1. 福島県 放射性物質汚染廃棄物処理
仮設焼却炉 見学ツアー報告
2014年9月23日
放射能ゴミ焼却を考えるふくしま連絡会

2. 全行程：葛尾村～川内村～富岡町～楢葉町～広野町
葛尾村
川内村
富岡町
楢葉町
広野町
福
島
第
一
原
子
力
発
電
所
福
島
第
二
原
子
力
発
電
所

3. 葛尾村①
 人口(前月比) [平成26年9月1日現在]
男性 ： 780人(±0) 女性 ： 718人(-1)
総人口 ： 1,498人(-1)
世帯数 ： 457世帯(±0)
 帰還困難区域（立入禁止）：野行
地区
（★仮設焼却炉建設地）
2014年9月末現在も全村避難中。
赤：帰還困難区域
黄：居住制限区域
青：避難指示解除準備区域
役場モニタ
リングポス
ト：0.294μ
㏜/h
持参した計
測器：
0.469μ㏜/h
修繕中の
庁舎
減容化施
設現場入
口に向かう
道路は通
行制限中

4. 設置市町
村名
仮設焼却施
設
受注業者
事業主
体
基数
処理能力
（トン/日）
●稼働
△建設中
◇計画中
契約金額
（億円）
葛尾村
野行地蔵沢
大型焼却炉
ＪＦＥ、奥村、西松、大豊Ｊ
Ｖ
環境省 1 200 △
344
（H30.3まで
解体費込み）
葛尾村②
仮設焼却炉
建設中

5. 葛尾村③ 除染廃棄物に占領され無残な姿になり果てる牧草地
視界は隅から隅までフレコンバッグ

6. 葛尾村④
冷却水は1.6キロ先の河川から取水

7. 葛尾村⑤

8. 川内村①
人口（H26.7.31現在）
1,160世帯
男：1,388人 女1,365人
計2,753人（前月比＋9）
左側の★は
都路町との
境界にある
東京電力施
設における
仮設焼却炉
建設予定地
白：非避難区域
黄：居住制限区域
水色：避難指示解除準備区域
2012年4月より役場機能を村に戻している。

9. 川内村②
人里離れた山奥にひっそりと仮設焼却炉が造られて
いた。日量７トンには見えない大きさだ。煙突の高さ
とさほど変わらない尾根の先に一軒家が見える。遮
るものが何もなく、排ガスの影響が懸念される。
（比較対照）
飯舘村小宮地区の仮設焼却炉
日量5トンという説明だったが実際
の能力は30トンだったことが判明
どちらも
がれ
き
・家
庭
ゴミ用
で除
染
ゴミは燃
やさ
な
い予
定
。

10. 川内村③
数百m手前には土砂災害警戒
区域・土石流危険渓流の看板
設置市町
村名
仮設焼却施設 受注業者
事業主
体
基数
処理能
力（トン/
日）
●稼働
△建設中
◇計画中
契約金額
（億円）
川内村
五枚沢
小型焼却炉
大型焼却炉
日立造船 環境省 1 ？ 7 △ 29

11. 富岡町①
帰還困難区域・夜ノ森
車内2.548μ㏜
富岡駅周辺
県内最大の仮設焼却炉と指定廃棄物最終処分
場（フクシマエコテッククリーンセンター）
原発事故により復旧から取り残され風化する町

12. 富岡町② 雑草に覆われる線路（常磐線）
（2014年8月末）
人口：14,151人
男：7,082人 女：7,069人
世帯：5,638戸
（2011年3月末）
人口：15,830人
世帯：6,302戸
福島第二原子力発電所 朽ち果てる駅舎（富岡駅）

13. 富岡町③
毛萱地区 仮設焼却炉建設現場（立入禁止）
背後の鉄塔は福島第二原子力発電所
津波堆積物（がれき付着汚泥：重金属、化学
物質等有害物質の塊）
設置市町村
名
仮設焼却施
設
受注業者 事業主体 基数
処理能力
（トン/日）
●稼働
△建設中
◇計画中
契約金額
（億円）
富岡町
毛萱
大型焼却炉
三菱重工環境・化学エンジ
ニアリング
・鹿島・三菱重工業ＪＶ
環境省 1 500 △ 593

14. 富岡町④
駅舎（富岡駅）
ホテル
崩壊が進む建物

15. 富岡町⑤
福島県内各地から発生する10万㏃/kg以下の
焼却灰・廃棄物を集約・処分する産廃処理場
フクシマエコテッククリーンセンター
処分場からの浸出水を放
出する河川流域に田畑
が広がっている

16. 楢葉町①
廃炉研究拠点が置かれる楢葉町
中間貯蔵施設と引き換えにフクシマエコテックで
処分される焼却灰のセメント固形化施設を受け
入れた
波倉地区 仮置き場
雨水に浸かっている・・・

17. 楢葉町②

18. 楢葉町③
セメント固形化施設
元の水田に戻すというが・・・
焼却
（2014年3月末）
人口：7,676人
（15歳未満：950人）
世帯：2,791戸
（2010年）
人口：7,700人
（15歳未満：1,021人）
世帯：2,576戸

19. 広野町① 30キロ圏内の緊急時避難準備区域にあたり、2011
年9月30日に避難指示が解除される。
仮設焼却炉では県内唯一の溶融炉をＪヴィレッジ隣
接地に建設中。
仮置き場に積まれた災害がれき（木くず）
広野火力発電所
廃材は防腐剤や塗料など化
学物質を含んでいる。
津波を被ったものはさらに多
くの化学物質や農薬、重金
属、アスベストなどが吸着し
ている可能性があり、焼却に
より排ガスとともに放出され
る恐れがある。

20. 広野町②
溶融炉
Ｊヴィレッジ
仮置き場
広野町役場
除染廃棄物
（2014年8月末）
人口：5,138人 世帯：1,950戸
9月23日現在
町内居住者数 1,679人（前月比+39）
町内居住世帯数846世帯（前月比+22）
（2010年）人口：5,418人

21. 広野町③
一般廃棄物処理施設として建設
国直轄で処理を行う対策地域（避難指示区域）で
はないため、市町村処理として国へ委託。除染廃
棄物は扱うが、指定廃棄物は扱わないという。
ちなみに隣の楢葉町では除染廃棄物の最大濃度は43万ベクレル/kg。広野町の汚染
物濃度は公表されていない。
一般ゴミ扱いのためか広野町の事業は環境省ＨＰに掲載されていない。
設置市町
村名
仮設焼却
施設
受注業者
事業主
体
基数
処理能力
（トン/日）
●稼働
△建設中
◇計画中
契約金額
（億円）
広野町
下北迫岩沢
溶融炉
新日鉄住金エンジニアリ
ング
環境省 1 80 △
32（建設費のみ）
58（町負担分）

22. 広野町④ ①知らされなかった生活環境影響調査
住民の生活環境への影響を事前に予測する生活環境
影響調査の結果は、適切に住民に伝えられなかったこと
が判明。昨年相馬市でも同様の隠蔽があった。放射性
物質汚染廃棄物を処理する施設にも関わらず、積極的
に住民に知らせないのは問題である。
生活環境影響調査は数か月で数億円かかるという。
（県の環境影響評価（アセスメント）は、処理量毎時4トン未満の
ため非対象）
②伊達市霊山町における仮設焼
却炉にかかる生活環境影響調査
によると、焼却対象物の放射能汚
染濃度は一切明らかにされていな
い。理由は「サンプル調査しかでき
ず正確な濃度は把握できない」と
いう曖昧で無責任なものである。
③焼却対象物の汚染濃度が分からなければ、排ガス、
焼却灰の濃度を正確に把握することはできない。これら
を明らかにすることなく安全性のみを強調するのは無責
任というべきである。