More Related Content Similar to 2012.3.11.一考 (20) 2012.3.11.一考2. はじめに:支援を継続させるために
企業の利益向上と社会的課題の解決を両立させ成長できるような取組み。
これこそが企業が支援事業を継続しやすくなる形。
一般生活者にとっても、身近な生活品を買うことで
気軽に、無理なく、継続的に、復興支援につながる
ソーシャルプロダクトモデルが今後より一層重要になる。
生活者の日々の消費の中で接点を持て
企業の利益につながるコト
↓
商品・サービス
生活者が参加感、貢献感、喜びを
実感できるような仕組み
2
2012 All rights reserved PMA Inc.
3. ソーシャルプロダクトモデルについて
被災地のニーズに基づき、被災者本意の支援に繋げることが大事なポイント。
企業にとっては通常の事業活動、
生活者にとっては日常の購買活動が
支援に繋がる仕組みでなければ継続できない。
被支援先
のニーズ
「企業やブランドの理念・ミッション」
企業や参加するユーザーが
「ターゲット層」と支援内容が合致していない 自身の貢献を実感できる仕組みがなければ
とリターンがあまりなく、継続できない
モチベーションを維持できず、継続できない
+
※拡散、継続のために
楽しさ、分かりやすさ(ゲーミフィケーションのメカニクス)
3
2012 All rights reserved PMA Inc.
4. 事例:①支援の仕組み化
>ソフトバンクモバイル株式会社
東日本大震災の被災地支援活動に継続的に寄付ができる「チャリティホワイト」
「チャリティホワイト」は、お客さまからお支払いただく定額料
(10円/月)と、それと同額(チャリティホワイト加入者1人
あたり10円/月)をソフトバンクモバイルが拠出し、合せて
20円/月を東日本大震災被災地域の復興支援活動を
行っている団体などに寄付するサービスです。
>サッポロビール株式会社
協働契約栽培の東北産ホップを100%使用した「サッポロ 麦と東北ホップ」
「サッポロ生ビール黒ラベル 東北ホップ100%」
東日本大震災の被災地である東北地方と全国の皆様との
絆づくりに、メーカーとして商品を通じたお手伝いがしたいと
の思いから、協働契約栽培の東北産ホップを100%使用
した「サッポロ 麦と東北ホップ」、「サッポロ生ビール黒ラベル
東北ホップ100%」を全国で発売することとしました。
尚、両商品の売上金の一部は、JA全農を通して、被災され
た生産者の方々の農場や農業関連施設の修復等、
被災地域の農業復旧支援活動に役立てていただく予定です。
4
2012 All rights reserved PMA Inc.
5. 事例:②事業理念と支援のリンク
>日本ロレアル株式会社
東日本大震災の被災地の人々を対象にヘアカットやヘアカラーといったサービスを提供する
プロジェクト「美容師のちから HAIRDRESSERS FOR HOPE/COIFFEURS DE L’ESPOIR”」
まだ美容業を再開できていな
い現地の美容師と協力し、
移動式美容室「ビューティー
バス」で被災地域を巡回、
ヘアケアサービスを展開
>富士フイルム株式会社
水や泥で汚れた写真プリントやアルバムを救う活動を支援するための「写真救済プロジェクト」
1. 技術的支援
写真プリントの状態に応じた、
適切な洗浄方法の情報の提供。
現地での写真洗浄に関するノウ
ハウの提供、アドバイスを実施。
2. 物的支援
写真救済活動を行なうボラン
ティア団体、自治体、避難所な
どへ、洗浄に必要なツール・
5
消耗品を提供。
2012 All rights reserved PMA Inc.
6. 事例:③フィードバック・見える化
>資生堂販売株式会社×株式会社コクミン
「関西女子の美力を、東へ」 東日本大震災支援プロジェクト with
「資生堂 マキアージュ エッセンスグラマラスル
ージュ」を、マキアージュを取り扱っている全国の
コクミン系列店にて購入いただくと、コクミン、
資生堂が商品代金からそれぞれ50円
(合計100円)を支援金として拠出。集まった支援
金は、被災地での女性支援を行っている国際協力
NGO「JOICFP(ジョイセフ)」を通じて、被災地の
女性支援のために使われます。
http://www.facebook.com/with0311
6
2012 All rights reserved PMA Inc.
7. 現状課題:支援と復興間のギャップ
復旧はある程度進捗はあるものの、復興はまだまだ長丁場。
引き続き、継続的・中長期的な支援が必要。
緊急対応
復旧
復興
∼1カ月程度
∼6カ月程度
6カ月程度∼数年
被災者の救出や避難者の安全な 災害により損なった電気や道路、 被災者やその関係者の心が癒さ
生活の確保へ向けた、物資支援 食糧などの生活インフラを元の
れ、経済や社会が再び盛んな
などの緊急対応
状態へと戻す
状態へと戻す
寄付やボランティアなどは、物理的制約、意識の変化の中で、
その継続が必ずしも容易ではない
支援と復興の間のギャップ
支援活動は、初期段階に 復興には、長期的な
集中している
支援が欠かせない
義捐金 義捐金 支援件数
義捐金
支援件数
支援件数
規模
規模
規模
7
2012 All rights reserved PMA Inc.
8. 現状課題:ニーズの変化
義捐金、ボランティアなど様々な形の支援は集まったものの、
まだまだ復興には長い道のり。復旧 復興期における人や物資ではなく、
環境や産業・経済の復興へとつながる経済的支援が
必要な段階に入ったと考えられます。
公的なものだけでなく、企業による様々な支援プロジェクトが大きな力になっています。
企業や個人による
寄付やボランティア活用
生活環境・インフラの再生
産業の再生
企業・団体による支援物資
経済活動の復興
自然環境の再生
通信や銀行などの
サービス拡張提供
8
2012 All rights reserved PMA Inc.
9. 支援のカタチ:メリット&デメリット
◇義捐金の拠出
直接性があり分かり易いが、継続が難しく、被災者に届くまでに時間がかかる場合も。
新しい価値創造にはつながりにくい。
◇ボランティアへの参加
直接性があり分かり易いが、情報の入手に困難を伴う場合もあり、継続も容易ではない。
また、被災地の時間の経過とともに、より専門的なスキルが求められるようになるが、
専門的なスキルの提供はハードルが高く、時に現地の雇用を奪うことにも。
◇現地産品の消費
直接性があり分かり易く、日常生活の延長線上にある生活者、事業活動とつながっている企業ともに
継続は容易。ただ、現地産品と接点がなければ始まらず、対象品の物量の確保が進まない場合は、
その影響も限定的。
◇本業(事業活動)を通じた支援
本業を通じた直接的な支援(クラウドサービスの提供等)は分かり易すく、継続もしやすいが、
生活者を巻き込むのは難しく、広がりも限定的。
本業を通じた間接的な支援(寄付つき商品&サービス販売)は、生活者に広くリーチすることが可能で、
日常生活の延長線上にあるため生活者が参加しやすく、企業も本業に通じているので継続し易い。
寄付金(=支援金)の活用方法次第で、産業基盤の再生や新しい価値創造も実現可能。
「気軽に」「無理なく」「継続的に」、
9
多くの人を巻き込んでいける事業活動を通じた支援が重要に。
2012 All rights reserved PMA Inc.
10. 本業 消費を通じた支援例:ソーシャルプロダクト
○クレハ NEWクレラップ:「いっしょに笑顔。東日本応援プロジェクト」
NEWクレラップシリーズをご購入いただくと、期間中(3年間)その売上げの一部を
対象プロジェクト(下記)に寄付し、農業の復興・食の再生を支援して参ります。
食に関係する商品づくりに携わっている企業として、東北(いわき市)に拠点を持つ企業とし
て、
自らも被災をした企業として、「日本の食の源の一つである東北、東日本の農業の再生」と
「被災者の食生活の回復」を、販売店様・代理店様・お客様とともに中期的に支援し、
日本を元気にすることに貢献します。
宮城県:農地再生 「菜の花プロジェクト」
岩手県:食生活の再生 「地域で支えあう食の復活プロジェクト」
福島県:「農業再生プロジェクト ふくしまの元気な農業!FtoCプロジェクト」
○キリン
○サッポロ生ビール黒ラベル 東北ホップ100%
プロジェクトでは、「絆を育む」をテー
マに「地域食産業の復興支援」、「子 使用する東北産ホップは、岩手県北ホッ
供の笑顔づくり支援」、「心と体の元 プ農業協同組合(岩手県:軽米町、岩手
町、青森県:田子町、三戸町)で栽培され
気サポート」の3つの幹で活動してい
たものです。
ます。この活動を通じて産業が活性
商品の売上金の一部は、JA全農を通して、
化し、将来に希望を持つ子供たちが 被災された生産者の方々の農場や農業
増えてコミュニティーに元気が広がり、 関連施設の修復等、被災地域の農業復
地域全体が活性化していくことを願っ 旧支援活動に役立てていただく予定です。
ています。
○宅急便1個につき10円の寄付
○nepia 東北地方被災地支援活動∼支える人を支えよう!∼
サイズ・運賃などにかかわらず「国内 ネピア商品の売上の一部で、被災地での
の宅急便の取扱い1個=10円」を地 被災者支援に取り組むNPOなどの活動団
域の生活基盤の復興と水産業・農業 10
体に、公益社団法人日本フィランソロピー
の再生支援のための資金として寄付 協会を通じて、必要とされる資金をご提供
します。
して活動を支えていきます。
2012 All rights reserved PMA Inc.
11. まとめ
2012 All rights reserved PMA Inc.
12. 参考資料
12
2012 All rights reserved PMA Inc.
14. 参考資料:消費者が「購買するコト」に求めているコトの変化
欲しいモノはないが、したいコトはある。成熟社会「日本」
「欲しいもの?」「別にない」が一般的な日本人。モノよりココロ。
「これからは心の豊かさか、まだ物の豊かさか」
出所:内閣府「国民生活に関する世論調査」より作成
14
2012 All rights reserved PMA Inc.
15. 参考資料:消費者の社会貢献への意識
世界をより良くするためなら日常の消費行動を改める
63%
自分でも社会貢献が容易に
61%
できるような仕組みを提供す
るブランド・企業に関心がある
社会に貢献するブランドを
他の人に推薦する
60%
品質が同程度で、社会的意義に貢献する
ブランドがあれば、そちらに乗り換える
57%
出所:2009年エデルマングッドパーパス調査
消費を通じた気軽な社会貢献に対する意識の高さは顕在化している
15
2012 All rights reserved PMA Inc.