2025年から始まる高校情報科の授業カリキュラムの一案を書かせていただきました。

1. 情報科教育法Ⅱ
2017/01/10
模擬授業
カリキュラムに関して
1310143 J科 山岸直生

2. 横浜サイエンスフロンティア高校(YSFH)の紹介
• SSH,SGH,科学技術人材育成重点枠、進学指導重点校に指定されている
横浜市立の進学校。
• 横浜港開港150周年に合わせて、2009年度に開校、初期予算も150億円
とかなり高額に組まれた。
• 単位制理数科で、SLⅠ、SLⅡという授業が2年間、毎週必履修であること
に特徴がある。
• ２年生のSLⅡでは、数学や物理学や情報・プログラミング、生物、化学な
どから各生徒が１つ選んで１年間研究し、マレーシアの提携校で研究成
果を発表する。そのため、情報科においてもそのときに役立つような下地
となるスキルや考え方を身につけさせたい。
• 情報の授業はクラスを２分割して20人規模で95分授業週１回１年次の生
徒に対して行われている。
• パソコンは全校生徒720人に対し、420台のパソコンが配備されている。

9. 教育課程部会 教育課程企画特別部会（第７期）（第１８回）配布資料（２０１６）

10. 教育課程部会 教育課程企画特別部会（第７期）（第１８回）配布資料（２０１６）

11. 教育課程企画特別部会における論点整理について（報告）（２０１５）

12. 評価
学習評価の再考：テストで測れない多様な能力をいかにして測るか、森本康彦（２０１３）

13. 情報Ⅰカリキュラム
（年間授業数35）
• （１）情報社会の問題(4)
• （２）紙コプターの最適化(4)
• （３）情報工学技術と情報セキュリティ(4)
• （４）情報機器を用いた調査・表現の演習(4)
• （５）プログラミング(8)
• （６）モデル化とシミュレーション(8)
• （７）デジタル処理(3)

14. （１）情報社会の問題（4）
• 授業方針の紹介、情報伝達機器及び情報化の歴史と情報
社会の特徴
• 知的財産権概論
• 情報社会におけるマナーと個人の責任、個人情報やプライ
バシー問題及び双方向性メディア活用時の注意(0.5)
• 各メディアの特徴及び広告の役割、広告を中心に情報伝達
における認知的特性(0.5)
• パソコンの仕組み・構成、パソコンのもつ機能と役割

15. （２）紙コプターの最適化(4)
• データ分析の基本の確認・演習、紙コプター実験の概要と
目的・目標の確認と班決め(3人（or 2人）１班)（モデルをたて
て実験することに相当する）
• 紙コプター実験と発表資料の作成(2)
• 実験結果発表

16. （３）通信技術と情報セキュリティ（4）
• 情報システムにおける、プロトコル及び標準の果たす
役割とその具体例
• セキュリティ概論(IoT,クラウドの紹介を含む）
• ネットワーク・インターネットの仕組み及び歴史
• 情報通信を支える技術（セキュリティ技術を含む)

17. （４）情報機器を用いた調査・表現の演習(4)
• 生徒自身が興味を持っている、あるいは将来に使いそうな分野、
社会に求められる分野を書き出し、どのような研究をやってみた
いか書き（ブレインストーミング）、小グループ内で発表する。(キャ
リア教育的視点(・・?)(0.5)
• 生徒が興味をもっている、または、SLⅡでやってみたいと思ってい
るテーマを重点的調べ、情報や統計・データ解析分野との接点を
含め、ノートする。(0.8+宿題)
• 自分が興味をもっている分野、あるいはSLⅡでやりたいと思って
いる分野の中身について、最低１要素以上情報科の授業で学ん
だ（学ぶ）ことと絡めつつ、他の生徒と共有したいこと・するべきだ
と思われることをPowerPoint等を用いてまとめる。(0.7+宿題)
• まとめたことを5分程度で発表する。（2）

18. （５）Pythonによるプログラミング(8)
• 導入、変数、代数演算、代入、型、I/O
• 条件分岐、論理演算、繰り返し
• 配列・リスト、関数定義、再帰的定義とその利用
• ライブラリ、乱数の活用、簡単なアルゴリズム・最適化問題（二分法、確
率、極値、モンテカルロ、ソート、素数判定、求積、互除法）(3)
• 算数・数学・情報の（学校や入試等の）問題をプログラミングを用いて解
いてみよう!
• データの取り扱い・分析方法（ヒストグラム、グラフ・分布の作成・分析な
ど）

19. （６）モデル化とシミュレーション(8)
• モデル化とシミュレーションの具体例の紹介
• 課題：「数的な検討が必要ななんらか問題について、2人１
組(or 3人1組)の班で、モデル化や統計的手法を援用しなが
ら、計算機を用いつつシミュレーションないしjyデータ分析を
行い、その結果を検討し整理して発表しなさい。」(5)
• 発表会(1班10分)(2)

20. （７）デジタル処理(3)
• デジタル情報の特徴、アナログ・デジタルにまつわる
歴史、論理回路・論理演算、真理値表
• ２進数（16進数）による表現と、四則演算
• 情報量の計算、通信速度・量及び通信規格（プロトコ
ル）毎の特徴（WifiとLTE回線の違い等）(0.5)
• 文字、画像および音声のデジタル表現及び圧縮(0.5)

21. なぜPythonか
• コードがシンプルで短く短時間でかけ、「おまじない」がほとんどないため、アルゴリズ
ムを学ぶことや、高校生に降りかかる数理的な問題を解決するツールとして適している。
• 誰が書いても同じアルゴリズムなら、ほとんど同じコードになるため、他人のコードが読
みやすく、対処困難なバグが発生しにくい。
• コマンドラインを用いて計算機と対話的にプログラミングできるため、初心者がスモー
ルステップで一行一行理解しながらコードを書ける。
• Cで言う%fなどを覚える必要がなく、Cの半分以下の時間でコード規約を覚え、プログラ
ミングができるようになる。
• 仕事の現場で実際に様々使われている。
• 普段から電卓として活用できる。
• データ分析・機械学習・代数計算を取り扱うライブラリが充実している。

22. 参考文献
• [1] 新人教育とPython
http://www.slideshare.net/7pairs/20151122-new-employee-training-
and-python
• [2] キミのミライ発見
https://www.wakuwaku-catch.net
• [3] よく飛ぶ紙コプターの条件を探せ!
https://www.shizecon.net/award/detail.html?id=157
• [4]この資料を含むファイル
https://www.dropbox.com/sh/ut8vqvdj6h92dkq/AAA5uZYJlz8tn1-
p3owNR317a?dl=0
• [5]モデル化とシミュレーションの授業実践
http://www.slideshare.net/y_kasugai/ss-64780729