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データジャーナリズムの最新動
      向
           JCEJ×GLOCOM
 データジャーナリズム実践 データから社会問題を発見する



       JCEJ運営委員 赤倉優蔵
ニーズを生み出せ!
    使い倒せ!

2012/7/29   データジャーナリズムの最新動向   2
Who am I ?




2012/7/29   データジャーナリズムの最新動向   3
Agenda

0. データジャーナリズムとは?
1. データジャーナリズムの最新動向




2012/7/29   データジャーナリズムの最新動向   4
データジャーナリズムとは?



2012/7/29   データジャーナリズムの最新動向   5
WikiLeaks x Guardian




2012/7/29       データジャーナリズムの最新動向    6
Guardianの挑戦
• 2010年10月、WikiLeaksに投函された約40
  万点のイラク戦争に関する米軍の機密文
  書からスクープを掘り出す
• 2010年11月、WikiLeaksに投函された約25
  万点のアメリカ外交機密文書からスクー
  プを掘り出す


     “データジャーナリズムに先鞭をつけた”
2012/7/29    データジャーナリズムの最新動向    7
The Data Journalism Handbook




                 http://datajournalismhandbook.org/

2012/7/29              データジャーナリズムの最新動向                8
The Data Journalism Handbook


              データジャーナリズムの現場

              データジャーナリズムの事例

            データジャーナリズムのノウハウ



2012/7/29            データジャーナリズムの最新動向       9
なぜ「データ」ジャーナリズムな
        のか
• あらゆる事象が<デジタル>データで表
  現・公開されるようになった
• 多くの人が<デジタル>データで表現され
  た情報を利用するようになった




 <デジタル>データが偏在するようになった
2012/7/29   データジャーナリズムの最新動向   10
データジャーナリズムとは?


             データジャーナリズムは
                環境の変化に
            ジャーナリズムが適応する手段



               避けては通れない!!
2012/7/29       データジャーナリズムの最新動向   11
ジャーナリストの役割も変化

                 <Before>
            いま起きていることを伝える

          <After>
       いま起きていることに
    どのような意味があるのかを伝える


2012/7/29       データジャーナリズムの最新動向   12
データジャーナリズムの
       最新動向


2012/7/29   データジャーナリズムの最新動向   13
最新動向を知るには?
• データジャーナリズムの特徴
      – 新しい取り組み
      – みな手さぐりで実践している
      – とにかく変化が早い


• 優良な最新事例で学ぶのが良い



2012/7/29     データジャーナリズムの最新動向   14
データジャーナリズム・アワード
        (DJA)
• 世界各地で実施されているデータジャー
  ナリズム・プロジェクトから優秀なプロ
  ジェクトを決めるデータジャーナリズム
  の祭典
• CNNやBBC、ル・モンドなど世界各地の報
  道機関に所属する上級編集者らで構成さ
  れる世界的な編集者ネットワーク「Global
  Editors Network(GEN)」が主催
• Googleがスポンサー
2012/7/29   データジャーナリズムの最新動向   15
DJA2012

• 第1回開催にも関わらず、アメリカ、イ
  ギリス、フランス、ドイツ、ロシア、メ
  キシコ、フィリピン、ケニヤ、ウガンダ
  など世界各国の報道機関や、フリーラン
  スのジャーナリストから300を超えるプロ
  ジェクトが集結
• 日本からは参加なし


2012/7/29   データジャーナリズムの最新動向   16
DJAの目的

• 優れた取り組みにスポットを当て、デー
  タジャーナリズムのレベル向上に貢献す
  る
• ジャーナリストを刺激する
• 編集者やメディアの経営者にデータ
  ジャーナリズムの価値を知ってもらう
• ジャーナリスト、開発者、デザイナーな
  ど、データジャーナリズムに関わる人た
  ちの連携を促進する
2012/7/29   データジャーナリズムの最新動向   17
データジャーナリズムのポイント
         ①



    チームで取り組む


2012/7/29   データジャーナリズムの最新動向   18
“The Opportunity Gap” by ProPublica
• アメリカの地域ごとの「教育機会」を可視化
  するウェブサービス
      – フロリダは貧困層と富裕層とで教育機会にほとん
        ど差はないが、カンザス、メリーランド、オクラ
        ホマはかなり大きな差がある
• 公開データを利用
• 利用者は自分が住んでいる地域の「教育機
  会」の平等性を確認できる
• 複数の新聞社がこのサービスを利用して関連
  記事を作成・配信
2012/7/29    データジャーナリズムの最新動向      19
ProPublicaの取り組み


  “The Opportunity Gap” プロジェクトチーム




<編集者>       <編集者>   <記者>   <アナリスト> <エンジニア> <エンジニア>




2012/7/29           データジャーナリズムの最新動向             20
2012/7/29   データジャーナリズムの最新動向   21
DJAのカテゴリ
データ駆動調査報道部門
      – “DATA-DRIVEN INVESTIGATIONS”
      – 「データに隠された事実の掘り出し」にス
        ポット
データ可視化/ストーリーテリング部門
      – “DATA VISUALISATION AND STORYTELLING”
      – 「分かり易さ」にスポット
データ駆動アプリケーション部門
      – “DATA-DRIVEN APPLICATIONS”
      – 「ユーザインタラクション」にスポット
2012/7/29           データジャーナリズムの最新動向             22
DJA評価のポイント

• 単にデータを可視化しただけの独りよが
  りのプロジェクトはNG
• 「読者にとって分かり易いか」「読者が
  洞察を得る手助けができたか」など、読
  者目線が大きなポイント




2012/7/29     データジャーナリズムの最新動向   23
データジャーナリズムのポイント
         ②



            読者目線


2012/7/29   データジャーナリズムの最新動向   24
DJA2012受賞プロジェクト
 データ駆動調査報道部門
      – 【広域】FBIにとってのテロリスト (米調査報道NPO)
      – 【地域】ワシントン州のメタドン薬害禍 (米紙)
 データ可視化/ストーリーテリング部門
      – 【広域】ロンドン暴動”うわさ”の伝播状況 (英紙)
      – 【地域】ノヴォシビルスク歩行者事故の発生状況 (露デ
            ザイナ)

 データ駆動アプリケーション部門
      – 【広域】スイス議会動向監視アプリ (スイスNPO)
      – 【地域】イリノイ州立学校情報提供アプリ (米紙)

2012/7/29          データジャーナリズムの最新動向     25
ワシントン州のメタドン薬害禍
                   -概要-

• 英題“Methadone and the Politics of Pain”
• 米シアトルタイムスのスクープ
• ワシントン州が医療費を節減するため安
  価な一方で副作用の強い合成鎮痛剤「メ
  タドン」を多用、貧困地域を中心に8年間
  で2000人以上が亡くなっていた事実を掘
  り起こし、最終的には政治を動かした
• 2012年のピューリッツアー賞も受賞

2012/7/29      データジャーナリズムの最新動向             26
ワシントン州のメタドン薬害禍
                -経緯-

• 2010年末、医療関係者から「メタドンの
  副作用で死亡するケースが多い」とのタ
  レこみ (端緒・テーマ設定)
• 公共機関が公開している複数のデータ
  セット及び文書の調査を開始 (データ収集・分
    析)
• 調査結果を元に100人以上の関係者へイン
  タビューを実施 (裏取り)
• 調査結果を公開 (発表)
2012/7/29   データジャーナリズムの最新動向   27
2012/7/29   データジャーナリズムの最新動向   28
ノヴォシビルスク歩行者事故の発生状
         況




2012/7/29   データジャーナリズムの最新動向   29
スイス議会動向監視アプリ




2012/7/29      データジャーナリズムの最新動向   30
データジャーナリズムの方向性
• テクノロジーの取り込み
      – メディア企業による優秀な技術者の採用
      – Jスクールのプログラム変更 (テクノロジー重
        視)
      – Googleが強力にバックアップ
• 読者の巻き込み
      – インタラクションの実装
      – リアクションの取り込み
      – N次創作の促進
2012/7/29    データジャーナリズムの最新動向     31
データジャーナリズムを知る
• Web Sites
      – [英語] Nieman Journalism Lab
      – [英語] Knight Foundation
      – GLOCOM / JCEJ
• Books
      – [英語] The Data Journalism Handbook
      – 『統計データはおもしろい!』
      – 『ビューティフルビジュアライゼーション』

2012/7/29           データジャーナリズムの最新動向         32
データジャーナリズムはフロン
           ティア
• 日本の大手メディアでの取組みは遅れて
  いる
      – 体制が整っていない
      – フリーツールのほとんどが英語のため?
• 多くのデータが公開されている
      – 東日本大震災直後、海外の団体は日本の省庁
        が公開しているデータを活用していた (by 田
        中幹人氏)
ブロガー、新興メディアにとってはチャンス!
2012/7/29     データジャーナリズムの最新動向     33
データジャーナリズムのポイント
         ③



とにかくやってみる


2012/7/29   データジャーナリズムの最新動向   34
ポイントのまとめ
• チームで取り組む
• 読者目線
• とにかくやってみる




2012/7/29    データジャーナリズムの最新動向   35
やってみよう。


2012/7/29     データジャーナリズムの最新動向   36

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データジャーナリズムの最新動向 (2012年7月)

  • 1. データジャーナリズムの最新動 向 JCEJ×GLOCOM データジャーナリズム実践 データから社会問題を発見する JCEJ運営委員 赤倉優蔵
  • 2. ニーズを生み出せ! 使い倒せ! 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 2
  • 3. Who am I ? 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 3
  • 5. データジャーナリズムとは? 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 5
  • 6. WikiLeaks x Guardian 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 6
  • 7. Guardianの挑戦 • 2010年10月、WikiLeaksに投函された約40 万点のイラク戦争に関する米軍の機密文 書からスクープを掘り出す • 2010年11月、WikiLeaksに投函された約25 万点のアメリカ外交機密文書からスクー プを掘り出す “データジャーナリズムに先鞭をつけた” 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 7
  • 8. The Data Journalism Handbook http://datajournalismhandbook.org/ 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 8
  • 9. The Data Journalism Handbook データジャーナリズムの現場 データジャーナリズムの事例 データジャーナリズムのノウハウ 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 9
  • 10. なぜ「データ」ジャーナリズムな のか • あらゆる事象が<デジタル>データで表 現・公開されるようになった • 多くの人が<デジタル>データで表現され た情報を利用するようになった <デジタル>データが偏在するようになった 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 10
  • 11. データジャーナリズムとは? データジャーナリズムは 環境の変化に ジャーナリズムが適応する手段 避けては通れない!! 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 11
  • 12. ジャーナリストの役割も変化 <Before> いま起きていることを伝える <After> いま起きていることに どのような意味があるのかを伝える 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 12
  • 13. データジャーナリズムの 最新動向 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 13
  • 14. 最新動向を知るには? • データジャーナリズムの特徴 – 新しい取り組み – みな手さぐりで実践している – とにかく変化が早い • 優良な最新事例で学ぶのが良い 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 14
  • 15. データジャーナリズム・アワード (DJA) • 世界各地で実施されているデータジャー ナリズム・プロジェクトから優秀なプロ ジェクトを決めるデータジャーナリズム の祭典 • CNNやBBC、ル・モンドなど世界各地の報 道機関に所属する上級編集者らで構成さ れる世界的な編集者ネットワーク「Global Editors Network(GEN)」が主催 • Googleがスポンサー 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 15
  • 16. DJA2012 • 第1回開催にも関わらず、アメリカ、イ ギリス、フランス、ドイツ、ロシア、メ キシコ、フィリピン、ケニヤ、ウガンダ など世界各国の報道機関や、フリーラン スのジャーナリストから300を超えるプロ ジェクトが集結 • 日本からは参加なし 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 16
  • 17. DJAの目的 • 優れた取り組みにスポットを当て、デー タジャーナリズムのレベル向上に貢献す る • ジャーナリストを刺激する • 編集者やメディアの経営者にデータ ジャーナリズムの価値を知ってもらう • ジャーナリスト、開発者、デザイナーな ど、データジャーナリズムに関わる人た ちの連携を促進する 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 17
  • 18. データジャーナリズムのポイント ① チームで取り組む 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 18
  • 19. “The Opportunity Gap” by ProPublica • アメリカの地域ごとの「教育機会」を可視化 するウェブサービス – フロリダは貧困層と富裕層とで教育機会にほとん ど差はないが、カンザス、メリーランド、オクラ ホマはかなり大きな差がある • 公開データを利用 • 利用者は自分が住んでいる地域の「教育機 会」の平等性を確認できる • 複数の新聞社がこのサービスを利用して関連 記事を作成・配信 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 19
  • 20. ProPublicaの取り組み “The Opportunity Gap” プロジェクトチーム <編集者> <編集者> <記者> <アナリスト> <エンジニア> <エンジニア> 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 20
  • 21. 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 21
  • 22. DJAのカテゴリ データ駆動調査報道部門 – “DATA-DRIVEN INVESTIGATIONS” – 「データに隠された事実の掘り出し」にス ポット データ可視化/ストーリーテリング部門 – “DATA VISUALISATION AND STORYTELLING” – 「分かり易さ」にスポット データ駆動アプリケーション部門 – “DATA-DRIVEN APPLICATIONS” – 「ユーザインタラクション」にスポット 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 22
  • 23. DJA評価のポイント • 単にデータを可視化しただけの独りよが りのプロジェクトはNG • 「読者にとって分かり易いか」「読者が 洞察を得る手助けができたか」など、読 者目線が大きなポイント 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 23
  • 24. データジャーナリズムのポイント ② 読者目線 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 24
  • 25. DJA2012受賞プロジェクト  データ駆動調査報道部門 – 【広域】FBIにとってのテロリスト (米調査報道NPO) – 【地域】ワシントン州のメタドン薬害禍 (米紙)  データ可視化/ストーリーテリング部門 – 【広域】ロンドン暴動”うわさ”の伝播状況 (英紙) – 【地域】ノヴォシビルスク歩行者事故の発生状況 (露デ ザイナ)  データ駆動アプリケーション部門 – 【広域】スイス議会動向監視アプリ (スイスNPO) – 【地域】イリノイ州立学校情報提供アプリ (米紙) 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 25
  • 26. ワシントン州のメタドン薬害禍 -概要- • 英題“Methadone and the Politics of Pain” • 米シアトルタイムスのスクープ • ワシントン州が医療費を節減するため安 価な一方で副作用の強い合成鎮痛剤「メ タドン」を多用、貧困地域を中心に8年間 で2000人以上が亡くなっていた事実を掘 り起こし、最終的には政治を動かした • 2012年のピューリッツアー賞も受賞 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 26
  • 27. ワシントン州のメタドン薬害禍 -経緯- • 2010年末、医療関係者から「メタドンの 副作用で死亡するケースが多い」とのタ レこみ (端緒・テーマ設定) • 公共機関が公開している複数のデータ セット及び文書の調査を開始 (データ収集・分 析) • 調査結果を元に100人以上の関係者へイン タビューを実施 (裏取り) • 調査結果を公開 (発表) 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 27
  • 28. 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 28
  • 29. ノヴォシビルスク歩行者事故の発生状 況 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 29
  • 30. スイス議会動向監視アプリ 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 30
  • 31. データジャーナリズムの方向性 • テクノロジーの取り込み – メディア企業による優秀な技術者の採用 – Jスクールのプログラム変更 (テクノロジー重 視) – Googleが強力にバックアップ • 読者の巻き込み – インタラクションの実装 – リアクションの取り込み – N次創作の促進 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 31
  • 32. データジャーナリズムを知る • Web Sites – [英語] Nieman Journalism Lab – [英語] Knight Foundation – GLOCOM / JCEJ • Books – [英語] The Data Journalism Handbook – 『統計データはおもしろい!』 – 『ビューティフルビジュアライゼーション』 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 32
  • 33. データジャーナリズムはフロン ティア • 日本の大手メディアでの取組みは遅れて いる – 体制が整っていない – フリーツールのほとんどが英語のため? • 多くのデータが公開されている – 東日本大震災直後、海外の団体は日本の省庁 が公開しているデータを活用していた (by 田 中幹人氏) ブロガー、新興メディアにとってはチャンス! 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 33
  • 34. データジャーナリズムのポイント ③ とにかくやってみる 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 34
  • 35. ポイントのまとめ • チームで取り組む • 読者目線 • とにかくやってみる 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 35
  • 36. やってみよう。 2012/7/29 データジャーナリズムの最新動向 36