ICC 2022

1. スタートアップ投資家（クロスオーバー/海外含む）
27社にヒアリング

2. Q1. 投資スタンス（金額や件数）に変化はありますか？
Q2. Valuationに変化はありますか？
Q3. 起業家側の変化を感じますか？
(Q4. 海外投資先への影響と比較して差分はありますか？)
投資家への質問

3. 33%
67%
Q1. 投資スタンスの変化
全体の2/3が投資スタンス（投資ペース、金額、件数）には変化がないと回答
14%
13%
50%
67%
86%
88%
50%
33%
Seed
Early
Middle/Later
Public/X-over
変化アリ
変化ナシ

4. Q1. 投資スタンスの変化（コメント）
アーリー中心に資金量は引続き豊富。投資件数減も1件あたり投資金額増
Seed
⚫ 何も変わらない
⚫ むしろ拡大基調
⚫ 既存先への追加投資機会が増加
Early
⚫ ファンドサイズ増により引続き積極的
⚫ 先を見越して1件当たりの金額が増加
⚫ 厳選投資傾向
Middle/Later ⚫ 数年ぶりに拡大傾向
⚫ Exitまでの期間短いため影響大（一旦
手控え）
Public/X-over
⚫ 新たなアセットクラス、引続き積極的に
取組む
⚫ 未上場枠は消化済
⚫ 一旦停止

5. 62%
38%
Q2. バリュエーションの変化
バリュエーションに関しては6割以上の投資家が影響を認識
変化アリ
変化ナシ
29%
50%
83%
100%
71%
50%
17%
Seed
Early
Middle/Later
Public/X-over

6. Q2. バリュエーションの変化（コメント）
アーリーは明確に二極化（強い会社は強い）。ミドルレイターは20-30%減
Seed
⚫ 変わらない
⚫ High-Profileの起業家は依然として
強気
⚫ 次のラウンドでのValue-upが少ない
⚫ これまで競り負けていたような案件に投
資出来ている
Early
⚫ 良い会社は強気のバリュエーション
⚫ バリュエーションより事業の非連続性に
着目しているので相違ない
⚫ シリーズB,Cで明確なダウントレンド
⚫ PSR10x以下が目安
Middle/Later ⚫ 水準は変更していない
⚫ 上場企業のマルチプルに準拠
⚫ 20-30%は明確に目線が変わった
Public/X-over ⚫ ようやく平常状態
⚫ PSR20x以上は話にならない
⚫ 答えられない

7. Q2. バリュエーションの変化（ご参考）
マザーズ指数PERは2018-2020平均と同水準
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
13/1 14/1 15/1 16/1 17/1 18/1 19/1 20/1 21/1 22/1
2021年平均
2018-2020年平均

8. Q2. バリュエーションの変化（ご参考）
上場SaaS企業の直近売上マルチプルは7x前後
出所：projection-ai

9. Q3. 起業家側の変化
起業家側の変化については意見が分かれる結果に
変化アリ
変化ナシ
52%
48%
43%
50%
50%
75%
57%
50%
50%
25%
Seed
Early
Middle/Later
Public/X-over

10. Q3. 起業家側の変化（コメント）
投資家側のバリュエーション感覚と起業家側に一定の時間差が存在
Seed
⚫ リセッションの経験なく変化なし
⚫ 地方と東京で情報速度に差異
⚫ 金額を集める動きにシフト
Early
⚫ 不変（ゆえに感覚値が乖離）
⚫ 良い企業は粛々と事業に集中している
⚫ SaaS起業家は変化に順応
⚫ ランウェイ確保に走る起業家が多い
Middle/Later ⚫ 状況把握に努めている状況で不変
⚫ 対応済の起業家は少なくない
⚫ 既存株主の態度が軟化
⚫ 一度断ってもVal変わって戻ってくる
Public/X-over ⚫ まだ高い
⚫ 駆け込みピッチが増えている
⚫ 調整した水準での提案が増えている
⚫ 予約権を使ったスキーム変更も

11. まとめ
⚫ 資金量は引続き豊富
⚫ アーリーは二極化が進行
➢ ユニコーン候補とユニコーン狙い投資家（いずれも少数）
➢ マルチプルでバリュエーションを語るな
⚫ シリーズB前後（Val.30-50億円）での調達難易度の高まり
➢ M&A、ロールアップの可能性
⚫ ミドルレイターはバリュエーション感応度高
➢ 海外投資家ブームの（少なくとも）一時停止
➢ 金額感を大きく外すとネガティブサイクルへ