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視覚的触感に触覚情報が及ぼす影響 サーベイまとめ
- 1. 11 8 月 視覚的触感に触覚情報が及ぼす影響 山本健太郎 東京大学先端科学技術研究センター 日本学術振興会 崔原齊 九州大学大学院人間環境学府 三浦佳世 九州大学大学院人間環境学研究院 The effect of tactile information on tactile impression induced by visual textures 日本基礎心理学会 2014 年 33 巻 1 号 p. 9-18 1 22020045 小澤知夏
- 3. 研究背景 感覚のモダリティ 特殊感覚 一般感覚 視覚・聴覚・嗅覚・味覚・平衡感覚 皮膚感覚・深部感覚・内臓感覚 明らかになっていること 視覚的触感がどのようにして知覚されるのか 視覚的触感にどのような情報が影響を与えるのか 明らかになっていないこと = 本研究の立ち位置 3 感覚のモダリティ ＋ 印象
- 4. 検討方法 4 1 視覚画像の観察に際する付加条件の比較 2 触覚順応の影響の測定 0 印象評価で用いるオノマトペと形容詞の選定 予備
- 5. 予備実験1 5 目的： 方法： 本実験での視覚的触感の評定に用いる尺度の選定を行うため 大学生10名（男女比1:1）平均年齢27歳に実験 JIS規格のサンドペーパー5種（#400, #240, #150, #100, #60）230mm*139mmを用いる 1. それぞれの刺激を1枚ずつランダムに呈示 2. 25種類※の評定項目に対し、感じられる印象をそれぞれ独立に7段階で評定 触覚条件→10秒間人差し指で触る 視覚条件→10秒間観察 ※固い・柔らかい・木目細かい・粗い・細かい・ざらざら・さらさら・すべすべ・滑らか・かさかさ・がさがさ・ごつごつ・ごわごわ・するする・ つぶつぶ・ぶつぶつ・くすぐったい・じゃりじゃり・しゃりしゃり・・じょりじょり・つるつる・ざりざり・ぞりぞり・さりさり・ばりばり
- 7. 予備実験2 7 目的： 方法： 本実験で使用する画像の選定を行うため 大学生11名 Adobe Photoshop C35で加工した画像と凹凸のついた回転円筒を用いる 1. ディスプレイ上に凝視点が100ms間呈示 2. 予備実験1で得た4単語の印象の程度を評定 2. ランダムに選ばれた1枚の視覚刺激が100ms秒呈示 1. 机の下に配置された触覚刺激に右手の人差し指を当て20秒間接触 視覚条件 触覚条件
- 9. 本実験1 9 目的： 視覚刺激と同時に呈示される触覚刺激が 視覚刺激から喚起される視覚的触感に影響を与えるか ど うかについて検討するため 手法： 1. デ ィス プ レイ上に凝視点 が 100 ミリ秒間出現 2. 一枚の視覚刺激 が 100 ミリ秒間呈示 3. 視覚刺激消失後に触覚刺激から指を離す 4. 視覚刺激から感 じ られる ざ ら ざ ら ， つるつる ， かさかさ ， 細かい の 4 つの印象の程度を 視覚刺激消失後に評定用紙の線分の 該当する位置にチェックをする
- 10. 本実験1 10 視覚刺激観察中に触覚刺激に触れた場合は, 触覚刺激に触れなかった場合に比 べ て 評定値 が 有意に高くなった 結果： ＝ 視覚情報から喚起される触印象に，視覚刺激と同時に呈示される 触覚情報 が 影響を及 ぼ す 触覚刺激による影響の大きさにおいて, 類似・非類似刺激の両方 で 「 ざ ら ざ ら」「かさ かさ」「細かい」印象に大きな正方向への影響 が 見られた ＝ 触覚刺激の呈示によって「 ざ ら ざ ら」「かさかさ」「細かい」印象 が より高く感 じ られた 視触覚刺激間の類似性によって触覚刺激からの 影響の受け方 が 異なるかを調 べ るため， 類似・非類似刺激間 で 影響の量を比較したところ，有意な違いは見られなかった ＝ 視触覚間の刺激の特徴 が 著しく異なる場合に，相互作用 が 生 じ にくく なるという予想に反する
- 11. 本実験2 11 触覚刺激の影響 が 感覚処理レ ベ ル で の変化を反映したものなのか， それとも判断レ ベ ル で 生 じ ているのかを検討するため 目的： 1. 各試行の開始前に触覚刺激に毎回20秒間触れる。視覚のみ条件 で は，触覚刺激に触れ ず に試行 が 開始 2. デ ィス プ レイ上に凝視点 が 100 ミリ秒間出現 3. 一枚の視覚刺激 が 100 ミリ秒間呈示 4. 視覚刺激から感 じ られる「 ざ ら ざ ら」「つるつる」「かさかさ」「細かい」印象の程度を評定 手法：
- 12. 本実験2 12 視覚刺激呈示前に 20 秒間触覚 刺激に接触させ，順応を行ったところ，触覚刺激に接触しない場合 に比 べ て，「 ざ ら ざ ら」「かさかさ」「細かい」印象 が 有意に低くなった 「つるつる」印象 には，条件間 で 有意な差は見られなかった 結果： ＝ 反応 バ イアス で 想定される影響とは逆方向 で あり，順応による影響 で ある 触覚刺激呈示による視覚的触感への影響 は，判断レ ベ ル で はなく感覚処理レ ベ ル で 生 じ ている 類似 ・ 非類似刺激の両方 で 「 ざ ら ざ ら」「かさかさ」「細かい」印象に大きな負の影 響 が 見られた が ，「つるつる」印象への影響は他の印象への影響に比 べ て小さく，0 と の差も有意 で はなかった 実験1の視覚のみ条件と全く同 じ 手続き で 行われたにもかかわら ず ，平均評定値 が 実験1 よりも全体的に高い値となった ＝ 実験1と実験2 で 参加者 が 異なること が 大きく影響している
- 13. まとめ 13 視覚情報＋触覚情報 視覚情報 ＞ 1 触覚情報→視覚情報 視覚情報 ＞ 2 A. その影響 が 判断レ ベ ル で はなく，感覚処理レ ベ ル で 生 じ ている Q. 視覚的触感がどのようにして知覚されるのか A. 触覚情報 が 視覚的触感の判断に影響を及 ぼ す Q. 視覚的触感にどのような情報が影響を与えるのか 実験からわかったこと