フューチャースクール
3年目のチャレンジ
     林向達
   (徳島文理大学)
   rin@me.com
お話すること

フューチャースクール推進事業
‣FS推進事業について
‣有識者としての関わりを振り返る

実証校における取り組み
‣初年度から3年目のチャレンジまで

4年目へのバトン渡し
‣学びのイノベーションの最終年度へ
FS推進事業について
  3年目の再説明…
2011年4月8日
「教育分野におけるICT利活用推進のため
の情報通信技術面に関するガイドライン」
(総務省)

☞機器環境整備を中心としたガイドライン
2012年4月10日
「教育分野におけるICT利活用推進のため
の情報通信技術面に関するガイドライン
(手引書)2012」(総務省)

☞2年目の成果を追加したガイドライン
検索すれば
           出てきます




NAVERまとめ
見ておいてください…
でもあえて
                              紹介するなら

フューチャースクール推進事業

総務省の事業です
‣情報利活用促進の事業
‣地域雇用創造ICT絆プロジェクト(教育情報化事業)とは
 同時期に事業化されたこともあり,よく混同される。

情報端末激変期に遭遇した事業です
‣開始年度にスレート型タブレット端末(iPad)が登場
 し,ポストPC時代を迎えてしまった。

廃止判定されるほど悪くはない事業です
‣現時点のICT機器や技術が,学校現場でどのような可能性
 と限界を持つのか検証することには意義がある。
有識者としての関わりを
   振り返る
あれはとある
               夏のメール…




       「先生のお名前
       挙げさせていただき
       ました…」
中川先生
「有識者は何する人ぞ?」
有識者の仕事

地域協議会に出席する
‣学校単位で設置された会議に顔を出す
 ➡たまにだから難しくないか…

実証校に助言する
‣実証校の実情に根ざした助言を行なう
 ➡実績ある地域の学校だから難しくないか…

大人しくする
‣事業の行方を見守るだけで口出し無用
 ➡これは意外とキツかった…
そして勝手に
旅回りへ
旅回り

研究会や協議会を傍聴しに行く
他の実証校を見学しに行く
過去の教育情報化事業を調べに行く
研究会や協議会を傍聴しに行く

ICTを利活用した協働教育推進のための研究会
フューチャースクール推進研究会
学びのイノベーション事業推進協議会
ICTを活用した先導的な教育の実証研究に
関する推進協議会


  ➡空気感を直接探る
全部じゃないよ


他の実証校を見学しに行く

箕面市立萱野小学校(大阪)
広島市立藤の木小学校(広島)
石狩市立紅南小学校(北海道)
大府市立東山小学校(愛知)
長野市立塩崎小学校(長野)
佐賀市立西与賀小学校(佐賀)
 飾区立本田小学校(東京)
新見市立哲西中学校(岡山) …
過去の教育情報化事業を調べに行く

歴史に学ぶための整理がなされていなかった
これまでの教育情報化事業をさかのぼる
文献と資料を探索する旅
いま起こっていることを記録する


  ➡意外と困難な作業が続く…
そんなことの
        重要性を感じた




過去に学び
未来に残す
実証校の取り組み
初年度

ICT機器導入に関する問題の洗い出し
 ‣機器の配置や使用ルール
 ‣共有フォルダの構成デザイン
新しい機器環境への適応
ICT支援員さんの赴任

 ➡トラブル続きの暗中模索を続けながらも,子どもた
  ちはあっという間に馴染んでいった
たとえば
                   配置なら…




教室の地デジ対応テレビ(1年目)
こんな感じに
                   変化したり…




教室の地デジ対応テレビ(2年目)
パソコンのルール   ICT支援員
            さんが
           つくりました
2年目

災害対応と端末持ち帰り
‣足代小学校「緊急災害警報」ソフトの導入事例
日常的な活用の問題について
‣足代小学校「目の健康体操」ビデオの取り組み
‣タブレットPC使用時の姿勢の問題
デジタル教科書の実証作業が加わる

 ➡機器環境の見直しも続く中,デジタル教科書の開発調
  整作業も加わった。それでも日常的な活用の模索と
  様々なチャレンジが試みられた。
足代小は
                           チャレンジが


3年目                         持ち味




機器環境の日常化
‣IWBの普段遣いと地デジ・テレビの使い分け等
‣図書のバーコード管理
‣教室プリンタの活用
継続的なチャレンジ
‣いまある機器や技術を活用した意外な活用
  •算数の授業に遠隔制御ソフトを利用

 ➡自由な発想と手間を惜しまぬ準備が可能性を拓く
実証校を
                   まわって…

ICT整備で授業はどう変わるのか

できなかったことができる
より素早くできる
より高度なことができる
より簡単にできる
できなかったことができる
学外の人々との交流(社会や総合など)
‣従来:来校してもらうか、自分たちが学外に出かけて話
 を聞く。あるいは手紙などでやり取りを行なう。
‣ICT:カメラ内蔵タブレットPCに通話ソフトを導入す
 ると教室に居ながら学外の人とリアルタイムにやり取り
 ができる。遠隔地の学校との交流学習にも活用できる。




       紅南小学校
できなかったことができる
   手本のメロディを奏でる(音楽など)
   ‣従来:あらかじめ用意したCDを再生したり、備品の楽
    器を生演奏して奏でる。
   ‣ICT: パソコンの音符データをもとに、学校に備えの
    無い楽器の音色に換えたり、テンポやアレンジを変え奏
    でられる。各自のタブレットPCで操作し、個別の成果
    を聞き合うことができるようになる。




藤の木小学校
より素早くできる
   学習成果の確認・共有
   ‣従来:各自が練習帳やノートに問題を解いた後、指名さ
    れた児童が黒板に自分の解き方を再度板書してクラスで
    確認する。
   ‣ICT:各自がタブレットPC上のワークシートに問題を
    解いた後、指名された児童の画面がすぐにIWBに表示さ
    れ、クラスで確認することができる。




足代小学校           萱野小学校
より素早くできる
教材の掲示や配布と回収
‣従来:前時で学んだ内容の確認や本時のめあての明確化
 など掲示物の提示が頻繁にある。ワークシートを配布し
 たり回収したりする時間も必要になる。
‣ICT:パソコンに保管された前時の記録や本時のための
 スライドや動画教材などをIWBにすぐ表示できる。児童
 のタブレットPCにワークシートを素早く配布でき、回
 収は保存操作だけで済む。




          西与賀小学校
より高度なことができる
 学習成果の表示
 ‣従来:理科実験の結果を各自がグラフに記録したものを
  平面に並べて比較し、結果の読み取りを共有する。
 ‣ICT:タブレットPC上に各自が記録したグラフは、自
  動的に並んで表示されるだけでなく、重ねて表示した
  り、色や組み合わせを変えて表示できる。




足代小学校
より高度なことができる
 視覚支援
 ‣従来:算数の問題を理解するために、たくさんの図を描
  くことがある。補足の書き込みが増えると見難くなるこ
  ともある。
 ‣ICT:描画ツールの助けを借りて、図を容易に描くこと
  ができ、描いたものを一時的に消したり、部分を切り
  取って移動させながら説明できる。アニメーション機能
  によって問題の理解を視覚支援できる。




本田小学校          塩崎小学校
より簡単にできる
低学年児童の試行錯誤
‣従来:物語の登場人物の気持ちや自分の感想を鉛筆で
 ワークシートに書いたものを書き直すとき、消しゴムで
 もきれいに消えず、時間のロスだけでなくシートを傷め
 て破いてしまうこともある。内容に集中できない。
‣ICT:タブレットPC上にスタイラスペンで文を書いた
 場合、文字を消すには線をなぞればよく効率的であり、
 消しあともきれいで書き直しやすい。このことで内容に
 集中しやすくなる。




           東山小学校
より簡単にできる
 情報の共有と利用
 ‣従来:調べ学習のために図書資料を図書室探しに行った
  り、グループの共同制作物で個別の作業成果を紙ベース
  で突き合わせたりするときに手間があった。
  ‣ICT:ネットに接続された手もとの端末から電子教材や
  ネット検索で調べ作業ができ、個別に作業した成果物も
  コラボレーション機能で簡単に組み合わせることができ
  る。入力された文字や図形の扱いも簡単である。




足代小学校          本田小学校
4年目へのバトン渡し
学びのイノベーション事業として
より教育と
                         学習に焦点を

課題

機器環境の維持管理と継続的な活用
授業と学びがどう変化したか確認し整理する
次期学習指導要領以降を見据えて取組む
‣「1人1台」までの道のりに電子黒板の「1教室1台」

 ➡フューチャースクールの実証校で展開している風景
  が全国で一般的になるにはまだ時間はかかるけれど
  も,しっかりとイメージを共有して進む必要がある
全国の実証校の
           皆さんありがとう
               ございます




ご静聴有難うございました

20120629 FS足代小学校 記念講演スライド