中島裕介「最強のリベラルアーツとしての短歌Ⅱ」（於・大阪大学）1日目　2015年11月27日

最強のリベラルアーツ
としての短歌 Ⅱ
ーーことばをデザインするーー
公開用（1日目）
2015年11月27日・12月4日大阪大学豊中キャンパス
全学教育推進機構総合棟Ⅰ 2階セミナー室2
中島裕介（未来短歌会所属）E-mail：yukashima@gmail. com

ワークショップ（WS）の
前回のおさらい
前回（2014年12月）のWSでは
• 頭の中にあるモノをことばにすることの
大切さ
• 短歌の作り方の、ひとつの法則
• （ことばを）組み合わせることが、クリ
エイティビティの原点であること
を通じて、「まずは作ること」をテーマに、
お話しさせていただきました。
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主な話題と流れ
今回のWSのテーマは前回の
「まずは作ること」の次の段階
として「作ったモノ/作られた
モノについて考えること」です。
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主な話題と流れ
• 「自分以外の方が紡ぐことばと、その方
自身を尊重すること」
• 「尊重した上で、自分以外の方がつくっ
たモノについて考えること」
• 「自分自身のことばやありようについて
考えること」
• 「その上で、またつくること」
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今日の流れ
1. 導入・自己紹介（20分）
2. 「最強のリベラルアーツとしての短歌
～クリティカルシンキング編」（20分）
3. ゲーム「上の句 meets 下の句」
（15分×3グループ。間に休憩15分）
4. みなさんの好きな短歌（フレーズ）と、そ
の面白さの検討（60分）
質疑応答（20分）
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次回の流れ
0.（今日、最後までいけなかったら、その残り）
1. 前回の復習（10分）
2. 歌会の仕方（10分）
3. 歌会（50分×2グループ）
（1回の歌会後に休憩 5～10分×2）
3. 「〈面白いことばはなぜ面白いか〉をこと
ばにすること」「つくること」「考えるこ
と」そして「考えて、つくること」（30
分）
4. 質疑応答（10～20分）
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１．導入・自己紹介
中島裕介（なかしまゆうすけ）：
高校3年生で作歌をはじめる
2008年以降3冊の歌集を刊行
（2016～7年に4冊目を刊行予定）
趣味：舞台芸術鑑賞、マンガ・アニメなど
（普段はただのサラリーマンです）
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「普通の短歌」と
「ちょっと変な短歌」を作っています。
＜普通の短歌の例＞
世界ではいつもどこかで夕暮れが来るので
傷んだ洋梨を剥く
中島裕介
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突如差し挟まれる注意事項
（補足1）
短歌は「縦書き・一行」で
書かれることが多いのですが、
今回はスライドの都合上、
短歌を基本的には＜横書き＞
で表記します。

（補足2）
今回のWSでは、大学で
学びうる学術的根拠を
あまり説明しません。
専門用語もあまり使いません。
※2日目の終盤に一定程度学術的な（＝学問において
は素人である私に分かる範囲で）説明を補足します。

（補足2）
ご希望があれば、学術的背景
や論拠にも早い段階で口頭で
触れますので、そのつど
ご質問ください。

（補足3）
WSのスライドのプリントアウト等の
資料はその日のWS終了後に
配布します。
（今日、紹介した短歌等も
今日のWS終了後に
資料として配布します。）

（補足4）
• 今日のスライドは、修正し
たうえで後日ウェブ上に
アップロードします。
• WSのテーマに沿った、学
生の方にも入手しやすい本
（主に文庫・新書）を、後
日ブログで紹介します。

話を戻します。
（私の「ちょっと変な短歌」）

＜ちょっと変な短歌の例＞
黒板は
As a pupil,
声にならない声を出し
a joker perhaps fumbles many chalks
日直欄の（・）
on the cat walk of the world.
中島裕介

自己紹介中島裕介（なかしまゆうすけ）
＜ちょっと変な短歌の例＞
中島裕介

ベーシックな短歌も、変な短歌も作る。
だからこそ、このWSで
• さまざまな短歌を客観的に説明できる
• 実践しているクリエイティヴィティにつ
いて説明できる
と思います。

みなさんのこともぜひ、教えてください。
お一人につき、1～2分程度で
• お名前
• 大学生の方は「大学での専攻」、大学生
でない方は「現在一番関心のあること」
• これまでの短歌の経験
• このWSでの希望や抱負
をお聞かせください。

みなさんの自己紹介、ありがとうございま
した！
では、本題に入っていきます。

２．「最強のリベラルアーツとしての短歌
～クリティカルシンキング編」
1)「短歌」？
2)「リベラルアーツ」？
3)「クリティカルシンキング」？
4)「最強の」？
5)短歌の特徴・面白さ（導入編）
6)実は身近なところにも短歌が？
※「デザイン」については２日目に扱います。

２．（1）「短歌」？
短歌とは
「５・７・５・７・７という
定型を持った詩（文学・言語表現）」
のこと。

２．（1）「短歌」？
例えば、学校で学んだ
瓶にさす藤の花ぶさみじかければ
たたみの上にとどかざりけり
正岡子規
（『正岡子規歌集』、岩波文庫、1956、P99）
も、短歌。
かめ

２．（1）「短歌」？
和歌とはなにが違うのか？
例えば、
ちはやふる神代も聞かず竜田川
からくれなゐに水くくるとは
在原業平朝臣
（『万葉集』『小倉百人一首』収録）

２．（1）「短歌」？
ちはやふる神代も聞かず竜田川
からくれなゐに水くくるとは
在原業平朝臣

瓶にさす藤の花ぶさみじかければたたみの
上にとどかざりけり正岡子規
⇅ どちらも「5・7・5・7・7」の定型
＝リズムに則って作られている
ちはやふる神代も聞かず竜田川からくれな
ゐに水くくるとは在原業平朝臣
２．（1）「短歌」？
時代を超えて、つながっている。

２．（1）「短歌」？
「和歌は平安時代以前のものなん？」
とんでもない！
鎌倉時代だって戦国時代だって、和歌
はありました。

２．（1）「短歌」？
「和歌と短歌はなにが違うのか？」
ここではひとまず
1893年（明治26年）以前＝「和歌」、
それ以後＝「短歌」の、年代と呼び方
の違いだと考えておいてください。
※実際には「呼び方の違い」だけではありませんが。

２．（1）「短歌」？
短歌の特徴や面白さは
またちょっと後で。

２．（2）「リベラルアーツ」？
元々は「自由七科」と呼ばれた、
いわゆる「（奴隷でない人が持つべき）教養」。
人が持つ必要がある技芸の基本と見なされ
た、文法学・修辞学・論理学の（言語に関
する）三学、および算術・幾何学・天文
学・音楽の（数に関する）四科のこと。

「文法学・修辞学・論理学」
• 元々の「修辞学」：相手を説得するため
の弁論術、ディベート技術
• 現在の「修辞学」：比喩などのレトリッ
ク
→このワークショップでは「ことばの、説
得力の持たせ方」と広く捉えています。
前回は「比喩などのレトリック」を扱い
ました。

「現代に求められるリベラルアーツ」
について、様々な形で整理され、求め
られています。
ここではその一つとして「21世紀型ス
キル」に触れておきます。

「21世紀型スキル」とは、ある世界的
プロジェクトが「21世紀においてすべ
ての人に必要な学びやスキルと、その
評価方法」について整理したものです。
（グリフィン、マクゴー、ケア編『21世紀型スキル』三宅
なほみ監訳、益川弘如・望月俊男編訳、北大路書房、
2014）
（松尾知明『21世紀型スキルとは何か』、明石書店、
2015）

（グリフィン他編『21世紀型スキル』P.46）

KSAVEモデルとは、21世紀型スキルに必要
な、10個のスキルを
• 知識（knowledge）
• 技能（skill）
• 態度（attitude）
• 価値（value）
• 倫理（ethics）
から検討したもの。

今、みなさんが受講されているのも
「クリエイティブ・ワークショップ」
ですから、まず、「創造性とイノベー
ション」についてKSAVEモデルで分析
しているものを観てみましょう。

次に、「批判的思考」というのがあり
ますね……。

２．（3）「クリティカルシンキング」？
先にリベラルアーツや21世紀型スキル
として紹介した能力のうち、「批判的
思考」＝「クリティカル・シンキン
グ」という考え方が、実は最近、注目
を集めています。

東京新聞2015年10月10日付朝刊

「クリティカル・シンキングとは、物
事に対し、批判的視点から検討を加え
る論理的な思考のことだ。さらに言え
ば、「早まることなく、複数の視点で
批判的にじっくり考えること」（菊池
（建至・金沢医科大）講師）」
（前掲記事）

この菊池講師のご意見、さっきの21世
紀型スキルにおける批判的思考と共通
してますよね？
今回は「批判的視点から検討を加える
論理的な思考」「早まることなく、複
数の視点で批判的にじっくり考えるこ
と」について実践的に考えます。

なお、この批判的思考は、ちゃんとク
リエイティビティ＝創造性にもつな
がってきます（そのはずです）。
その説明は２日目の最後に。

考え方の例として、あるマンガを音読
していただこうと思います。
• マンガの吹き出しひとつを順番に
• 作中の男女に関係なく
• 棒読みでもいいので
• 他の参加者の方にも聞こえる声で
読んでみてください。

（中略）
主人公の中学生の女の子・魔美は超能力を使う
ことができます。
お父さんは高校の美術教師兼画家。魔美をモデ
ルにした絵を描いています。
お母さんは新聞記者として働いています。
タヌキっぽいのはペットの犬です。
途中で出てくる男の子は友人です。

アイスブレイクとして、参加者のみなさんに、
順に読んでいただこうと思っていましたが、当
日は時間が足りず、私（中島）が大意の分かる
セリフだけ読み上げました。

以上、藤子・F・不二雄『エスパー魔
美』「くたばれ評論家」（「藤子・F・
不二雄大全集」（小学館）第1巻、
P.138～156より一部）でした。
ネットでもよく出てくる画像が含まれ
ているのでご存じの方も多いかもしれ
ません（結末が気になる方は原本をご覧ください）。

なぜ、この作品を音読してもらったか、
といいますと、クリティカルシンキン
グや議論における重要な要素がいくつ
か含まれているからです。
思いつくものを挙げてみます。

「情けとか容赦とか、批評とは無関係」
「芸術は結果だけが問題」
見解の相違に対する憤りをいたずら（暴
力）で解消
「批評家に批評の権利があれば、作家に
だっておこる権利がある！！」
「わるいことしちゃった……」

このあとのパートで歌会（かかい/うた
かい）形式のゲームを行います。
また、明日にはみなさんの歌を題材に
した歌会を行います。
ここでは、お互いの（手元にある）短
歌を題材に議論していただくことにな
ります。

歌会の議論では、みなさんに、どの短
歌がどのようによいと思うかお話しい
ただく場面が出てきます。
『エスパー魔美』で出てきた論点が本
当に正しいか、短歌や歌会を通じて、
最後に考えてみましょう。

２．（4）「最強の」？
ところで。短歌はリベラルアーツやク
リティカルシンキングを学ぶ一手段と
しても役に立ちますが……
短歌は、
詩の一種、
文学の一種、
芸術の一種
としても面白いんです！

２．（4）「最強の」？
【前回のワークショップでは……】
「短歌」を学ぶ・つくるメリット
• 短歌を通じて、日本語が分かる。
（文法も、修辞学＝レトリックも）
• 日本語が分かると、外国語を学ぶ上でも役に立
つ。
• 和歌にも繋がるので日本文化や日本史という
【文化のコア】も分かる。
• 気軽に作れて、クリエイティビティの訓練に役
立つ

２．（4）「最強の」？
【前回のワークショップでは……】
短歌を通じて
• 年齢や職業に関係なく、人と繋がること
ができる。
• 生涯、続けることができる。
（一度作るのを辞めたって、戻ってこれる）

２．（4）「最強の」？
さらに……！
今回、「短歌」を学ぶ・つくるメリッ
トとして、
•歌会や推敲が、クリティカル・シンキ
ングの訓練にもなる。
を付け加えたいと思います。

２．（4）「最強の」？
リベラルアーツとして求められる要件をこ
んなに満たしたものはありますか？
いや、ないっ！
（たぶん）

２．（4）「最強の」？
（受講者のみなさんの心の声）
「それやったら、俳句でもええやん。
俳句の方が短いし、海外でも有名やし。
句会もあんねんから、そっちでも十分
クリティカルシンキングのトレーニング
になるんとちゃいます？」

２．（4）「最強の」？
それがちょっと違うんです！
俳句では表現しきれないところがある
から、
やっぱり短歌なんです！

２．（5）短歌の特徴・面白さ（導入編）
短歌の特徴・面白さを挙げると
•短い
•リズム（定型）がある
•俳句に比べて、二つ（以上）の
モノゴトを言い得る

この特徴はこんな効果を産みます。
＜短い＞ →覚えやすい
＜リズム（定型）がある＞
→覚えやすいし、作りやすい

＜俳句に比べて、倍近い長さがあるため、
二つ（以上）のモノゴトを言い得る＞
•二つのモノゴトを語り得るスペース
を使って、一つのモノゴトを語るこ
とでまた別の意味・効果・文脈を生
み出しうる →芸術的効果がある

さきほどの
の意味は、学校の国語の授業で考えたこと
がありますよね？
かめ

→藤の花房一つにスポットライトが当たっ
ています。
かめ

ではこんなのはどうでしょう？
のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳ねの母
は死にたまふなり斎藤茂吉
も学校で習ったことがありますよね？
つばくらめはりたらち

のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳ねの母
は死にたまふなり斎藤茂吉
この歌の場合、＜のどの赤いつばめが二羽、
梁にとまっている＞事実と＜老母が亡く
なった＞事実の二つのモノゴトが描かれて
いる。
→この二つのモノゴトはどう関係するの？
つばくらめはりたらち

のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳ねの母は死にたまふなり斎藤茂吉
• つばめが（生きて）いる ⇔ 母は亡くなった
• 「のど赤き」＝生命感 ⇔ 母は亡くなった
• 屋梁は水平方向にある ⇔ 母は横たわっている
• つばめは「ゐて」 ⇔ 「母は死にたまふなり」
（母への尊敬の念が際立つ）
二つのモノゴトが一首の意味をふくらませ
る！

「二つのモノゴトが
一首の意味をふくらませる」
これがあらゆる創造の基本！
だと私は考えています。
……という話を前回いたしました。

なぜその話を繰り返すのか？
今回のWSでは「短歌の作り方」（に
直接言及した）の話をこれ以降しない
から、です。
そして、二つのモノゴトのつながりや、
そこから新たに発生する意味を考える
のが「批判的思考」だと考えているか
らです。

２．（6）実は身近なところにも短歌が？
閑話休題。
創造の基本が学べる短歌ですが、実はこん
な方も作っています。

ひい孫にやさしく書いてやる文句じつにむ
つかしそのかなづかひ新村出
言語学者。「広辞苑」編者として有名。
画像は『新村出―わが学問生活の七十年』
（日本図書センター、1998）の表紙。
短歌は「文藝春秋」2014年2月号、P.350

うつし絵に口づけしつつ幾たびか千代子
とよびてけふも暮しつ
この歌は、どういう人の歌でしょうか？想
像してみてください。

うつし絵に口づけしつつ幾たびか千代子
とよびてけふも暮しつ山本五十六
海軍軍人。
画像はWikipediaより。
短歌は「文藝春秋」2014年2月号、P.336

短歌を作ってない人でも、マスメディ
アで短歌に触れることがあります。
ご参考までに、ひとつ映像を見ていた
だきます。

マツコ&有吉の怒り新党
「新・3大斉藤斎藤の新感覚な短歌」
（2015年6月3日放送・テレビ朝日）
の一部を見てもらいました。

短歌のなかにもいろんな短歌がありま
すが、どうやってその良さ・面白さを
考えるのでしょう？

３．ゲーム
「上の句 meets 下の句」
まずは短歌の良さ・面白さを具体的に
考えるため、歌会形式のゲームを一度
実施したいと思います。
阪大短歌会の方は一度、すでに遊んだ
ことがあるかもしれません。
今回のディーラは中島が務めます。
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３．ゲーム
【ルール説明】
① プレイヤには下の句カードが6枚ずつ
配られます。
② ディーラが引いた上の句カードに、各
プレイヤは手持ちの下の句カードから
よい組み合わせになると思う下の句
カードを伏せてだします（何を出した
か覚えておいてください）。
78

３．ゲーム
③ ディーラが出された6枚の下の句
カードをシャッフルし、誰が出し
たのか分からない状態で開きます
ので、各プレイヤは自分の出した
カード以外で最も良い組み合わせ
になっていると思う下の句を一つ
選びます。
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３．ゲーム
④ 選ばれた人の数が、そのカードを
出したプレイヤの得点になります。
⑤ 各プレイヤに下の句カードを一枚
ずつ補充して、②から繰り返し。
⑥ 時間が来たらゲーム終了です。最
も得点の多かったプレイヤが勝ち
です。
80

３．ゲーム
なお、このゲームは、2014年7月19日
に開催された大阪短歌チョップという
イベントで行われたもので、「Dix it」
というゲームを元に、歌人の牛隆祐さ
んが制作されました。
Dix it(ディクシット)：
https://hobbyjapan.co.jp/dixit/
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３．ゲーム
【留意点】
• あくまで「ゲーム」「遊び」である
ことを忘れないこと！楽しみましょ
う！
• なるべく褒めてみましょう。
• 「どこが面白いと思うか」を周りの
人にプレゼンテーションするつもり
で、話してみてください。
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３．ゲーム
【留意点】
• 投票しない歌についてもご意見を伺うこ
とがあります。
• 「分からない」ことを恐れる必要はあり
ません。ただ＜なぜ分からないか＞を考
えて、ことばにしてみましょう。
（ただ、分からない歌に投票するのは
ちょっと危険です…）
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３．ゲーム
【留意点】
ゲームをやっていないグループの方は、ゲーム
の様子を見ていてください。そして、周りで見
ている間は
• 「自分だったらどういう組み合わせにするだ
ろう？」と考えてみてください。無言で。
• 「自分だったらどうやって良さを伝えるだろ
う？」と考えてみてください。無言で。
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３．ゲーム
3グループに分けて、15分ずつ実施し
たいと思います。2回目のグループ交
代のタイミングで15分程度の休憩時間
を取ります。
では、やってみましょう！
85

３．ゲーム
（当初の定員を上回る参加者の方がい
らっしゃったため、1グループ8～10名
×3グループに分けて実施しました。）
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３．ゲーム
どうでしたか？
今回のカードに使用された、もともと
の短歌については、後ほど資料を配布
いたします。
87

４．みなさんの好きな短歌
（フレーズ）と、その面白さの検討
今から、みなさんに挙げていただいた和
歌・短歌を、好きな理由と共に、時間の限
り、紹介します。
１首につき、みなさまのなかから2～3名の
方にご意見を伺いますので、心構えをして
おいてくださいね……？
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（事前課題として、「みなさんの好きな短
歌（短歌が分からない場合は、何かのフ
レーズ）を教えてください」という課題を
出していました。）
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ご意見をお聞かせくださる際、以下の点に気を
つけてみてください。
1. 一番最初にあたった方は
① その歌を音読してください。
② 「その和歌・短歌の（分かる範囲の、最低
限度の）字義的な解釈」を述べてください。
そのあとにご意見を伺う方の、議論の土台
になります。（だいたい1分くらい）
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③ 余裕があれば、文法上の、単語の＜かか
り具合＞について説明してください。
④ さらに余裕があれば、韻律上の特徴（＝
音のつらなりや、字余り・字足らずと
いったリズム）について説明してくださ
い。
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2. 二番目以降にあたった方は、最初にあ
たった方の意見を受け継いだり、あるい
は反論したりしながら、その歌について
解釈してみてください。
3. 歌の解釈の基本は「どう読むと、歌の魅
力が引き出せるか」です。それを心がけ
てみてください。
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4. もし「分からない」場合には、何が分か
らないかを考えて発言してみてください。
なぜ意味が取れないのか。なぜ文構造が
わからないのか。（意味が取れる歌につ
いて、「なぜ作者が歌にしようとしたの
か分からない」場合は……ひとまず考え
ないでよいです。だってその人には何か
理由があったんでしょう。）
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では、見ていきましょう。
（予定では、各参加者同士で、歌の感想を
述べ合ってもらおうと思っていましたが、
当日は時間が足りず、中島から口頭で触れ
たのみとなりました。）
（今回は、歌とコメントのページを削除し
ています。ご容赦ください。）
94

質疑応答
では、ご質問を承ります。
先に一つ。課題を集めた際にお伺いしたご
意見です。
「俳句・川柳講座を開催して下さい。」
→だそうです。（大阪大学のみなさま）
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おしまい
アンケートへのご協力、よろしくお願
いいたします。
本日はありがとうございました。
来週もよろしくお願いいたします。
96

中島裕介「最強のリベラルアーツとしての短歌Ⅱ」（於・大阪大学）1日目　2015年11月27日

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