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Kanda_Voronoi
1. 工 nformation 灲敳湧
潣獩 卯整
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灡
数理モデル化と問題解決 ㌶ 㜠
⠲〰 ㄮ 㤮 㜩
断面ボロノイ図あてはめ問題の提案
一問題の性質・実用的な解法・応用の可能性一
神田毅↑
概要.平面分割図形を近似するボロノイ図を求める問題ーすなわち「ボロノイ図あてはめ問題J ーが
知られているが、その拡張として「断面ボロノイ図あてはめ問題J を新しく提案する。まずこの問題を
定義して、次に解空間の性質などいくつかの性質について考察する。そして、この問題の反復解法を提
案して、断面が複数枚の場合も含めて数値実験で適用してみる。最後に応用の可能性について述べる。
例えば、 3 次元ボロノイ図に似ているとされているものを実際に観察する場合に、直接観察できるのは
その断面だけになるので、そこから元の立体的な構造の性質を推定することが考えられる。
偲潳
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ㄠ はじめに 2 準備
平面を多角形で分割した図形を近似するボロノイ図 この節では、必要な予備知識を見直す 。
を求めるという「ボロノイ図あてはめ問題 J にたいして、
数種類の解法と応用例が知られている 。 これらの中には、 ㈮
ㄠ ラゲールポロノイ図
幾何学的考察から与えられた図形がボロノイ図か否かを
判定するもの [1] 、食い違いの面積を最急降下法で極小 円集合 {Cn 䤠 㴠 1 , 2 , ..., N (Cn は、中心が
渠 }
化するもの [2] 、母点が与えられた辺の垂直 2 等分線上 Pn(Xn , Yn) 、半径が r n の円とする)が平面上で与えら
れているものとする 。 2 次元のラゲールボ口ノイ図 [6]
にあることを利用するもの [3ト線形計画法によって与
[8] とは、その中のどの円に最も近いかによって平面を
えられた図形がボロノイ図か否かを判定するもの [4] が
ある。この問題は行政区画の解析 [2] に用いられ、また、 分割して作った図形である。ただし、ここでの「近い J
自然界に見られる分割図形のモデル化や解析にも用いら の意味は通常とは異なる。式で表すなら、
れる。 νL( Cπ) =η {C(x , 礩 䤠 P) 三 dLi(P)} ,
d川 ⠱
⤠
一方、本稿では、あてはめるものとして 3 次元のボ Z 干~n
ロノイ図の断面を考える。つまり、 「断面ボロノイ図あ
摌倩 㴠⡸ 塮 ⬠(ν 一 νnfl
渨 ⤲ 1>~ ⠲
⤠
てはめ問題」を新しく提案する。ここで提案する問題は、
既存のボロノイ図あてはめ問題の拡張となっている点で、
で定義される勢力圏の集合 {ν (Pn) 䤠 㴠1, 2 , •• . , N}
渠
によって、平面を分割した図形である。式 (2) の
新規性を有する 。 本稿はこの問題の性質を探り、実用的
な解法を提案して適用してみる。具体的には、まずこの dLn(P) はラゲール距離と呼ばれ、もし /2. P(x , y) が円
問題の解空間の性質を考察する。そして、反復解法を提 Cn の外にあれば、 P(x , ν) から円 Cn への接線の長さ
の 2 乗という意味を持つ 。
案して数値実験を行ない、応用例を考える 。
I 東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻
㈮
㈠ 断面ボロノイ図
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z が 3 次元
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y 空間内で与えられているものとする 。 これら N 個の点
「
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䤭 扲
3. 断面ポ口ノイ図母点決定の自由度 と定義し、非 2 等分性の尺度 b を
1 枚の断面の断面ボロノイ図あてはめ問題の解の自由
度は、前述の定理 1 からわかるように、相反図形決定の
工工 l'ij ⡨ 樠
❜ hλji)2
自由度、相反図形を 1 つ定めた後に各母点をその頂点の
戠 㴽 ⠠⤠
ㄷ
真上または真下のどこに置くかという選択をする自由度
の 2 種類の合計である。前者は前節で述べた通りで 3 自 写会 ζλ lλ1)
由度あり、後者は以下の通りである 。 まず、断面ボロノ
M 八 一回
イ図の母点をこの相反図形の頂点の真上、真下のどちら
に置くかで 2 N 個の選択肢がある。さらに、 N 個の母 =市i EZλ 涜L ⠱
㠩
点を全体的に断面からどの程度離すかで l 自由度の任意
性がある。 と定義する。ただし、式が煩雑になるのを防ぐために、
途中で
㌮㌠ 断面ポ口ノイ図あてはめ法 Iλ ij = αλji 一 αλ ij ⤨塪 X ,)
:
+ (b λji 쁩 ⤨
樠 奪 奤
ポロノイ図の境界の性質を考慮して、断面ボロノイ
⬠ (cλji Cλ ij ⤨婪 㬩 ⠠⤠
ㄹ
図あてはめ問題における「近い J の意味を、 「元の平面
分割図形の辺が、その両側の領域冗g と冗j に対応する 。λIJ
一 内tjj+TJzj ,2 十勾ij ,3
母点 Pi と乃を結んだ線分の垂直 2 等分面に近い」こと
とする。まだ「近い J の意味が暖昧であるが、その「近 ーゾTLts l+ 勾川 +TZjg p ⠲
〩
さ」を表す定義式を以下で構成する。なお、この節では、 Tλ ij , l (b入ji bλ り )(Zi 一 CÀij)
全ての断面における領域同士の対応関係が完全にわかっ
一 (C ,ji 一 CÀij )(め - b λ り), ⠲
ㄩ
ているものとして問題を考える。
Tλ 仏 2
一
⠠CÀji 一 CÀij )(町 一 αλ ij )
第 λ 断面で、領域冗 λs と冗 λj が共有するボロノイ辺
を、断面ごとに定めたある一定の方向から見て冗 μ が
一 (αλji a入 ij)(Zi- CÀij) , ⠲
㈩
左側となるように向き付けした時の始点を V, ij 、その Tλ ij , 3 (a入Jt 一 αλり)(約一 b>. ij)
座標を (aλ ij , b'ij , Cλij) とし、そのボロノイ辺の長さ 一 (b ,ji 戧 ⤨ 椠
屩樠 aλ ij) ⠲
㌩
を l'ij とする。さらに、 R 、 Pj から直線竹 ij'仏ji に下
ろした垂線の長さを、それぞれ hλij 、 hλJt とし、その が定義されている 。 また、 p と b は、ともに無次元量で
2 垂線の足の間の距離を dij とする。 ある 。 これらの定義を与える際に、 d;j や (h ij ✲
の値にたいして、 lλ ii での重み付き平均を取り、さらに
そして、第入断面に見られる平面分割図形で、隣合
う 2 領域の番号の対の集合をあらわす記号
全体を守で割っているのは、平面分割図形の形状が同
じである限り、平面分割図形の任意の辺が過剰に分割し
て与えられたとしても、 p や b の値が変わらないように
㰠
E入三 {(i , j) I 冗 λi n 冗 λ j :メ<jJ, 椠 j},
し、かつ、与えられた平面分割図形を相似なまま拡大し
(入= 1, 2 , ..., A
) )(
3
1 たり、同じ平面分割図形を隣に貼り合わせて拡大したり
しても、 p や b の値が変わらないようにするためである 。
を定義する。また、全断面における平面分割図形の辺の そして、目的関数
長さの(枠を除いた)総和
f(Xl , Yl , Zl , ... , XN , YN , ZN) 三 (1-k)p+kb ⠲
㐩
䰽㴠 䰠䰠 桩樠 ⠱
㐩 を最急降下法によって最小化する 。 k は 2 等分性重視度
と呼ぶことにする 。 o 㰠k く 1 の範囲から自由に値を
決めてよいが、以下の実験では k 㴠0.5 に統 ー する。
を計算しておいて、非垂直性の尺度 p を ここで、目的関数 f を各変数 X n 、 Yn 、 zn(n=112 ,
・・, N) で偏微分した式が必要となる 。 まず、第入断面
䰠䰠 氩 摌 樠
≩樠
で見られる平面分割図形で、第 n 母点に対応する領域
と隣合う領域の番号の集合をあらわす記号 t:). n を
P ⠱
㔩
三字会 ζλlλ 1)
ζλn
琺'n
三
三
{k
{k
䤠 , k)
(n
䤠 , n)
(k
εελ} ,
εελ} , 2
6
)(
⠲
㔩
t:)..n 三ム nUl入 n ⠲
㜩
=合会主主 ⠱
㘩
によって定義しておく 。 目的関数 f を各変数で偏微分
q 門i
ノ
臼
义 䱩 卥
䤭 扲 牶
4. 工 nformation 灲敳湧
潣獩 卯整
捩礠 潦 䩡渠
灡
した式は、非垂直性 p を各変数で偏微分した式 第 2 の応用は、 3 次元的セル構造の断面が与えられ
䄠 た時、そもそもこの構造がどのくらいボロノイ図に近い
θp
~, Lε 21入nk のかを測ったり、それがボロノイ図に近いという仮定を
δXn LI冗 |λ=l 歅䕨 汁
湫 できるなら、その 3 次元構造の性質を何か引き出せると
砠 (αλ nk ー αλ kn) , いう可能性である。
䄠
θp
~, L ㈠ 湫 㔠 まとめと課題
θ Yn LI冗|入=lkEEh 桮欠
本稿は、既存のボロノイ図あてはめ問題を拡張して、
砠 ⡢
⤮欠 bλ kn) ,
䄠 断面ボロノイ図あてはめ問題を提案し、その問題の性質
θp
一
~1] 1 䰠䰠 ㈠1入叫 について考察し、反復解法を 1 つ示した。そして、その
θ Zn LI冗 |A--ARL6F Cλ
ヒ 入nk 反復解法を問題例に適用してみたが、まだ成功していな
砠 (c入 nk C入 kn) ⠲
㠩 い。さらに、上記応用例の検証が課題である。
と、非 2 等分性 b を各変数で偏微分した式
参考文献
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から容易に計算できる。式 (29) のある項の分母
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14 , N 1 , p . 93-105 , F
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小さくなる。実験では、便宜的にこの場合のこの項の値
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20 , p . 209-243 , .
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ては、はじめにも述べたように、大雑把に 2 種類考えら
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. p 78-96 ,
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87
第 1 の応用は、断面ボロノイ図を、実際に見られる
平面分割図形を近似するモデルとして用いることである。
これまで、ボロノイ図にたいしてそれが行なわれていて、
煩雑な平面分割図形の動きのシミュレーションも、ボロ
ノイ図による近似が良いものであれば、母点だけの動き
のシミュレーションで代用できた。同様のことを断面ボ
ロノイ図で行なえば、このモデル化が許容できる平面分
割図形の範囲が、各領域がもっ勢力が均等でないような
平面分割図形に広げられたことになる。
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