ヨーロッパの木質バイオマス熱政策と日本の課題
- 19. KWKGの制度設計の変遷
19
出典:Deutsche Industrie- und Handelskammertag 資料を基に作成
2002年に制定されたKWKGは2009年に2MW以上の設備、また自家発も対象に
するなど、適用範囲が拡大された。
2016年の改定で、系統への売電を1~2.6セント/kWh割増しし、自家消費が
100kW以上は対象外となり、それ以下も1~1.4セント/kWh引き下げられている。
買取条件が大幅に引き下げられたEEGの逃げ道となる側面も。
2017年からは出力1MW~50MWの売電事業は入札への参加が義務付けられ
ている。自営線による売電事業者も参加が義務付けられる可能性がある。
系統電量に
売電
自営線供給での売電、
EEGの100%補助需給
自家消費
入札に参加
(新設・更新)
(改良)
入札に参加の
可能性あり
(cent/kWh)
- 21. 熱を中心としたオペレーション
21
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
40,000
収入 支出 収入 支出
ドイツ(フル出力) ドイツ(出力制御)
ORC発電(985kW)収支構造比較
売電売上 売熱売上 資本費 燃料費 人件費 メンテナンス費 電力代
(万円/年)
37,346万円/年
25,416万円/年
11,930万円/年
33,465万円/年
21,097万円/年
12,368万円/年
FIT売電は通常、24時間フル出力運転だが、熱電併給の場合は熱負荷に応じ
て出力調整することで限りある資源の有効活用、エネルギー効率の向上、条
件によっては収益性の向上が期待できる。
欧州の蒸気タービンやORCによる熱供給プラントでは、熱負荷に応じて出力調
整されている例が多い。(夏季は完全停止し、年間6,000h稼働の例も)
(燃料消費量)
フル出力:20,000t/年
出力調整:15,000t/年
データ:バイオマスアグリゲーション作成
(事業者ヒアリング情報を基に作成)