光と影
- 1. 多賀 優<br />IB Japanese A2 SL 2, P6<br />2011年4月18日<br />日本文化の光と闇<br /> 伝統文化の美しさを惹き出す物、色や音の大きさある。日本文化の美を惹き出す要素として光の量と光によって生み出される影が文化品をより目立たせる。坂東玉三郎の「光のありかを求めて」(テキストa)と谷崎潤一郎の「陰影礼讃」(テキストb)は日本の美を惹き出す要素とその要素を使うことを通して日本のすばらしさを示している。<br /> テキストaとテキストbでは伝統文化を惹き出す要素として、“光”を使い日本の美が生まれることが共通している。テキストaでは「光」(4行目)は「デザイナーがいい色を出す」(11行目)ことができると坂東は述べている。つまり、日本の光の使い方により西洋や他文化と違った独自の色使いを表すことができる。テキストbでも同様に「光り」(8行目)の重要性を谷崎は述べている。谷崎は日本の食べ物のことを語り、光と明るさが「色合いの深さ、複雑さは西洋の菓子には絶対に見られない」(8~9行目)ことは光が日本の文化品と混ざることにより西洋より高度なものを作り上げている。このように光は日本文化を惹きだす重要な役割を担っている。<br /> 2つのテキストで光は重要な役割をしているが、テキストbでは光より影が物を美しくさせる要素である。テキストaでは「蛍光灯」(1行目)が繰り返され光の重要性を示している。しかし、テキストbでは食べ物が「闇と調和すること」(14行目)によりその食べ物がより美しく見えるようになる。さらに、「炊きたての真っ白な飯が」(17行目)暗い場所に置かれることによりご飯の「一粒一粒真珠のようにかがや」(18行目)く。これは、背景が暗いことにより暗闇にあるものは強調され日本の文化品に隠された美を引き出すことができる。このことから、日本の美を惹き出す要素は光と影があり、違った特徴を生み出し他の文化と違った独自の独特な文化を日本は持っていることを坂東と谷崎は私たちに伝えようとしている。<br />坂東と谷崎は光や闇を使って日本文化の美しさを表している。坂東は日本の伝統奉行の一つの歌舞を通して日本文化を説明している。坂東にとって日本文化には「お化粧」(7行目)や「いい色を出す」(11行目)ことが日本文化を独特にしている。さらに、谷崎は日本食を通して食べ物の「色あい」(10行目)が我が国の文化を特別にしていることを主張している。このことから、二人とも日本文化は欧米の文化の違いを示しこの文化を守る必要があることを私たちに伝えている。<br />坂東と谷崎は光や闇を使って日本文化の美しさを表しているが、歌舞と食べ物という違った形で日本文化の美しさを示している。坂東は日本文化の一つの歌舞役者で、歌舞に使われる明りを使いながら光の重要性を説明している。彼は「お化粧する時」(7行目)や「自宅でもいっさい蛍光灯は使わない」(8行目)、なぜなら「着物の色なんて全然分からなくなってしまうから」(8行目)だ。テキストaでは蛍光灯は西洋の文化のことを表している。つまり、歌舞役者としてお化粧や着物の色は日本文化を表す重要な物で、西洋の文化(蛍光灯)を使うと日本の美を十分に惹き出すことができない。したがって、坂東は日本の光を使い日本文化を表している。しかし、谷崎は日本食を使って日本の美を表している。日本食は「蝋燭の灯と漆の器とが合奏」(5行目)により「ほんとうはそううまくない洋羹でも、味に異様な深みが添わるように」(12-13行目)見せることができる。このことから、闇はただ日本食を目立たせるだけではなく人々の視覚を変え前の考えを変える力を持っている。したがって、坂東と谷崎は違った方法で日本の美と日本文化のすばらしさを表している。<br />日本文化を大切に守ることは私たち日本人として大切なことである。このグローバル社会の中様々な文化が入り混じり、大抵欧米の影響が強く日本文化が崩れつつある。そのなかで、坂東玉三郎と谷崎潤一郎は日本の文化のすばらしさを光と闇を通して表現し日本文化を守ることを読者に伝えた。そこで私たちは欧米の文化ばかりを受け入れ自国の文化を置き去りにせず、日本文化を守りながらこのグローバル社会を生きる必要がある。<br />