第2部 エンジニアが本とつきあう方法




                              株式会社プログデンス
                           長南 浩 ( ちょうなん ひろし )
                                Twitter: @chonan
2012年6月29日 19:35 ~ 20:35
BPStudy #58
自己紹介

 長南 浩 ( ちょうなん ひろし / Twitter: @chonan)
  – 山形県出身 ( この春に上京しました )
  – 出没している分野
    Ubuntu
      • Ubuntu Magazine (vol.07~), Ubuntu Weekly Recipe
    Android アプリ開発
      • 日経BP社 A3 Together アプリ/Webサービス賞 (2011)
    プログラミングコンテスト
      • GCJ ( 2012 Round2 / 2011Japan Final 157位 )
    OpenSolaris / その他
      • OSC セミナー / LTスピーカー


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本日の議題 ( Agenda )



雑誌の記事を「執筆」するということ

エンジニアと書籍

「自炊本」を扱うための Tips



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                                    4
雑誌の記事を「執筆」するということ

なぜ「執筆」するのか?
  – 「日本語」も立派なコードだ

...でも多くのハッカーは以下のようなことをやっていますし、それがハッキングの
真髄に本質的に通じるものがあると感じています。
  – 母語できちんと文が書けるようになること(わたしが知っている最高の連
    中を含め、ハッカーの驚くほど多くは物書きとしても有能です)。


               ハッカーになろう(How To Become A Hacker)
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                                                     5
雑誌の記事を「執筆」するということ

Ubuntuで記事を書くまでのいきさつ
 – たまにblogで気晴らしのように毒を吐いていた
 – イベントやTwitterでJapanese Teamのメンバーと
 – 仲良くなった
 – 「いっとけ!Ubuntu道場」公開のたびにムチャぶり感想ツイー
   トを投げるようになった
 – 「そんなことなら記事書いて」とカウンタームチャぶりを受けた
 – 面白そうだから書いてみた
 – 現在に至る


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雑誌の記事を「執筆」するということ

Ubuntu Magazine での執筆の流れ
 – 企画やネタ出しブレインストーミング
 – 編集サイドでプロットを作成
 – ライター側での担当決め ( 希望 →指名 )
 – ライター側の執筆、入稿
 – デザインが入り第一校
 – 修正を反映させ第二校
 – 脱稿

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雑誌の記事を「執筆」するということ

 ちょっと特殊なレイアウト
 – 縦組み
 – 1ページ5段
 – 写真や表、プログラムリスト
   を比較的多用
 – 分量はページ/段単位
 – 行数の見通しがたてづらい
 – 油断すると大量にアフレた
   り不足したりする


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雑誌の記事を「執筆」するということ

 著者環境で紙面をシミュレートする
 – 縦組みの見栄えの参考にするために ASCII pTeX を
   使用し、それっぽいスタイルファイルを作成
 – Ubuntu Magazine では使っていないですが、EWBは
   今でも現役だそうです。




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雑誌の記事を「執筆」するということ




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雑誌の記事を「執筆」するということ




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雑誌の記事を「執筆」するということ




    校正は PILOTフリクション + ScanSnap を使用
     アナログ的な手法と最新ツールの融合(?)

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雑誌の記事を「執筆」するということ




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雑誌の記事を「執筆」するということ

あえてpTeXを使うのは
 – ある程度分量がまとまると、行数なんて数えてられない
  あのくらい書いたらこのくらいのスペースといった感覚をつかむ


 – 誌面としての読みやすさをある程度推測できる
  漢字の使用頻度の調整
  「文章ばっかりなのでそろそろビジュアルを」といったバランス
  違和感を感じる部分は問題がある場合が多い


 – 少しずつ完成形に近づいていく様子を楽しむ

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雑誌の記事を「執筆」するということ

心がけている点
 – 入稿はテキストファイルだけど、共通の目標はよりよい
   誌面をつくること
 – 表記ゆらぎは最終的に編集さんにおまかせ
 – 言い回しや文体はバックナンバーを読み込んでイメー
   ジをつかむことが大事
 – Twitter で編集さんが苦労しているのがうかがえるの
   でライター陣は締切を大事にしている
 – 力強く、わかりやすく

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雑誌の記事を「執筆」するということ

なぜ「執筆」するのか?
  – 「日本語」も立派なコードだ

...でも多くのハッカーは以下のようなことをやっていますし、それがハッキングの
真髄に本質的に通じるものがあると感じています。
  – 母語できちんと文が書けるようになること(わたしが知っている最高の連
    中を含め、ハッカーの驚くほど多くは物書きとしても有能です)。


               ハッカーになろう(How To Become A Hacker)
                  http://cruel.org/freeware/hacker.html

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瀬尾先生のコメント:
「うぶんちゅ!単行本、自炊しようか
なーと考えています。やっぱりデータ
で欲しいですよね」


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本日の議題 ( Agenda )



雑誌の記事を「執筆」するということ

エンジニアと書籍

「自炊本」を扱うための Tips



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エンジニアと書籍

 最近「ノマド」というのが流行っていますが...




 本気で取り組むと大きな課題にあたる
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エンジニアと書籍

持ち運びにくい技術書



                   ノートPC



           技術書の山

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エンジニアと書籍

「よろしい、ならば自炊だ」
          自炊




                 21
エンジニアと書籍


何周回か遅れで「自炊」はじめました




    引越し時の書籍整理に大活躍
         書籍整理

                     22
エンジニアと書籍

そして気がつくと...




 「俺のScanSnapフォルダが火を吹くぜ」
    ScanSnap     火を吹く
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エンジニアと書籍

確かに収集欲は満たされますけども




  「ファイル管理が許されるのは小学生までだよねー」
   ファイル管理       小学生
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エンジニアと書籍

 一家に一台書籍管理システムを
       書籍管理
           「単なるPCオタクとは一味違うぜ」
                      一味違う




                          25
エンジニアと書籍

 Project Next-L
  – 次世代の図書館システムをオープンソースで
    次世代の図書館システム
                                 http://www.next-l.jp/
 Enju Leaf
  – 開発が進められている図書館システム
  – Ruby on Rails3 で書かれている
              https://github.com/nabeta/enju_leaf/


                     enju leaf                  検索

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エンジニアと書籍

 節操のないコレクションでも余裕でカバー
 – とりあえず登録しておけばあとで検索できる
                  検索




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エンジニアと書籍

 書誌情報は国会図書館のAPIから取得
 – スピーディーな蔵書登録




                       28
エンジニアと書籍

 PDFファイルは書誌情報の添付ファイルで登録
               添付ファイル




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エンジニアと書籍

Enju Leaf のメリット
 – 自炊書籍ライブラリの検索性UP
 – 実在の書斎や図書館のような物理的制約から開放
 – 貸出、返却、蔵書点検というタスクから開放
 – 書誌情報を書籍そのものを一緒に管理できる
   メタデータの充実化
 – 私的利用の範囲内で共有可能
   法的リスクに気をつけて...

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エンジニアと書籍

現状での問題点
 – サーバ構築に相応のスキルが必要
 – 法的リスクがあるので一般公開できない
 – まだまだ開発中でたまにバグを踏むことも
 – NDLサーチでカバーできない分野がある
    黄色い楕円形のマークの本とか...
   盆暮れに大量に出回る薄い本とか...
 – x-sendfile の導入は必須

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エンジニアと書籍


    大量に書籍を抱えている方で
    相応のスキルをお持ちの方は
   挑戦してみてはいかがでしょうか?

      自宅に蔵書管理サーバたてて、
       出先からVPNでも張れば
  いつでも書籍コレクションにアクセスできるかも
           しれませんよ?
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本日の議題 ( Agenda )



雑誌の記事を「執筆」するということ

エンジニアと書籍

「自炊本」を扱うための Tips



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「自炊本」を扱うためのTips

 CDやDVDが付いてくる
  書籍の自炊
 – PDFファイルには「ファイル
   を添付」する機能がある
 – ISOファイルやZIPファイル
   を作って添付すると管理
   が楽
 – 添付作業は Adobe
   Acrobat や pdftk
   atach_files で


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「自炊本」を扱うためのTips

 任意のPDFファイルを
          ScanSnap Organizer で検索可能に

 – 現状 ScanSnap Organizer 以外のもので生成された
   PDFは検索可能PDFに変換できません
 – Creator を“PFU ScanSnap Organizer 3.2.10” など
   と設定してあげれば Organizer で変換できます
 – Ruby でのコード例があったりするので、こっそりと

                   複数画像 ScanSnap         検索

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「自炊本」を扱うためのTips

 Web図書館を利用する
 – 千代田区在住者
       在住
 – 千代田区在勤・在学者
       在勤 在学
 – Win / iOS(一部) 対応
 それに加えて...
 – NAXOS Music Library
              利用可能


 千代田Web図書館               検索

                              36
ご清聴ありがとうございました




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BPStudy#58 第二部「エンジニアが本とつきあう方法」