東日本大震災以後の災害情報
~膨大なデジタルデータをどう活かすか~
NHK放送文化研究所 メディア研究部
村上圭子
murakami.k-gs@nhk.or.jp
◆報道局 ディレクター
「NHKスペシャル」「クローズアップ現代」担当
*北海道南西沖<奥尻>地震(93年)*阪神・淡路大震災(95年)
◆ラジオセンター 報道ディレクター
*中越地震(04年)*中越沖地震(07年)*兵庫県佐用町水害(09年)
◆放送文化研究所 研究員
担当:災害情報伝達、世論形成とメディア、最新メディア動向
*東日本大震災
『東日本大震災・安否情報システムの展開とその課題』
『メディアは福島にどう向き合うのか ~対立と分断を生まないために~』
『ポスト東日本大震災の市町村における避難情報伝達システムを展望する』
『震災ビッグデータをどう生かすか~災害情報の今後を展望する~』
自己紹介
2
被害大きい災害の度に問い直されるのは…
なぜ、被害が拡大したのか?
なぜ、避難が遅れた・しなかったのか?
なぜ、避難勧告・指示が遅れたのか?
なぜ、前兆が把握できなかったのか?
なぜ、事前対策が十分でなかったのか? 3
繰り返される“責任転嫁→忘却”のサイクル
なぜ、被害が拡大したのか?
避難が遅れた・しなかったから(住民の問題?)
避難勧告・指示が遅れたから(行政の問題?)
前兆が把握できなかったから(技術の問題?)
事前対策が十分でなかったから(過去の問題?)
4
膨大なデジタルデータ(=ビッグデータ)
活用が目指すサイクル
被害を食い止める・出来る限り少なくする
計画的避難、個別が判断できる状況の整備
各種データ参考に的確な避難勧告・指示を出す
前兆情報の把握を行える枠組みを作る
データに基づき、十分な事前対策を行う 5
6
1)災害に活用可能なビッグデータとは?
2)ソーシャルメディアをどう活用するか?
3)位置情報をどう活用するか?
4)センサー情報をどう活用するか?
5)災害ビッグデータ活用のポイント
本日の内容
1)災害に活用可能な
ビッグデータとは?
8
コンピューターで処理できる形式のデータで、
Volume
多量性
Velocity
流動性
Variety 多様性
そもそも、“ビッグデータ”とは何なのか?
の要素を備えているもの
ビッグデータという言葉はいつ頃から?
9
初出は、2010年
イギリス雑誌「エコノミスト」
「データの産業革命」
膨大な情報のために
私たちは新しい時代に入った
⇓
「うまくマネージメントされたデータは
1)新しい経済的価値を解き放ち、
2)科学への斬新な洞察を提供し、
3)政府を益することもできる」
なぜ膨大な情報が流通するように?
通信環境
・通信(インターネット)環境が向上
・携帯端末の普及と高度化
サービス環境
・Web上での検索・購買活動が広がる
・GPSやICカードなど、個人の周辺物、
インフラへセンサーが埋め込まれる
・ソーシャルメディアによる発信が増える
事業者環境
・クラウド化によりデータの蓄積が容易に
・データ分析やマッシュアップ技術の向上
・マーケティング活用へのニーズの高まり
代表的な“ビッグデータ” ①
10
ビッグデータの種類(人) ライフログ(傾向)
行動履歴=振る舞い・反応
の傾向
購買履歴
=消費の傾向
アクセスログ=関心の傾向
代表的な“ビッグデータ”②
11
車の位置(プローブ)=交通の動態携帯端末の位置=人口の動態
4万人以上
3万人以上
2万人以上
1万人以上
0.5万人以上
0.5万人未満
前の1時間と比較し
て混雑度が20%
以上増加した地域
火災
通行止
避難所
山手線
埼京線
銀座線
半蔵門線
副都心線
東横線
田園都市線
井の頭線
バス
運休
運休
▲運転再開(22:50)
運転再開
運転再開
▲運転再開(22:30)
▲運転再開(22:30)
▲運転再開(22:10)
一部運行
危険関連発言
ビッグデータの種類(人・車) 位置情報(動態)
3G以降はGPS搭載義務付け・・・9割以上がGPS付き端末に
代表的な“ビッグデータ”③
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ビッグデータの種類(人) SNS発信情報(最新情報・ムード)
*量は“ビッグ”そのもの
・1日のツイート総数
(世界)4億件 (日本)約3300万件
・1日のFaceBookデータ
(世界)1万年分の全朝刊データ量
ソーシャルメディア発信=最新情報・行動+感情+やりとりの記録
*6年で全国民の約4割に普及
・TwitterやFacebookは日本でのサービス開始は2008年
・現在のユーザーは世代平均で40%強
(20~30代は6割前後、60代以上は2割弱)
*地域や目的ごとのSNSも普及
・地域SNS・・・地域限定のコミュニティメディア
・ウエザーニューズ
・・・気象や災害に特化した“減災リポーター”
代表的な“ビッグデータ”④
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ビッグデータの種類(モノ) センサー
センサー=気象観測・災害予測・インフラ老朽度測定など
総務省資料より
<“非構造化データ”>
メモや映像など、自動では体系化・分類化できないデータ
→定性的な参考にはできても、定量的な分析・活用は難しい
CSV形式→機械可読→位置情報等付与
<構造化データ>
フォーマットに沿って入力されたデータで
見出し・項目・値などで分類され格納されるシステムを自動構築
→可視化(地図化)され、状況が明確化する
代表的な“ビッグデータ”⑤
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ビッグデータの種類 非構造化データ
変換
非構造化データ=ビッグデータの8割
“震災ビッグデータ”は造語
2012年9月 2013年3月~
災害活用の議論が本格化したきっかけ
改めて、災害活用可能なビッグデータとは
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位置情報:携帯端末・カーナビ(プローブ情報)
ソーシャルメディア発信情報:Twitter・ウェザーニューズ等
センサー情報:インフラ・気象関連等
非構造化データ:ライフライン情報やマスメディア情報等
2)ソーシャルメディアを
どう活用するか
ソーシャルメディアの種類と活用目的
情報
発信
情報
収集
活用
目的
Twitter Facebook
LINE mixi
地域SNS等
発災直前
初動期
救援期
復旧期
<前兆情報>
・川が濁り流木あり→土石流
・腐った臭いがする→山崩れ
<被害情報>
・地震:停電、建物倒壊、火事等
・水害:浸水等 雪害:建物倒壊等
<被害・救援・孤立情報>
・負傷、孤立など
救援&避難支援要請関連
・道路通行困難等
<支援要請情報>
・ライフライン関連
・救援物資・生活支援関連
地域SNS
ウエザニューズ等
分析必要 分析不要活用困難
Facebook
LINE
※クローズド型
Twitter
広島・大規模土砂災害(8月20日)
8月19日午後9:26 大雨洪水警報
8月20日午前1:15 土砂災害警戒情報
3:49 記録的短時間大雨情報
3~4時 土砂災害発生
4:20 避難勧告
ウェザーニューズの減災リポートでは?
台風リアルタイムウオッチャー
http://typhoon.mapping.jp/
寄せられた、前兆・救援・被害情報
20日未明~ 前兆 20日朝~ 救援 21日~ 被害
生死を分ける“前兆”情報を把握・伝達できるか
広島大規模土砂災害 難を逃れた人達の証言
NHK WEB特集 「広島土砂災害 住民はどう動いた」より
*ウエザーニューズ社は契約した自治体と「減災プロジェクト」実行中。
*国交省は7月、SNSを分析し前兆を把握する官民共同プロジェクトスタート。
*IT総合戦略本部では、自治体が各種ソーシャルメディアから情報を収集
する際の可能性と課題について、検討会を開いて議論中。
Twitterは前兆の把握に活用できるか?
黒:全体
青:地震
オレンジ:津波
緑:原発
三重大学 奥村晴彦教授の報告より作成
RTは平時の約3倍
*呟いたのは、日本の人口の2.9%の369万人
*全ツイートのうち半数は4.2%の15万5千人によるもの
*「bot」(自動つぶやき)も相当数存在(不明)
東日本大震災 発生から1週間で1億7900万件のツイート
*9割以上は関連のないものや分析に必要ない内容→どう取り除くか?
*被災当事者の発信、信頼性のある内容→どう選び出すか?
ツイート分析エンジンは続々市販化
プラスアルファコンサルティング社の報告より作成
最大のハードルは“分析ツール”が必要なこと
例)3・11の渋谷駅関連ツイート分析人災の前兆を把握する“ソーシャルアラート”に
*時間・場所別に人的トラブルの
“前兆”を発見し、重点対策を
立てる手がかりに
都市部では混乱や人災回避の助けに
震災ビッグデータワークショップ:「渋谷プロジェクト」の報告より
*月額数10万円~。有事だけでなく、平時からの導入必要。
観光、休日の混雑分析などに対応
“ビッグ”なTwitterより“スモール”なSNS
<地域SNS>
自治体用カスタマイズサービスも開始
被害前兆情報など
地域のきめ細かい災害情報収集
<ウェザーニューズ・減災プロジェクト>
*Twitterより数は圧倒的に少ないが、分析ツールを使わずに
地域の顔の見えるエリア限定情報を入手できる確率は高い。
*新たな費用の発生や、どこが運営管理を進めるのかは課題
NHKでは一次情報収集エンジン作成
*拡散希望・被災地発信(RT除く)・緊急性高いツイートを自動抽出
NHKは取材困難な地域の実態把握等に活用
*写真×位置情報付きの組み合わせで抽出
藤代裕之(ジャーナリスト)他の報告から作成
深刻だったデマ問題
*公式HPやメディアの報道だけでは
なかなかデマの拡散はおさまらない
課題も山積:社会不安を煽るデマ問題
デマの一生をどう短くするか?
賛成・反対の双方提示するサイト構築
*ネット上のデマは発信する市民自らで
解決=リテラシー向上模索東北大学 乾・岡崎研&
(独)情報通信研究機構の報告より作成
デマ拡散防止の取り組みも始まっているが…
時にデマより深刻な“善意の過剰拡散”問題
*問題解決後も支援物資などが続々と届くなどの大混乱生じた
怖くてツイッターでの要請できない、という機関も
東北大学 乾・岡崎研の報告より
3)位置情報をどう活用するか
人の位置情報
34
車の位置(プローブ)=交通の動態携帯端末の位置=人口の動態
4万人以上
3万人以上
2万人以上
1万人以上
0.5万人以上
0.5万人未満
前の1時間と比較し
て混雑度が20%
以上増加した地域
火災
通行止
避難所
山手線
埼京線
銀座線
半蔵門線
副都心線
東横線
田園都市線
井の頭線
バス
運休
運休
▲運転再開(22:50)
運転再開
運転再開
▲運転再開(22:30)
▲運転再開(22:30)
▲運転再開(22:10)
一部運行
危険関連発言
携帯端末による人の動態把握
大震災前からサービス実施
位置情報(人の動態):携帯端末
総務省資料より
人の位置情報を捉える方法
250mメッシュで地図を区切り、
その地域に何人いるのかを推計
http://lab.its-mo.com/densitymap/
ゼンリン・データコム HPより
2014年9月1日(火) 6時~7時の有楽町周辺
位置情報(人の動態):携帯端末
GPS情報は大震災前からWeb公開
遡って24時間前からの人の動きも
人
口
密
度
高
低
震災ビッグデータワークショップ:Masters&Forever22の報告より
ゼンリン・データコム
混雑統計®
(250メートルメッシュ)
岩手県・大槌町
2011/3/11 07:00~08:00
位置情報(人の動態):携帯端末
被災地の人の動きの再現(3・11朝)
人
口
密
度
高
低
津波到達ライン
ゼンリン・データコム
混雑統計®
(250メートルメッシュ)
岩手県・大槌町
位置情報(人の動態):携帯端末
被災地の人の動きの再現(3・11津波後)
2011/3/11 16:00~17:00
直前:避難必要 直後:孤立 シミュレーション
②
③
④
①宮城県・気仙沼市
10メートル
位置情報(人の動態):携帯端末
*誰がどのような目的で活用するかが課題
・アプリで許可とった人のみ=許可明確化
数に限りあり・属性なし
・準天頂衛星が上がれば
精度は数10センチ以内になると期待
・但し、屋内・地下街のデータはとれない
・通話成立のため通信キャリアが入手
=利用者全数・属性わかる
・但し、基地局内端末数のため、
基地局範囲の500m~1Kメッシュ
データで、GPSより精度落ちる
・屋内や地下街でもデータとれる
・AP毎のデータのみのため全容把握には
APのデータをまとめる必要あり
・他の屋内測位技術あり、災害対応に
はシームレス化が求められるところ
位置情報(人の動態):携帯端末
大震災後、多様な位置情報の測位手段広がる
基地局情報は帰宅困難者対策に活用中
*震災後は、調査後1か月で提供可能な
「モバイル空間統計」提供開始
*対象はドコモユーザー全数
*平日・休日共にデータ入手可
*埼玉県庁は約1000万円で導入
*震災前までは、10年に一度の
東京都市圏大規模アンケート
「パーソントリップ調査」で推計
*調査頻度少(情報が新鮮でない)
*回収率低(140万世帯対象25%)
*平日のデータしかない
位置情報(人の動態):携帯端末
NTTドコモ HPより
・アプリで許可とった人のみ=許可明確化
数に限りあり・属性なし
・準天頂衛星が上がれば
精度は数10センチ以内になると期待
・但し、屋内・地下街のデータはとれない
・通話成立のため通信キャリアが入手
=利用者全数・属性わかる
・但し、基地局内端末数のため、
基地局範囲の500m~1Kメッシュ
データで、GPSより精度落ちる
・屋内や地下街でもデータとれる
・AP毎のデータのみのため全容把握には
APのデータをまとめる必要あり
・他の屋内測位技術あり、災害対応に
はシームレス化が求められるところ
位置情報(人の動態):携帯端末
大震災後、多様な位置情報の測位手段広がる
屋内から外までの個別避難誘導も検討中
位置情報(人の動態):携帯端末
→導入のイメージは、
ターミナル、地下街、商業施設・ビルなど
今年度、総務省・国交省で実証実験
総務省G空間関連資料より
個々人の位置情報に基づいて
持っているスマホへの個別避難
誘導が検討されている
車の位置情報
44
車の位置(プローブ)=交通の動態携帯端末の位置=人口の動態
4万人以上
3万人以上
2万人以上
1万人以上
0.5万人以上
0.5万人未満
前の1時間と比較し
て混雑度が20%
以上増加した地域
火災
通行止
避難所
山手線
埼京線
銀座線
半蔵門線
副都心線
東横線
田園都市線
井の頭線
バス
運休
運休
▲運転再開(22:50)
運転再開
運転再開
▲運転再開(22:30)
▲運転再開(22:30)
▲運転再開(22:10)
一部運行
危険関連発言
本格スタートは東日本大震災から
ホンダは12日10時半~
ITS Japan (業界団体)は
震災1週間後の18日~
位置情報(車の動態):カーナビ
*被災地内からの避難には使えず。外部から被災地への救援に活用
速やかな提供に向け、震災後業界団体で実験
<東日本大震災時>
統合は震災8日後
各社の情報を手動集約
データは乗用車のみ
更新は1日1回
GoogleMapのみ対応
各社の情報を自動集約
タクシーとトラック追加
更新頻度高(1時間毎等)
各種地図への対応
<13年2/12~26実施>
青森市・石巻市・仙台市・東京都心部
位置情報(車の動態):カーナビ
13年の東京マラソン時、リアルタイムで確認
スタート時の9時~10時@都庁周辺 10時~11時@第一京浜
位置情報(車の動態):カーナビ
発生時に各社対応:関東甲信豪雪(14年2月)
位置情報(車の動態):カーナビ
ホンダ(インターナビ)
ホンダHPより
位置情報(車の動態):カーナビ
広島大規模土砂災害(8月20日~)
トヨタ自動車
トヨタ「G-BOOK」HPより
自治体への平時からのリアルタイム提供も
トヨタ自動車
13年6月~ 自治体向けに
ビッグデータ交通情報提供開始
*330万台のリアルタイム通行情報
*SNSの投稿情報も地図に反映
*自治体へ避難所、緊急車両表示
*月額20万円~のサービス展開
位置情報(車の動態):カーナビ
*平時から対策検討でき、有事にはする活用できるメリットあり。
*自治体単独で平時からのコスト負担はなかなか困難
DOMINGOプロジェクト(東北大・ホンダ・気象協会・アジア航測等
http://www.cps-project.sakura.ne.jp/domingo-web/index.html
提
供
検
討
中
個別カーナビ
やスマホなどに
情報を伝達
*情報伝達の責任は誰が担うのか?(提供会社?車会社?自治体?)
個々の車への個別避難誘導も検討中
4)センサー情報を
どう活用するか
HPでの河川のモニタリングは一般的に
河川だけでなく山間部にもセンサー設置へ
*河川については随時モニタリング中だが、
土砂災害特別警戒区域(全国20万か所)にも順次設置進む?
広島大規模土砂災害箇所に設置中
NHK HPより
大規模土砂移動検知システム(国交省)
国交省資料より
250mメッシュ30分後の降雨予測入手可能に
気象庁
今年8月~
降水予測の高度化開始
(30分先まで・250mメッシュ)
↓
*PCやスマホで誰でもアクセス
*的確な個人の避難行動や
自治体の災害対応が
とれることを期待
気象庁HPより
8月24日12時~13時
京都府福知山市
1時間に110ミリの
記録的短時間豪雨
土砂災害警戒情報の補完情報も公開中
気象庁
土砂災害警戒情報に加え
メッシュ情報も公開中
*5キロメッシュ
*10分おきに更新
気象庁HPより
データ見る力養い、災害情報も自助・共助で
各種ハザードマップ(千代田区)
との組み合わせで判断
4)災害ビッグデータ
活用のポイント
災害ビッグデータを活用するための整理
60
①目的の整理
=いつ・どこで・だれが・どのように
②状況の俯瞰
=地図化は不可欠(位置情報の付与)
③検討の前提
=静的情報の整備とオープンデータ化
④個別伝達への対応
=伝送路・伝達の主体とその責任
①データに翻弄される前に…
自治体や地域による活用事例
1)平時(防災・ハード)
→都市計画(道路・公園などの設置・拡張)・避難路整備
→密集市街地の防火対策
2)平時(防災・ソフト)
→要援護者支援計画・帰宅困難者対応計画の策定
→個別情報伝達システム検討(スマホ・カーナビ・サイネージ)
→情報ボランティアの育成(道路通行止めなどのリポート)
3)発災直前~発災後
→前兆情報の把握と伝達
→危険想定地域への重点的な避難誘導や混乱防止対応
→救援必要な地区の優先順位付けや孤立地区把握と対応
→効果的な復旧施策検討(避難所運営・ライフライン情報提供)
②地図化してこそ価値。マッシュアップも。
災害対策基本法改正(2011年6月)
第51条
(以下 新設)
2 災害応急対策責任者は、前項の災害に関する情報の収集
及び伝達に当たっては地理空間情報(地理空間情報活用
推進基本法(平成十九年法律第六十三号)第二条第一項
に規定する地理空間情報をいう)の活用に努めなければ
ならない。
静的情報 動的情報
主体 平時(全般) 平時(防災関連) 平時+災害直前直後 発災後
自治体 市区町村(都道府県)
基盤地図・地盤データ
避難勧告・指示 被害情報・通行止め情報
住民基本台帳情報 ハザードマップ 各種気象警戒情報 避難所・給水配給所開設情報
道路管理・下水道地図 防災拠点・避難所・避難ビル 各種ライフライン情報
都市計画地図<公的施設> 渋滞・地滑り・防火対策地域 救援物資情報
固定資産<建物>情報 要援護者居住情報 ボランティア・NPO受け入れ
国 国土地理院 基盤地図 衛星画像
気象庁・国土交通省 各種気象センサー位置情報
J-ALERT・緊急地震速報 雨量計・浸水センサー・
河川水位計・地滑り情報
河川カメラ・GPS波浪計
内閣府
被害推計<DIS・RAS>
広域ライフライン情報
消防庁・警察・自衛隊 交番・消防署所在地 被害情報・救援情報
通行止め情報
指定公共 ライフライン事業者 施設所在地 停電・放射能・ガス止・断水
機関 鉄道・バス事業者 路線図・駅位置・時刻表 運行情報・(ICカード情報) 道路・バス運行(停止)情報
医療機関 病院位置(収容人数) 要介護・援護者入院数 (電子カルテ)
通信事業者 基地局所在地 GPS・基地局情報
=避難誘導情報・孤立地域
通信不能エリア・安否情報
放送事業者 気象警報・避難情報など 災害情報・被害情報など
民間 自動車会社 渋滞情報 =通れる道情報
地図会社・アプリ事業者 GPS情報・Wi-Fi測位情報 =避難誘導情報・孤立地域
駅・ビル・ホテル管理者 非常口・避難ルート 施設被害・避難受け入れ情報
SNS事業者 気象警報・避難情報など SOS発信・被害情報・NPO
ネット事業者 基盤地図など 気象警報・避難情報など →災害情報PFにて情報集約
③ベースとなるのは静的情報
総務省G空間関連資料より
①ネットは使える?
②伝達の責任は?
③的確な内容とは?
①ネットは使える? 大震災には通信・ネットは壊滅状態
→通信キャリアは基地局大容量化、蓄電&自家発電整備で対応
輻輳&通信制限は起きる →Wi-Fi網整備や自立ネットワーク
②伝達の責任は? スマホなど個別端末へのプッシュ伝達、サイネージの普及進む
→自治体の立ち位置は?どこまで取り組むのか?
サイネージ:高層ビルや駅管理者の役割大
スマホ:通信事業者やコンテンツ制作者の役割大
③的確な内容とは? より個別的でピンポイントな情報が求められる
→命に関わる伝達は、瞬時に判断可能な内容を厳選する必要性あり
外国人観光客など情報空白に陥る人たちへの伝達のあり方は?
④時代は個別伝達へ。まだ課題は山積
ご静聴ありがとうございました
NHK放送文化研究所 メディア研究部
村上圭子
murakami.k-gs@nhk.or.jp
http://www.nhk.or.jp/bunken/

千代田区 講演資料