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人工知能が拓く
オンラインゲームの可能性
三宅 陽一郎
2007.2
AOGC 2007 講演
人工知能が拓く
オンラインゲームの可能性
三宅 陽一郎
AOGC 2007 講演
(注) PPT配布資料と、本講演のPPTは少々違いがございます。
配布資料の方が詳細な説明になっていますので御了承下さい。
クロムハウンズ 人工知能技術デモ
m07_001_01_ComvsCom.avi
クロムハウンズAI技術デモ
m07_001_02_ComvsCom.avi
クロムハウンズAI技術デモ
m07_001_03_ComvsCom.avi
クロムハウンズAI技術デモ
技術デモ
COM 12体(6vs.6)の対戦
エージェント
マルチエージェント リアルタイムパス検索
チームAI ナビゲーションメッシュ
ゴール指向プランニング
自律型エージェントによって戦場を構成
今日の講演のテーマ
人工知能技術はゲームコンテンツの可能性を拓き
実装したゲームの価値を高める
この具体的な説明を本講演を通じて行います。
本講演の構成
第1部
人工知能技術とは (10分)
第2部
クロムハウンズにおける人工知能技術(25分)
質疑応答(5分)
第3部
人工知能技術をゲーム開発へ活かすために(15分)
質疑応答(5分)
知能とは?
環境内部状態
(身体、精神)
知性
(意識)
内部状態を持つ生命が環境の変化に適応するために持った機能
記憶 学習 思考
人工知能技術とは?
環境
内部状態
(身体、精神)
知性(意識)
生命が持つ知性の様々な機能を抽出し発展したもの
自然言語処理
知識表現
推論
ニューラルネットワーク
プランニング
人工知能学会ホームページより http://www.nistep.go.jp/achiev/ftx/jpn/stfc/stt038j/0405_03_feature_articles/200405_fa03/200405_fa03.html
人工知能の研究の歴史(若い!発展
中)
この50年で発展して来た人工知能技術たち
(1) エージェント
(2) ニューラルネットワーク
(3) Rule-Base A.I.
(4) ベイジアンネットワーク
(5) 自己組織化マップ
(6) 遺伝的アルゴリズム
(7) 遺伝的プログラミング
アカデミックに学問として蓄積されて来た
人工知能技術には、たくさんの技術がある。
(8) Finite State Machine
(9) Automaton
(10) Subsumption Architecture
(11) Competitive evolution
(12) A* Path Finding
….
(赤色…よく応用 青色…少しだけど応用)
どれぐらいゲームに応用されているの? 一部だけ
何故、今まで応用されて来なかったか?
(1) 特にグラフィック偏重でゲームが発展して来た。
(2) メモリ容量や計算時間が必要なものが多い。
(3) 一般的な基礎がなく、逆に、
基礎を探求して行く学問である。
それぞれの分野で断片的である(入りやすいが奥が深い)
(4)数学、哲学、科学の上に組み上げられている分野が
多く、応用の仕方が難しく見えにくい。
数学 … 偏微分方程式、多変数ダイナミクス
科学 … 進化論
哲学 …. 現象学
CG (四次元の数学)
Hardwareの
発展
理論の蓄積
実用例の
蓄積
学問としてのAIの発展
演算能力の向上
シミュレーション能力
容量(メモリ)の拡大
Killzone
Quake, F.E.A.R.
ゲームAIに関する多数の論文
AIに関する多数の成果と論文
無理なく
AIのテクノロジーを実現
できる環境が整備された
何故、これからは応用が可能か?
次世代ゲームの第3の軸としてAI
これからのゲーム
これまでのゲーム
Hardware(容量、演算能力)
Network
AI
FC SFC SS, PS PS2,GC,Xbox Xbox360, PS3, Wii
DC (次世代)
TV game
3D
Network
AI
成長期
成熟期
インパクト
Hardware
技術の歴史的な流れから見て、人工知能技術のゲームへの応用は、
次世代で成長し、次々世代で成熟するだろう。
人工知能技術の導入の適切なタイミングはいつか?
時間軸20051999
オンライン
x
人工知能
= ?
本講演の構成
第1部
人工知能技術とは (15分)
質疑応答(5分)
第2部
クロムハウンズにおける人工知能技術(20分)
質疑応答(5分)
第3部
人工知能技術をゲーム開発へ活かすために(15分)
質疑応答(5分)
第2部 クロムハウンズにおける
人工知能技術
I. クロムハウンズ紹介
紹介ムービーをご覧ください
Openning_Movie.avi
クロムハウンズ
発売元 : セガ
デザイン : フロムネットワークス
開発元 : フロムソフトウエア
(C) SEGA Corporation / FromNetworks, Inc. / FromSoftware, Inc. , 2006
2006年6月、世界7カ国で、同時発売
クロムハウンズはどんなゲームか?
(1) オンライン
(2) アクション
(3) 勝利条件
(4) スカッドと呼ばれるチームをベース
(5) 80を超える複雑なマップ
(6) コミュニケーションのシステム
(7) 戦略の重要性
Multiplayer Online Battles on Xbox 360
詳細
CH-I
基本設定:
(1) オンライン
CH-I
オンラインでチーム同士で戦う
基本設定
(2) アクション
基本はメカ対メカのアクションゲーム
基本設定
(3) 勝利条件
15分以内に、敵全員を殲滅するか、敵本拠地を破壊!
時間切れの場合は、コムバス占拠数がより多い側が勝者!
基本設定
(4) スカッドと呼ばれるチームをベース
最大6人のプレイヤーがスカッドとなって、
一度に同じ戦場に出ることができる。
CH-I
基本設定
(5) 80を超える複雑なマップ
市街、山岳、さばく、河、湖、海など、
多岐に渡る80以上 のマップ
ハウンズは20mのスケール、マップは4km四方
CH-I
基本設定
コムバス(通信塔)を占拠してネットワーク領域を作り、
初めてチームメンバーと通信可能!
コンバスをどう取るか、
敵、味方の情報をどう伝えるか、の情報戦だ!
(6) コミュニケーションのシステム
CH-I
基本設定
(7) 戦略が大切
各プレイヤーは、広大なマップを15分間、
敵を予測して、戦略を立てなければならない。
接近戦だけで、勝敗はつかない
CH-I
基本設定
COMへの要求
オンライン上で対戦チームが見つからないときに、
人間の代わりに、プレイヤーチームと戦う
COM のチームを作る
(1) ユーザーに対して常に対戦相手を提供する
(2) 途中から参戦したユーザーに対する練習相手となって、
腕前の差を埋める。
クロムハウンズにおける人工知能技術
クロムハウンズ
自律型エージェント
ゲーム ゲームAI
エージェント
環境に対して情報を集める感覚(センサー)を持ち、
また、環境に対して働きかけることができる能力を持つ。
体(オブジェクト)を持ち 感覚を持ち 世界に働きかける
能力を持つ
生物の知性を模した人工知能のフレーム
サッカーエージェント
フィールドの情報を集める能力があり、
かつ、サッカープレイヤーとして参加する。
⇒ ロボカップ
ネットワークエージェント
ネットワーク上で、情報を検索し、データベースに情報を収集する。
⇒ ロボット、ウイルス
お掃除エージェント … 部屋の情報を確認して、塵を集める
⇒ お掃除ロボット
世の中にあるエージェントの具体例
「エージェント」がゲームに提供する機能
(1) COMをエージェントとすることで、ゲー
ム内で自律的(自分で情報を取得、判断、
行動)に行動する。
(2) 本来、ユーザーのキャラクターの役割
の代理をさせることができる。
人の知性を模したAI = COMと相性がよい
クロムハウンズにおけるエージェント
A A
A
P
P
P
P
A
プレイヤーチームの人数(1~6人)に合わせて
AIチームを編成して対戦を行う。
II. クロムハウンズのCOMを作る
アイデアから実際の製作、デバッグまでを追体験しよう
COMは15分間の間、戦略、戦術、情報戦においてプレイヤーと
同等に渡り合わねばならない。
より詳細なクロムハウンズAIへの要求の考察
• プレイヤーと同じ条件(チームメンバー数、平等
な情報)のもとで、同等に渡り合える能力。
自律的に思考し、自分で移動する
「自律型エージェント」(autonomous agent)
を作ろう。
CH-I
クロムハウンズで
自律的エージェントを実現することを考える
(1)考える - どんな技術が必要だろう ?
(2) 歩く - どんな技術が必要だろう ?
自分で判断して、自分で行動して、
プレイヤーと戦う
COMの思考
COMは、どういうふうに考えれ
ば、うまく行動できるだろうか?
本拠地から出発
最も近くの通信塔へ行って占拠
敵本拠地へ前進する。
敵と戦闘
人間同士の戦闘がどうなっているかパターンを集めてみよう
例 1
COMは、どういうふうに考えれ
ば、うまく行動できるだろうか?
本拠地から出発
敵の本物の本拠地がどれである
かを偵察
本拠地発見
味方本拠地へ戻る
実際の戦闘がどうなっているかパターンを集めてみよう
例 3
わかったこと その(1)
ハウンズは、計画を立てて行動しなければいけない。
ハウンズが長期的に計画を立てて
行動できるように思考を作ろう。
(プランニングの技術が必要だ)
COMは、どういうふうに考えれ
ば、うまく行動できるだろうか?
本拠地から出発
本拠地に近い通信塔を取る
2番目に近い通信塔を取る
敵本拠地を占拠する
目標を一つずつ達成している!
実際の戦闘がどうなっているかパターンを集めてみよう
例
わかったこと その(3)
ハウンズは、一つ一つゴールを達成している。
ハウンズは、幾つかのゴールを順番に達成する
プランを立てて行動する。
ゴール指向型プランニング
ゴール指向型プランニングとは?
一つのゴールはより小さなゴールから組み立てられる
Goal
Goal Goal Goal
ゴールはより小さなゴールから組み立てられる
Goal
Goal Goal Goal
Goal
Goal
Goal Goal Goal
映画を見たい
映画館に行く
映画を見る
映画館は新宿だ
映画館まで歩く
新宿駅に行く
晴れなら 新宿駅へ歩く
雨なら 電車で新宿へ
駅まで歩く
電車に乗る
ゴール指向型プランニングの考え方
クロムハウンズにおける
ゴール指向型プランニング
パスに沿って
移動する
通信塔を
見つける
パスを見つける通信塔
へ行く
通信塔
を占拠
通信塔を
占領する
撃つ
歩く
止まる
通信塔の
周囲に
10秒間いる
戦術、振る舞い 操作 ハウンズ
Conquer_Combas_TeamAI.avi
ゴール指向型プランニング
ゴール
環境
本拠地を
守れ
敵をたおせ
味方を援護
複数のゴール × プランニング
多数の目的 目的に対する多様な行動
プランニング
プランニング
プランニング
= ゲーム状況から、為すべきことを判断し、
最も適切な方法でそれを達成するCOM
最終的なゴール総合図
歩く 撃つ 止まる
2点間を
移動
歩く、一度
止まる、歩く
攻撃
する
パスを
たどる
敵を叩く 味方を
守る
操作層
振る舞い層
戦術層
戦略層
通信塔
占拠
静止
する
ある地点へ
行く
本拠地
防衛
敵本拠地
破壊
味方を
助ける
巡回
する
敵基地
偵察
近付く
合流
する
巡回
する
逃げる
後退
する
前進
する
敵側面
へ移動
全て再利用可能
ここを作り変えるだけで
同じ舞台の上で全く別のAIが作成できる
MOD
ゴール指向型プランニング製作スケジュール
全体設計 → エージェント → チーム
エージェントシステム → チームシステム
テスト ⇔ 必要なゴール抽出、実装
ひたすらチーム対戦
2005/10
2006/1
2006/1
2006/3
2006/5
基本設計
基礎システム
ゴール漸近的増産
2006/3
2006/4
2006/4
デバッグ
研究者(1,三宅)
AIプログラマー(1)
企画(1)
デバッガーさん(6)、開発者(多数)
ゴール指向型プランニングのまとめ①
リアルタイム ゴール指向型プランニングとは?
(1) 「ゴール」と呼ばれる目標を、戦略に沿って順番に
組み上げることをプランニングという。
(2) 周囲の状況の変化に応じてプランニングをすることを
リアルタイムプランニングという。
何が可能になったか?
(1) 長い時間に渡る一連の動作の制御
(2) 短い時間における状況の変化に適応
ゴール指向型プランニングのまとめ②
単純反射型AI
ゲーム状況 行動
ゴール指向型プランニングAI
行動1 ゴール行動2 行動3 ゲーム状況
長い時間に渡って計画的に行動できる
これまでのAIとの比較
最近のゲームAIにおけるゴール指向型プランニング
F.E.A.R を始めとする 欧米のFPS、シミュレーションゲームで
主流になりつつある技術
GDC2005、Game Programming Gems 2, Web上で多数の論文あり
ゴール指向型プランニングのまとめ③
F.E.A.R 画像
ゴール指向プランニングで
いろいろなゲームを考えよう
ゴール指向型プランニングのまとめ④
組み合わさって初めて意味を持つ行動の例
• チーム?
歩く 撃つ 止まる
衛 戦う
本陣を防御敵基地Aを攻撃
敵を叩く味方を維持
物資を購入
補給部隊
チームAIへの応用
司令官
大隊
中隊
兵士
EntityEntity
Team
Entity
Group
Group
Group
① 軍隊のモデル
② チーム内の連携による攻撃
リーダー(待機)
通信塔
AI AI
通信塔
通信塔を占拠 通信塔を占拠中央で待機して
危険な方を援護
味方基地
L地点を
制圧
AI AI
通信塔
通信塔
味方基地
通信塔を占拠
A地点へ向かえ
通信塔を占拠
A地点へ向かえ
中央で待機して
危険な方を援護
A地点へ向かえ
② チーム内の連携による攻撃
A
L地点を
制圧
リーダー(待機)
AI AI
リーダー(待機)
AI
AI
通信塔を占拠
必要があれば見方援護
A地点へ向かえ
中央で待機して
危険な方を援護
A地点へ向かえ
通信塔を占拠
A地点へ向かえ
通信塔を占拠
必要があれば近くの
見方援護
A地点へ向かえ
中央で待機して
危険な方を援護
A地点へ向かえ
通信塔を占拠
必要があれば近くの
見方援護
A地点へ向かえ
L地点を
制圧
M地点を
制圧
L地点 M地点
平原を制圧② チーム内の連携
による攻撃
リーダー(待機)
コンバス
コンバス
AI AI
リーダー(待機)
コンバス
コンバス
AI
A
② チーム内の連携による攻撃
③ RPGにおける詠唱順序
火属性の
魔法ダメージ
アップ
魔法反射の
効果無効 ファイラ!
ダメージ
を与える
実は、魔法を計画して唱えることができれば
より面白いRPGが作れる
Image: http://www.anne-box.com
④ 街を舞台にしたオンラインゲーム
設定:それぞれがこの街でミッションを持っている
街の機能を停止
ある製品を今夜中に
回収
人を集めて
コンサートを成功させる
ある犯罪組織を摘発
COM
街の機能を停止
賄賂を渡す 話す 歩く
爆弾を手に入れる 爆破する
ダムを決壊発電所を爆破
人を巻き込む
要人暗殺
移動する
待機
戦術
戦略
行動
30分の間
目的を遂行するための行動を
プランニングAIで実現
⑤ 戦術シミュレーション
A
B
I
C
D
Aに勝つ
①Aの戦力を
自分以下にする
AとBを
戦わせる
Cとの
友好度を
上げる
Dとの
友好度
を上げる
②背後が
安全である
クロムハウンズで
自律的エージェントを実現することを考える
(1) 考える - リアルタイムのゴール指向型プランニング
(2) 歩く - どんな技術が必要だろう ?
自分で判断して、自分で行動して、
プレイヤーと戦え
COMを歩かす
自律型エージェントに必要な移動能力
フィールドを自由に歩き回ることが出来る
フィールドの、どんな2点の間も、
自分でパスを見つけて移動することができる
リアルタイムパス検索
マップをパス検索することが出来る
データの形にしておく必要がある
知識表現とは?
世界
物
事象
AIのための
知識表現
(データ)
!
人間が準備してあげる
世界表現とは?
AIのための
データ
AIの属する世界の大局的な情報の知識表現
ポリゴンのモデルが
どうしたの?
!
世界表現の例 パス検索データ
地形データ
ポリゴンのモデルが
どうしたの?
検索すれば道がみつかる
ウエイポイントデータ
世界表現の例
パス検索データ+ウエイポイントの明るさ
地形データ
ポリゴンのモデルが
どうしたの?
明るい道がみつかる
ウエイポイントデータ
ウエイポイントの明るさ
世界表現の例 パス検索データ+ウエイポイントの明るさ
+ 東側に対して視線が通らない(見通しが悪い)
地形データ
ポリゴンのモデルが
どうしたの?
敵が東側から来るので、
東側から見えにくくて暗い道を通ろ
う
ウエイポイントデータ
ウエイポイントの明るさ
東側から見えやすいかどうか(+、ー)
+
-
+ -
+
+
-
世界表現を精緻にすればするほど、
AIができることは増え、また高度になる
さまざまな世界表現
ゲーム世界をAIの目的に応じて適切に表現してあげる必要がある。
(知識表現(knowledge representation)、世界表現(World representation))
Killzone Chrome Hounds
地表状態
トポロジー情報
Halo2
戦術的位置8方向に対する可視距離
Navigation Mesh 法とは?
マップを凸多角形で埋めてキャラクターを移動させる方法
B
手順
(1) マップを障害物を含まない三角形に分割する(データを用意する)
(2) その三角形の情報から、パスを検索する(ゲーム内リアルタイム)。
(3) 検索したパスに従って移動する(ゲーム内リアルタイム) 。
情報が埋め込まれたナビゲーションメッシュ
(1) 水や砂地は、ハウンズのスピードを減速させるので、
メッシュに表面の性質を埋め込んでおく
最短時間の経路を導く
ハウンズが地表効果を考慮して移動する
(2) 障害物が破壊されたら、メッシュのデータを更新する
ハウンズが状況の変化に対応して移動する
Debug_Path02.avi
NavMesh.avi
ナビゲーションメッシュ製作スケジュール
基本データ構造->必要な情報の埋め込み設計
基本システム
パスチェック数千回
2005/10
2006/1
2006/3
2007/5
基本設計
基礎システム
2007/3
2007/3
デバッグ
研究者(1,三宅)、メインプログラマー
AIプログラマー(1)
デバッガーさん(6)、開発者(多数)
クロムハウンズにおける
リアルタイムパス検索 のまとめ①
ナビゲーションメッシュ法とは?
(1) 地形を三角形に分けてパスを検索して移動する方法
(2) ハウンズが床から離れない場合に有効
何が可能になったか?
(1) フィールド内の完全に自由な移動
(2) 地表の効果や、オブジェクトの破壊など、
環境の変化を考慮に入れて賢く行動する。
(3) (1)(2)を全てのマップの形状に対応。
リアルタイムパス検索のまとめ②
固定パス(エリア)のAI リアルタイムパス検索のAI
いつでも自由に好きな場所へ移動できる
これまでのAIとの比較
デバッグ可能 デバッグは工夫する必要あり
最近のゲームAIにおけるナビゲーションメッシュ
ウエイポイントと並んで、世界表現における主要技術の一つ
リアルタイムパス検索のまとめ③
リアルタイムパス検索自体は既に基本となりつつある
カウンターストライクではユーザーが作成可能なツールがある
ウエイポイント ナビゲーションメッシュ
カウンター
ストライク
パス検索
デモムービー
ゴール指向プランニング
×
リアルタイムパス検索
でどんなゲームが作れるようになるだろうか?
① プレイヤーが妨害してルートが一つでも
存在する限り目的地にたどりつける
P
② プレイヤーに妨害されつつ
任務を遂行する
P
レーザー砲起動装置
レーザー砲
起動装置
オン
レーザー砲
発射
プレイヤー
撃破
③ プレイヤーに妨害されつつ任務を遂行する
P
レーザー砲起動装置
レーザー砲
砲台へ
行く
レーザー砲
発射
プレイヤー
撃破
起動装置
オン
クロムハウンズで
自律的エージェントを実現する
(1) 考える - リアルタイムのゴール指向型プランニング
(2) 歩く - リアルタイムのナビゲーションメッシュ上の
A* アルゴリズムによるパス検索
自分で判断して、自分で行動して、
プレイヤーを倒す
自律型エージェントの実現
リアルタイム ゴール指向型プランニング
×
リアルタイム パス検索
×
自律型エージェント 完成
意思決定機構
COM の意志決定
COMの意思決定過程
本拠地
占拠
敵を叩け
通信塔
占拠
本拠地
防衛
味方機を
助けよ
周囲の状況を反映して意思決定する
評価関数法
意志決定機
構
選択戦略
プランニング
どれぐらい状況に適しているか、点数をつけて比較する方法
エージェントが意思決定をする仕組み
その戦略を達成することで得られる 見返り(S; 重要度) と、
それを達成するための リスク(R; 危険度) の兼ね合い
実行評価値(E) = S * ( 1 –R )
S(73) R(57)
S(11) R(8)
S(89) R(64)
S(24) R(4)
S(33) R(80)
S(33) R(43)
S(33) R(2)
本拠地
破壊
通信塔
占拠
1 E = 24
2 E =12
3 E =6
C E = 20
D E = 32
F E = 3
J E = 21
通信塔の「重要度 S」
3つのファクターから決まる。
(1) 味方司令部との関係 (通信塔- 敵司令部 )
(2) 敵司令部との関係 (通信塔- 味方司令部)
(3) 通信塔同士の関係 (通信塔- Combus )
S = W_1 * 味方司令部との距離による関数 +
W_2 * 敵司令部との距離による関数 +
W_3 * 隣の通信塔の占拠状態からなる関数
W … 重み
S = W_EBase * ( Σ F( L_EBase, L_MapScale ) * Est_Base_NonConstFactor
+ W_SBase * F( L_SBase, L_MapScale )
+ W_InComNet * Est_InComNet
W_EBase + W_SBase + W_InComNet = 1
Est_InComNet = W_static * Est_Static_Combus + W_dynamic * Est_Dynamic_Combus
Est_Static_Combus = (Connectable_Number - Connected_Number) /Max_Connectable_Number
Est_Dynamic_Combus = Connected_Number/Max_Connectable_Number
W_static + W_dynamic = 1
…
通信塔の「重要度 S」
3つのファクターから決まる。
(1) 味方司令部との関係 (通信塔- 敵司令部 )
(2) 敵司令部との関係 (通信塔- 味方司令部)
(3) 通信塔同士の関係 (通信塔- Combus )
S = W_1 * 味方司令部との距離による関数 +
W_2 * 敵司令部との距離による関数 +
W_3 * 隣の通信塔の占拠状態からなる関数
W … 重み
通信塔の「危険度 R」
3つのファクターによる。
(1) 敵ハウンズが通信塔からどれぐらいの距離にいるか。
(2) ザコ敵がどれぐらいの距離にいるか。
(3) 味方ハウンズが通信塔からどれぐらいの距離にいる
R = W_1 * 敵ハウンズの通信塔との距離による関数
+ W_2 * ザコ敵と通信塔の距離による関数
+ W_3 * 味方ハウンズ通信塔との距離の関数
W … 重み
パラメーター と関数の形を調整する
意志決定の形やハウンズの個性が決定
テストをくり返しながら
計 100 近くのパラメーターを調整
戦略の流れ
戦場の俯瞰図。緑色がCOM、赤がプレイヤー。
2人のエージェントが、
通信塔Bを取りに向
かい、残りの一体は
Dへ向かう。
通信塔Bを占拠した
後、 残りの1体を援
護するため、 Dへ向
かう。
プレイヤーを攻撃し
て、破壊した。
通信塔
占拠
味方機を
助ける
Strategy of COM1 Strategy of COM1
COM1
敵を叩け
Strategy of COM1
CH-II
自律型エージェントの実現
リアルタイム ゴール指向型プランニング
×
リアルタイム パス検索
×
自律型エージェント 完成
意思決定機構
複数のプレイヤーに同時に
対応しなければならない
人間のチームのように、
互いの連携と取ってチームとして行動させたい
チームAIを導入する
オンラインゲーム特有の問題
チーム全体を統制
マルチエージェント
各エージェント間の協力
常に複数の視線、複数のターゲットにさらされている
マルチエージェント
各エージェント間の協力
マルチエージェント技術とは
エージェント同士が依存、協調し
システム全体として問題を解決する技術
エージェントを連携させて、ユーザーチームと対戦させ、
エージェント全体として賢明な行動を取らせることができる
オンラインゲームにおける歯ごたえのある
チーム戦いを実現することができる。
クロムハウンズにおけるマルチエージェント技術
A
A
A
P
P
P
A
P
エージェント同士が協調して
ユーザーチームに対抗する
クロムハウンズにおけるマルチエージェント技術
① 護衛 一体のエージェントが他のエージェントと移動を共にする。
A1
A2
「護衛する」というゴールを用意する
護衛される対象は戦力が少ないか、
移動速度が遅いハウンドが選ばれやすい
クロムハウンズにおけるマルチエージェント技術
② 救援 一体のエージェントが窮地にある他のエージェントの戦場に
駆けつける。
A1
A2
「救援する」というゴールを用意する
護衛される対象は体力の残りが少ない
ハウンズ
囮に使われる可能性があるので、
あまりに遠かったり、あまりに
体力が少ない場合は、救援に行かない
P
P
P
P
プレイヤーたちの戦力 > 1.4 x エージェントたちの戦力
AP
プレイヤーたちの戦力 < 1.4 x エージェントたちの戦力
本拠地へ
退却
戦闘!
クロムハウンズにおけるマルチエージェント技術
③ 群制御 エージェントが周りの敵と味方の戦力を計算して
戦うべきか、逃げるべきかを判断する。
P
P
A A
AP
P
P
A A
AA
A
P
P P
A
戦力比が大きい無駄な戦闘を回避し、常に相手を上回る
戦力を増築してプレイヤーに対抗する
デバッグの過程で追加
クロムハウンズにおけるマルチエージェント技術
④ 集中砲火 複数のエージェントが複数の敵ターゲットに対し
ターゲットを統一する
その場で戦力が最も低い敵を集中的に攻撃し
ダメージの分散を防ぐ
A A
A
P
P
P
戦闘!
その場で戦力が最も低い敵を集中的に攻撃する
デバッグの過程で追加
ゲームにおけるマルチエージェントの注意点
(1) プレイヤーが逆利用して、エージェントたちを誘
導する可能性がある。
(2) 間違ったアルゴリズムを組むと、マップ状で団子
状態になってうまく展開しない。
テストをくり返す。
ノウハウの蓄積する(論文多数)
ユーザーチーム全体に対するゲーム性を提供することができる
(単なるザコ敵の集合ではない)
チームAI を作る
チーム全体を統制
例えば、チームとして
こういうことをさせたい
一機だけの戦闘で戦局が
変わることはない。
敵をやっつける時は、なるべく
多 vs 1 になるようにする
実際の戦闘がどうなっているかパターンを集めてみよう
戦力を集中させたい
例えば、チームとして
こういうことをさせたい
勝負が決まり始める後半では、
勝つための方針がばらばらに
ならないようにしたい
ゲーム後半では、チームAIが
方針を決定する
実際の戦闘がどうなっているかパターンを集めてみよう
ゲーム後半では、方針を統一
例えば、チームとして
こういうことをさせたい
敵基地を落とすのは、
火力が必要
1体で行っても、火力が足りない上に
敵が防衛している
本拠地は多数の機体で攻めたい
実際の戦闘がどうなっているかパターンを集めてみよう
勝負をかけるタイミングを
あわせたい
チームAIの構造
チームAI 意志決定機構
チームとしての戦略
(=勝利条件と同じ)
4つの戦略を持ち、ゲーム全体の状況を反映する
評価関数によって、一つの戦略を決定する。
(評価関数による意思決定 = 個体の意志決定と同じ方法)
敵殲滅
本拠地
防衛
敵本拠
地破壊
通信塔
占拠数
で勝つ
敵本拠
地破壊
チームAIの構造
チームAI 意志決定機構
4つの戦略を持ち、評価関数によって、一つの戦略を決定する。
(評価関数による意思決定 = 個体の意志決定と同じ方法)
本拠地
破壊
本拠地
破壊
本拠地
破壊
一つのチーム戦略は、
各機体への命令からなる
敵殲滅
本拠地
防衛
敵本拠
地破壊
通信塔
占拠数
で勝つ
敵本拠
地破壊
チームAIの構造 = ゴール指向型の拡張
チームAI 意志決定機構
敵殲滅
本拠地
防衛
敵本拠
地破壊
通信塔
占拠数
で勝つ
本拠地
破壊
本拠地
破壊敵本拠
地破壊
本拠地
破壊
一つのチーム戦略は、
各機体への命令からなるCOM 1 COM 2 COM 3
本拠地
破壊
本拠地
破壊
本拠地
破壊
プランニング
COMのゴール指向プランニングの上に、チームAIを積み上げる
チームAIのデモをご覧ください
Protect_CB_TeamAI.avi
チームAIまとめ①
この方法の利点と欠点
(1) グローバルな情報を基にした行動
プレイヤーに「AIがチームとして行動している」ことを感じさせる
(2) 前半、中盤、後半、ゲームの流れに沿ったチームの行
動を実現
プレイヤーにAIは流れを読んでいると思わせる
チームAI、マルチエージェントまとめ②
協調のないAI 協調するAI
オンラインゲームでこそ実現する価値のある
マルチエージェント、チームAI
これまでのAIとの比較
各個撃破(オフラインと同じ) オンラインならではの体験
P
P
P
P
P
P
最近のゲームAIにおけるマルチエージェント、チームAI
オンラインゲームでこそ威力を発揮する技術だが、
同期の問題などがあり、オフラインゲームへの応用が多い
これからの応用が期待される
チームAI 、マルチエージェントまとめ③
オフラインゲームでは多いが、オンラインでは少ない
Find!
マルチエージェントでゲームを
考えてみよう
① エージェントたちが物を作って目的を達成する
林檎
食べたい
① エージェントたちが物を作って目的を達成する
山から岩を
切り出す
岩を
組み上げる
岩を運ぶ
林檎
食べたい
① エージェントたちが物を作って目的を達成する
林檎を
手に入れ
た!
② 連携プレー
③ RPG 戦闘
Image: http://www.anne-box.com
③ RPG 戦闘
火属性の
魔法ダメージ
アップ
魔法反射の
効果無効 ファイラ!
ダメージ
を与える
氷属性の
魔法ダメージ
アップ
アイス! ファイラ!
ダメージ
を与える
アイス! ファイラ! ヒール!
ダメージ
を与える
協調しながらプランニング
プランニング
協調
Image: http://www.anne-box.com
第2部まとめ
第2部まとめ
(1) ゲームには人工知能技術を応用するチャンス
があり、それがゲームのクオリティーを上げる。
(2) オンラインゲームには、さらに人工知能技術を
応用する高い要求のチャンスがあり、ゲーム
のクオリティーを上げる。
本講演の構成
第1部
人工知能技術とは (15分)
質疑応答(5分)
第2部
クロムハウンズにおける人工知能技術(20分)
質疑応答(5分)
第3部
人工知能技術をゲーム開発へ導入するために(15分)
質疑応答(5分)
第3部
人工知能技術をゲーム開発へ導入するために
人工知能技術の導入の仕方
(Step 1) 人工知能技術を調査、研究する。
(Step 2) ゲームの要求に対して、どのような技術が必要
であるかを見抜き、ゲーム設計の中に組み込む。
(Step 3) 製作ラインの中にワークフローを実現する。
(新しい技術には、新しいデバッグ方法)
特にこれを企画と技術の双方がコミュニケーションを取りながら
進めることが必要
人工知能導入の問題点と注意点
(1) 日本では開発の情報を公開することが少ない。
ゲームへの人工知能の応用の情報は、圧倒的に欧米が多い。
文献は英語で探す。海外の方が総合的に質と量が高い。
(2) 応用の仕方は、抽象的な思考を通して行う必要がある。
既存の具体例をそのままそのゲームへ応用できる例は多くない。
基本的(簡単)な知識からクリエイティブに発想しよう。
しかし今、日本のゲーム開発者にゲームAIの
情報が手に取りやすい状況にあるだろうか?
欧米と日本におけるゲームAIの開発の比較
欧米 日本
情報公開 論文、会議で発表 不明
文献 論文や書籍の膨大な蓄積 とても少ない
アカデミズムと
の関係
大学でゲームAIを研究。
大学から開発の現場へ参加。
希少
取り組むAIの
分野
FPSを中心とするキャラク
ターメインのゲーム
さまざまなゲーム
業界としての
取り組み
標準化への流れがある
(IGDA AIISC(人工知能インタフェース
標準化委員会) )
(AIのミドルウエア市場の形成)
標準化の流れに
参加する形
( IGDA JAPAN を通して
紹介がされている。CEDEC
でも RoundTableがある)
(例) Quakeを扱った修士論文は世界的に有名になった。
ゲームAIにおける日本のチャンス
(1) ゲームAIは、ゲームのコンテンツに対応して形成される。
(2) FPS、スポーツゲームだけでなく、いろいろな種類のゲーム
を作る日本には、いろいろな種類のAIを作れるチャンスが
ある。 技術的チャレンジ
(3) 日本は、ゲームAIの発展に欧米とは違う方向からも貢献
できるはずだ。
ゲーム ゲームAI
そのための情報発信、カンファレンスの場
開発者が一同に介して、
ゲームAIについて学び、討論する場
これからのゲーム開発におけるゲームAIの
可能性を知る
実際のゲーム開発へ活用する
よい循環をを形成する
日本におけるゲームAIのセミナー・カンファレンスの場
IGDA日本
ゲームAI連続セミナー
ゲームAI連続セミナー
「ゲームAIを読み解く」
主催 : 国際ゲーム開発者協会日本支部(IGDA日本)
後援 : 日本デジタルゲーム学会(DiGRA JAPAN)
協力 : 株式会社 フロム・ソフトウェア
セミナーの現在のプラン
12月
第1回
2月
第2回
CEDEC2007
まとめ
全6回(継続を目指す)
会場は大学、企業のホールなど
2ヶ月に1回実施
目標へ進みつつ、参加者の意図を汲みながら
徐々に改善して行く
IGDA日本 セミナー
告知 技術紹介 ディスカッション セミナーの内容を
まとめて公表
2006年9月
対象は、主に企画と技術者。
人工知能技術の情報を共有しゲームAIについて討論する。
第1回資料公開中
(IGDA日本 Site)
第1、2回討論内容編集中
これまでのセミナーの様子
講演 グループワーク 懇親会
No 期日 内容 場所 参加
人数
第1回 2006/12/16 「KillzoneにおけるNPCの動的な
制御方法」
東京大学
工学部新2号館
100
第2回 2007/2/10
「F.E.A.R におけるゴール指向型
アクションプランニング」
東京大学
工学部新2号館
100
第3回 4月予定
「クロムハウンズにおけるチームAI」
未定
-
第4~6回 未定 未定 未定
-
グループワークを行うので、毎回100名に限定しています。参加費は資料代のみ。
第2回は「ゴール指向型アクションプランニング」(Slash Games.)
http://www.rbbtoday.com/news/20070128/37987.html
ゲームAI連続セミナー「ゲームAIを読み解く」 第2回 レポート(CodeZine)
http://codezine.jp/a/article/aid/1003.aspx
ゲームAI
Halo2
HFSM
これからのセミナーの展開
Counter Stike
Navigation Mesh
Nero
Neural Networkなど
アルゴリズム
Killzone
世界表現
第1回
F.E.A.R
ゴール指向型プランニング
第2回
Chrome Hounds
オンラインにおけるAI
チームAI
第3回
エージェントが見せる
オンラインゲームの未来
エージェントが拓くプレイヤーとCOMの関係性
P
プレイヤーチームとプレイヤーチーム
P
P
P
P
P
P P
P
プレイヤーチームとCOMチーム
A
A
A
P
P P
A
A A
プレイヤ-チームとCOMチーム
A P
プレイヤーチームとCOMチーム
A
A
AA
A
A
P
オンラインゲーム
プレイヤー同士の関係
敵チームとしてのAI
仲間としてのAI
第3者としてのAI
オンラインゲーム世界でのAI同士の闘争。プェイヤーは
関与してもしなくてもよい。(例)種族間闘争
人工知能から見るオンラインゲームの未来
オンラインゲームの中に、オブジェクト、経済、政治、生物、知
性までが自律的に生成、動作、発展する世界が構築される。
オンラインゲームこそ、人工知能の最も深く豊かな応用の場である。
オンラインゲームの一つの方向
自律的世界
(例)
Gumonji
環境シミュレーター
(Community Engine)
Matrix
(Movie)
クロムハウンズ AI
技術デモ
映画 ゲーム
m07_001_01_ComvsCom.avi
クロムハウンズAI技術デモ
m07_001_02_ComvsCom.avi
クロムハウンズAI技術デモ
m07_001_03_ComvsCom.avi
クロムハウンズAI技術デモ
本講演のまとめ
(1) ゲームAIには、
ゲームの未来を切り拓く力がある。
(2) ゲームとゲームAIは、お互いがお互いを進化させる。
(3) オンラインゲームには、オフラインゲーム以上に、
人工知能を応用できる豊かな土壌がある。
(4) ゲーム業界全体で、AIの技術の応用に取り組むこと
で、ゲームの新しい時代を築くことが出来る。
オンライン
x
人工知能技術
= ?=人間と本物の人工知能が
出会う場所
質疑応答
これ以外に、意見や質問があれば、メイルへ
ご清聴ありがとうございました。
参考文献
参考文献① ゴール指向型AI
 論文 Orkin, J. (2006), 3 States & a Plan: The AI of
F.E.A.R., Game Developer's Conference Proceedings.
 参考文献(I) Mat Buckland, “Programming Game AI by
Example”, Chapter 9, WORDWARE publishing
(第9章とそのサンプルコードはゴール指向型プランニングの優れた解説です。
教科書をお探しの方は、ゲームAIについて最良の書の一つです。推薦します。)
 参考文献(II) Jeff Orkin’ HP
http://web.media.mit.edu/~jorkin/
(Jeff Orkin は、米におけるゲームAIにおけるゴール指向型プランニングの推進者
の一人。著者のサイトに豊富な情報があります。)
 参考文献(III) 星野 瑠美子,“F.E.A.R.のAI - 3つの状態と
ゴール指向プランニングシステム”
http://www.igda.jp/modules/xeblog/?action_xeblog_details=1&blog_id=62
(IGDA Japan サイト内、GDC2006講演の紹介)
参考文献② 世界表現
[1] William van der Sterren (2001),"Terrain Reasoning for 3D Action Games",
http://www.cgf-ai.com/docs/gdc2001_paper.pdf
[2] William van der Sterren (2001) ,"Terrain Reasoning for 3D Action
Games(GDC2001 PPT)", http://www.cgf-ai.com/docs/gdc2001_slides.pdf
[3] Remco Straatman, Arjen Beij, William van der Sterren (2005) ,"Killzone's
AI : Dynamic Procedural Combat Tactics", http://www.cgf-
ai.com/docs/straatman_remco_killzone_ai.pdf
[4] Arjen Beij, William van der Sterren (2005),"Killzone's AI : Dynamic
Procedural Combat Tactics (GDC2005)", http://www.cgf-
ai.com/docs/killzone_ai_gdc2005_slides.pdf
[5] Damian Isla (2005), "Dude, where’s my Warthog? From Pathfinding to General
Spatial Competence", http://www.aiide.org/aiide2005/talks/isla.ppt
[6] Chris Butcher,Jaime Griesemer (2002),"The Illusion of Intelligence The
Integration of AI and Level Design in Halo",
http://www.gamasutra.com/features/gdcarchive/2002/jaime_griesemer.ppt
[7] 三宅 陽一郎 (2006) , “クロムハウンズにおける人工知能開発から見るゲー
ムAIの展望, CEDEC2006 PPT
参考文献③ IGDA日本 ゲームAI連続セミ
ナー 関連ページ
(1) IGDA日本
http://www.igda.jp
(2) 第1回資料
http://www.igda.jp/modules/news/article.php?storyid=1050

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