics (USA) サンタクララ・オフィス

Mizuki Enomoto mizumizu mizumizu72

ITMediaオルタナブログ「ベンチャースピリット」x「セレンディピティ」

2 All Copy reserved by Mizuki (ENO) Enomoto, Nissho Electronics (USA) Corp 9/30/2010

Agenda
 米国クラウド最前線！激変するIT業界勢力図
 米国ベンチャー投資のトレンド
 クラウド関連カンファレンス・トピックス
 クラウドで激変するIT業界勢力図
 米国クラウド事業者から学ぶ、サービス動向
 IaaSが注目される背景
 米国クラウドサービス（IaaS）のトレンド
 AT&T、RackSpace、Terremark、GoGrid、SoftLayer
 なんちゃってクラウドからリアルクラウドへ
 データセンターのパラダイムシフトとイネーブリング技術
 企業を取り巻くクラウドの選択肢
 データセンターのトレンド
 スタートアップ企業から生まれるイノベーション（技術革新）

3 All Copy reserverd by Mizuki (ENO) Enomoto, Nissho Electronics (USA) Corp 9/30/2010

米国ベンチャー投資のトレンド（1）
 2009年Q1を底に、復活の兆し！
 2010年Q2は、6.5Bドル（約6,000億円）で前年同期比152％
 案件数も906件と前年同期比128％
7 1000
投資額 Amount of Investment 案件数
Number of Deals 900
($B) 6 (件)
800
5 700
600
4
500
3 前年比152％
400

2 300
200
1
100
0
Q2 2009 Q3 2009 Q4 2009 Q1 2010 Q2 2010
Source: National Venture Capital Association


米国ベンチャー投資のトレンド（2）
 2010年Q2におけるIPOは22件（うち18件がITセクター）
 セクター別では、バイオに続きソフトウェアが堅調な伸び
 地域別では、シリコンバレーが圧倒的にトップ

Bio Software Silicon Valley New England
Media Device Industrial Engineering New York South East
Media Entertainment IT Service
Others

23% 20% 29% 41%
6% 17%
7%
13% 14% 8% 12%
5%
5%

Source: National Venture Capital Association


クラウド定義のおさらい
 米国立標準技術局（NIST）によって定義（2009年6月）
5つの特徴サービスモデルと利用形態
①オンデマンド・セルフサービス
• ユーザーが管理者の手を煩わせずに、必要に応じパブリック
て瞬時に利用

②広範囲なネットワークアクセス
SaaS
• クライアント端末に依存せず、ネットワーク経由で
利用プライベート
③リソースの共有プール
• リソースが共有プール化（蓄積）されていて、利 PaaS
用者のニーズに合わせて割り当て
コミュニティ
④迅速かつ弾力的
• 利用者の必要に応じて、処理能力をスケール
IaaS
アウト、スケール・イン

⑤計測可能なサービスハイブリッド
• リソース利用料を自動的に測定され、最適化

実践的ステージを迎える米国クラウド事情
 No more Definitions “The Promise of Cloud Computing isn’t what
it is-it’s what it Does.（Structure 2009.6)

 Now is the Time for Enterprise IT to take the Cloud Very Seriously
Indeed! (Cloud Conference & Expo 2009.11)

 Put Cloud Computing to Work（Structure 2010.6)


仮想化の旅は、クラウドの実現に通じる

Paul Maritz CEO, VMware
Date :2010. 8/31-9/3
Place : Moscone Center, San Francisco
Attendee: 17,000

Virtual Road, Actual Cloud


浮き彫りになるクラウドの課題
 ダークサイド・オプ・クラウド

セキュリティ信頼性
• 心情的な懸念 • SLAはアップタイムのみ
• データ連携、ID管理 • パフォーマンス遅延
• 開発のアンダーグラウン
ド化

知的財産の保護相互接続性
• データの地理的ロケー • ベンダーロックイン（囲
ションい込み）
• 各国の法律対応 • データ・マイグレーション


クラウドの進展で激変するICT業界勢力図
生き残りを賭けて参入するキャリア、ホスティング事業者先行するクラウドネイティブ

IaaS IaaS IaaS
IaaS IaaS IaaSの戦い

ビジネスモデルの転換を余儀なくされるソフトウェアベンダーデータセンター建設ラッシュ
V-BLOCK

SaaS SaaS SaaS PaaS SaaS PaaS
IaaS
仮想化基盤の争奪戦政府向けメール獲得でMSと
火花を散らす
オープンなデータセンター・インフラの展開でシスコに対抗

SaaS PaaS

Dellに競り勝ち買収 IaaS DataCenter3.0を提唱
コラボレーションクラウドと称し
データセンタ・ネットワークで競合て「Chatter」を推奨
Stratusプロジェクトで提携

IaaS
The New Networkを提唱


Agenda


クラウドサービス市場とプレイヤー
 パブリック・クラウドサービス市場
 SaaSが落ち込み、インフラ、ストレージ分野（IaaS）が伸びるとの市場予測
 矢継ぎ早にクラウド・サービスを発表
 Amazonを追いかけ、ホスティング事業者、キャリア事業者が本格参入

2006 2007 2008 2009 2010 Source: IDC eXchange Blog, IDC's Public IT Cloud Services
Forecast: New Numbers, Same Disruptive Story, July, 2010


IaaSが注目される背景
 競争環境の変化により、プロジェクト期間が短縮
 ITリソースの調達に要する1ヶ月間の重み
 イノベーションを生み出すプラットフォームへの期待
 IT投資の割合（既存メンテナンス:新規ビジネス）80:20から70:30に

プライベート・クラウド IaaS 主流の採用に至る期間
クラウド・ストレージパブリック・クラウド 2年未満
クラウド・セキュリティ 2年～5年
クラウドコンピューティング
5年～10年
仮想化
ハイブリッド・クラウド
注目度・期待度

グリッドコンピューティング

クラウド上のDBMS
クラウド管理ツール
クラウドバースティング
クラウドサービス・ガバナンスクラウド広告
SaaS(営業支援システム）

黎明期ピーク期沈黙期啓蒙活動期安定期

時間


IaaSのメリットはコストよりも俊敏性
 これまでのITリソースの提供

申請発注処理・納品ラックマウント各種セットアップ

3週間 1週間環境整備に1ヶ月と膨大なコスト

 IaaSによるITリソースの提供
OSの種類 CPU メモリ HDD 仮想環境台数

•Windows •1つ •2GB •20GB •Xen •1台
•Linux •2つ •4GB •40GB •KVM •2台
•LAMP •4つ •8GB •80GB •Hyper-V •3台
1ヶ月から5分に期間を短縮

5分ビジネスのスピードアップ
セルフサービス・ポータル（サービスカタログ）からオンデマンドでITリソースを享受 IT運用コストの更なる削減


AT&Tのクラウドサービス
 会社概要
 設立：1983年
 本社：テキサス州ダラス
 売上：$123B (2009)
 サービス・メニュー
 Synaptic Compute as a Service
 Synaptic Storage as a Service
 従量課金
 特徴
 資金力を強みに大規模な設備投資
 世界5つのDCからグローバル展開
2006年10月 2009年5月 2010年4月
Usi（ASP事業者）を買収し、「Synaptic Storage クラウドサービス開発に
ホスティング事業を強化 as a Service」開始 10億ドルの投資を発表

2008年8月 2009年11月
「Synaptic Hosting 「Synaptic Compute
Service」を発表 as a Service」開始


Rackspaceのクラウドサービス
 会社概要
 設立：1998年
 本社：テキサス州サンアントニオ
 売上：$629M (2009)
 Cloud Servers（コンピューティング）
 Cloud Files（ストレージ）
 月額定額 or 従量課金
 特徴
 積極的な買収で、急速なサービス展開

2006年2月 2008年8月 2009年3月
Mossoクラウドサービス NY証券取引所IPO 「Cloud Servers」
実験事業開始「Cloud Files」を追加

2008年2月 2008年10月
2010年6月
クラウドサービスを開始 JungleDiskとSliceHost
OpenStack設立
の両社を買収


Terremarkのクラウドサービス
 会社概要
 設立：1980年
 本社：フロリダ州マイアミ
 売上：$292M (2009)
 vCloud Express（中小企業）
 Enterprise Cloud (大手企業）
 Virtualized DR & eDiscovery
 従量課金

 特徴
 IXのコネクティビティと立地条件を活かしたサービス展開
 VMware社から$20Mの出資を受け、「vCloud Express」サービスを開始。


連邦政府のフェデラル・クラウドを促進
 政府公式サイト「USA.GOV」は、年間170万ドル（1.7億円）削減
 年間250万ドルの運用管理コストを80万ドルに削減
 国民への情報公開を加速するサイトをホスト
 各政府機関が持つ情報を国民向けに開示

バージニアに建設中のデータセンター


GoGridのクラウドサービス
 会社概要
 設立：2001年
 本社：カリフォルニア州サンフランシスコ
 売上：未公開
 Cloud Servers
 Cloud Storage
 Cloud Load balancing
 従量課金 or プリペイド

 特徴
 Windowsを徹底サポート
 F5ロードバランサーを無償提供他、ストレージも10GB/月まで無償提供
 専用ホスティングと組み合わせたハイブリッドクラウドが人気


ハイブリッド・クラウドでMacy’sを受注
 個人情報の入ったDBは自社DCに保有
 フロントのWebサーバーは、安価でスケールアウト可能なクラウドへ


SoftLayerのクラウドサービス
 会社概要
 2005年設立
 本社：テキサス州ダラス
 売上：未公開
 CloudLayer Computing
 CloudLayer Storage
 CloudLayer CDN
 月額定額 or 従量課金

 特徴
 5分以内のオンデマンド・プロビジョニング
 ロードバランサー(Citrix)を仮想アプライアンスで提供（スループット課金モデル）


独自路線のAmazonに対抗するOpenStack
 オープンスタック・プロジェクト設立（2010年7月）
 オープンソースのクラウド・プラットフォーム標準とクラウド間
の相互運用を目指して設立
 コンピュート、オブジェクト・ストレージの2つのプロジェクト
 OpenStackをベースに開発した成果物は商品化可能

 オープンスタックの狙いは？
 クラウド・プラットフォームの標準化で、ベンダーロックインの回避
 「We want access to technology, not to create technology」
“我々のビジネスモデルは、技術を利用することによって付加価値を生むも
のであって、技術を創ることではない“
(Rackspace, Cloud Strategy Officer Lew Moorman氏)


なんちゃってクラウドからリアルクラウドへ
 仮想化しただけでは、クラウドとは呼ばない！
 仮想化ホスティングとクラウド・サービスは別物として認識すべき

スケールチャージ
仮想化自動化クラウド
アウトバック

 従量課金モデルの採用で、顧客満足度向上！
 顧客視点では、従量課金（時間単位）かつ月末請求書払い
 今よりコストが下がり、料金が予測できることが条件

 コストを徹底追求するとともに、サービス付加価値を創出
 運用管理の自動化、セルフサービスモデル、オープンソースの採用
 テンプレートやクラウド活用ツールの充実


Agenda


企業を取り巻くクラウドの選択肢
 国内クラウドサービスに加え、米国クラウドの日本進出
ホスティング事業者
米国パブリッククラウド

SaaS PaaS SaaS PaaS IaaS IaaS

国産パブリック・クラウド
ハイブリッド・クラウド適用が加速
通信・大手SI事業者

エンタープライズ顧客企業

エクスターナル・プライベート

オンプレミスインターナル・プライベート


データセンターのトレンド
データセンター統合サーバー・トレンド
 メガ・データセンター 400Ksqf  マルチコア（8→16→32・・・128）
 4,000ラック、20万サーバー  仮想化、ライブ・マイグレーション

アプリケーション・トレンドインターコネクト・トレンド
 East⇔Westトラフィック（70％）  10Gbイーサネットへの統合
 分散コンピューティング、SOA  イーサネット拡張

IP stack HPC stack FCoCEE
CEE Link
10GbE Physical


データセンターのパラダイムシフト
 データセンター設計、運用は、大きな転換期を迎える
 仮想環境を意識した設計→3階層からフラットなL2ネットワークへ

ネットワーク・エリアネットワーク・エリア

コア

アグリゲーションコア

エッジエッジ

ERPシステム

開発システム

SCMシステム

ERPシステム開発システム SCMシステムコンピューティング共有プール・エリアストレージ共有プール・エリア


クラウドを構成するイネーブリング技術
 クラウドサービスとのマッピング

アプリケーション SaaS/Hosted Application

アプリケーション開発 PaaS
プラットフォーム

モニタリング、運用監視・管理
共存サービス
自動化、セキュリティ
ストレージ、DBサービス

仮想化・分散コンピューティング

物理環境 IaaS
サーバ、ネットワーク、ストレージ


ご清聴ありがとうございました
シリコンバレーにお越しの際は、是非お声かけください！
mzenomoto@nelco.com


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