オールインワンメトリックを解釈可能なスタッツに分解しようとするデータ分析を「トップダウン型」と分類し、その実演をしました。

1. RAPMをベーシックスタッツで
重回帰する
バスケのデータ分析におけるトップダウンなアプローチのデモンストレーション
らんそうるい
（@rnsr0371）
2021/10/31

2. ⾃⼰紹介
nらんそうるい（Twitter ID : @rnsr0371 ）
• データアナリスト⽬指して絶賛求職中！
n⼤学時代の専攻
• 実験⼼理学（not 臨床⼼理学）
n使⽤ツール（経験年数）
• R⾔語（6年）
• Python（1年）

3. トップダウンとボトムアップ
nトップダウンな分析 → こちらを選択
• オールインワンメトリックを解釈可能な粒度に分解
• 勝利に貢献する選⼿の特徴の抽出を⽬指す
nボトムアップな分析
• 個々のプレーに得点期待値を付与
• 勝利に貢献するプレーの抽出を⽬指す
nこれらは⾞輪の両輪
• 互いに補完し合う
• どちらが優れていて、どちらが劣っているという話ではない

4. ⾊々ありますオールインワンメトリック
nRAPM（Regularized Adjusted Plus-Minus）→ これを選択
• リッジ回帰による選⼿毎の+/-の推定値
• 安定させるには3~5年分のデータが必要
nBPM（Box Plus-Minus）
• ボックススコアから選⼿の貢献を評価
nPIPM（Player Impact Plus-Minus）
• 重みづけたボックススコアとOn/Offデータから選⼿の貢献を評価

5. RAPMの特徴
n⻑所
• 他のオールインワンメトリックの「親」→評価が正確だとされている
• チームメイトの影響を受けない
• +/-なのでほとんど勝利への貢献そのもの
n短所
• 3~5年分のデータが必要
• なぜ値が⾼いのか低いのかの解釈が難しい→ブラックボックス

6. RAPMの特徴
n⻑所
• 他のオールインワンメトリックの「親」→評価が正確だとされている
• チームメイトの影響を受けない
• +/-なのでほとんど勝利への貢献そのもの
n短所
• 3~5年分のデータが必要
• なぜ値が⾼いのか低いのかの解釈が難しい→ブラックボックス
RAPMのばらつきをスタッツのばらつきで説明できれば、
ブラックボックスを脱却できる！
→RAPMを従属変数、スタッツたちを独⽴変数に置いた重回帰分析を⾏う

7. データ分析──データセットと分析⽅法
nデータセット
• Ahmed Cheema様の5-year RAPM（2017~2021年のデータのみ使⽤）
• NBA公式スタッツ（2016-17~2020-21レギュラーシーズンの平均データ）
• 出場時間が平均15分に満たない選⼿を除外（N = 514）
n分析⽅法
• ⼿法：重回帰分析
• 従属変数：RAPM
• 独⽴変数：得点・リバウンド・アシスト・スティール・ブロック・
ターンオーバー（全て48分換算した上で標準化）

8. データ分析──相関⾏列

9. データ分析──結果
n⾃由度調整済み決定係数は
0.293
• ６つの独⽴変数でPIPMの
ばらつきを30%程度説明
n5%⽔準で有意
• 得点・リバウンド・アシスト・
ターンオーバー

10. データ分析──考察
nRAPMへの影響（標準化偏回帰係数の絶対値）の⼤きさ
• 得点＝アシスト＞ターンオーバー＞リバウンド
n出場時間中の得失点差なので得点とアシストはほぼ同価値
nターンオーバーが多いほどRAPMは下落
nリバウンドが多いほどRAPMは向上
• 直感に沿った結果が得られたと考えられる

11. まとめ
nバスケのデータ分析の分類を提案
• トップダウン & ボトムアップ
nトップダウン型のデータ分析を実演
• RAPMを重回帰して、⾃由度調整済み決定係数を調べた
nRAPMのばらつきを上⼿く説明できるスタッツを作れれば、
バスケの理解に繋がる？

12. もっと詳しい説明はこちら
n【バスケットボール】
トップダウンなデータ分析とボトムアップなデータ分析
nRAPMをベーシックスタッツで重回帰する＠NBA