今回は座学が30分ですので、ご呈示スライドはいつもの半分7枚です。

1. 中等度∼重度の脳卒中後上肢麻痺に対する
装具療法の考え方
兵庫医科大学病院 竹林崇
5th Hanshin Clinical Rehabilitation study group Insight 2014.12.9

2. 装具の定義とは？
Donald Medical dictionary. 2005
• Orthosis
変形の防止、変形した四肢を指示するもの、矯正、 身体部
位のアライメントを整えるもの
!
• Sprint
可動部位や脱臼等の部分の固定のために使用される
肋木（添え木）的なもの
補助具としての意味合いが強い

3. ガイドラインから読み解く上肢装具の役割
脳卒中の分野でも上肢に関しては補助具の扱い
Lancet neurology stroke rehabilitation guideline, 2011
Sprint or orthosis: external removal device that can be
used to improve functional movement, reduce spasticity
and pain, or prevent contractor, overstrething, and
edema
装具とは、手の機能の向上、痙縮や痛みの減退、筋萎縮や過
伸展、浮腫を防ぐために用いる末梢の取り外しが可能な道具

4. 脳卒中患者への装具療法の効果
Lancet neurology stroke rehabilitation guideline, 2011
Leg（下肢装具）
Uncertain benefit (Recommendation Grade B)
Ankle-foot orthsis for foot drop, selected use
下垂足に対する足関節装具は対象を選べば推奨
Arm（上肢装具）
Unknown benefit (Recommendation Grade C)
Sprinting or orthosis for arm function not recommendation
手の機能改善のために装具療法は推奨しない

5. 脳卒中ガイドラインで推奨されている
下肢装具にみる上肢装具使用のためのヒント
下肢装具（Recommendation Grade B）
支柱付きの装具の使用により動的バランスの良い歩行が可能
となり、麻痺側での立位時間が延長し、振り出しが可能とな
り、麻痺足の安定性が増加する
動作の質を改善
動作量を改善
装具＝治療機器
学習行動を惹起させるための道具（きっかけ）

6. 脳卒中後上肢麻痺に対する
課題実施時の装具の適応
手指
BRS Ⅳ
!
BRSⅢ
!
BRSⅡ
痙縮
CMバンド等の
簡易型対立装具
C-bar付属の
単対立装具
Spider等の
ダイナミック装具
本日作成
!
痙縮に対する併用
オプション
可動式の痙縮抑制スプリント
歩行時の
痙縮増強に対するケア
適応の雑多な目安

7. 麻痺のレベルと上肢の訓練手法
Fugl-Meyer Assessment
16 30 45 60
装具療法＋課題指向型訓練（CI療法）
HANDS療法
BMI療法
ボトックス＋電気刺激＋装具療法＋課題指向型訓練（CI療法）
一般の臨床でも装具により
エビデンスの確立された課題指向型訓練の導入対象が増える