1. 複雑系工学講座・寄附講座 卒業論文 (2007 年 2 月 15 日)
エージェントベースシミュレーションの
廃棄物処理システムへの適用
複雑系工学講座 調和系工学研究室 学部 4 年 吉本 拓矢
Agent-based Simulation of
Waste Disposal System
Research Group of Complex Systems Engineering
Laboratory of Harmonious Systems Engineering
BC4 Takuya Yoshimoto
概要
環境・経済活動への影響を含めた廃棄物の処理を扱う廃棄物処理システムは
持続可能な発展を実現する上で重要になってきている．この処理システムには
環境に対する汚染の影響が時間遅れ，かつ非線形に現れるという特徴がある．
このような特徴を持つ廃棄物処理システムとして工場が湖から取水し, 浄化処
理して湖に排水するという｢The Lake｣モデルに基づいて廃棄物処理システムモ
デルを構築する．本研究では，工場を「エージェントベースシミュレーション」
によって，湖を「システムダイナミックス」によって表現し組み合わせる．ま
た，モデルの性質について検証を行った．その結果、浄化排水の割合により一
時的に高い利得を維持していたとしても、長期的に高い利得を維持するとは限
らないこと，排水処理の戦略の選択順番により工場の利得に影響が出てくるこ
と，および複数の工場が自己の利得を追求すると戦略が収束しないという性質
を持つことを確認した．