国際仲裁総合研究所
第3回 簡易仲裁
1.簡易仲裁とは
2
仲裁に要する費用: 仲裁管理費用(仲裁機関利用の手数料)
仲裁人報酬
代理人弁護士の報州
係争額が比較的低額の紛争について、手続を簡易化
→①短期間での紛争解決、②仲裁費用の低コスト化を図る制度
仲裁の手続を簡易化し、手続の迅速化・低コスト化を図る制度
→係争額が低い場合、費用倒れになる可能性がある
簡易仲裁:
2.簡易仲裁を利用できるケース
3
原則として、係争額が一定金額以下の場合に利用可能
原則として係争額が一定額以下の場合に利用可能
JCAA
(日本商事仲裁協会)
ICC
(International Chamber
of Commerce)
SIAC
(Singapore International
Arbitration Centre)
CIETAC
(中国国際経済貿易仲裁委員会)
ICDR
(International Center
for Dispute Resolution)
5000万円未満 200万USD以下
(約2億1000万円以下)
600万SGD以下
(約4億6000万円以下)
500万人民元以下
(約7500万円以下)
25万USD以下
(約2600万円以下)
ただし、
係争額が基準額を超える場合でも、合意によって簡易仲裁手続を利用したり(OPT-IN)
逆に係争額が基準額以下であっても、合意により簡易仲裁手続を利用しない(OPT-OUT)
こともできる *
* 仲裁機関によって扱いが異なる場合もある
3.簡易仲裁の期間と費用
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仲裁人の人数:
紛争解決が迅速に行われ、
仲裁人・代理人弁護士に支払う報酬が最小限度に抑えられる(低コスト化)
一定の時間制限・仲裁人の人数制限が存在する
多くの仲裁規則で原則1人とされる
仲裁の期間 : 一定の時間制限が設けられることが多い
JCAA ICC SIAC CIETAC ICDR
仲裁廷成立から
原則3ヶ月以内に判断
仲裁廷成立から
原則6.5ヶ月以内に判断
仲裁廷成立から
原則6ヶ月以内に判断
仲裁廷成立から
原則3ヶ月以内に判断
仲裁廷成立から
原則3.5ヶ月以内に判断
(注)例外的な場合もあり
*1 *2
*1 仲裁廷成立から15日内にCase Management Conferenceが行われ、その後6ヶ月以内に仲裁判断が行われる
*2 仲裁廷成立から14日内に手続命令、手続命令から60日以内に最終準備書面の提出又は証人審問が行われ、その後30日以内に仲裁判断が行われる
4.日本の簡易仲裁制度(JCAAの迅速仲裁手続)について
5
仲裁人人数 :
日本の仲裁機関JCAAでも簡易仲裁制度(迅速仲裁手続)が存在する
1人
仲裁の期間 : 仲裁廷成立から原則3ヶ月以内に判断
係争額 : 申立ての請求金額又は請求の経済的価値が5,000万円未満
*5,000万円以上の場合でも当事者の合意がある場合は利用可能
仲裁の流れ :
仲裁申立て
迅速仲裁手続
の決定通知
仲裁人選任
仲裁人選任通知
決定通知から
2週間以内
反対請求の申立て
相殺の抗弁の提出
申立通知受領から
2週間以内
仲裁判断
審理手続
(原則書面審理)
主張書面や
証拠等の提出
仲裁廷
成立
仲裁廷成立から
3ヶ月以内
仲裁機関
当事者

第3回 簡易仲裁