エアギャップなネットワークとは物理的および論理的にパブリックなネットワークから隔離され、分離されているネットワークである。例えば軍事、(高機密を有する)産業、金融などのネットワークがあげられる。そのようなシステムへ侵入することの事項可能性が近年実演されているが、エアギャップなネットワーク(からの/への)通信は、攻撃者にとってチャレンジングなものであり、また、守る側に対してもより(攻撃が発生すれば)難しい脅威となる。エアギャップなネットワークと通信を行うあらたな手法が近年現れており、いくぶんか高度なものになっており、対応が難しいものとなっている。新たに顕在化した脆弱性は、物理環境やネットワークセキュリティを考えるうえで必要かつ、広く影響を与えるものである。
しかしながら、エアギャップなネットワーク(からの/への)情報を密かに盗み出そうとする試みは休みなく行われ続けている。よって、そららの攻撃手法を公表するだけでなく対応策と実行可能性の検証を行うことは重要なことである。
本講演では、攻撃者がエアギャップなネットワークにアクセスするために必要なステップについての概略をのべる。熱、無線、音響などを活用した最先端の攻撃手法をレビューするとともに、その対応策と検証を行う。本講演における多くの攻撃手法はユバル・イロビィチ教授の監督のもと、当ラボの研究員であるモルデチャイ・グリによって発見されている。
--- モルデチャイ・グリ Mordechai Guri
モルデチャイ・グリはコンピュータ科学者ならびにセキュリティ専門家として二十年以上の実践的な経験を有している。エルサレムのヘブライ大学コンピューターサイエンス学科にて学士及び修士号を得た。その後、ベングリオン大学(BGU)サイバーリサーチセンターにおける主任研究員およびラボ部長をつとめるともに、IBMのPhDインターナショナルフェローシップ (2015-2016)を獲得している。官民の様々な機関に対してサイバーセキュリティに関する多様な面からの学術的な研究を指導している。過去数年間にわたり多くの革新的なサイバーセキュリティ研究に従事し、(関連したいくつかの論文は)世界中で出版されている。研究分野はサイバーアタックおよびサイバー防御における最先端の手法に焦点をあてている。そして、現在の枠組みを深く調べ、最近のサイバー環境におけるセキュリティ問題への対処方法を改善するための新しい手法を開発し�