More Related Content
Similar to 詳説探究!Cloud Native Databaseの現在地点(CloudNative Days Tokyo 2023 発表資料) (20)
More from NTT DATA Technology & Innovation (20)
詳説探究!Cloud Native Databaseの現在地点(CloudNative Days Tokyo 2023 発表資料)
- 1. © 2023 NTT DATA Group Corporation
詳説探究!
Cloud Native Databaseの
現在地点
(CloudNative Days Tokyo 2023)
2023/12/11
株式会社NTTデータグループ
小林 隆浩
- 2. © 2023 NTT DATA Group Corporation 3
「Cloud Native Storageが拓く DB on K8sの未来」
⚫ CNDT2019でのセッション。
⚫ 正直、ちょっと早すぎたかも知れない。
⚫ しかし、当時考えていた
+ = ∞
は、実現しつつある。
- 3. © 2023 NTT DATA Group Corporation 4
4年の変化 - クラウドの更なる隆盛 -
⚫ 体感的にもオンプレミスは減少、クラウド
への移行ケースを多々見る状況。
⚫ DBaaS側の制約(バージョンやメンテナ
ンス時間など)が緩和されてきた。
⚫ この流れは今後も続いていくと思われる。
- 4. © 2023 NTT DATA Group Corporation 5
ストレージ
プライマリ リードレプリカ
シャードグループ
• Auroraをベースにクラスター内に
シャードグループを追加。
• 従来のシングルWriterを超えて、
書込みも水平スケールが可能。
• Auroraの最大128TBという制限も
超えて構成が可能な模様。
データアクセス
シャード①
データアクセス
シャード②
データアクセス
シャード③
トランザクションルータ
2023年のデータベースのトレンド - Managed Sharding -
⚫ Aurora Limitless Databaseが登場 ※2023/12時点でプレビュー
- 5. © 2023 NTT DATA Group Corporation 6
各クラウドのDBaaSの展開状況
プライマリ スタンバイ
レプリケーション
プライマリ リードレプリカ
RDSタイプ マルチライター/ハイパースケール
トランザクションルータ
(コーディネータ)
...
シャード
分散ストレージ 分散ストレージ
Auroraタイプ
⚫ 主要クラウドが、ハイパースケールなデータベースまでフルラインアップ。
- 6. © 2023 NTT DATA Group Corporation 7
“クラウドネイティブ”なデータベースは実現したのか?
⚫ これまでのポイントはアジリティ/高い可用性/水平スケーラビリティ
⚫ 小さな単位で非機能要件を選択できる反面、上昇する管理負荷を抑える必要がある。
【モノリシックなシステム構成】 【クラウドネイティブなシステム構成】
共有DB
アプリケーション マイクロサービス化されたアプリケーション
分割されたDB
(論理/物理)
- 7. © 2023 NTT DATA Group Corporation 8
クラウドネイティブではなく、”特定クラウド”・ネイティブになっていませんか?
⚫ 3年前はこんな感じ。
⚫ ↑は継続性の視点だが、ビジネス拡大の視点も重要。
⚫ 開発したサービスはどのクラウドにリリースする?
⚫ AWSだけ?Google Cloudも?Azureは?
⚫ SaaSなどでは収益に関わる大きな選択に。
- 8. © 2023 NTT DATA Group Corporation 9
⚫ サービスのポータビリティを決めるのは、DBaaSの選択次第(かも知れない)
マルチクラウドに展開する能力=ポータビリティ
自社DC
①シングルクラウド ②ハイブリッドクラウド
サービス
③(狭義の)マルチクラウド ④クロスクラウド
- 9. © 2023 NTT DATA Group Corporation 10
クラウドベンダーによるDBaaSの問題点
⚫ 同じDBMSでも、最適化の結果、サービス間の差異は大きくなる。
【A社のDBaaS】
ラック/電源
ハードウェア
OS
バックアップ/HA/スケール
DBMS
アプリケーション
Kubernetes (オーケストレータ)
VM/コンテナ
• Devは、同じDBならOK
• Opsから見ると、
- 作りこんだIaC
- モニタリング
- チューニング
など、クラウド毎に機能が異なる。
• IaaSレイヤの最適化の結果、
ポータビリティが一部失われる。
【G社のDBaaS】
ラック/電源
ハードウェア
OS
バックアップ/HA/スケール
DBMS
アプリケーション
Kubernetes (オーケストレータ)
VM/コンテナ
- 10. © 2023 NTT DATA Group Corporation 11
(参考)RDSのOptimized ReadsとDedicated Log Volumes
⚫ IaaSレベルからPostgreSQL用の最適化を施している。
⚫ どちらもチューニングでは一般的な「IOの分離」、他クラウドも同様の最適化を行っている。
NVMe SSD
(ローカルディスク)
RDSインスタンス EBSボリューム
通常テーブルを配置
(機能非利用時は一時領域もWALもここ)
WALを出力
ソートなどの
一時領域
Optimized Reads Dedicated Log Volumes
- 11. © 2023 NTT DATA Group Corporation 12
【X社のDBaaS @AWS】
データベースでもポータビリティを高める工夫とは
⚫ クラウド間の差異を吸収可能なDBaaSの選択も視野に入れる。
ラック/電源
ハードウェア
OS
アプリケーション
Kubernetes (オーケストレータ)
VM/コンテナ
ラック/電源
ハードウェア
OS
アプリケーション • その他ベンダーは物理レイヤに
手が届きづらい。
• on Kubernetesで開発された
DBaaSでは、クラウド間の
ポータビリティが確保される。
• これはベンダーのサービス開発
効率だけでなく、 Opsの効率も
向上させる。
【X社のDBaaS @GoogleCloud】
ラック/電源
ハードウェア
アプリケーション
Kubernetes (オーケストレータ)
VM/コンテナ
OS
OS
バックアップ/HA/スケール
DBMS
バックアップ/HA/スケール
DBMS
- 12. © 2023 NTT DATA Group Corporation 13
いつの間にか、DB on Kubernetesを使っているかも?
⚫ DBベンダーが近年提供するDBaaSは ”Kubernetes Inside”
DBaaS 提供 DBMS K8s
対応クラウド
AWS Google Azure
BigAnimal EDB PG 利用 〇 〇 〇
Tembo Cloud Tembo PG (利用) 〇 - -
Neon Neon PG互換 (利用) - - -
YugabyteDB Managed Yugabyte PG互換 利用 〇 〇 〇
TiDB Cloud PingCAP MySQL互換 利用 〇 〇 -
….
- 13. © 2023 NTT DATA Group Corporation 14
EDB Big Animal
⚫ EDBが提供するPostgreSQL as a Service
⚫ PostgreSQLとEDB Postgres Advanced Server(EPAS)を選択可能
⚫ EPASではEDB Postgres Distributedを利用し、高い可用性/メンテナンス性を実現
https://www.enterprisedb.com/blog/what-database-service-dbaas-tutorial-how-use-managed-database-service-postgresql
Kubernetes、そして
PostgreSQL Operatorを
利用して、各クラウドに
サービスを展開
- 14. © 2023 NTT DATA Group Corporation 15
OSSでもポータビリティ重視のDBaaSを構築可能に
⚫ 一例として、プライベートDBaaSを標榜するPercona Everest
⚫ Kubernetesを前提に、マルチクラウドなDBaaSの構築と運用を支援するツール群となっている。
Percona Everest
AWS Google Cloud オンプレミス
KubernetesにOperatorを
インストール。
構成管理・監視等の
ツールを提供する。
- 15. © 2023 NTT DATA Group Corporation 16
• 大きな課題はKaaSが存在しなかったこと。
• PGaaSだけでなく、IaaSにKubernetesを
構築・管理する仕組みが必要に。
(メンバーは のプロフェッショナル)
NTTデータもPGaaSに取り組む
PGaaS(仮)
プライベートクラウドA プライベートクラウドB
PGO
OpenEBS
Prometheus…
⚫ グループ内のプライベートクラウドに展開するためのPGaaSを開発中。
⚫ PGO(PostgreSQL Operator)などを利用し、ポータブルなプライベートDBaaSを提供予定。
- 16. © 2023 NTT DATA Group Corporation 17
Workload Cluster
(Standby Region)
DB on KubernetesとMulti-Cluster Orchestrator @KubeCon
⚫ データベース+Elotl NovaやKarmadaのセッションが参考になる。
YBDB
Multi-Cluster
Orchestrator
Workload Cluster
(Region-A)
Nova
Agnet
Workload Cluster
(Region-B)
Workload Cluster
(Region-C)
Monitoring
YBDB
Nova
Agnet
YBDB
Nova
Agnet
YBDB
Nova
Agnet
【Elotl Novaの利用イメージ】
障害を検知すると、
別クラスターにワークロードを
デプロイし、Istioで経路を切り替え。
- 17. © 2023 NTT DATA Group Corporation 18
(参考)クロスクラウドは今後どうなっていくのか
https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/2311/20/news081.html
SQL Server
Azure Google Cloud
SQL Server
Google Cloud Cross-Cloud Network
同期更新
⚫ 金融でクロスクラウドに挑戦する事例もある。
- 18. © 2023 NTT DATA Group Corporation 19
高速インターコネクトがあれば、マルチクラウドDBaaSは可能?
⚫ Google Cloudでもパーツは揃いつつある。
⚫ どのクラウドでも稼働するAlloyDB Omniと、高速接続のCross-Cloud InterConnect
AlloyDB
Google Cloud
AlloyDB Omni
AWS
Cross-Cloud InterConnect
現状でAlloyDB Omniの
Kubernetes Operatorは
GAではないが、登場すれば
こうした構成も実現の可能
性がある。
- 20. © 2023 NTT DATA Group Corporation 21
あなたのデータベースはクラウドネイティブですか?
⚫ クラウドベンダーのDBaaSは2023年、更に強化された。
⚫ その他DBaaSも百花繚乱、新しく登場したものはKubernetes Inside
⚫ マルチクラウドなビジネス拡大を考えると、DBaaSにもDevOps両面の
ポータビリティが求められる時代になる。
今後は、データベースを選ぶ際に、
「マルチクラウドにおけるポータビリティ」
という観点も加えよう。