原料がもたらすサクサク食感の違い

1. 夏休みの自由研究
課題発表
(サクサクした食感した食感の理由は？Ver.)
樽見 祐佳
1

2. 2
私はBAKEのチーズタルトが大好きなのですが、
とくにタルトのクッキー生地のザクザクとした食感が好きです。

3. クッキーのサクサクとした
食感(硬さ、口どけ)は、
原料の配合によって
どう変化していくのか？
考えてみます!
3

4. 4
小麦粉
35％ コーンスターチ
8.3％
砂糖
18.3％
バター
28.3％ 卵
10.1％
「サクサク」していると感じるクッキーの主成分は？
「クッキーの原料配合比と食味の関係について」川染 節江ら より
上記のバランスが変わると、
サクサクとした食感はどのように変化するのか？

5. 5
「クッキーの原料配合比と食味の関係について」川染 節江ら
「クッキーの圧縮破断特性」倉賀野 妙子ら
の文献によると、クッキーのサクサク感に大きく関わるのはこの３つ！
バター 砂糖 卵
複数のパターンで検証！
単純格子計画表を用いて、検証するのに最適な配合量をいくつか決定する
単純格子計画表とは：混合計画とも呼ばれ、例えば n種類の原料を混合した時、
その混合比率によって特性(品質)が変化する場合に、どのように混合したらよいのか、
もしくはどの原料がどの程度影響しているのかを決定するための実験計画法です。
(http://www.vector.co.jp/soft/win31/edu/se006423.html)

6. 6
９（バター、砂糖、卵の配合パターン）
×
３（小麦粉40%,45%,50%）
＝２７パターンのクッキー
27の配合パターンで焼いてみたとき、どうなる？
(今回は、小麦粉量についての考察はしていません。)
全て同じ条件
室温 : 24 ℃
クッキーの厚さ : 5.0 mm
クッキーの形 : 直径 4 cmの円形
180 ℃ ～ 200℃のオーブンで約25分間かけて焼く

7. 7
＜まず、クッキーが割れるグラフの見方＞
クッキーに徐々に力をかけるとヒビが入って、
グラフの先の破断点で割れる。
という当たり前の現象を、
改めてグラフにすると左図のようになります。
参考文献：クッキーの圧縮破断特性,倉賀野 妙子ら
見かけの応力P(dyn/cm2)
みかけのひずみ
ε (cm/cm)

8. 8
＜砂糖が一番多い＞
割るためには、
大きい力が必要
＝とても硬い
※小麦粉の配合量によって、グラフの先が３本に分かれていますが、
今回小麦粉量については考察していません。
＜卵が一番多い＞
こちらも硬いが、
グラフの先がS字なので
②とは違う食感
＜バターが一番多い＞
かなり柔らかい！！！
参考文献：クッキーの圧縮破断特性,倉賀野 妙子ら
バター、砂糖、卵の配合パターンを変えて焼いたクッキーの割れやすさを比較

9. 9
次に、「クッキーのショートネスと硬さにおよぼす材料配合比の影響」和田 淑子ら
という論文を参考に……
口の中に入れてから、
どのようにクッキーは水分を吸収するのか？ について解説します！
しっとり

10. 5 秒
10
吸水率は、クッキーを口の中へ入れた瞬間から約5秒で決まる！
その後の吸水はとてもゆるやか。
⇒最初の5秒間で吸水率が高いもの程、口どけが良いとする。
口どけが悪い
⇒Ex.パサパサ、ボソボソ
参考文献：クッキーのショートネスと硬さにおよぼす材料配合比の影響,和田 淑子ら
口どけが良い
⇒Ex.とろけるような(口どけ)

11. 11
砂糖が比較的多い試料には、
高い吸水結果がみられた。
卵が最大量の試料では
吸水率が低いという結果
※バターが多い試料(①など)では、
吸水率についての特徴は見られなかった。
参考文献：クッキーのショートネスと硬さにおよぼす材料配合比の影響,和田 淑子ら

12. 12
【まとめ】

13. 13
硬さ 吸水率(口どけ)
バターの分量が
多い場合
やわらかくなる 高くなる
砂糖の分量が
多い場合
硬くなる とても高くなる
卵の分量が
多い場合
硬くなる 低くなる
各原料の配合によって、上記のような影響がクッキーへあらわれる。
これらをはじめとする原料の影響を受けた結果、最適な原料配合は
小麦 粉 35 %、 コー ンスターチ 8.3 % 、 砂糖 18.3 % 、 バ ター 28.3 % 、 卵 10.1 % 。
【まとめ】
(前述した今回の条件下の場合)

14. 14
今回は原料の違いによる食感の違いについての文献を特に調べました。
次回は原料の配合が同じ条件で、
オーブンの温度や焼き時間など
違う条件での変化
も調べてみたいと思います。
結果を受けて