海外派遣報告20141029課内報告から抜粋

1. •＠Yale Interview with Denise HERSEY
調査のきっかけ
•人文科学の博士課程学生の課 程の修了が比較的遅いことに 気づいた。
•Cornell大学とColombia大学が 共同でおこなった、人文科学生 を対象とした調査事例を知る。 http://www.clir.org/pubs/ruminations/02cornellcolumbia
•この手法をまねてYaleでも調査 をし、図書館として彼らのため にどのようなサポートをすれば よいか知ろうとした。
↑Denise HERSEY 調査のリーダー

2. 調査の概要
•（目的）人文科学専攻の博士課程学生（以下 Ph.D.h）が実際に、いつ、どこで、何を使ってどのよ うに研究しているのか（×図書館をどのように使っ ているのか）を知り、調査結果を図書館のサービ スに反映すること。
•（調査対象）合計33人のPh.D.h。
•（募集方法）学部長から学生へのアナウンス。
•（調査メンバー）図書館員11人＋人類学者（Nancy Fried Foster）
•（調査手法）１人１時間程度のインタビュー。インタ ビュー結果はカード化。週２回ほどミーティング。

3. 調査手法：Nancyのレクチャー（２日間）
•インタビュー項目を作る：まず調査メンバー 全員で、何が知りたいか挙げる→Nancyが それを質問へと変換する手伝いをする。
-図書館をどのように使っているかではなく、 彼らがどのように勉強しているかを尋ねる質 問にする。
•インタビューの練習をする：作成した項目に 沿って模擬インタビュー。質問適宜修正
-誘導質問をせず、且つ必要な回答を得た い（難しいけれど…）。

4. 調査に対する意見
・学部長より（調査実施の説明に行った際に・・）
-その調査から私たちが有益な情報を得られる のか？
-単にCornell大学とColombia大学と同じ調査をし て同じ結果を得るだけではないのか？なぜわざ わざやるのか？
→イェールの大学院生と他の大学の学生とは 違うのだからということを説明し、理解を得る必 要があった。

5. 調査の結果からわかったこと（一例）
•Ph.D.hは必ずしも図書館で勉強するわけではな い（図書館は暑い、寒い、食事できない、学部生 うるさい、オンラインリソース、必要なチャプターを メール送信）
•図書館にブラウジングしに来ることはあるが、そ れはオンラインで探せない資料も多いから（貴重 書コレクションとか）。
•春季休業中、学部生がいない時期（＝大学院生 が集中できる時期）に図書館は早く閉館してしま う。

6. 調査の結果からわかったこと（一例）
•データベースで論文を検索するよりも、他の人の 論文や本の章からの引用文献を探す傾向がある。
•調査のために海外へ行く必要がある。準備やそ の後のまとめも含め渡航には多くの時間と労力 がかかる。博士論文執筆前に十分なトレーニング を受けられていない状態でいきなり大部な論文を 書かなくてはならない。そのため多くの学生が行 き詰まってしまう。
→今後これらの結果をいかして図書館としてすべき ことを考えていく（調査は終了したばかり。結果は今 後公表したいと考えているとのこと。）

7. 調査をやってみて
•院生の実態把握ができた。
•他の図書館員と一緒に仕事することが楽しかっ
•同じ目的（＝今回なら大学院生のサポート）をも つ他のグループの人々＝大学院生のライティン グセンターや学部長とつながりを作り、調査結果 を共有することが必要。（たとえば大学院として全 院生対象に調査をおこなっていた。結果を共有し 互いに補い合える。）
•インタビューの経験は図書館員の能力として今回 限りでなく使えると思った。

8. わかったこと
• 「利用者」調査→学生・教員（「利用者」は図 書館を使うことが前提の言葉）
• 学生や教員に図書館をもっと使ってもらう ため→自分の大学の学生や教員に、図書館 （員）として何をすべきか知るため
• 図書館のサービスを改善するため→学生 や教員の学習・研究環境を向上させるため。

9. わかったこと
「図書館」が主語の調査
学生・教員（大学）が主語の調査
・自分の大学の学生、教員を知る
・調査には図書館員以外の目が必要
・学生、教員の学習・研究環境の改善 が最終目的