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２ モデリング手法（その２）
- 2. モデリング手法（その１）の復習 • ＩＤＥＦ手法の生立ち • ＩＤＥＦ手法の種類 • ＩＤＥＦ０手法の基本 – 表記方法 – モデリングの体制と手順 • ＩＤＥＦ３手法の基本 – ２つのダイアグラムと表記方法 – モデリングの方法 • ＩＤＥＦ０とＩＤＥＦ３の連携 2013/5/27 2有限会社ジール
- 3. 2006/12/5 有限会社ジール 松本 巖 3 ＩＤＥＦ１Ｘの基本 • ＩＤＥＦ１：情報モデリング手法はＩＤＥＦ０同様に1970年代初 期にICAMプロジェクトで整備された、『もの』の存在とその関係 を表すエンティティ･リレーションのモデル化手法である。 • ＩＤＥＦ１はその後1980年代のコンカレント・エンジニアリング に関心が集まった時代に、リレーショナルDBの設計にも適用可能 なＩＤＥＦ１Ｘ：データ･モデリング手法として拡張された。 • その後、1990年初期にＩＤＥＦ０と共に米国のFIPS（連邦情報処 理標準）-184としてIntegration DEFinision手法の一つに制定され た。 • ボックスでエンティティ（名詞）を表し、ラインでエンティティ 間の関係（動詞）を表す。 • ＩＤＥＦ１Ｘでは、モデリング途中の概念を分析整理する途中で 使われるｎ：ｍ関係や分類関係などの表現形式を持ち、データ ベース実装のスキーマ設計まで幅広い表現形式を提供している。 • このようなことからＩＤＥＦ１Ｘは、一般にＩＴシステム実装の ための設計手段と理解されているが、本来的にはＩＴ化に先立つ 事業レベルの経営資源の存在とその関連を表現する手段として最 も効力を発揮する。
- 4. 2013/5/27 有限会社ジール 松本 巖 4 IDEF1X手法への流れ • ｴﾝﾃｨﾃｨ･ﾘﾚｰｼｮﾝに関する表現法の議論は1960年代始まり、幾つも方法論 が盛んに提唱された。 • ELKA（Entity-Link-Key-Attribute）：Hughes Aircraft • Entity-Relationship（ER)：Peter Chen • Rilational Model：Codd • Aggregation/Generalization Model：Smith • IDEFではこれらの方法論を1970年代初めに情報ﾓﾃﾞﾘﾝｸﾞ手法（IDEF1）と して統合し、更に1980年代初期にﾘﾚｰｼｮﾅﾙ･ﾃﾞｰﾀﾍﾞｰｽの設計手法に拡大 し情報／ﾃﾞｰﾀｰ･ﾓﾃﾞﾘﾝｸﾞ手法（IDEF1X）に発展させた。 • 当初のIDEF1は情報ｼｽﾃﾑの実装を目的としていなかった。 • IDEF1Xへの拡張で、汎化のための分類関係を強化すると共に、当時盛んになった ﾘﾚｰｼｮﾅﾙ･ﾃﾞｰﾀﾍﾞｰｽへの実装できるようにした。 • ｵﾌﾞｼﾞｪｸﾄ指向のUMLも乱立しているｴﾝﾃｨﾃｨ･ﾘﾚｰｼｮﾝ技術を統一する目的 で開発された。 ELKA （Huges） Relational Model （Codd） IDEF1 （Air force） Aggr./Gen. Model （Smith） LDDT （DDG） DMT ER （Chen） IDEF1X （NIST） Unified Modeling Language （OMG） LDDT（Logical Database Design Technique）：Database Design Group Inc. DMT（Data Modeling Technique）：Applton Company
- 5. 2013/5/27 有限会社ジール 松本 巖 6 エンティティとは • エンティティとは？ – 子供の誕生 • 男性と女性が結婚して生命が誕生したらそれが新しいエンティティが創出である。 – ビジネス社会でもエンティティと言う言葉が一般に使われている • 契約文書において日本では甲、乙、丙で表現される当事者のことを英語ではEntity_A、Entity_B と表現する。 • エンティティ･リレーション（ＥＲ）とは単なる『もの（概念）』の関 係 – エンティティ･リレーションの考えは確かに1960年代にコンピュータ技術における データベース技術の重複しない情報の持ち方として考え出された。 – しかしＥＲ技術は決してＩＴ技術あるいはデータベースの専門手段ではない。 • オブジェクト指向は – ソフトウエアの世界はオブジェクト指向と呼ばれる専門用語があるが • 英語の文法：主語（Subject）＋述語（Verb）＋目的語（Object） • 欧米ではオブジェクトという概念も日常的で、オブジェクト指向は対象物中心にまとめる技術 であり、決してソフトウエアの世界の特殊用語ではない。 • 昨今日本でも話題に成っているオブジェクト指向のUML（Unified Modeling Language）もその基 本はエンティティ･リレーションの表現方法を統一するという考えから出来ている。
- 6. 2013/5/27 有限会社ジール 松本 巖 8 Ｍ．Ｖ．Ｃの考え方 • オブジェクト指向の世界ではM.V.Cを別けて考えることにより統合され たモデルに集約できる。 – M（Model）：物事の本質を表すモデル • モデルは出来るだけ周りの事象から独立させ、その本質的な特性のみを表したもので、一つの ものは一つのｴﾝﾃｨﾃｨに集約する。 – V（View）：そのモデルをどのように見せるか • 一つのｴﾝﾃｨﾃｨであっても他のｴﾝﾃｨﾃｨと組み合わせて、その運用場面ごとに必要な見せ方をす る。 – C（Control）：そのモデルをどのように操作するか • 一つｴﾝﾃｨﾃｨに対する操作（入力や変更等）も複数のｴﾝﾃｨﾃｨの関連性を持って操作される。 Model View Control
- 7. 2013/5/27 有限会社ジール 松本 巖 10 ＩＤＥＦ１Ｘの表記法 • IDEF1Xでは情報／ﾃﾞｰﾀﾓﾃﾞﾙを表現するため複数の構成要素ﾀｲﾌﾟ からなっている – ｴﾝﾃｨﾃｨ • ｴﾝﾃｨﾃｨのﾀｲﾌﾟ – 独立ｴﾝﾃｨﾃｨ – 従属ｴﾝﾃｨﾃｨ • ｴﾝﾃｨﾃｨの属性 – ｷｰ属性 – その他の属性 – 関係 • 関係のﾀｲﾌﾟ – 特定的関係 – 非特定的関係 » 識別的関係 » 非識別的関係 • 関係のｶｰﾃﾞｨﾅﾘﾃｨ – 分類 • 分類のﾀｲﾌﾟ – 完全分類 – 不完全分類 希望ｲﾍﾞﾝﾄ / 7 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (O) ｲﾍﾞﾝﾄ_種類 (O) ｲﾍﾞﾝﾄ_種類 イベント_観光地 / 11 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) 観光地_訪問先 (O) 観光地_訪問料 (O) イベント_美術館 / 10 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) 美術館_入館料 (O) 美術館_訪問先 (O) イベント_マージャン / 9 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) イベント_テニス / 8 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) テニスコート_候補 (O) テニスコート_料金 (O) イベント_ゴルフ / 5 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) ゴルフ場 ゴルフ場料金 (O) 線でｴﾝﾃｨﾃｨ間 の関係を表す ﾎﾞｯｸｽは全て ｴﾝﾃｨﾃｨ ｴﾝﾃｨﾃｨの 分類を表す。
- 8. 2013/5/27 有限会社ジール 松本 巖 11 IDEF1Xの表記法：ｴﾝﾃｨﾃｨ • ｴﾝﾃｨﾃｨは２つの領域に区切られたﾎﾞｯｸｽで表される。 – ｴﾝﾃｨﾃｨ名：ｴﾝﾃｨﾃｨ自体を識別する名前 – 領域 • ｷｰ領域：ｴﾝﾃｨﾃｨのｲﾝｽﾀﾝｽを識別するﾌﾟﾗｲﾏﾘｰｷｰを示す領域 • 非ｷｰ領域：ﾌﾟﾗｲﾏﾘｰｷｰ以外の属性を示す領域 – 属性 • ﾌﾟﾗｲﾏﾘｰｷｰ：そのｲﾝｽﾀﾝｽを固有に識別するｷｰ • 代替ｷｰ：必ずしもｲﾝｽﾀﾝｽに固有でないかもしれないが識別に役立つｷｰ • その他の属性：ｲﾝｽﾀﾝｽの特性を示すﾌｨｰﾙﾄﾞ ｴﾝﾃｨﾃｨ：従業員/１ 従業員番号（PK) 従業員名（AK) 性別 髪型 年齢 ｷｰ領域 非ｷｰ領域 PK：ﾌﾟﾗｲﾏﾘ･ｷｰ AK：代替ｷｰ その他属性
- 9. 2013/5/27 有限会社ジール 松本 巖 12 IDEF1Xの表記法：独立と従属ｴﾝﾃｨﾃｨ 注文書/2 注文名（AK) 注文金額 注文書番号（PK） ﾍﾞﾝﾀﾞｰ/1 ﾍﾞﾝﾀﾞｰ名（AK） 連絡担当者 住所 電話番号 ﾍﾞﾝﾀﾞｰ番号（PK） FK：外部ｷｰ 角が四角いﾎﾞｯｸｽ は独立ｴﾝﾃｨﾃｨ 角が丸いﾎﾞｯｸｽは 従属ｴﾝﾃｨﾃｨ ｴﾝﾃｨﾃｨ間の 識別的関係 • 独立ｴﾝﾃｨﾃｨ – 独立ｴﾝﾃｨﾃｨは自分固有のﾌﾟﾗｲﾏﾘｰｷｰ（PK）を持つｴﾝﾃｨﾃｨ。 – 角ばったﾎﾞｯｸｽ • 従属ｴﾝﾃｨﾃｨ – 従属ｴﾝﾃｨﾃｨはそれの存在が親ｴﾝﾃｨﾃｨが存在していることに依存するｴﾝﾃｨ ﾃｨ。 – 角が丸いﾎﾞｯｸｽ – 従属ｴﾝﾃｨﾃｨは親ｴﾝﾃｨﾃｨから識別的関係がつけられたとき、その親識別子を 外部ｷｰ（FK)として移植される。 勘定項目/3 勘定名（AK） 支払期限 請求日 注文書番号 (FK) ﾍﾞﾝﾀﾞｰ番号 (FK) 請求書番号（PK)
- 10. 2013/5/27 有限会社ジール 松本 巖 13 IDEF1Xの表記法：関係の非特定と特定 • ﾓﾃﾞﾘﾝｸﾞの進捗に伴って非特定から特定関係に進化させる。 – 非特定関係（N:Mﾘﾚｰｼｮﾝ） • これは情報ﾓﾃﾞﾘﾝｸﾞの最初のﾌｪｰｽﾞで２つのｴﾝﾃｨﾃｨ間で何らかの関係の存在が認められるがその関係が厳密ではな いとき使う。 • 非特定的関係は両端に●を持つ。 – 特定関係 • これは情報ﾓﾃﾞﾘﾝｸﾞが成熟してきてｴﾝﾃｨﾃｨ間の関係が明確になってきたときの関係。 • 特定関係は片方にのみ●を持つ。 最初のラフな関係 最終的な姿 非特定的関係 特定的関係
- 11. 2013/5/27 有限会社ジール 松本 巖 14 IDEF1Xの表記法：特定関係 • 特定関係にはｴﾝﾃｨﾃｨ間の関係をより厳密に表現する関係の種類 がある。 – 識別的と非識別的 • 識別的 – 親ｴﾝﾃｨﾃｨと子ｴﾝﾃｨﾃｨの主従関係を定義する（子ｴﾝﾃｨﾃｨが従属ｴﾝﾃｨﾃｨとなる）。 – 実線で表され子ｴﾝﾃｨﾃｨ側に●を持つ。 – 識別的で関係付けることで親ｴﾝﾃｨﾃｨのﾌﾟﾗｲﾏﾘ･ｷｰ（PK）が子ｴﾝﾃｨﾃｨのｷｰ領域の外部ｷｰ（FK）に移植され る。 • 非識別的 – 親ｴﾝﾃｨﾃｨと子ｴﾝﾃｨﾃｨを関係付ける。 – 点線で表され子ｴﾝﾃｨﾃｨ側に●を持つ。 – 非識別的で関係付けることにより親ｴﾝﾃｨﾃｨのﾌﾟﾗｲﾏﾘ･ｷｰ（PK）が子ｴﾝﾃｨﾃｨの属性領域に移植される。 識別的関係 非識別的関係
- 12. 2013/5/27 有限会社ジール 松本 巖 15 IDEF1Xの表記法：関係のｶｰﾃﾞｨﾅﾘﾃｨ • IDEF1Xのﾓﾃﾞﾘﾝｸﾞも最終段階に近づくと親ｴﾝﾃｨﾃｨと子ｴﾝﾃｨﾃｨの特 定関係（識別、非識別とも）をｶｰﾃﾞｨﾅﾘﾃｨで更に明確にする。 １：Ｍ （親 １に対して子は０ または複数） （識別的関係） （非識別的関係） P P １：Ｐ （親 １に対して子は１以上） Z Z １：Ｚ （親 １に対して子は０または１） N N １：Ｎ （親 １に対して子は正確にＮ） カーディナリティ
- 13. 2013/5/27 有限会社ジール 松本 巖 16 IDEF1Xの表記法：分類関係 • IDEF1Xではｴﾝﾃｨﾃｨを汎化ｴﾝﾃｨﾃｨと個別の特化ｴﾝﾃｨﾃｨに分類した関係 を表現できる。 – 汎化ｴﾝﾃｨﾃｨとは複数のｴﾝﾃｨﾃｨに共通した属性を持つより高位の概念ｴﾝﾃｨﾃｨである。 – IDEF1Xﾓﾃﾞﾘﾝｸﾞでは、もし複数のｴﾝﾃｨﾃｨに共通する属性があればそれは汎化ｴﾝﾃｨﾃｨに移し、 個別ｴﾝﾃｨﾃｨの属性から取り去ることによって汎化と特化ｴﾝﾃｨﾃｨを整理し分類体系を整える。 – 汎化ｴﾝﾃｨﾃｨ、特化ｴﾝﾃｨﾃｨの関係は何段でも定義が出来、一般的な大分類、中分類、小分類と 言った分類体系と分類コードを整えることが出来る。 – 分類関係には分類途中の不完全分類と分類が終わったときの完全分類がある。 希望ｲﾍﾞﾝﾄ / 7 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (O) ｲﾍﾞﾝﾄ_種類 (O) ｲﾍﾞﾝﾄ_種類 イベント_観光地 / 11 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) 観光地_訪問先 (O) 観光地_訪問料 (O) イベント_美術館 / 10 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) 美術館_入館料 (O) 美術館_訪問先 (O) イベント_マージャン / 9 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) イベント_テニス / 8 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) テニスコート_候補 (O) テニスコート_料金 (O) イベント_ゴルフ / 5 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) ゴルフ場 ゴルフ場料金 (O) 完全分類子を示す。 ○の下が一本線の時 不完全分類子を示す 分類関係が付けられると 特化ｴﾝﾃｨﾃｨは従属ｴﾝﾃｨﾃｨ となり汎化ｴﾝﾃｨﾃｨのPKが 移植される。 汎化ｴﾝﾃｨﾃｨ
- 14. 2013/5/27 有限会社ジール 松本 巖 17 IDEF1Xの表現法：関係の整理 非特定的リレーション 特定的リレーション 識別的リレーション 非識別的リレーション 完全分類 不完全分類 ｴﾝﾃｨﾃｨ１ ｴﾝﾃｨﾃｨ２ ｴﾝﾃｨﾃｨ１ ｴﾝﾃｨﾃｨ２ ｴﾝﾃｨﾃｨ１ ｴﾝﾃｨﾃｨ２ ｼﾞｪﾈﾗﾙ・ｴﾝﾃｨﾃｨ ｴﾝﾃｨﾃｨ１ ｴﾝﾃｨﾃｨ２ ｼﾞｪﾈﾗﾙ・ｴﾝﾃｨﾃｨ ﾃﾞｨｽｸﾘﾐﾈｰﾀ ｴﾝﾃｨﾃｨ１ ｴﾝﾃｨﾃｨ２ ﾃﾞｨｽｸﾘﾐﾈｰﾀ 分類関係
- 15. 2013/5/27 有限会社ジール 松本 巖 21 IDEF1Xにおける名前の付け方 • 情報モデリングで最も悩ましくかつ大切なことは名前の 付け方 – ｴﾝﾃｨﾃｨや属性の名前 • 名前が単数形であることを意識する • ｴﾝﾃｨﾃｨや属性の名前にはそれの意味が明確になる固有の名前をつけること – IDEF1Xでは６５文字（半角）までの長さを許している – 最初は、例えば “_”で区切って関連するｴﾝﾃｨﾃｨの名前を連ねる – 短くかつ明確な用語が見つかればそれに置き換える – 関係は動詞句で命名する • 正方向：親から子ｴﾝﾃｨﾃｨへ – 親ｴﾝﾃｨﾃｨは子ｴﾝﾃｨﾃｨを○○する • 逆方向：子ｴﾝﾃｨﾃｨから親ｴﾝﾃｨﾃｨへ – 子ｴﾝﾃｨﾃｨは親ｴﾝﾃｨﾃｨによって○○される
- 16. 2006/12/5 有限会社ジール 松本 巖 23 ＩＤＥＦ０とＩＤＥＦ１Ｘの連携 情報の統合化 統合データモデルの構築 （ＩＤＥＦ１Ｘ） 業務Ａ 業務Ｂ 業務Ｘ ライフサイクルを 通しての業務分析 業務分析とＢＰＲ （ＩＤＥＦ０） マネージメント 計画と ｽｹｼﾞｭｰﾘﾝｸﾞ 性能の監視 オペレーション ﾌﾟﾛｾｽ制御 ﾌﾟﾛｾｽﾓﾆﾀﾘﾝｸﾞ 品質管理 エンジニアリング ﾄﾞｷｭﾒﾝﾄ管理 設備計画 分析ﾂｰﾙ メンテナンス 調達 資材管理 作業手順 ｽｹｼﾞｭｰﾘﾝｸﾞ ｺﾝｶﾚﾝﾄｴﾝｼﾞﾆｱﾘﾝｸﾞ環境
- 17. 2013/5/27 有限会社ジール 松本 巖 24 ｴﾝﾃｨﾃｨとｲﾝｽﾀﾝｽの表現と構造ｲﾒｰｼﾞ • データの整理（エンティティとインスタンス） – 旅行についてメンバーから旅行先でのイベントについて希望を聞いた結果 を表形式で表現する テニス ゴルフ マージャン 囲碁 美術館 名所めぐり A氏 ○ ○ ○ B氏 ○ ○ ○ B社 D氏 ○ ○ E氏 ○ ○ ○ ○ F氏 ○ ○ G氏 ○ H氏 ○ ○ ○ I氏 ○ ○ J氏 ○ ○ ○ K氏 ○ E社 L氏 ○ ○ ○ M 氏 ○ ○ ○ N氏 ○ O氏 ○ ○ メンバー ｲﾍﾞﾝﾄ ｽﾎﾟｰﾂ派 ｷﾞｬﾝﾌﾞﾙ派 観光派 A社 C社 D社 F社 メンバーと イベントの 交点を表す 従属ｴﾝﾃｨﾃｨ メンバーに 関する分類 イベントに 関する分類 メンバーの 分類ｴﾝﾃｨﾃｨ ﾒﾝﾊﾞ-に関する 独立ｴﾝﾃｨﾃｨと 個々のｲﾝｽﾀﾝｽ ｲﾍﾞﾝﾄに関する 独立ｴﾝﾃｨﾃｨと 個々のｲﾝｽﾀﾝｽ メンバーの 分類ｴﾝﾃｨﾃｨ
- 18. 概念要素統合（情報統合）の効果 2010/11/6 （有）ジール 松本 巖 25 業務 調達 加工 間接 直接 間接 直接 物 品 A 01 02 B 01 02 03 拠点 X部 Y部 1G ２G １G ２G 3G 業 務 調 達 間接 直接 加 工 間接 直接 物品 A B 01 02 01 02 03 拠 点 X 部 1G 2G Y 部 1G 2G 3G ER表現の世界 マトリックス表現の世界 物品 業務 拠点 A 01 B 調達 加工 X部 Y部 02 01 02 03 間接 直接 間接 直接 1G 2G 1G 2G 3G 物品別業務 業務別拠点 拠点別物 品 メタモデル 物品の タキソノミ 業務の タキソノミ 拠点の タキソノミ 物品対業務 マトリックス 業務対拠点 マトリックス 拠点対物品 マトリックス 概念構造 意味論
- 19. 2013/5/27 有限会社ジール 26 ＩＤＥＦ手法はモデルの成長過程を支 援 • いずれのＩＤＥＦもモデリング手法であり、モデル の発展過程を支援する。（心理学のモデリングに類 似） – いずれのモデルも最初は曖昧なイメージから始まり、徐々 に厳密性を増しながら論理的なモデルへと成長する。 – いずれのIDEF手法も、この概念的な曖昧な内容から始めそれ をモデル上で試行錯誤しながら成長させるための中間的な 表現形式とその手順を提供している。 • 各IDEF手法は一つのイネーブリング技術と位置づけ られる。 – イネーブリング技術とは、『管理されていない状況を管理 可能な状況に移行する技術』と定義できる。
- 20. ＩＤＥＦは米連邦政府標準のＢＰＲ手 段 • 1990年代初期に、新たなIDEF3手法が追加されるとともに、IDEF0及 びIDEF1Xが米国連邦情報処理標準（FIPS183及び184）に制定され た。 – FIPSでIDEF手法は、Integration DEFinition Method（統合化のための定義手法）に改 名された。 • 1990年ごろから米連邦政府では、新しい情報化時代に向けて情報統 合を中心とした業務改革活動が展開され、1990年代のCALS･BPR活 動、それに続くEA活動へと引き継がれ、着実な成果を生み出してい る。 • 連邦政府の業務効率とIDEF手法はこれらの活動の【情報統合】を促 進する枠組みと基本手段として今日も重要な役割を果たしている。 – 一時期モデリング手段がすべてUMLに置き換えられるような期待感もあったが、 最近はIDEFが利用者のためのモデリング手段であり、UMLはそこで描かれたモデ ルを情報システムのため統合する手段であるとの棲み分けが出来てきた感じで ある。 2013/5/27 27有限会社ジール
- 21. 2013/5/27 （有）ジール 松本 巖 28 Zachmanのフレームワーク • 1980年代に当時IBMのZachman氏がﾓﾃﾞﾙの枠組みとしてZachmanﾌﾚｰﾑﾜｰｸ を発表した。 • 1990年代初期にIDEFﾕｰｻﾞｰ･ｸﾞﾙｰﾌﾟにてIDEF手法拡張の枠組みとして Zachman ﾌﾚｰﾑﾜｰｸを活用し、IDEF14までの手法拡張が議論された。 （IDEFﾌﾚｰﾑﾜｰｸ）• 2000年代に入って活発化して いる米国連邦政府での Enterprise Architecture（EA) の基盤となっている考え方と 言われており、本人もその推 進のための教育活動に当たっ ている。 • 日本政府においてもエンター プライズ･アーキテクチャーの 名のもとでe-Govの取り組み が大きな話題となってきてい るが・・・
- 22. 2013/5/27 有限会社ジール 29 Zachmanのﾌﾚｰﾑﾜｰｸとﾋﾞｼﾞﾈｽ･ﾓﾃﾞﾙ ビ ジ ネ ス 事業の スコープ ビジネス モデル WHAT HOW WHERE WHO WHEN WHY ﾃﾞｰﾀ 機能 ﾈｯﾄﾜｰｸ 人々 時間 動機 各 種 支 援 シ ス テ ム システム モデル 技術 モデル コンテキスト外 運用 モデル どのような事業を行うか？ どのような仕組みで行うか？ どのような機能を支援するか？ どのような技術を利用するか？ どこのﾍﾞﾝﾀﾞｰ製品を基盤とするか？ どのような使い方で運用するか？ Focus 焦点 Perspective 視 点 システム モデル 技術 モデル コンテキスト 外 事業遂行 各 種 支 援 シ ス テ ム どのような事業を行うか？ どのような仕組みで行うか？ どのような機能を支援するか？ どのような技術を利用するか？ どこのﾍﾞﾝﾀﾞｰ製品を基盤とするか？ どのような使い方で運用するか？ 支援システム の領域 ビジネス・モデル の領域
- 23. 2013/5/27 有限会社ジール 30 ＩＤＥＦフレームワーク FOCUS（焦点） P E R S P E C T I V E 視 点 ビ ジ ネ ス 情 報 シ ス テ ム WHAT HOW WHERE WHO WHEN WHY ビジネススコープ 外部との関係 経営企画 ビジネスモデル 事業方針 事業設計者 システムモデル 資源管理 システム設計者 技術モデル 利用可能技術 システム構築者 コンテキスト外 ｲﾝﾌﾟﾚﾒﾝﾃｰｼｮﾝ ｺﾝﾎﾟｰﾈﾝﾄﾋﾞﾙﾀﾞｰ システム運用 資源 オペレーター IDEF3 IDEF3 IDEF1X IDEF0 IDEF1 IDEF1X IDEF4 IDEF0 IDEF4 IDEF1X IDEF2 IDEF3 IDEF2 IDEF3 出典：The IDEF Framewok V1.5 (1992) by IDEF User Group IDEF9 IDEF6IDEF14 IDEF5 IDEF5 IDEF5 IDEF5 IDEF5 IDEF9IDEF5 IDEF5 IDEF5 IDEF5 IDEF5 IDEF14
- 25. 改革に向けてのＩＤＥＦ手法の連携 2013/5/27 有限会社ジール 32 注文を 登録する A1 受注を 処理する A2 完成した注文書 製品を 出荷する A3 出荷指示書 顧客の注文 出荷製品製品 を売るA0 顧客の注文 出荷製品 A - 0 A1 A 0 A2 A3 希望ｲﾍﾞﾝﾄ / 7 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (O) ｲﾍﾞﾝﾄ_種類 (O) ｲﾍﾞﾝﾄ_種類 イベント_観光地 / 11 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) 観光地_訪問先 (O) 観光地_訪問料 (O) イベント_美術館 / 10 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) 美術館_入館料 (O) 美術館_訪問先 (O) イベント_マージャン / 9 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) イベント_テニス / 8 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) テニスコート_候補 (O) テニスコート_料金 (O) イベント_ゴルフ / 5 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) ゴルフ場 ゴルフ場料金 (O) 希望ｲﾍﾞﾝﾄ / 7 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (O) ｲﾍﾞﾝﾄ_種類 (O) ｲﾍﾞﾝﾄ_種類 イベント_観光地 / 11 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) 観光地_訪問先 (O) 観光地_訪問料 (O) イベント_美術館 / 10 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) 美術館_入館料 (O) 美術館_訪問先 (O) イベント_マージャン / 9 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) イベント_テニス / 8 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) テニスコート_候補 (O) テニスコート_料金 (O) イベント_ゴルフ / 5 ｲﾍﾞﾝﾄＩＤ (FK) (O) ゴルフ場 ゴルフ場料金 (O) 注文を 登録する A1 受注を 処理する A2 完成した注文書 製品を 出荷する A3 出荷指示書 顧客の注文 出荷製品製品 を売るA0 顧客の注文 出荷製品 A - 0 A1 A 0 A2 A3 現状（ As-Is）作業シナリオ 現状（ As-Is）業務モデル あるべき（ To-Be ）業務モデル 統合情報モデル To-Beワークフロー・モデル IDEF1X IDEF0 IDEF3
- 26. 2010/11/6 有限会社ジール 34 IDEF手法はモデリングの基本的方法論 • モデルあるいはモデリングを論ずる場合、ツールなどの手段の使い易さや 便利さに関心が集中し、ややもするとその基本的方法論が忘れがちであ る。 • IDEF手法は、米国政府が標準化した一般的手法論であり、多数存在する （UMLやBPMLなどの）モデリング手段を活用する上での基本的方法論を提 供している。 • IDEF1X表記とUMLのクラス図は基本的にER方式であり等価な内容、情報交換技術XMLを活用するには正しいERモデルがその前提となる。 • IDEF0に相当するモデリング表記は他には存在せず、UMLのユースケース図がその一部を担い得る • IDEF3に相当するプロセス・フロー表現の手段は、シミュレーションのモデリング手段を始めとして多数存在する。 概念の関係モデル （ER形式） 機能構成モデル （機能構成ﾓﾃﾞﾙ） 基幹業務ﾌﾟﾛｾｽﾓﾃﾞﾙ （ﾌﾟﾛｾ ｽ・ﾌﾛｰ図） （状態遷移） 手法論（IDEF手法） IDEFを含むモデリング手段 IDEF1X 情報／データモデリング手法 IDEF0 アクティビティ・モデリング手法 IDEF3 プロセス記述獲得手法 •IDEF1X表記及び準拠ツール •UMLのクラス図表記 •各種データ・モデリング表記 •IDEF0表記及び準拠ツール •UMLのユースケース図表記 •IDEF3[表記及び準拠ツール •UMLのアクティビティ図表記 •UMLのシーケンス図表記 •BPMN（ビジネスプロセスモデリング表記法） •その他多数 事業の仕組記述の方法論と適用可能な手段及びツール 事業の仕組記述 （部分的）
- 27. 2013/5/27 （有）ジール 松本 巖 35 IDEFとUMLの対応関係 営業担当見込み生産品を受注しする 見積の提案 配送計画担当受注を集約し出荷を計画する 配達担当 受注品の配送計画 経理担当 受注品を納入する 製品の配達顧客 見積の引合 代金を回収する 製品の受入 代金の支払い 代金請求と入金処理 :顧客 :D 1_見込み生産 品の配送 :営業担当 :P 4_D eliver計画 :P 1_ｻ ﾌﾟﾗｲﾁｪｰ ﾝ 計画 :S1_見込生産原 料 見積引合を要求する 見積引合を通知する 見積を作成する 見積を回答する 注文を発行する 受注を通知する 在庫引当と納期を決める 受注確認を通知する 受注残を更新する 受注残を更新する 引当可能在庫、配送期日を更新する 補充ｼｸﾞﾅ ﾙ を通知する :顧客 :営業担 当 :D 1_見込み生 産品の配送 :P4_D eliver計 画 :P1_ｻ ﾌﾟﾗｲﾁｪｰ ﾝ計 画 :S1_見込生 産原料 1:見積引合を要求する 2:見積引合を通知する 3:見積を作成する 4:見積を回答する 6:受注を通知する 7:受注残を更新する 8:受注残を更新する 9:引当可能在庫、配送期日を更新する 10:在庫引当と納期を決める 11:補充ｼｸﾞﾅ ﾙ を通知する 5:注文を発行する 12:受注確認を通知する ﾕｰｽｹｰｽ図 ｼｰｹﾝｽ図 ｺﾗﾎﾞﾚｰｼｮﾝ図 ｸﾗｽ図 システム 利用者 機能 （ｱｸﾃｨﾋﾞﾃｨ） IDEF0 ｱｸﾃｨﾋﾞﾃｨ･ﾓﾃﾞﾘﾝｸﾞ IEF3 ﾌﾟﾛｾｽ･ﾓﾃﾞﾘﾝｸﾞ 作業の時間的流れ 処 理 の 時 系 列 ｼｽﾃﾑ作りにおける要求分析 ｼｽﾃﾑ作りにおける設計 IDEF1/1ｘ ﾃﾞｰﾀ･ﾓﾃﾞﾘﾝｸﾞ ｴﾝﾃｨﾃｨﾘﾚｰｼｮﾝ 基本的ｽｷﾙ 業務の機能的役割 芸術的 センス ？ I2 O1 I1 I3 C1C5 C4C3 C2 M2M1 D1_13 請求と支払を受領する A214 製品を納入する A213 配送を計画する A212 販売し受注する A211 (D1）支払 (M)完成品移管 (D2)据付済完成品（顧客） (D1)見込品出荷情報 (輸送業者)情報 配送指図 (顧客)情報 (D1)有効ｵｰﾀﾞｰ （担当）経理 （ｼｽﾃﾑ）会計 （担当）配送 (P4)納入計画 （担当）配送ｾﾝﾀｰｽﾀｯﾌ （ｼｽﾃﾑ）配送管理 (M)生産情報 (S)調達情報 (P2)調達計画 (P3)生産計画 （担当）ｽﾀｯﾌ （ｼｽﾃﾑ）支援ｼｽﾃﾑ （ｼｽﾃﾑ)販売管理 （ｼｽﾃﾑ）顧客管理ｼｽﾃﾑ （担当）販売 （担当）ｵｰﾀﾞｰｴﾝﾄﾘｰ （ｼｽﾃﾑ）在庫管理 システム設計
- 28. 2013/5/27 （有）ジール 松本 巖 36 IDEF0図とユースケース図の対応 見積る 受注する 売上げる 販売担当 販売システム 見積る 受注する 売上げる 販売担当 販売システム ＩＤＥＦ０：機能モデル ＵＭＬ：ユースケース図
- 29. まとめ • 今回は情報／データ・モデリング手法IDEF1Xの基本とその他 のIDEF手法との関係及び各種改革への活用法について紹介し た。 • 世間には数多くのモデリング表記方法や支援ツールが数多く 存在している中が、モデリング方法論としてまとまっている 手法はIDEF手法に限られ、特にIDEF0に代わる機能面からのモ デリング手段は他には存在しない。 • IDEF手法は、上記の意味合いから米連邦政府におけるBPRから EA（エンタープライズ・アーキテクチャ）活動の中核的基盤 技術として今も位置づけられている。（IDEFと言う表現はほ とんど見られず構造化手法として表現されている）。 • 米国防省のDoDAF2.0の最終報告書では、UMLをUniversal Markup Languageの略と紹介し、もはやUniversal Modeling Languageの略称とは扱っていない。