石木ダムに関する意識調査 結果報告書
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パタゴニアは「ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて
実行する」ことを企業理念の中に掲げ、様々な環境保護活動を行っています。
長崎県と佐世保市が東彼杵郡川棚町に建設計画を進める石木ダムについて、
多額の税金を投入しながら豊かな自然と13世帯の生活を奪うだけの建設の
正当性や説明が乏しいことを疑問視してきました。
そこでパタゴニアでは外部のリサーチ会社を利用し、今年5月23日〜31日の
期間で長崎県民2500人を対象とした「石木ダム建設計画」に関する調査を実
施しました。
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調査概要
• 期間:2017年5月23日(火)~5月31日(水)
• 調査対象:長崎県民
• 調査人数:2500人
• 対象年齢:20代以下/20代/30代/40代/50代/60代/60代以上
• 調査方法:インターネット調査/楽天リサーチ株式会社
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調査結果まとめ
●ダム建設に「反対」の割合が「賛成」を上回る
ダム建設に反対する人の割合は賛成する人を上回りました。また、長崎県民
が538億円もの負担を負う事業にもかかわらず、県民の2人に1人が石木ダム
の計画について「よく分からない」と答えました。
●県民の約8割が「説明が不十分」と回答
石木ダムの建設計画は40年前からあるため、「石木ダム」という名称自体は
有名です。しかし、その必要性や県民の負担についてきちんと理解できてい
る県民は少なく、調査では、県民の約8割が、県が「十分な説明をしていない」
と答えました。
巨額の公共事業の進め方として、疑問を呈さざるを得ない状態
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Q. 東彼杵郡川棚町に石木ダムというダムの建設計画があることを知っていますか。
78.4%
21.6%
知っている
知らない
県民の約8割が、石木ダムの建設計画を認知。
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Q. 石木ダムの建設に賛成ですか、反対ですか。
賛成/
どちらかというと賛成
21.9%
反対/
どちらかというと反対
27.5%
どちらでもない/
わからない
50.6%
県民の2人に1人が、石木ダムの建設計画を「分からない」。
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Q. 石木ダムの建設に賛成ですか、反対ですか。
賛成/
どちらかというと賛成
28.8%
反対/
どちらかというと反対
31.2%
どちらでもない/
わからない
40.0%
佐世保市民
佐世保市民は「賛成」と「反対」が拮抗。4割は「分からない」。
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Q. 前問で「賛成」「どちらかというと賛成」とお答えの方にお伺いします。
石木ダム建設に賛成する理由は何ですか。もっとも同意する理由を一つ選んでください。
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0
川棚町で洪水が起こる可能性があるから
佐世保市の水は足りていないから
すでに長崎県と佐世保市が決めた計画だから
ダム建設で地域に雇用がうまれるから
平成6年の渇水のような苦労はしたくないから
反対する理由がないから
その他
11.5%
35.8%
12.8%
5.5%
17.9%
13.5%
3.1%
「佐世保市の水不足」が、石木ダム建設「賛成」理由のトップ。
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0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0
ダム建設予定地にまだ人が住んでいるから
多額の無駄な税金が使われているから
洪水の心配はほとんどないから
佐世保の水は足りているから
万が一渇水に備えるならダム以外の方法を考えたいから
川棚町の美しい自然が失われるから
水道料金が高くなるかもしれないから
その他
12.1%
4.4%
27.1%
29.1%
8.6%
12.5%
1.7%
4.5%
Q. 前問で「反対」「どちらかというと反対」とお答えの方にお伺いします。
石木ダム建設に反対する理由は何ですか。もっとも同意する理由を一つ選んでください。
「税金の無駄使い」「水が足りている」が、建設「反対」の二大理由。
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Q. 前問で「賛成」「どちらかというと賛成」または「どちらでもない」とお答えの方にお伺いします。
石木ダムの建設費は285億円、このうち長崎県の負担は185億円です。
佐世保市の負担はダム建設費100億円に加えて水道施設拡張254億円です。
この金額を負担しても、石木ダムの建設は必要だと考えますか。
21.6%
15.9%
62.5%
必要
必要でない
わからない
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Q. 前問で「賛成」「どちらかというと賛成」または「どちらでもない」とお答えの方にお伺いします。
石木ダムの建設予定地には13世帯54名の方が現在も居住しており、そこに残る地域社会や自然を
守りたいとダム建設に反対しています。石木ダム建設のためにはこの方々を強制的に排除する必要が
あります。この方々を強制的に排除しても石木ダムの建設は必要だと考えますか。
20.5%
22.3%
57.2%
必要
必要でない
わからない
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Q. 前問で「賛成」「どちらかというと賛成」または「どちらでもない」とお答えの方にお伺いします。
石木ダムが建設される川棚川の下流は、戦後に水害を引き起こした量と同じ程度の雨が降っても、
すでに水害が起きる心配がなくなっている、と長崎県が明らかにしています。このように水害が起きる
心配がないとしても石木ダムの建設は必要だと考えますか。
21.6%
24.0%
54.3%
はい
必要
必要でない
わからない
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Q. 石木ダムを建設しない方法で、洪水対策や渇水対策が可能である代替策があるのであれば、
そちらの方法を選んだ方がよいと思いますか。
44.7%
7.1%
48.2%
いいえ
わからない
代替策を
選んだ方がよい
県民の45%がダムに代わる代替策を希望。
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Q. 長崎市は水需要予測を見直し、2013年に本明川ダム事業から撤退しました。
この長崎市の判断をどう思いますか。
53.5%
7.9%
39.6%
評価する/
やや評価する
評価しない/
やや評価しない
わからない
県民の5割以上が、2013年の本明川ダム事業の撤退を評価。
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Q. 長崎県は自主財源に乏しく、現在行財政改革に取り組んでいますが、以下の5つの内、
長崎県が優先すべき課題は何だと思いますか。
1位 少子高齢化における地方創生事業
2位 九州新幹線西九州ルート事業
3位 県庁舎整備と現県庁舎跡地活用
4位 諫早湾干拓事業
5位 石木ダム事業
長崎県民は、石木ダムを「優先度の低い課題」と認識。
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Q. 長崎県は、石木ダムについて必要性や県民の負担等、その内容を県民に説明してきたと思いますか。
はい
いいえ
わからない
はい
いいえ
わからない
いいえ
わからない 代替策を選ん
だ方がよい
評価する
やや評価する
説明が不十分
説明が不十分
79.3%
十分に
説明した
20.7%
県民の約8割が、建設計画に対する県の「説明が不十分」だと主張。
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