土壌学勉強会#1
- 4. ~第2章 土壌は「環境の産物」~
岩石から土壌へ -風化作用-
物理的風化
1)除荷作用
表面物質の荷重が除去 拘束圧減少 岩石の膨張 破裂
2)温度変化による膨張
3)亀裂に染み込んだ水の凍結、植物根の圧力による破砕
4)スレーキング
細粒質岩石の乾湿の繰り返しによる岩石の細かい崩壊
5)塩類風化作用
岩石の割れ目に塩類が集積し、結晶化することで岩石に圧力を与え、崩壊
化学的風化
1)二酸化炭素が溶解し弱酸性となった雨水による風化
2)水和作用
鉱物に水が水和 膨張
3)アリット化作用、シアリット化作用、脱ケイ酸作用
湿潤熱帯・温帯における長期に渡る風化。
塩基類やケイ酸が溶脱、難分解性のアルミナと酸化鉄が残留・富化
http://home.hiroshima-u.ac.jp/er/ES_W_F6A.html
- 13. ~第2章 土壌は「環境の産物」~
土壌断面が語る水分環境
1)鉄の斑紋
酸化鉄
多少排水の悪い土壌 還元鉄
還元状態 徐々に
還元鉄 排水
(水に溶け、 酸化鉄
多量の降雨 部分的に集合)
地下水の影響を受けたことを示す
2)グライ層
酸化鉄
粘質で排水の悪い土壌
還元状態 還元鉄として安定
還元鉄 青灰色、青緑色の土層
(水に溶け、
多量の降雨 部分的に集合)
土層が地下水位以下にあったことを示す
- 16. ~第2章 土壌は「環境の産物」~
日本の土壌
造成土
いわゆる人口土壌
泥炭土 黒泥土(黒色)
低温湿潤 植物遺体(完全に分解されていない) 低温湿潤 植物遺体(完全分解)
ポドゾル(漂白層or集積層)
低温湿潤 降雨>蒸発・蒸散
砂丘未熟土 火山放出物未熟土
土層分化不十分な砂 土層分化不十分な火山放出物
黒ボク土
土壌分化した火山灰由来の土壌。いずれもリン酸吸収係数が高い。
火山灰に含まれる活性アルミナと有機物が結合するため、日本国内の他の土壌と比べると有機
物の含有量が非常に多く、有機物の効力で植物に適した団粒構造をなす。ただしアルミナの影
響でリン酸分の吸着力が高いため、リン酸分が不足しやすく、施肥をおこなわないとやせた土壌
となる。