More Related Content
More from scirexcenter (20)
SciREXセンター発足一周年シンポジウム 政策形成プロセス実践領域 活動の紹介とこれまでの取り組み
- 4. 実際の政策形成プロセス
①不確実性
データ ⇒ 情報収集の強化
方法 ⇒ 研究開発
②時間的制約 ⇒ 手続の合理化
③利害関係者 ⇒ 合意形成の技術
Ⅰ 根拠に基づく政策形成
――客観的なデータと確立された方法に従って正解を見つける
⇒ 「政策のための科学」の目標
→ 時間的制約、不確実性の下で、そのような方法は確立されていない
Ⅱ 決定手続
――異なる見解をもつ関係者の協議によって決定に至る手続
⇒ 手続きに従って話し合って一義的決定(合意)に到達する
→ 手続きに従って、協議すれば合意に到達するという保証はない!
Ⅲ 多数派形成の政治
――決定のルール(多数決)による決定 ⇒ 多数派の形成
4
Editor's Notes
- 政策の形成と実施には、多くの人々と手続きがかかわっています。このため、仮に適切な課題設定をもとに、適切な実施と評価の
方法に基づいて政策案が形成されたとしても、多数の利害関係者が参加する複雑な政治過程である政策形成プロセスは、その「実践」
の段階に至って、多くの困難に直面してしまうかもしれません。
- 政策形成プロセス実践領域では、まず、いくつかの事例分析を行い、政策形成プロセスに生じる意思決定・説得に伴う困難―例
えば、利害関係者の対立や、社会・国民に対する説明の不足―を特定し、それらが生じる文脈やその傾向について明らかにしていき
ます。現在は、審議会での議論の特徴の分析や、情報提示のあり方が市民の政策認識に与える影響の調査などを行っています。
事例分析から、こうした政策過程が陥りやすい困難の傾向性を明らかにするための分析手法を検討することが、私たちの重要な活動の一つです。
また、科学技術と政策の交錯の程度やあり方と、政策形成プロセスの実践における利害との関係を明らかにするために、利害の
対立の深さ・専門家の役割・世論やメディアの役割といった共通の分析軸を念頭に置きつつ、本領域では特に、科学技術との関わ
りについて濃淡のある幅広い政策領域について検討・比較を行っています。こうした作業を通じて、政策形成プロセスの障害を乗り
越えるための手掛かりを得、その方法論について検討していくことが当領域の目標です。
- マイナンバーの導入にかかる議論の整理(審議会議事録・業界紙等の分析)
市民認識の調査と分析
市民認識の重要性
メディアの利用