1. 週刊ダイヤモンド
（2014年10月11日発売号）
の特集
「大学評価ランキング」に
ツッコミを入れてみた。

2. こういう
ランキング

3. 現状整理
元々のランキングは、、、
集計方法：「使える」「使えない」のそれぞれ上位５校を
問い、「１位５点→２位４点→・・・→５位１点」で集計。
読み取れる情報：各大学について、比較的「使える」か
「使えない」の判断目安になる・・・？
問題点・・・①単純な引き算で得点を導いており、「割
合」の比較でない。②すべての大学が一括に比較さ
れていて、同質な大学間の差などの情報が取りづらい。
 改善方法
「使えるポイント」を「総ポイント数」で割り、「使える率」を
導く。それと「総ポイント数」との２軸で、大学間のポジショ
ニングを俯瞰してから細かく考察する。

4. （図１）全体散布図
ハーバード(25)
国際教養(28)
B群
100.0%
90.0%
80.0%
70.0%
60.0%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
A群
C群
D群
慶應(1)
早稲田(2)
東大(5)
京都(3)
0 500 1000 1500 2000 2500 3000
※縦軸：使える率、横軸：総ポイント数、カッコ内の数字は元のランキング順位

5. 図１から読み取れる情報
 A群；慶應(1)、早稲田(2)、東京(5)
– 「総ポイント数」が大きく、「使える率」も高い。いわゆる名
門大学で、逆に「使えない」という評価も受けやすくポイン
トが高くなっていると推察される。※京都(3)も同傾向。
 B群；ハーバード(25)、国際教養(28)
– 「使える率」が100％だが、算出方法により元々のランキン
グでは最上位には位置していない。日本企業に多く人材
輩出されていないが、卒業生は非常に優秀だと判断可能。
 正直なところ
 ここまでは完全にステレオタイプ通りで、何も新しい発見
なし。。。orz

6. さらに深く読み込むために
外れ値を除いて、C群を中心とした散布図を
作成する。
– 比較的”使える”とされた大学間の質的な差異を
見出す。
D群を中心とした散布図を作成する。
– 比較的”使えない”とされた大学間の質的な差異
を見出す。

7. （図２）比較的”使える”とされた大学
※外れ値（A群、B群、京都）を除外
90.0%
85.0%
80.0%
75.0%
70.0%
65.0%
60.0%
55.0%
50.0%
東京工業(6)
一橋(4)
広島(27)
国際基督教(11)
明治(8)
立教(31)
0 100 200 300 400 500 600 700 800 900

8. 図２から読み取れる情報
慶應(1)より「使える率」が高い４大学
– 東京工業(6)、国際基督教(11)、一橋(4)、広島(27)は、
「使える率」が慶應（80.2%）より高くなっている。
明治(8)のポジショニング
– 「使える率」のみでは25位となっており、たとえば上記
の国際基督教(11)や広島(27)などと比較した場合に
どう映るかは評価が分かれそう。
※立教(31)については後述。

9. （図３）比較的”使えない”とされた大学
50.0%
45.0%
40.0%
35.0%
30.0%
25.0%
20.0%
15.0%
10.0%
5.0%
0.0%
「ほぼC群ですけど」群
→関西(W19)
「人材輩出の貢献度は
高いんですけど」群
→青山学院(W3)、日本(W2)、
法政(W1)
0 100 200 300 400 500 600 700 800

10. 「ほぼC群ですけど」群について
B群
100.0%
90.0%
80.0%
70.0%
60.0%
50.0%
40.0%
30.0%
20.0%
10.0%
0.0%
A群
C群
立教(31)
関西(W19)
D群
トップランカーの立教と
ワーストランカーの関西との間に、
そこまで大きな差異はない
とも言えそう。
0 500 1000 1500 2000 2500 3000

11. 「人材輩出の貢献度は
高いんですけど」群について
元々のランキングでワースト３となっている法
政、日本、青山学院は、ランキング上位の大学
よりも「使える」という評価を集めている。
→「どの大学が使えるか」の上位５校を回答するという集計方法から考えて、トップラン
カーの国立大より多くポイントを得ている点を考慮せずにワースト判断をするのは疑問。
法政(W1) 日本(W2) 青山学院(W3)
１２５
２３９
１６６
（全体２１位）
（全体１１位）
（全体１６位）
【参考】
横浜国立(22) １２３
名古屋(16) １１３
九州(20) １１０

12. なかなか擁護しづらいのは。。。
50.0%
45.0%
40.0%
35.0%
30.0%
25.0%
20.0%
15.0%
10.0%
5.0%
0.0%
青山学院(W3) 日本(W2)
法政(W1)
関西(W19)
学習院(W4)
・・・上記の「○○ですけど」の２群とは
別の群に属していると言わざるを得ない。。
0 100 200 300 400 500 600 700 800
「使える率」が０ポイント・・・国士舘、名城、文京、亜細亜、茨城、宇都宮、関東学院

13. まとめ
もっと高く評価されるべきかも
– ハーバード・国際教養←使える率100％！
– 国際基督教・広島←使える率は慶應より上！
– 関西・法政・青学・日本←ワーストとか言うな！
高く評価されてるけども、、、
– 明治←集計方法が上手く働いた側面も？
“使えない”の中でも、、、
– 学習院や「使える率０」グループは確かに…

14. とはいえ、
そもそも、
 「使える」「使えない」って
何だろう。
 これって「人」の調査でなく、
「意識」の調査だよね。
→とりあえず話半分で参りましょ（・ω・）